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2007年2月28日 (水)

嗜好と君が代

味の好みはかなり保守的だ。日本だって、関東と関西では味の
好みが違う。関西から関東に転勤になると、関東の味になかなか
馴染めないという人がいる。味の好みを変えるのは難しい。
飼い猫のサダムもイカは好むけど、他の魚は食べない。
猫も味に対しては保守的なのかな?

味見というのは旨さの追求以外に、この食べ物が体に毒でない
か、有害ではないか検査する意味がある。
人間を含めて動物には慣れ親しんだ味は安全な食べ物、
そうでないものは危険かもしれないと考えて、危険な食べ物を
排除する本能がある。サダムもイカは安全だが魚は毒と考えて
排除しているのかもしれない。

有害かもしれない新しい味に挑戦するのは味に対する好奇心が
強くないといけない。味の探検家、味の冒険家、味の探求者に
ならないと新しい味を知ることができない。
俺は美食家でもグルメでもない。味の研究者でもない。
単に好奇心が強いだけだ。好奇心であの味、この味を試している。
そうすると、感激するほど旨いものに出会うことがある。
旨い物に出会った喜びのために、あれこれと食っている。
結果的に味の探検家、冒険家、探求者と同じことをやっている
ことになる。

好みを変化させるのはかなり困難だということは経験的に分かっている。
いったん、染み込んだ好み、食習慣を変化させるのは難しい。
毎日、タイ料理を食べているからタイ料理の好み、食習慣が
身についていると思われるかもしれない。
自分でも分かっている食習慣の変化はどんな料理にも唐辛子
の辛味を求めるようになったことだ。
日本の料理からタイ料理ばかり食べる生活になったが、焼き魚
があると、ナンプラよりも醤油がほしくなる。
焼き魚には醤油という公式が知らないうちに出来上がっており、
無意識のうちにその公式からはずれないようになっている。
この例は味の好みがいかに保守的なのかをよく示している。

これは俺の仮説だが、思想と嗜好は関係があるような気がする。
君が代斉唱時に起立は不要と考える人がいる。
それが正しいか間違っているか、善悪の問題とは切り離して
考える。君が代斉唱時に起立しない人を非難しているのではない。
考え方の一例としてあげただけだ。
一つの思想に固執している人の嗜好は特定の食べ物、特定の味
に決まっているのではないだろうか?
味に対する自由度が低いのではないか?
新しい味を探求する好奇心が弱いのではないか?
これが俺の仮説だ。
思想と嗜好の関連を調べてみるのも面白い研究テーマになりそうだ。

吝嗇な人は塩っぱいものが好きだ。
不倫や浮気を繰り返す人は甘いものやワインを好む。
共産主義を信奉する人は焼酎を好むなんて結果がでたら面白い。

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2007/2/28

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日本の料理って

「俺は日本人だから、日本の料理でないと駄目だ」という人がいる。
日本の料理とはなんだ?寿司、刺身、おでん、芋のにっころがし、
沢庵・・・・・だな。
これは誰しもが認める日本の料理だ。

それじゃあ、すきやきは日本の料理だろうか?
外国には日本の代表的料理としてすきやきが紹介されている。
牛肉を使うすきやきは明治以降に日本で発達した料理だ。
俺はすきやきを日本の料理と呼ぶには少々抵抗がある。
その理由は100年ほどの歴史しかないことだ。
伝統料理と呼ぶには200年ほどの歴史がほしい。
現在では俺のような考えは異端で、日本人の多くはすきやきを
日本の伝統料理と考えている。
牛肉を醤油で煮込む料理は日本以外にないので、すきやきを
日本の伝統料理と言える日が近づいているのは間違いない。

日本の料理と醤油は切り離せない。
それじゃあ、醤油を使わないトンカツは和食だろうか?カキフライは?
もともとは西洋料理だったが、日本独特のソースとキャベツの
千切りと一緒に食べるから日本の料理なのかな?

ラーメンは和食だろうか?餃子は?八宝菜は?
これらは中国の料理だ。これが日本で独特の味付けになった。
日本人の好みに合わせているので、これも日本の料理かな?

カレーライスは和食なのか?
これも面白い問題だ。英国の植民地だったインドの料理が英国や
日本郵船など国際航路の船に入った。それが変化して今日の
カレーになった。香りはインドのカレーと似ているが、味は日本
独特のものになった。そうするとカレーも日本の料理かな?
日本の国民にカレーは広く受け入れられているから、日本の
料理と言ってもいいかもしれない。。

日本の料理というのは伝統的な料理と明治以降に日本で普及した
新料理が合わさったものだろう。
乱暴な分類だが、板前さんが作る料理を伝統料理、コックさんが
作る料理を新料理としよう。
懐石料理や寿司のように板前さんが作る料理を伝統料理と呼ぶ
ことに異存はないと思う。
この他に普通のおばさんが作る芋のにっころがし、糠みその
漬物も伝統料理と呼ぼう。
トンカツ、中華料理のようにコックさんが作る料理を新料理と
呼ぼう。
板前さんやおばさんが作る伝統料理とコックさんが作る新料理が
現在の日本の料理と考えて間違いないだろう。

最近、たら子入りのスパゲッティが普及している。これなんか
イタリアにはないだろうが日本では人気メニュウになっている。
出前のピザも売れている。これが一時的な流行に終わらなけ
れば、ピザもたら子いりスパゲッティも新料理の中に入って
いくだろう。

タイ料理店も増えたが、まだまだラーメンのように普及して
いない。タイ料理はまだ新料理に仲間入りはできない。

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2007/2/28

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鰆の塩焼き

ヌチャナートは鰆を焼いて出した。
「唐辛子いる?醤油は?」
「醤油。あー、両方とも」
唐辛子はナンプラの中に入っている。なんだか和風の食事だ。
いつもタイ飯ばかりなので、和食もださないといけないとヌチャナートは
思っているようだ。鰆には塩が振ってある。
塩味はあるが、醤油の旨味と香りを加えるともっと美味しくなる。
俺は魚に醤油をかけた。それを見てヌチャナートが怒る。
「塩を振ってあるのよ。塩分の取り過ぎはいけないわ。」
「こうすると味がよくなるのだ」と説明しようと思ったが面倒なので
止めた。唐辛子を一切れとって魚に載せた。
魚の塩焼きに唐辛子の辛味は合う。これは旨い。
唐辛子はナンプラの中に入っていたので、ナンプラの旨味が加わっ
て魚の旨味を引き立てたのだろう。
ヌチャナートは唐辛子とナンプラをスプーンですくって魚にかけた。
「ああ、辛い。ナンプラがあると魚は美味しいわ!」
鰆の塩焼きにナンプラをかけると美味しいとヌチャナートは言う。
俺が同じ魚に醤油をかけると、駄目だと怒る。
醤油もナンプラも塩分の量は同じくらいだ。
なんで醤油は駄目でナンプラならいいのだ!?差別だ!
そう思いながらも俺は笑ってしまった。
焼き魚にナンプラをかけても醤油をかけても美味しくなるのは事実だ。
ナンプラは魚からできているので、焼き魚にはナンプラをかける方が
自然に近い気がする。

2007/2/28

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2007年2月27日 (火)

煎餅

賞味期限が切れ掛かっている煎餅が特売になっていた。
タイ人は餅米をよく食べる。お煎餅は餅米製品だからヌチャナートも
これを好むはずだ。
「あのお菓子、安いから買おうか?」
「いらないわよ」
特売と見るとすぐに手をだすのがおばさんだ。ヌチャナートの言葉
を無視して、俺もおばさんに混じって特売の煎餅を買うことにした。
一人のおばさんはパッケジの賞味期限を確認していた。
賞味期限がまじかだと知ると、まるで腐った食べ物を捨てるように
商品を投げ戻していた。店の商品をそんなふうに扱かっちゃ駄目
だよ。

このおばさんは賞味期限のことを知っているのだろうか?
食い物というのはお試し版のパソコンソフトとは違う。
お試し版のソフトは試用期間が一ヶ月なら、一ヵ月後には間違いな
く使えなくなる。食べ物の場合は賞味期限が5月末だとしても、6月
になると腐るというわけではない。
お煎餅の製造者が毎日々味見を繰り返して、この商品は1年ぐらい
は味が変わらないと判断すると製造から一年
後を賞味期限として
いる。あのおばさんは製造直後の味と賞味期限まじかの味の差が
分かるのだろうか?
お煎餅なんて買ってからいつまでも大切に保存するようなものでは
ない。小腹がすいたら、つまみ食いするものだ。
一週間もあれば、食べ終わってしまうのが普通だ。
賞味期限まじかな商品でも、これを食べて病気になることはない。

買ったお煎餅をヌチャナートに食べさせると、思ったとおり
「美味しい」と言う。してやったりだ。

パッケジの原産国を見たらタイになっていた。
「このお菓子はタイで作っているんだよ」
パッケジにはタイ文字はない。全て日本語だけだ。
「あらそうなの」と言いながらお煎餅を食べている。
「このお菓子は甘くないのね。いいわね。マヨネーズをつけて食べる
と美味しいわ」
日本人はお茶を飲みながらお煎餅はそのまま食べる。
マヨネーズをつけて食べるというのはやはり外国人の発想なんだ。
発想の違いを知ると驚くと同時に面白いと感じる。

2007/2/26

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鯖の水煮缶詰

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日本人は缶詰の魚の調理が下手だ。下手と言うと語弊がある。
調理の仕方をあまり知らないと言う方が正しいと思う。
鯖の水煮缶詰を開けたとしよう。
多くの場合、缶を開けたら中身を皿に移すこともしない。
缶の中から魚を摘んでお采にする。
味に物足りなさを感じると醤油をかけて食べる。
とんかつソース、ケチャップ、マヨネーズなどをかける人もいるかな?
醤油をかけるのが普通の食べ方だと思う。
日本人は缶詰を完成された料理だと思っているからこうなるのだろう。

タイ人は缶詰は料理の素材だと思っている。
つまり、缶詰の魚は半完成品だと思っているのだ。
半完成品を食べても美味しいはずはない。これに手を加えればもっと美味しくなるとタイ人は考える。
この柔らかく煮えた魚をどうやって美味しく食べられるかタイ人は工夫する。

日本人の嗜好を知っている缶詰会社は鯖の味噌煮缶詰なども出している。
タイ人は水煮缶詰を半完成品だと思っているから、味噌で味付けされた缶詰は完成された加工食品と感じる。
完成品には手を加えることができないから、味噌煮の缶詰はタイ人には不評だ。

