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2006年4月22日 (土)

包丁一本

料理と包丁は切っても切り離せない。包丁がなかったなら料理は
作れない。
日本人は刃物を神聖視する。刀は武士の魂と侍は信じていた。
板前も自分の包丁を他人が使うのを好まない。
職業的に刃物を使う板前などの場合、自分の体型、手の大きさ、
握力その他により使いやすい刃物が決まってくる。
自然に自分の包丁というのが出来上がる。
精神的、宗教的に包丁に板前の心が宿るとは考えていないかも
しれない。包丁は板前の命とは考えているだろう。
「包丁一本、晒しにまいて・・・・」なんて言う歌を聴くと、板前が
いかに包丁を大切にしているかわかる。

和食は食べ物の切断面の美しさを大切にする。
角がきちんと出ている刺身の切断面を見ると「美味しそうだな」
と感じる。切断面がぐちゃぐちゃだったなら、「美味しそう」とは
感じないだろう。

タイ料理の場合、切断面の美しさが問題になるような料理はない。
少なくとも俺が知る料理の場合の話である。
タイ人に言わせれば「そんなことないよ」と言うかもしれない。
クンナムプラのように、海老を開いて供する料理もある。
王族がでるような場所でのタイ王宮料理を知らないから、タイ料理
の切断面の美しさを知らないのかもしれない。
野菜や果物を使った調理?フラワーカービングは切断面の美しさ
が問題になる。フラワーカービングは食べるものではなくて、
美しさを愛でるものだから、料理ではなくて芸術というべきだろう。

切断面を問題にしない料理なので包丁の切れ味など気にしない
ようだ。タイ人のまな板は中国人と同じく木を輪切りにした丸い形
をしている。包丁は日本の包丁と中国の包丁の中間くらいの
大きさだ。西洋の包丁と違い、先端が尖っていない。
長方形の鉄板に刃をつけた形だ。
タイ人は材料をまな板に乗せると、切れない包丁で力を入れて
押し切っている。日本人の包丁のようにスパスパとは切れない。
こんなに切れない包丁では大変だろうと思って見ていた。
彼らも包丁が切れないと、包丁を皿の糸底などにこすって研い
でいる。

誰も包丁を研ごうとしない。砥石がないか見たが、砥石がない。
ホームセンターで砥石を見つけて買って来た。
もしかするとタイ人は包丁の研ぎ方を知らないのかもしれない。
包丁の研ぎ方を伝授してやろうと、タイ人の前で包丁を研ぎだした。
包丁を砥いで驚いた。包丁には脂肪が固まってついている。
砥石に黒い脂肪がべっとりつく。全ての脂肪が取れるまで時間
がかかった。やっと金属部分を砥げるようになった。
それを見ていた近所の人がこれも砥いでくれと包丁を持ってきた。

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日本の板前の包丁はどれも白く光っている。錆びないように使用後
に板前は包丁を乾燥させる。タイ人は少量の洗剤で包丁を洗う
だけだ。包丁にこびりついた脂肪は落ちないから包丁に赤く錆びが
でることはない。タイ人の包丁は黒光りしている。

日本の包丁の手元は木だ。タイの包丁は刃と手元が鉄で作られ
ている。手元もステンレスでできた西洋風の包丁があった。
このデザインは面白いと思った。この西洋風包丁の発想はタイ人
の伝統的な包丁の形から思いついたことだ。

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ナイフの関連記事はここにあります。

ナイフ    
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包丁一本   

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2006/4/22

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