突然食いたくなる
冷蔵庫を開けて中のものを探っていた。ヌチャナートはまだ寝ている。
腹が減ったと言って起すのは可哀想だ。
「何を食おうかな?」
手をかけるのは嫌だ。タイラーメンがあるけどそれは食いたくない。
クラッカーがある。これを食おう。
クラッカーは乾燥食品なので口の中がパサパサするな。
なにか水分が欲しいな。
その時、アメリカ人などのスープの食べ方を思い出した。
俺は突然スープを食いたくなった。
そのスープは日本で言えば学生食堂か一膳飯屋のような安い食堂
で出されるものだ。スープには袋に入ったクラッカーがついてくる。
アメリカ人は袋をぐじゃっと潰す。クラッカーは粉々になる。
袋を開けて潰れたクラッカーをスープの浮身にする。
そんな安食堂の味を思い出して食べたくなった。
スープをちょこちょこと作った。
クラッカーを潰してスープにいれた。
「うん、そうだ。こんな味だ。」
研ぎ澄まされた洗練された味ではないが、腹ぺこの時はこんなもの
でも温かいスープはうまかった。なんだか懐かしい味だ。
二口、三口とスープを食べている内に、なんとなく物足りなさを感じ
出した。
「このスープの味は何かが抜けているな?なんだろう?」
そうだ、辛味がないのだ!唐辛子を加えたら旨いと感じた。
もう完全にヌチャナートの味付けに飼い慣らされている。
自分でも可笑しくなった。
2006/11/23
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