ヌチャナートは鯖の水煮を使って今日はこんなものを作った。
魚の舐め物だ。魚の舐め味噌と思えばいい 。焼いた魚でも同じ
ものができる。缶詰は既に熱がかかっているので焼く手間がいら
ない。簡単に料理を作れる素材だ。不意に来客があったなら、缶詰
の蓋をあけてこれをだせばいい。
クラッカーがあれば、クラッカーの上にこれを乗せて食べてもらう。
この舐め物とビールで時間稼ぎをしておいて他の料理を作ってしまう。
そんな早業がこの鯖の水煮缶詰でできる。
缶詰は鯖でなくてもいい。鮭でも鰯でもいい。

今日はフライパンに油を敷いてナスを軽く揚げた。
茄子の上にこの舐め物を乗せて食べた。
唐辛子の辛味と茄子の旨味は相性がいい。
安い素材の組み合わせだけど、美味しい料理だ。
料理はなにも高価な素材を使うことはない。
知恵で幾らでも美味しいものができるんだ。

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素晴らしい すごい とても良い 良い

2007/2/26

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トムヤンヌア

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これは牛肉のスープだ。ヌチャナートは食器にはあまりこだわりを
持たないようだ。ウチの料理だからみかけなんかどうでもいいと考え
ているのかもしれない。日本の土鍋が気に入って、
「これに入れると美味しそうにみえる」と考えているのかもしれない。
器にこだわりをもたないが、味にはこだわりを持つ。
今日のスープはちょっと酸味が強すぎたのではないかと心配している。
「酸っぱすぎた?」
「いや、大丈夫だよ。美味しいよ」
電気釜で長時間保温したご飯の方がいけない。硬くなったのを通り
越して乾燥した米粒がある。スープをご飯にかける。
乾燥した米粒はすぐに水分を吸い込む。
土鍋から肉と野菜をスプーンで取る。それをご飯に載せる。
ちょっと酸味があり、ぴりっと辛いスープの旨味が口に広がる。
旨いと思うと無口になる。
ただもう黙って食べることに専念する。

トムヤンの関連記事はここにあります。
   
トムヤンヌア   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_d695.html
トムヤンパー 魚のタイ風鍋料理
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_52fa.html
馬蟹のトムヤンプー   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_a41c.html
トムヤンプラムック   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_f508.html
トムヤンガイ   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/post_e950.html
トムヤンクン   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_3f9d.html
今日のトムヤンクン   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/05/post_521e.html
トムヤンタレ海鮮鍋   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/05/post_c538.html
トムヤンヌア   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/04/post_d695.html

2007/2/26

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2007年2月26日 (月)

豚丼

「トイレに行きたくなった」ヌチャナートが突然言い出す。
困ったな!こんな所に公衆便所はない。コンビニもない。
トイレを借りられる場所はないものかと見回すと吉野家があった。
吉野家に入った。ヌチャナートをトイレに直行させた。
トイレだけ使って出て行くわけにはいかない。
家に帰って、電子レンジで温めなおして食べればいいと思い、持ち
帰りの豚丼を注文した。

腹が減ったので豚丼を食べることにした。店で出来立てを食べるの
とは味が違う。タレがご飯に染み込んでいるからであろう、塩味を感
じない。豚丼に醤油をかけた。添付の七色唐辛子も、紅生姜もいれた。
でもまだなんとなく物足りない味だ。生唐辛子を冷蔵庫から取り出し
て加えた。やっと食べられる味になった。

「ああ、俺は完全に唐辛子中毒になっている。辛味がないと食事が
できなくなっている」
久しぶりに日本の食事をする。
「美味しい?」ヌチャナートは俺が喜んでいると思っている。
俺は複雑な気持ちだった。このような味に長年親しんで来た。
タイの飯を毎日食べているうちに好みが変わってしまった。

2007/2/26

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竹の子と鶏肉スープ 

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この料理はタイ語でゲンノーマイセガイというそうだ。竹の子と鶏肉
で作ったスープだ。もちろん、唐辛子がはいっている。
多くのタイ料理は唐辛子が入らないと味にしまりがない。
唐辛子がないとタイ飯にならないと言ってもよい。
全てのタイ飯に唐辛子が入っているのかというとそうではない。
タイでも唐辛子が入っていない料理はある。
タイは陸続きの国だから中国、ベトナム、カンボジア、マレーシア
などの料理が入り込んでいる。 俺たちにはわからないが、
「これはカンボジア料理、これがラオス料理」などとヌチャナートが
教えてくれる。

「日本人は味噌と醤油があればいい」と言ったらヌチャナートは笑った。
「タイ人はナムプラと唐辛子があれば大丈夫よ」
そのくらい、タイ料理に唐辛子は欠かせない食材なのだ。

このスープには唐辛子の他にレモングラスなどの香草類が入って
いる。これを作っている間、家の中はタイの香りでいっぱいになった。
ご近所は「ああ、また変な料理が臭ってくる」なんて思っているだろう。
経済的に貧しい、東南アジアやアフリカの料理なんて不味いもの
不潔なものと決め付けている人が多い。味、香りに偏見を持たない
で評価できる人なら、「このスープはうまい」と必ず言う。
スープの香りがいいんだ。
俺が美味しそうに食べているのでヌチャナートは安心したように
笑った。こんな料理だけを食べているウチはご近所からはちょっと変
に思われる。タイにいれば、これは当たり前、普通の家庭料理だ。
日本ではエスニック料理になってしまう。
「毎日エスニック料理でいいですね」なんていう人がいる。
そんなことを言う人にとっては月に一度か半年に一度、タイ料理を
食べるから、珍しいエスニック料理なんだ。
ウチの料理はこれしかないし、毎日こんな飯を食べているから、
俺にとってはエスニック料理ではない。

2007/2/25

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2007年2月25日 (日)

えのき茸のソース ナムプリックヘット

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腹が減っていた。ヌチャナートは
「ちょっと待っててね。すぐ作るわ」と言いながら えのき茸をグリル
で焼いていた。焼き上げたえのき茸に醤油をかけて食べても美味
しい。そんな料理を出すのかと思っていた。

生の唐辛子も取り出している。
「この唐辛子をどうするんだい?」
「茸のソースを作るのよ」
焼き上げたえのき茸、唐辛子、ニンニクなどを叩き潰した。
ナンプラで味を調えている。

ソースというと液状のものを想像する。
タイ人はこういったものもソースと言うので俺もここでソースと言って
いる。このえのき茸のソースは旨いのを知っている。
腹が減っているので、料理が出てくるのを待ちきれない。
餅米を摘んで、えのき茸のソースをつけて食べる。
餅米は甘い。それに辛いソースをつけると、餅米の旨味が強調され
る。空腹の胃袋にいきなり辛いソースを入れた。
舌や口は辛味に慣れているので辛味をあまり感じていない。
辛味は何も入っていない胃袋に入る。
胃袋は辛味に慣れていない。胃壁に直接辛味が効いた。
冷たい水を飲んで胃壁を冷やす。

えのき茸のソースは先ず何かを食べておいてから食べた方がいい。
これからは肉など脂肪分があるもので胃壁を保護してから食べる
ことにする。

このえのき茸を熱いご飯の上に乗せる。
もうこれだけでご飯を食べられる。
他におかずなんて必要ないと思ってしまう。

2007/2/25

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2007年2月24日 (土)

鯰の唐揚 パットプラドク

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鯰の胴を輪切りにする。頭の部分もぶつ切りにする。これを唐揚にする。
唐揚にした鯰は油を切っておく。
フライパンで香辛料を炒めている。
タイ人にとっては食欲をそそる良い香りなのだろう。
家中にタイの香りが充満する。
生の唐辛子も入っている。
生の唐辛子を炒めているので刺激臭がでる。
換気扇を回すが唐辛子からでる煙を排気しきれない。
扉もあけないとこの煙はでていかない。
猫のサダムはこの臭いが嫌いらしい。
扉を開けるとサダムも部屋から出て行った。
ごめんねサダム。

唐辛子を入れたソースも出来上がったようだ。
このソースの中に唐揚にした鯰を入れる。
そして鯰にソースを絡めながら炒める。

これが出来上がりだ。
タイの香辛料の良い香りがする。
日本人の多くは西洋料理の香りは知っているが、この香りは知らない。
多くの人にとってこの香りは異国の香りなんだろうな。
川の魚の多くは泥臭い。鯰も例外ではない。
しかしこれだけ香辛料や香草の香りがあると、鯰の泥臭さが隠れてしまう。
唐揚の油の味とこの辛味がうまーく合っている。

鯰をつまんでご飯に載せる。鯰のタレがご飯に染みる。
タレが染みたご飯を鯰と一緒に食べる。
辛味に弱い人は唐辛子を避けて食べればいい。
これは本当に楽しいタイ料理だ。
タイ人はよく鯰を食べる。
鯰の黒焼きも屋台で売っている。
タイにはこの他にも美味しい鯰料理があるのだろう。

鯰の関連記事はここにあります。

鯰の黒焼   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_330c.html
鯰の唐揚 パットプラドク 
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_ca8d.html
鯰を売る   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/08/post_1149.html
鯰の黒焼き   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/08/post_8a2f.html
鯰の空揚げソースあえ   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/08/post_5f4b.html
鯰の黒焼き   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/04/post_8a2f.html

2007/2/24

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サイコロステーキ

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日本ではおなじみになっているサイコロステーキだ。
これは大きな肉の塊をサイコロ状に裁断したものではない。
細かい肉を圧縮して肉の繊維を絡み合わせた後、裁断したものだ。
食品のハイテクと言ってもいいかな。
サイコロステーキを作る技術はまだタイにはない。
金をかけて機械を導入しさえすれば、こんなものはすぐに作れる。
庶民が行く市場ではサイコロステーキは見たことがない。
綺麗なスーパーでもなかったと思う。

人件費の安いタイでは機械を使うよりも人間を使う方が安上がりだ。
雇用を増やすことになるので、現在のタイでは人間を使う方がいいのだ。 R0018670pct20

「この肉はタイにあるかい?」
「ないわ」やはりないそうだ。
「今晩、これを料理してくれる?」
初めて見る肉をヌチャナートがどのように調理するか興味があった。
肉を炒めて、タイの辛いソースをかけて出す。
衣をつけて揚げてから、ソースをかける。
そんな料理を作ると思った。

出てきたものはサイコロステーキをフライパンで炒めただけだった。
それに野菜を茹でた物だった。
唐辛子ソースで食べるのがタイ風だ。
今日の唐辛子ソースには長ネギを使っていた。

2007・2・23

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2007年2月23日 (金)

合鴨パストラミ

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今の日本ではあらゆる食べ物が輸入品だ。この合鴨のパストラミも
中国からの輸入品だった。ウチの料理と言ってもウチではなにもして
いない。 真空パックの合鴨を袋からだして、ちょっと温めて薄切りに
しただけだ。合鴨を温めているグリルに泥ねぎを一緒にいれて焼い
た。 こうやってだすとちょっとサマになる。

合鴨をナムプリックにつけて食べた。
合鴨の周りには黒胡椒がびっしりとついている。
黒胡椒がこんなにもついたものに、ナムプリックをつけて食べても
あまり美味しくない。
ナムプリックをつけずにこのまま食べた方がおいしい。

泥葱は美味しいね。
焼いた泥葱を噛むと甘い汁がちょろっと出てくる。
芯の葱がぬるっと飛び出す。
寒い季節には泥葱を食べないと損しちゃう。

2007/2/22

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2007年2月22日 (木)

マカロニ焼きそば

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マカロニ焼きそばというのは俺の造語だ。マカロニを炒めてナンプラ
で味付けしたものだ。
姿はマカロニだが味は焼きそばだ。
このマカロニはイタリア語でなんと言ったかな?
麺が螺旋になっているので、味がからみやすい特徴がある。
感激するほど美味くはないが、まあまあ食える味だ。


最近はタイでもイタリア料理ブームになっているらしい。
バンコックのような大都市には至る所にイタリア料理屋が新規開店
しているとのこと。俺が定宿にしているホテルの近くに大きなイタリア
レストランがあった。美人のイタリア女が店主だった。
毎日、目で見て美味そうだなと思うものを注文し、分けのわからな
いタイ料理を食っていた。食べるまでどんな味かわからず、なんて
言う名前か分からない食事ばかりだと不安になると言うよりも不満
がでてくる。たまには辛くない料理を食いたい。
この店ならメニューも英語だろう。
タイの料理屋でも英語のメニュウを置いている店がある。
鶏肉のココナツシチュウなどと書いてあっても、食ったことがない
からどんな味なのか想像がつかない。イタリヤなら料理なら馴染み
がある。料理の名前を確かめて食べることができる。
自分の食べたいものを自分で選んで、自分で注文できる。
それでこのイタリア料理屋に行った。
(これは全て言い訳で、美人のイタリヤ女と話をしたかっただけだと
いう方が説得力がある。)

そんな店にやってくるタイ人の客はタイの上流階級だ。
女房らしき白人の女と一緒に数人のタイ人がやってきた。
俺の近くのテーブルに来て彼等は食事を始めた。
彼等は大きな声で英語を話をしているので、話はまる聞こえだった。
何処で落ち合おうかと、彼等の予定の調整をしていた。
「パリにしようか?」「その日は無理だ」
話を聞いていた一人が提案した。
「それならニューヨークに全員が集まればいいよ」
「それは名案だ。それにしよう」
そんな話だった。
タイの金持ちの世界は俺たちとはスケールが違う。

首都バンコックでイタリア料理が盛んになると、田舎町でもそれを
真似するようになる。東京のファッションが田舎に移る姿に似ている。
田舎町の大食堂に入った。若い女がスパゲッティを食べていた。
俺も食いたくなった。
タイの大食堂は屋台のような小さな店が集まってできている。
ある店の前にはタイ文字でスパゲッティと書いてある。
ケチャップらしきもの、肉や野菜がある。
注文すると肉はなんにするかというので、鶏肉にした。
出された物は、スパゲッティを炒めて甘い赤いソースをかけたもの
だった。これはとても俺の口に合わなかった。
もうスパゲッティは頼まないぞ!
俺にとって、ここのスパゲッティは「不味いタイ料理」の代表となった。
しかし、商売として成り立っているのだから、この味は「スパゲッティ
をタイ風にアレンジしたもの」としてタイ人に受け入れられる味なん
だろう。

それに比べたら、このマカロニ焼きそばは上等な味だ。

2007・2・22

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朝粥 カオトゥム

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今日の朝飯は大好きなお粥だ。朝粥は大好物だ。

タイではお粥は酒を飲んだ後の仕上げに食べたり、朝食に食べる。
酔った後のお粥も旨いが、朝に食べるお粥も美味しいよ。
香港でも朝食はお粥だ。お粥は消化がいいし、さっぱりしていて朝にはちょうど良い食事だ。
食欲がなくても軽く食べておくといい。
タイのホテルの朝食には必ず出てくる。俺は他のものを食べなくともお粥だけは必ず食べる。
前の晩に飲みすぎても、お粥とトロピカルフルーツなら食べられる。

お粥の上には赤い唐辛子を載せる。もちろん、載せなくてもいいのだけど、俺は載せた方が美味しいと思う。
ホテルの唐辛子は酢の中に浮かべている。
酢があると美味しくなる。特に肉団子などが入っているお粥には酢入りの唐辛子があると美味しくなる。
これにも問題がひとつある。酢入りの唐辛子を使うと、トイレに行きたくなる。
朝食後すぐに出発なんていう観光客は酢入りの唐辛子を避けた方が無難だ。

今日の朝粥は生の唐辛子だけが入っている。
生の生姜も載せてある。生姜の辛味と香りが食欲をそそる。
黒胡椒をぱらぱらとかけてある。これも香りを楽しむ。
これに生のグアバ、チョンプウなどがあれば、これはもう完全にタイの朝食だ。

2007/2/22

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2007年2月21日 (水)

トムカーガイ

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これは俺の大好きな料理の一つだ。
ココナッツの香り、油、それとライムの酸味がいい。
今日は茄子がない。
これに茄子が入ると本当においしい。
白いスープに赤い唐辛子が綺麗なんだ。
鶏肉がやわらかい。
こんなにも美味しいスープがタイにはあるのだけど、日本の多くの人はそれを知らない。
これを食べていると幸せな気分になる。
辛い味が嫌だったなら、唐辛子をよけて食べればいい。
これだけ唐辛子がはいっていると、日本人にはちょっと辛いスープかもしれない。
美味しいから、機会があったら試食してごらん。
きっと好きになるよ。

2007/2/21

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人類学と唐辛子

人類学の本を読むとある未開民族では数字は1から5までは順番に
数えられるが、それ以上は6でも10でも100でもみんな同じで「沢山」
となるという話がでてくる。

腹が減った。ヌチャナートは疲れているらしく良く寝ている。
起こすのも可哀想だ。
自分で飯を作ろうと思い、冷蔵庫を開けると焼肉のタレがあった。
「これを食っちゃわないといけないな」
肉をタレと混ぜ合わせた。味をなじませてから炒め始めた。
野菜を加える頃にはいい香りが出始めた。
料理を作る音と臭いでヌチャナートは目覚めた。

日本の焼肉のタレは香りは良いが甘い、甘すぎる。
いつも辛い料理を食べさせられているので、このような甘い味は
違和感がある。辛いものが欲しくなる。
ウチにはいろいろな唐辛子がある。ヌチャナートはそれを使い分け
ている。俺はどの唐辛子にしようか、一応迷った。
生の唐辛子を使うことにした。
生の唐辛子も赤い唐辛子と青い唐辛子があった。
「ねえ、ヌー!赤い唐辛子と青い唐辛子ではどっちが辛い?」
「赤よ」俺は「どちらも同じよ」と答えが返ってくると思っていたのに、
ヌチャナートは即座に赤が辛いと答えた。
タイ人が赤が辛いというのだから、間違いないだろう。
辛くないと言う青い唐辛子を選んで焼肉に加えた。
青は辛くないと言うから、辛めのしし唐ほどの辛さかと思った。
食ってみると、青い唐辛子も辛い。
辛さで汗が吹き出した。

その時、俺は人類学で言う未開民族の話を思い出した。
ヌチャナートの辛味を測る物差しには1から20の段階がある。
俺の物差しには辛味は1から5の段階しかない。
辛味が5以上になるとどの辛味も俺の物差しでは同じになる。
今日の青唐辛子の辛味はヌチャナートの物指しでは7かもしれない。
あるいは11かもしれない。この唐辛子は5以上の辛さだから、俺の
物指しでは辛い、カライ、カラーイ!
ああ、俺は辛味に関しては未開人なのだ。

2007/2/20

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2007年2月20日 (火)

高級レストランと紙ナプキン

タイでも高級レストランへ行けばテーブルに日本や欧米と同じような
紙ナプキンが置いてある。日本ではどんな食い物屋に入っても
テーブルに紙ナプキンが置いてあるから、それを当たり前のように
思ってしまう。
タイの多くの屋台では丸い容器に入れたトイレットペーパーが紙
ナプキンの代わりにテーブルに置いてある。トイレットペーパーの芯
を取り除き、真ん中から紙を引っ張り出す。
口を拭いたり、テーブルにこぼれた汁を拭くにはこれで十分である。
時にはティシュウを置いてある屋台もあるが、その数は少ない。
日本で言えば一膳飯屋、焼き魚定食を出す田舎の駅前食堂程度の
綺麗さの店はタイではちょっといい店の部類に入る。
この程度の綺麗さのレストランに入ると、紙ナプキンがある。
でも一枚一枚が小さい。
日本や欧米の紙ナプキンは大きすぎる。
口の周りを拭くにはあんな大きな紙は必要ない。
紙の無駄遣いだと思う。
タイの紙ナプキンは小さいので一枚では不足な時がある。
もう一枚使ったとしても日本のナプキンより紙は使わない。

タイの屋台を思い出し、俺は面白がってウチでもテーブルの上に
トイレットペーパーを載せている。ヌチャナートはそれを見ても黙っ
ている。日本人妻なら「トイレのものを食卓に置かないでよ!」と
怒るだろう。
「未使用のトイレットペーパーだから不潔なことはない」と頭では
わかっていても感覚が許さないのだ。

トイレットペーパーは再生紙だ。
ティシュウは新しいパルプを使っている。(俺はそう思っているが
間違っているかな?)
そう考えるとトイレットペーパーを使った方が環境に優しい。
ティシュウと違ってトイレットペーパーは、特にウチのトイレットペー
パーは安物だから肌触りが悪い。食卓でトイレットペーパーを使って
いるうちにこれでも不便を感じなくなった。ティシュウの使用量が
極端に減った。口を拭いたトイレットペーパーも捨てないで再利用
する。それで食後の汚れた皿を拭いてから流しに持って行く。
こうすると食器用洗剤が少なくて済む。
環境問題を考える人はティシュウを止めてトイレットペーパーを使っ
た方がいいと思う。

タイからトイレットペーパーを入れる容器を買ってきた。
トイレットペーパーなんてみな同じ大きさだと思っていた。
日本のトイレットペーパーをタイから持ってきた容器に入れたら、蓋
が閉まらない。タイのものに比べて、日本のものは少し大きいのだ。
せっかく容器を買ったのにそれが使えないのは悔しい。
再度タイに行った時にトイレットペーパーを買ってきた。
タイを知っている人、タイ人がウチに来ると容器にいれたトイレット
ペーパーを出す。彼らは懐かしそうにそれを見て、にやっと笑う。

ウチのトイレットペーパーは模様も表面加工もない巻き紙だ。
タイのトイレットペーパーにはボツボツとエンボス加工がしてある。
ウチのものより高級だ。更にタイのものは紙の繊維が長く肌触りも
いい。これからタイは工業が発達していく。そうなると環境問題が
浮上する。タイでも今からトイレットペーパーは再生紙を使うように
習慣づけしておかないといけない。今はないようだが、再生紙で
作ったトイレットペーパーを使う方がタイの環境のためにいい。

ここまで「タイのトイレットペーパー」と言ってきたが、タイの普通の
家庭のトイレにはトイレットペーパーがない。用便後は水で尻を洗う
から紙は不要だ。
「お尻を拭かないなんて野蛮だ」なんて思う人もいるだろう。
経験しなくとも分かるが、水で洗った方が拭くより清潔だ。余分な
ゴミを作らないから環境にもいい。
熱帯の国だから濡れたお尻はすぐ乾く。トイレに紙がはいっている
のは日本人や西洋人の家、中級以上のホテル、高級レストランだ。
トイレットペーパーは金持ちが使うものと言う考えがタイ人にはある
のだろう。
「金持ちが使うものだから、エンボス加工し肌触りをよくして当然だ」
とタイ人は考えるのだろうか?トイレットペーパーより高価な紙ナプ
キンやティシュウを買えない庶民はトイレットペーパーで代用して
いるのだ。

2007/2/20

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グルメ番組

ヌチャナートはグルメ番組を良く見ている。
食と料理に興味があるから、それにグルメ番組なら日本語がわから
なくともおおよそのことは理解できるのでグルメ番組を見ているの
だろう。ヌチャナートに付き合ってグルメ番組を見ていて気になる
ことがある。どのくらいの時間をかけてビデオ撮りをしているのか
知らないが、よくまあ、あれだけ大量の料理を出演者は食べること
ができるものだと感心する。しかもどの料理も旨そうに食べるのだ。
それは演技だと思えば納得が行く。
どんなに旨いものでも、次々と出されると旨いと思わなくなるものだ。
今日のビデオ撮りで10個の弁当を食べなくてはいけないとしよう。
最初の1個、2個は旨そうに食べることができる。
5番目ほどになったなら、見たくもない気分になるはずだ。
それでも美味しそうに食べなくてはいけない。
演技とはいえ つらいものがある。
その辺は俺も納得できるし、同情できるからまあよしとしよう。

気になるのはグルメ番組では味や香りに対する表現にやたらと
カタカナ英単語が入っていることだ。
マイルド、ジューシー、フルーティなどと表現している。
これ以外の単語は聞いたことがない。
たった三つの単語だけで「美味しさ」を表現できるのだろうか?
日本語よりカタカナ英語で香味を表現するほうが格好いいと思って
いるのかな?味を表現するのに、なぜ英語を使うのだ?
フランス語やドイツ語ではいけないのか?
美味しかったならタイ語でアロイと言ってはいけないのか?
英語圏の人々がフルーティと言う時に感じる感覚を日本人が感じ
られるのか?香味をあらわす日本語は沢山ある。
「まろやか」「おだやか」「ふくいく」など英語にはできない日本人の
感覚がある。マイルド、ジューシー、フルーティなどというのは単に
「おいしい」「うまい」「いいかおり」と言った一般的な表現だ。
英語の中にも もっと繊細な味や香りを表現する単語があるはず
だ。英語で味や香りを表現したいのなら、それなりの単語を使って
もらいたいものだと俺は思ってしまう。

考えてみれば、グルメ番組というのはあくまでも娯楽番組なんだ。
香味を正確に表現していたら専門過ぎて料理研究番組になってしま
い娯楽番組から逸脱するから、駄目なんだろうな。
番組制作者はグルメ番組の影響力は大きいことを考えて、番組の
中で香味を表現する時はカタカナ英語ではなくて日本語で表現して
もらいたいと俺は思う。

言葉は自分が感じるものを伝える道具だ。
カタカナ英語を使うグルメ番組の影響で、日本人が感じるマイルド
な感覚と英語圏の人々が感じるマイルドな感覚が異なってくるの
ではないかと危惧している。マイルドというのは英単語だから、
ある食品から感じる感覚を日本人がマイルドと言えば英語圏の人々
も同じようにマイルドと感じてくれると誤解するようになる。
日本人がいくらマイルドと言い張っても英語圏の人々は
「これはマイルドな味ではない」と食い違いがでるようになる。

ちょっとわかりにくいから、自分の体験を話そう。
スパイシーという英単語がある。「香辛料の香りが効いた」
「香辛料の香り高い」というような意味の言葉だ。
俺が知っているスパイシーな食品は胡椒、クミン、フェンネル、
コリアンダーの実・・・・と言った香りが強い西洋の食品だった。
俺にとって、スパイシーとは西洋料理に使う香辛料の香りが豊か
なことだった。

タイの田舎で川岸にある一軒のレストランに入った。
こんな田舎にくると周囲に英語の看板はない。タイ文字しか目に
入らない。日本や欧米の観光客もいないからタイ語しか通じない。
そんな店に一人で入った。幸いなことにウエイトレスが英語を話した。
言葉が通じるので安心した。
「お料理はスパイシーにしますか?」
俺はスパイシーと聞いて、西洋料理にある香辛料の香りを想像した。
「はい、スパイシーにしてください」
何を食ったのか覚えていないが、やたらと辛かった。
冷たいビールで口の中を洗い流しながら食べた。
残しては失礼と思い、我慢して食ったが、一皿を食うことができな
かった。「スパイシー」と言ったのは大失敗だった。
その時、俺は理解した。
同じ英語で話をしていながら、俺が持っているスパイシーな感覚と
タイ人が持っているスパイシーな感覚は違うのだ。
西洋料理の強い香りを俺はスパイシーと思っているのに対して、
タイ人は唐辛子の香りが強いものをスパイシーと言っているのだ。
英語圏の人々ならこの感覚をホットと表現する。
それ以来、タイではスパイシーと言って料理を注文するのをやめた。

影響力の大きいグルメ番組では香味をカタカナ英語で表現して
もらいたくないという俺の気持ちを、これでお分かりいただけるかな?

2007/2/20

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わさび菜と唐辛子味噌

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わさび菜という野菜があった。わさび菜というけど、葉の形からみても山葵とは関係がなさそうだ。
最近はいろいろな野菜が出回る。例えば昔は関西でのみ出回っていた野菜が関東でも見られるようになった。中国の野菜が一般化した。エジプトの野菜も日本で作られる売られるようになった。
このわさび菜もそんな野菜の一種だろう。
食ったことがないので、味見することにした。
「この野菜、タイにもあるわよ」ヌチャナートが言う。
「ああ、そうなの?」
そうするとこの野菜は中国南部から東南アジアにかけて分布する野菜なんだろうと推定した。

R0018620pct20 この他に小さな鯵を買い込んだ。鯵を買うと可笑しそうにヌチャナートはくすっと笑った。
「これで唐辛子味噌を作るわ。唐辛子を沢山いれるのよ。サミイは辛くて食べられないわよ」
魚と唐辛子をつぶして作る味噌だ。
味噌ではないが、姿が味噌に似ているので俺が勝手に味噌と名づけた。
味噌と呼ぶほうがどんな様子の料理なのか想像しやすい。
英語圏の人は「チリペースト」と呼ぶだろうな。

R0018621pct20 「見てよ!こんなに唐辛子を入れるのよ」
唐辛子味噌を作っている台所からヌチャナートが呼んでいる。
確かに大量の唐辛子とニンニクが入っている。
この唐辛子とニンニクを炒める。
その炒め方にコツがあるようだ。
焦がさずに香りだけを引き出すように炒めるのは見た目以上にやりにくいはずだ。

今日は鯵を煮ていた。煮た鯵の身をほぐして、先ほどの炒めた唐辛子と混ぜ合わせた。
これをトントンと叩き潰す。
俺の分を小さな器に入れてくれた。

ヌチャナートの分は大きな器に入れてある。洋ナシに似た果物の
香りがヌチャナートの器から漂ってくる。この植物性の香りは良い香りだ。
R0018628pct20  何も知らなければ俺は喜んでこの香りを楽しむ。
この香りは昆虫のタガメのエッセンスなのだ。
昆虫からきた香りだと思うと俺の食欲がなくなる。
俺の器にはタガメのエッセンスは入っていない。

わさび菜をこの唐辛子味噌につけて食べるのだ。
「このわさび菜の味はタイのものと違うわ。」
日本で品種改良されたのか、タイのものとは違う品種なのか?日本の土壌で栽培するとこんな味になってしまうのか?
理由はわからないが、タイの物とは味が違うそうだ。

2007/2/19

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2007年2月18日 (日)

食器のこだわり

日本人は食器にこだわる。こだわると言うと、高価な食器を求める
と勘違いされるかな?日本人は食器に対して厳しい考え方を持って
いるという意味でのこだわりだ。
タイ人は食器についてあまり厳しい考えを持っていない。

例えば、日本では茶碗や箸は「これは誰のものと」決まっている。
お父さんが留守だからといって、お父さんの茶碗で子供が食事を
することはない。他人の箸を絶対に使わない。
塗り物の椀は味噌汁や吸物をいれる。これに漬け物を入れること
はない。
瀬戸物の茶碗はご飯を食べるものと決まっている。
茶碗酒というのはちょっと不作法な、下品な食べ方と見なされる。

タイ人はそんなことにお構いない。
漬物を切って、その場に茶碗があればそれに入れる。
漬物は皿か小鉢に盛りつけるのが日本人だ。
これは昔からのしきたりだ。
しきたりから外れた出し方をされると、なんとなく落ち着かない。

ヌチャナートが茶碗にノーマイドングを盛ってだした。
俺は落ち着かない。
黙って食器を取り替えた。
ヌチャナートは俺がご飯以外のものを茶碗に入れると嫌がるのに
気づいた。
「ああ、面倒ね。おんなじよ」
タイ人は器にはこだわらない。

2007/2/18

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パンプキンスープ 南瓜のスープ

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俺がスープを作ろうとしていた。
「サミイのスープは美味しくないわ。あたしが作るわ」
黙って、ヌチャナートに台所を引き渡した。
俺は鶏の出汁をとっていたので、ヌチャナートはチキンスープを作る
のだと思っていた。テーブルに出たものは黄色いスープだった。
予期したものとはまるで違う。

俺は昨日、スーパーで南瓜を見た。しばらく南瓜を食べていないか
ら、ヌチャナートが南瓜を食べたくなっているのではないかと思って
いた。ヌチャナートは南瓜を見ても買おうとは言わなかった。
それで俺も南瓜を買うのを忘れた。

紙パックに入ったパンプキンスープを買ったまま、忘れていた。
あんまり売れなかった製品のようだ。たたき売りをしていた。
そのパンプキンスープを使ってスープを作ったのだ。
夫婦というのはおかしなものだ。
俺が、昨日 南瓜のことを考えたら、ヌチャナートは今日 南瓜の
スープを作ってだした。既製品のスープにセロリ、トマトなどを加え
て煮込んだ。セロリは茎だけでなく、葉もいれている。
セロリの葉は香りが強い。
小さな鶏の卵も入っている。ウチの料理では大きな卵は使わない。
小さい卵の方が使いやすいのと安いのが気に入っている。
久しぶりに辛くない料理を食べた。この味は西洋料理だな。
この味なら、西洋人も受け入れる味だ。

2007/2/18

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ノーマイドング ピリカラ竹の子

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発酵させて酸味がでた竹の子を使う。
これに紫色の小さなタイの玉ねぎ、唐辛子、大蒜をいれる。
塩、調味料で味付けをする。
たったこれだけなんだが、これが滅法美味しい。

丸干しの鰯を焼いた。
鰯の上にこの竹の子を乗せて食べる。
鰯の油と竹の子の酸味、唐辛子の辛み、大蒜の香りが混ざり合って旨味がます。
一匹の鰯とこの竹の子で二膳の飯はらくらく食える。

この料理はタイ語でノーマイドングと言うそうだ。
この料理を日本語でなんと表現したらいいのか分からない。
最初、竹の子ソースと名付けた。ソースというと水気があると思われてしまう。
水気はないからソースというのは正しくない。
見た姿は漬物にも似ている。
竹の子の漬物というのも、漬けこんだものではないから正しくない。
竹の子サラダとした。
しかし既に発酵させた竹の子だからサラダというのも可笑しい。
煮込んだ野菜のサラダもあるから、これもサラダと言ってもいいかな?
俺はピリカラ竹の子と呼ぶことにした。

この料理は東北地方の料理なので、バンコックなどでは食べないらしい。
バンコックの人々は竹の子を炒めるか、油で揚げて食べるらしい。
これは珍しい味だ。
俺のお気に入りに加わった。

2007/2/18

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紋甲イカのゲソ焼き

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紋甲イカのゲソがあった。紋甲イカにはスルメイカとは違う柔らかさ
と歯応えある。色が白くて見かけがいいので好きなイカだ。
これに真っ赤なナムチムをつけて食うのだ。
ナムチムの赤みはもちろん生の唐辛子だ。
唐辛子に、ニンニク、生姜、ライム、砂糖、ナンプラを加えて叩き潰し
たものがこのナムチムだ。辛いが、香りがいいのでひきこまれてしま
う。ニンニクの臭いが嫌いだという人でも、このナムチムならつい
つい食べてしまう。辛いものは苦手だと言う人でも食欲を刺激する
ニンニクの香りにつられて食べてしまう。
食べた後で口の中が火事になり、「フゥフゥ、ヒィヒィ・・・」と息を吐き
出して消火することになる。
これも楽しい経験なので、この旨さを知った人はナムチムの虜になる。

タイの露天商がやるように、ゲソを竹串に刺して焼いた。
串に刺さないで焼いてもいいのだが、こうするといかにもタイの料理
のようになる。料理というのは食卓にだす雰囲気も大切なんだよね。

2007/2/18

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鯉を食べる

テレビで鯉を写していた。
「タイにこの魚いるかい?」
「これって淡水の魚よね」
「そうだよ」
「いっぱい、いるわよ」
「日本じゃこの魚を刺身にして食べるんだよ。タイじゃ無理だよね」
タイの川や湖沼には魚の寄生虫が沢山いる。
ここで泳ぐと寄生虫に感染するといわれる湖もあるくらいだ。
寄生虫がついた魚を食べると、食べた人の体に寄生虫が乗り移る。
寄生虫に感染してもすぐに発病するわけではない。
数年してから発病することがある。
タイの淡水魚の刺身は危険だ。
「生じゃ食べないわよ」
やっぱりタイ人は淡水魚を生では食べないのだ。
タイ人は鯉をどのようにして食べるのだろうか?
香草と一緒に煮込んで食べるのだろうな。
鯉は貧しい東北地方の農民の貴重な蛋白源なのだろう。

2007/2/17

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2007年2月17日 (土)

唐辛子中毒

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いくら唐辛子を食っても中毒にならないはずだ。
こんなもので中毒になったなら、タイは中毒患者だけだ。
毎日、辛い唐辛子が入った料理を食べているので、俺も唐辛子がないと物足りなくなっている。

今日はヌチャナートの買い物に付き合わされた。
家を出る時間が悪かった。
腹がちょっと減りかかっている時間だった。
すぐに買い物は終わると思っていたから飯を食わないで出かけた。
スーパーで買い物をしたら家に帰って飯になるのかと思っていたんだが、
「あのね、タイの食材店にも行ってよ。ほしい材料があるのよ」
と追加の注文だ。
タイの食材店も増えたり、潰れたりしているのを見てきた。
ヌチャナートが指定した店はここから一番遠い店だ。
お気に入りの店なんだろう。
そこでタイの食材を買って家に帰るともう腹ペコだ。

「何が食べたい?」
「もう何でもいいよ。腹ペコだ。」怒る気もないほど腹が減っている
「豚肉の炒め物でいい?」
「いいよ」
ヌチャナートは豚肉を炒め始めた。
そして白菜も加えた。
豚肉と白菜の炒め物を白い皿に盛ってだした。
料理の色と皿の色が似ているので、見た目はそれほど美味しそうに見えない。
食ってみると結構うまい。
これでもいいのだが、なんだか物足りないのだ。
「唐辛子が欲しいんでしょ」
ヌチャナートは俺が欲しがっているものを知っている。
「タイ人みたいね」
笑いながら、ナンプラとライムジュースを混ぜた物に生唐辛子をいれたソースを持ってきた。
やっぱり、唐辛子があったほうが美味しい。
これって、唐辛子中毒かな???

2007/2/17

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昆虫食 カブトムシ

クワガタとかカブトムシを専門に売っている店があった。
「昆虫の家」だか「昆虫の館」なんて看板がでていた。

タイ人はいろいろな昆虫を食べることを知っている。
加工してすぐに食べられるようになった昆虫だけを売っている専門の露店もあるくらいだ。
日本人には昆虫を食べるなんて異様に見えるが、タイ人には昆虫を食べるのは普通の姿なのだ。
昆虫は美味しい、大好きだなんていう人が沢山いる。
タイ人にとって昆虫は嗜好品、珍味なのだ。
蛆虫みたいな昆虫、タガメなどを売っているのは見たことがある。
でもカブトムシを売っているのは見たことがない。
タイ人もカブトムシは食べないのだろうと思っていた。

「昆虫の家」だか「昆虫の館」にはカブトムシ、クワガタの絵が描かれていた。
そして虫がカブトムシとかクワガタと書いた旗を持っている。
カタカナを読む練習と思って看板の旗に書いてある文字をヌチャナートに読ませた。
「カ・ブ・ト」なんてゆっくり読み始めた。
カブトムシを指差して「あの虫はタイ語でなんていうんだい?」と聞いた。
「あれは×××と言うのよ」×の部分はもう忘れてしまった部分だ。
必要な時は辞書を引くか、また質問すればいいから、忘れたことを悔やまない。
こちらが何も聞かないうちに
「あの虫を食べたことあるわよ」と言い出した。
「えっ!」俺は驚いた。
まさかカブトムシまで食べるとは思わなかった。
蛆虫、タガメ、蝉を食べるのは既に知っている。
カブトムシに似たクワガタは食べないらしい。
俺はカブトムシも食べられるのだと初めて知った。
「どうやって食べるんだい?」
「焼いて食べるのよ」
この世にある蛋白質は必ず食べる人がいるというのは本当なのだ。
カブトムシよりクワガタの方が美味しいという人々がこの地球にはいるだろう。
ヌチャナートは食の探究心、好奇心が人一倍強い。
それが美味しい料理をつくる源になっている。

昆虫食の関連記事はここにあります。
   
昆虫食      
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_26dc.html
ノーンメパイ 蛆虫   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_330c.html
イナゴの佃煮    
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_dad7.html
昆虫食 カブトムシ   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/__6be5.html
昆虫食:コオロギ   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_81a4.html
昆虫食: 蝉   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/08/__b240.html
昆虫を食べる    
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/08/post_8386.html

2007/2/17

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鰯の丸干し

ヌチャナートは魚が大好きだ。
駅ビルで大羽鰯の丸干しをヌチャナートは買ってきた。
旨そうな鰯だ。皮がキラキラと光っている。
これは絶対に焼いて食べるものだ。
日本人には丸干しの魚は焼く以外に調理は考えられない。

ヌチャナートは白菜を蒸していた。日本人は蒸した白菜なんて作ら
ない。ヌチャナートはよく野菜を蒸す。
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キャベツなんかよく蒸して食べている。
「ああ、今日もまた野菜を蒸しているな」
それを見て俺は別に驚かなかった。
蒸した野菜をナムチムをつけて食べると美味しいのを知っているからだ。

俺は焼いた丸干しの鰯を食べていた。
鰯にナンプラをかけ、生の唐辛子を載せる。
ご飯と鰯を混ぜる。唐辛子の辛味が刺激となる。
これは旨い食べ方だ。

ヌチャナートは蒸した白菜を皿に盛った。白菜の上には鰯が乗って
いる。丸干しの鰯も白菜と一緒に蒸していたのだ。
生の鰯なら蒸して食べることはある。
でもねえ、丸干しの鰯を蒸すなんて考えられない。
丸干しの鰯と白菜を一緒にして、ヌチャナートは美味しそうに食べて
いた。

2007/2/17

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千枚のトムチュート

新鮮な千枚を辛子酢味噌で食べても美味しい。
タイ人も唐辛子味噌で食べる。
和風でもタイ風で食べても千枚は美味しい。
俺はあの噛み心地が好きだ。

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今日は千枚を煮込んで貰った。
煮込んだ千枚も旨いもんだ。
ヌチャナートはスープが良くできたと言う。

「スープを味見してよ。いい味よ」
うん、確かによくできた味だ。
セロリも煮込むと柔らかになる。
最近の日本の家庭ではセロリを煮込む料理が増えているのかな?

昔はセロリは生で食べるのが普通だった。
コップに生のセロリを切ってバーなどでおつまみに出されていた。
アメリカの中華料理屋へ行くとチョップスイという料理、日本で言えば八宝菜のような料理には必ず火を通したセロリが入っている。
セロリは生で食う方が異端だよね。
やはり火を通すのが正統な食べ方だと思うよ。

千枚とセロリとタイの香草がはいっているスープだ。
それにミニトマトがある。
レンゲで千枚と野菜とともにスープをすくう。
それをご飯にかけて食べる。
ご飯は一口分を皿の端にもってくる。
そのご飯にスープをかけるのだ。
皿に盛られたご飯に直接かけると、下のご飯はスープでぐしゃぐしゃになってしまう。
一回分づつスープをかけて食べるほうが美味しい。

2007/2/16

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2007年2月15日 (木)

樽酒

樽酒についた木の香りもいいものだ。
ガラス瓶か紙パックに入った酒ばかり飲んでいるので木の香りなんて嗅ぐことはない。
たまに樽酒を飲むと「いいな!」と思ってしまう。

昔は酒を樽に入れて運び、貯蔵していた。
その頃の人々にとっては酒には木の香りがあるのが普通だった。
長いこと飲まなかった樽酒はヤニの味がでていたかもしれない。
そんな味に慣らされていた人々が、ガラス瓶に入った酒を飲んだ時は酒蔵で新鮮な酒を飲んだ気分になっただろう。
時代が変わり、樽がなくなった。
そうすると木の香りがする酒が珍重されるようになった。

ある時、デパートに行ったら、木工の実演をやっていた。
職人がカンナで木を削ると、カンナ屑がくるくると丸くなって出てくる。
あの硬い木を削ると、女の子のリボンのように丸くなったカンナ屑が出る。
その形が面白いので職人の技を見ていた。

カンナ屑を見ているうちに、なぜか樽酒を思い出した。
そうだ、このカンナ屑を酒に入れれば樽酒になるはずだ。
鉋屑は薄くて表面積が広いから、酒は木の香りをすぐに抽出する。
俺は職人に聞いた。
「ねえ、このカンナ屑をちょっと貰える?」
「いいけどよ。そんなもん、何に使うんだい?」
「これをワンカップに入れれば、樽酒になるんじゃないかな。試したいんだよ。」
「アッハハハハ・・・・。面白いね。もって行きな!」
職人は大笑いしながら、カンナ屑をくれた。

早速、家に帰りワンカップにカンナ屑を入れた。
しばらく放置しておいてから飲むと樽酒の香りがした。
その時、問題点がひとつあった。
カンナ屑が浮かんでしまい飲みにくかったことだ。

広口瓶に酒とカンナ屑をいれ一週間ほど放置しておく。
カンナ屑だけを取り出せば自家製の樽酒になるのではないかな?
今度、やってみよう。

2007/2/15

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2007年2月14日 (水)

タイの諺

食事を終えたらヌチャナートが言った。
「寝たら?」
俺は子供の頃から「食べてすぐ横になるといけない」と言われていた。
日本人は食後すぐに横になるとお行儀が悪いと言われる。
また、「食べてすぐ寝ると牛になる」と言う。
俺はヌチャナートに言った。
「日本人はな、食べてすぐ寝ると牛になるというのだ。だから寝ない!」
それを聞いてヌチャナートは笑い出した。
「アハハハ・・・。タイ人は食べてすぐに寝ると蛇になると言うわ」
動物の種類は違うけど、日本人もタイ人も食べてすぐ寝ると動物になるという共通の諺を持っている。
それを聞いておれもにんまりした。

そう言えばこんな話を聞いたことがある。
日本の何処かでの話だ。
その地方では食べてすぐ寝るとクダンになると言い伝えられている。
クダンというのは頭は人で体が牛という化け物だったような気がする。
なぜ、その化け物の名前がクダンなのか、その人はわからなかった。
ある日、彼は「件」と言う字を思い出した。
「件」はクダンとも読む。
「件」の字は人偏と牛という字からなっている。
クダンという化け物は漢字から創造された化け物だったのだ。

2007/2/14

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蛙は食べないのに

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今日の料理はこのヤマウズラだ。
写真の撮り方が悪かった。
嘴の向きが悪かった。
不自然な向きだった。
これじゃまるで宇宙人だ。
俺はまだ宇宙人に会ったこともないし、宇宙人を食ったこともない。
地球の人口が増えすぎて食糧難になると、山で熊や鹿を狩るように宇宙で宇宙人を捕獲して食う時代が来るのか???
まさかそんなことはないだろう。

ヤマウズラは小さな鳥だが旨い。
歯のいい人なら頭の先からつま先まで食べてしまう。
ヤマウズラを適当な大きさにぶち切って鍋に入れる。
「唐辛子はこのくらいでいい?」
見ると唐辛子を三本持っている。
「うん」
「あたし、お腹がいっぱいだから食べないわ。サミイ、一人で食べてね。」
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日本人の常識では一人で三本の唐辛子を食べない。
慣れというのは恐ろしいもので、そんな料理でも食ってしまうのだ。
というより、これ以外の料理はない。
空腹を我慢するか、自分で料理を作るか、食べるかの三択だ。
「野菜を沢山入れる?」
「野菜を入れてくれ」
出来上がったのがこの料理だ。
小さな黄色いものは鳥のお腹に入っていた卵だ。
こんな小さな鳥も一人前に卵を持つのだとおかしくなった。
「ご馳走さま」
料理を食べ終えた。
ヌチャナートが可笑しそうに笑っていた。
「サミイは蛙を食べないでしょ?」
「・・・・」
「この鳥は蛙を食べるのよ。」
「・・・・」
「蛙は食べないのに、蛙を食べる鳥は食べるのね」
鳥が何を食べていようとも関係ない。
鳥は鳥だ!
そんなことを言ったら、ゴカイやミミズを食べている魚を食べられなくなる。

2007/2/13

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2007年2月13日 (火)

オックステールスープ

日本ではオックステールスープは我々貧乏人には高くてちょっと注文できない。
それにオックステールスープを出すレストランも限られている。
食べたくてもなかなか食べられないのがオックステールスープだ。

タイでもオックステールスープがあるのを本で知った。
牛の尾を煮込むと美味しいスープになると世界中の人々が知っている。
タイ人も牛の尾でスープを作るのを知って嬉しくなった。
一頭の牛から取れる量は限られており美味なので、牛の尾は何処の国でも高価だ。

ヌチャナートに「今度タイへ行ったら、オックステールスープが食べたい」と言っておいた。
それを覚えていて、レストランに入ると注文してくれた。
こういうのは現地の人間と一緒だから経験できる。
日本人同士ではこうはいかない。

観光客が入る宮廷料理の店なら英語や日本語のメニュウがあるから食べたい料理を注文するのも困難ではない。
田舎の店ではタイ文字のメニュウしかない。
こうなるとタイ語がわからない日本人は完全にお手上げだ。
メニュウにオックステールスープと書いてあっても、わからない。
他に客がいれば、店内を見回して美味しそうな料理を食べている客のテーブルを指差して「あれ!」と言って同じ料理を注文す

ることもできる。
他に客がいない時は発音が簡単で確実に通じるから「カオパット」と言って、焼き飯を注文することになる。

俺達が入った店は田舎の官庁ビルの前にあるレストランだった。
日本人の目では普通のラーメン屋程度の綺麗さの店だ。
店の一部は仕切ってあり、そちらにはエアコンが付いている。
タイの庶民感覚からするとちょっと高級そうな店、中級以上の店になるのかな?
昼飯時なので官庁ビルから出てきた役人風の連中はエアコンのある部屋に入っていく。
きちんとワイシャツを着て、ネクタイをしているのはエリートクラスの証拠だ。
彼等はビールを飲みながら食事をしている。
俺は役人が昼酒を飲むのを見て驚いた。

注文したオックステールスープが出てきた。
西洋風の味付けかと思っていたが違った。
完全にタイ風の香りだった。
俺はこの料理をオックステールスープと英語で呼んでいたので、勝手に西洋風の味付けを期待していた。
ここはタイなのだ。タイ人にはタイ人の好みと伝統的な味付けがある。
この味付けでいいのだと思い直した。
スープは淡い色の上品なコンソメだ。
この味なら間違いなく西洋人も受け入れる味だ。
それにタイの香草の香りがいい。
肉は柔らかに煮込んである。
美味しいスープだ。

2007/2/13

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ライムとレモン

ウチの料理ではライムやレモンをよく使う。
その代わり、酢はあまり使わない。
タイ料理の酸味は酢でつけたものだと思っていた。
ヌチャナートは酸味をライムやレモンでつけている。

日本ではライムやレモンは酸味よりも色や香りを重視している。
レモンの輪切りをカクテルグラスの縁にかける。
そうすると、ちょっと豪華になり、高級感がでる。
見た目の綺麗さを要求するので、新鮮なレモンでなくてはいけない。
日本人はライムやレモンに酸味をあまり求めていない。
酢の物などにすだちなど柑橘類の汁をいれることがあるが、これも香りを求めている。
柚子などは香りが強い皮だけを使い、汁をつかうことはない。
ライムやレモンは飾りであり、香りを求めるのが日本人だ。

ヌチャナートのタイ料理ではライムやレモンの酸味を要求するので、新鮮さは必要ない。
新鮮な物を買っても、レモンなどを使わない料理が続くとレモンは柔らかになる。
日本の家庭なら、そんなレモンは捨ててしまうだろうが、ヌチャナートは捨てない。
古くなって柔らかになったもの、皮が皺になったものでも構わないのだ。
ライムやレモンには皮にカビが生えることがあっても、腐るということない。
新鮮な果実だとジュースが沢山取れる。
古くなって皮が乾燥した果実でもジュースは取れる。
新鮮なものに比べるとジュースは少ないが、それで十分だ。
ライムもレモンも品種によって沢山ジュースがでるものとそうでないものがある。
果実が小さくてもジュースが沢山取れるものは「いい果実」とヌチャナートは称している。
ジュースを絞るためだから、見かけなんて関係ない。
果物屋の店先に古くなったライムやレモンが一山幾らで売っている。
そんなものを見かけると「安いわ!あれを買いましょう!」とヌチャナートは言う。
何処の国の女もバーゲンは大好きだ。

果物屋は「こんな古くなった果実を何に使うのだろう?」と思うだろう。
ヌチャナートの料理を見ているうちに、新しいフルーツを買う必要がないことが分かった。

2007/2/13

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タイのライム

最近の日本ではライムやレモンは安くなったが、昔は高級品だった。
俺は未だに「ライムやレモンは高いものだ」という観念が抜けきれていない。
タイではライムは安い。
小さい緑の粒だ。
ライムは高級品だと思う俺の目からすると、タイ人はライムを粗末に扱う。
タイ人はライムを半分に切って料理に使う。
ライムの半球を搾ってジュースを料理にいれる。
十分にジュースを入れたと思うと、まだジュースが出そうなライムでもポイ捨てをする。
高級品なのに勿体ないとついつい俺は思ってしまう。

料理に使わなかった残りの半分はそのまま放ったらかしにしている。
日本人ならラップをかけて表面の乾燥を防ぐ。
タイの人々はそんなことはしない。
ラップなんて高級品?だから買えない?
そんな習慣がまだ出来上がっていないだけだろう。
ライムなんて安いものだから大切に扱う必要はないと思っているのかもしれない。
肉や魚があればわんさかと黒山のように蝿がたかる。
蝿の多いタイでは真っ黒になり食べ物が見えなくなるほど蝿がたかるのに、ライムには蝿はたからない。
熱帯の暑さでライムの表面は直ぐに乾燥し始める。
表面が乾燥しても、まだ中にはジュースが沢山ある。
乾燥したライムを次の調理に使っている。

2007/2/13

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ニンニクの芽が

まさか育たないだろうと思っていたが、ニンニクの芽がぐんぐん大きくなった。
ウチの料理にはニンニクを沢山使う。
大量のニンニクを買い込んでいる。
そうすると、青い芽が出てしまうニンニクがある。
日本人はそんなニンニクを使わないで捨ててしまう。
ヌチャナートはお構いなく、青い芽が出たニンニクを使ってしまう。
俺は目が出たニンニクをベランダの鉢に植えた。
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そうしたら、芽が土から出てきた。
それまでだろう。
寒さで枯れてしまうだろうと思っていた。
今年は暖冬だからだろうか?
青い芽は大きくなった。
多分、このまま大きく育つだろう。
芽が大きく伸びると、ヌチャナートは葉を切り取って料理に使う。
それでもニンニクは必死に大きくなろうとする。
ヌチャナートは「買物に行く手間がかからないのでいいわ」と喜んでいる。
やがてニンニクは結球するだろう。
球になったニンニクもウチの料理になってしまう。

ニンニクの関連記事はここにあります。

ニンニクの芽、その後   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_93de.html
ニンニクの芽が   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_20ed.html
ニンニクの芽   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_5dc1.html

2007/2/13

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素晴らしい すごい とても良い 良い

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2007年2月11日 (日)

ラープ

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大好きなタイ料理の一つだ。これに胆汁を加えて苦いラープにすることもある。
ヌチャナートは苦いラープが好きだ。
俺は駄目!
タイ人の前で苦いラープを食べて「ウヒャー!ニゲー!」と言い、顔をしかめるとタイ人は大笑いする。
今日のラープは苦くない。
小さな紫色の玉葱はタイのものだ。
この玉葱がないと味が落ち着かないらしいのだ。
日本にある玉葱では駄目らしい。
この紫色の玉葱がなくなると必ず食材屋に行って買い求める。

籠のような器に入っているのが餅米だ。
このもち米と一緒にラープを食べる。
こうやって食べるラープは美味しい。
俺の額から汗が流れる。
辛い物を食べると必ず汗がでる。
汗を拭くのが面倒だ。
鉢巻をしてラープを食べる。
ラープともち米という組合せは実によい組合せだ。
二つの味の特徴が合わさり、よりよい味になる。

ラープの関連記事はここにあります。

ラープ    
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_6709.html
ラープ    
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_6709.html
今日のラープ   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_d8e4.html
海老のラープ   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_62b7.html
ラープを食べる   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/10/post_11c4.html
ラープをニ品   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_92b1.html
イサーン風ラープ   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_baa0.html
苦いラープ   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_40dc.html
砂肝のラープ   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/05/post_67bd.html
ナムトクかラープか   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/03/post_68c6.html

2007/2/10

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ヤムウンセン

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ヤムウンセンは日本人が大好きなタイの料理だ。
これは彩りが綺麗だ。
俺もこの料理が好きだ。
でもこれはちょっと危険な料理なんだ。
何が危険かというと、この赤い唐辛子だ。
春雨の下や中に唐辛子が隠れている。
それに気づかずに食べると口の中が火事になる。



いつだったかウチに来た友だちにヤムウンセンをお出しした。
「美味しい」と言いながら食べていた。
突然、友だちは立ち上がり「当たった!」と叫ぶ!
「ウ」と発音するように唇を前に突き出してヒィヒィと息を吹き出している。
息をかけることで口の中の火を消そうとしている。
冷たい水を飲ませた。
それでもまだ火は消えないらしい。
暫くは水を飲んだり、ヒィヒィと息をかけていた。
やっと口の中の火事が鎮火し落ち着いたら、またヤムウンセンを食べ出した。
今度は慎重に赤い唐辛子を避けながら食べていた。

2007/2/10

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ナムトック

どうしてこの料理をナムトックというのか分からない。
牛肉の赤身だけを使う。
これにいろいろな香辛料を混ぜ合わせる。
もちろん辛い料理だ。
辛いけど美味い。
酒飲みにR0018576 は堪らない。
これが有れば他に酒のつまみはいらない。
これだけでぐいぐいと酒を飲んでしまう。
これも餅米と一緒に食べる。
餅米の甘みと、ナムトックの辛みが合う。

これに使ったパクチーも日本の物だ。
パクチーを切りながらヌチャナートが言った。
「日本のパクチーはタイの物より香りがいいわ。」
何だか変なことを言う。
普通の人は同じものでも必ず自国の物の方が優れているという。
例えばドイツ人は「ビールはドイツの物に限る」と言う。
キリンやハイネッケンよりドイツビールの方が美味いという。
ヌチャナートは日本のパクチーの方がタイの物よりいいというのだ。
「ふーん」
「タイの農家は肥料をあげないのよ。日本の農家は肥料を沢山あげるから美味しいパクチーができるのよ」
ヌチャナートの言葉が正しいかどうかわからない。
ナムトックに加えたパクチーの香りはいい。
俺はいつしかパクチーが良い香りと思うようになっている。
この香りに慣らされているのだ。
初めてパクチーの香りを嗅ぐ日本人は悪臭と感じる。

2007/2/10

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餅米の器

タイの東北部では餅米をよく食べる。
蒸し上げた餅米を竹を編んだ笊のような容器に入れる。
一人前を入れる小さな容器から、家族が食べる分だけ入る大きな容器もある。

日本では釜で炊き上げたご飯を木製のお櫃に入れる。
最近の日本人は電気釜でご飯を炊き、そのまま保温しているのでお櫃を使わない。
俺ん家では「お櫃」とは呼んでいなかった。
「おはち」と呼んでいた。
「おはち」を毎日洗っては乾燥させていた。
「おはち」は柔らかなサワラのような木を使っていたと記憶している。
赤い銅のタガがはまっている。
長いこと、ごしごしと擦って洗うので木の部分は磨り減っている。
よく洗っているので、木の部分はいつも白かった。
タガがはまった部分は幾ら洗っても磨り減らない。
赤い銅のタガの部分は他の部分より一段高くなっている。
高くなっているのではない。
磨り減らないから、買った時の高さのままだ。

そんな経験があるから、タイ人が餅米を入れる竹製の笊のような容器も当然洗うものだと思い込んでいた。
餅米を食べた後で、ヌチャナートに聞いた。
「これはどうやって洗うの?」
笊のようなものの洗い方を聞いたのだ。
「そんなもの、洗わないわよ。」
「えっ!」
そんなはずはない。絶対に洗うはずだ。
「10年もてば、10年は洗わないで使っているわよ」
「・・・・」
驚いた!
ヌチャナートがそういうのだから間違いないだろう。
そういわれれば、笊の容器を干しているのを見たことがない気がする。
レストランで餅米を注文すると黒光りした容器にいれて持ってくる。
あれは手垢で黒くなったのだ!

餅米は放っておくと直ぐに乾燥して堅くなる。
網目にこびりついたもち米を割り箸などで突っつくと簡単に落ちる。
これを洗おうとすると、もち米が水を吸い込んで膨らむ。
竹の網目にくっ付いた餅米を剥がそうとしても、餅米は糊のようになり剥がれない。
米粒は一つだけではない。
そんな手間のかかることはやっていられない。
乾燥した餅米を剥がす方が簡単だ。
それに笊のような器には蒸し上げた熱い餅米を入れるので、その熱で笊の表面は殺菌される。
洗わない容器に入れたからと言ってもそれで食中毒を起こすことはない。
多分、ないのだろう。
手間がかからず、安全だから容器を洗わない習慣が出来上がっているのだと推定する。

安全に食事をするために、食事の前に手を洗い、食材も食器も綺麗に洗う習慣がついている日本人にはちょっと考えられない食

習慣だ。
タイのこの食習慣はいつか変化するのだろうか?

2007/2/10

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トムヤンパー 魚のタイ風鍋料理

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トムヤンプラと言うのが正しいのだろうが、タイ人はよくトムヤンパーと言う。
魚を使ったタイ風のシチュウと思えばいい。
今日の魚は鱈だ。
使う魚はなんでもいい。小魚は使わないな。
切り身ができるような大型の魚を使っている。
赤身の魚も使うのかな?
ヌチャナートはいつも白身の魚を使っている。
鮟鱇でトムヤンパーをやってもおいしい。

トムヤンパーに似た日本の料理は魚の鍋物だろう。
冬の寒い夜に熱燗の酒と鍋は体が暖まり美味しい料理だ。
俺達には鍋物と寒さ、鍋物で暖をとるという公式が出来上がっている。

熱帯の国タイで鍋物を食べるのはちょっと変な気がしませんか?
タイでは鍋を食べて暖をとる必要なんてありゃしない。
今日はトムヤンパーを土鍋に入れてお出ししたが、本当はしゃぶしゃぶ鍋のような鍋を使う。
固形燃料で鍋を暖めながら、トムヤンパーを食べる。
タイで鍋を暖めながらトムヤンパーを食べて、体が熱くなり汗をかいたという記憶がない。
どうしてなんだろうか?
唐辛子やその他の香辛料の薬効なのだろうか?

乾期の夜はタイでも涼しくなる。
俺達には涼しい夜だが、タイ人には寒い夜だ。
「今晩は寒いから、鍋でも喰うか?」なんて言いながら、タイ人はトムヤンパーを食べるのかな?

トムヤンの関連記事はここにあります。
   
トムヤンヌア   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_d695.html
トムヤンパー 魚のタイ風鍋料理
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_52fa.html
馬蟹のトムヤンプー   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_a41c.html
トムヤンプラムック   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_f508.html
トムヤンガイ   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/post_e950.html
トムヤンクン   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_3f9d.html
今日のトムヤンクン   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/05/post_521e.html
トムヤンタレ海鮮鍋   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/05/post_c538.html
トムヤンヌア   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/04/post_d695.html

2007/2/10

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トムカームウ 豚足料理

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タイの屋台から八角の臭いが流れてくる。
これはトムポローを売っている臭いだ。
日本ではトンポーロと言って中華料理で出される味付けと同じだ。
中華料理の店では豚のバラ肉を使っている。
タイでは豚足を使う。
飴色に輝く煮上がった豚足は美味しそうだ。

「ポローを作ってよ」とヌチャナートに頼んでおいた。
ヌチャナートはこの料理をポローと何時も発音している。
大きな豚足だと食べるのが面倒だから、食べやすい大きさに切ってあるものを買ってきた。
ポローが出てくるのかと思ったら、トムカームウになっていた。
豚足にはコラーゲンが沢山入っている。
スープもいい出汁がでている。
期待していたポローは出なかったが、これもいいお味でした。
豚足は手で摘んで食べる。
これを箸やナイフ・フォークで食べようとしても無理だ。
手で食べる方が美味しいのだ。
食べ終わると手がべとべとになる。
ナプキンで手を拭いて次の料理に挑戦!

2007/2/10

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ソムタム

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女が大好きなソムタムだ。
タイではソムタムに沢蟹のような小さな蟹を入れる。
逃げ回る蟹を捕まえては青いパパイヤと叩き潰す。
ちょっと残酷なような気がするが、「これが美味しいのだ」とタイの女は言う。
蟹が生きていれば問題はないが、時々もう死んでいる蟹を使うことがある。
新鮮なものならいいが、死んでから時間がたったものを使うと腹を壊す。
ヌチャナートもソムタムが大好きだ。
タイに帰ると必ず、屋台でソムタムを食べる。
今では日本でも青いパパイヤが手に入るから、ソムタムを作ることができる。
日本とタイでは気候が違う。
熱帯の気候の中でソムタムを食べる方が美味しいらしい。
その気持ちは分かる。
屋台でソムタムを食べたヌチャナートは翌日には、「腹具合が悪い。ソムタムが悪かったのよ」と言う。
それでもソムタムを売っているのを見ると、ソムタムを食べる。

ウチに友だちが来てくれた。
ソムタムの作り方をご披露した。
青いパパイヤを包丁でポンポンと叩く。
片手で持ったパパイヤをくるりと回す。
適当量の刻みを入れると、包丁でそぎ切る。
そうするとパパイヤの千切りができる。
友達は興味深かげにヌチャナートの動作を見ていた。
今日のソムタムは単純な味付けだ。
ヌチャナートは海老を発酵させたペーストを入れることがある。
これを入れると味が濃くなるが、海老や蟹に特有な臭いがでる。
そこがヌチャナートのお気に入りなんだ。
今日のソムタムには海老ペーストが入っていない。
その味なら俺も食べられる。
餅米を丸めてソムタムの汁につけても美味しい。

ソムタムの関連記事はここにあります。

ソムタムポンラマイ 果物のソムタム 
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_a524.html
インゲンのソムタム   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_806d.html
ソムタム    
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_a806.html
二人のソムタム    
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_d616.html
ソムタムの道具    
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_fbe8.html
ソムタム祭    
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_0b60.html
瓜のソムタム    
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_baa8.html
ソムタム    
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/10/post_a806.html
熱いソムタム    
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/10/post_cc7b.html
茄子のソムタム    
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/10/post_ccda.html
ソムタムを作る    
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/post_ed2f.html
ソムタムを食べる   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/05/post_5e83.html
今日のソムタム    
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/04/post_f488.html

2007/2/10

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2007年2月10日 (土)

小さな帆立貝

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小さな帆立貝があった。ヌチャナートがこれを買いたいと言う。
俺はこの貝をつかってスープかシチュウにするのだと思った。
多分、赤いスープだ。
唐辛子の辛味がきいて、青い葱などが入っている料理を作るのだろうと想像していた。

出されたものは帆立貝を茹でただけだった。
それに、ナンプラ、レモン、唐辛子、長ネギを加えたソースがついている。
ソースを掻き混ぜる。
小さな帆立貝だから簡単に身が外れる。
箸で身を摘んでソースにつけて食べる。

「茹でた貝をソースにつけて食べる」食べ方は世界中にある。
国によってソースの味が違う。
このソースはタイの味だ。
日本だったなら、醤油にレモン等を入れたポン酢あるいは塩とレモン汁などで食べるのだろう。

2007/2/9

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食の常識

誰でも自分がやっていることは普通で常識の範囲内のことだと思っている。
食でも同じだ。
自分が食べている方法は普通のやり方だと思い込んでいる。
他の人から見るとそれはおかしな食べ方になる。

例えばこんなことを欧州の何処かで目撃した。
日本人の若い男が火を通さないウインナーソーセイジとパンを噛っていた。
それを見た二人の若いアメリカ人の女が顔をひかめながら、気持ち悪そうに
日本人の男がウインナーを食べるのを見ていた。
日本人の常識ではウインナーはすでに加熱処理されているのだから、そのまま食べてもいい肉製品だ。
野獣のように生肉を噛っているのではないと考える。
ウインナーの仲間の肉製品であるロースハムは加熱しないでそのままサンドイッチにしているではないか。
だからウインナーを店で買ってきたまま丸噛りをしてもおかしいことではない。
このように日本人は考える。
アメリカ人の常識ではウインナーやフランクフルトソーセイジは炒めるか茹でて温かくしてから食べるのが普通なのだ。
アメリカ人から見るとウインナーを加熱しないまま食べる日本人の行動は異端なのだ。
考え方、意識の差はこんな所にも表れるのだ。
それを見て俺は一人でにやっと笑ってしまった。

アボガドに醤油をつけると美味しいと書いたことがある。
メキシコ人から見ると、醤油をつけながらアボガドを食べている日本人はアボガドの美味しい食べ方を知らないと軽蔑するかもしれない。

タイ人は未熟の青いマンゴーを好んで食べる。それが彼等の常識だ。
日本人は完熟したマンゴーを食べる。これが日本人の常識だ。
オレンジジュースに塩を入れるのがタイ人の常識だ。
塩味のあるオレンジジュースなんて日本人の常識外だ。

刺身は日本人の常識だ。
魚の食べ方で刺身ほどうまい食べ方はないと日本人は考える。
欧米人の考えでは魚の生肉を食べるなんて考えられない。

自分ではおかしなことをしていないと思っているが、タイ人からみれば俺はおかしな食べ方をしているかもしれない。
食と言うのは楽しむものだから、自分が美味しいと思う方法で食べるのが一番いいのではないかな?
違うかな?

2007/2/9

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2007年2月 8日 (木)

高菜の創作料理

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高菜の漬物をシチュウにしてしまいました。
日本人は漬物を味噌汁の中に具として入れて食べるなんてことやりません。
高菜の漬物を豚肉と一緒に煮込むなんて発想はタイ人だからできることです。
外国人の発想ですね。
彩りはそれほどよくないですが、食べると美味しいですよ。
「ああ!高菜もこうやるとこんな味になるのだ!」
と驚きます。
思いもよらない料理を出されると、本当に面食らいますね。
高菜が嫌いな人でもこの料理なら大丈夫かもしれません。
驚き、呆気にとられ、しまいには笑い出してしまいました。

タイ人には当たり前の料理ですが、和食のレストランでは創作料理になるのでしょうね。

2007/2/8

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クワヌア

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腹が減ったが、ヌチャナートが洗濯を終えるまで待っていた。
あんまり飯を食うといけない。
丁度良い。
飯ができるのを待っていた。

今日の飯はこんな飯だ。
飯の名前を聞いたら「クワヌア」と言うそうだ。
辛いとは思わないが顔から汗が吹き出る。
汗をかくのは辛い証拠だ。
美味いと思うから、黙々と食べている。
こういう時は辛いとは感じない。
ヌチャナートは俺が汗をかいているなんて思っていないらしい。
「辛くないでしょう?」
「・・・」
黙ってヌチャナートの方を見る。
「あら、汗をかいているじゃない。辛いのね」

今は寒いので薄荷の育ちが悪い。
小さな薄荷の葉が少しだけ入っている。
薄荷の葉を噛むと良い香りが口の中に広がる。

この料理はタイの味、タイの香りだ。

2007/2/8

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塩っぱい

タイの料理は辛くて、辛くて閉口する。
俺もタイ料理を食べ始めた時は、辛さのために他の味や香りが分からなかった。
今でもそれほど味の違いがわからない。
分かろうともしていない。
タイ人はあの辛さのなかから微妙な味の違いを見分けるのだ。
俺は味音痴ではないが、いちいち味を吟味しながら食べるのが面倒なっている。
味を評価しながら食べていると、食事が仕事になってしまう。
食事というのはゆったりと、音楽を聞きながら食べる。
あるいは腹が減っていたなら、がつがつと食べる。
それが美味しい食べ方だ。
味を考えながら、以前に食べた物を思い出して比較しながら食べていたのでは食事の楽
しみが半減する。
グルメと称する人を見ると、俺は「ご苦労さん」と声をかけてあげたくなる。

ああ、そうそうタイ料理の話をしようとして書き始めたのだ。
タイ料理は辛すぎて他の味が解らないと書いた。
その続きを書かなくてはいけない。

屋台のようなレストランで店の女がソースを作っていた。
唐辛子を沢山いれた。
「うわー!スゲェー量だな」と驚きながら女の作業を見ていた。
女は味見をしてちょっと考えながら調味料を加えていた。
「あの辛みの中にある味の違いを女は見ることができるのだ!」
俺は感心し驚いた。

俺が使ったタイ語の教科書にこんなシーンがあった。
白人の女とタイ人が食事に行く。
「この料理は塩っぱい」とタイ人が言う。
白人の女は「塩っぱい」と言う単語が解らない。
タイ人は英語で「salty」と言うと白人は理解した。
俺はこのシーンを勉強する時、いつも不思議に思った。
白人の女は辛さで舌が痺れて塩味なんて解らないはずだ。
それなのに、「そうね」とかなんとか言って会話を続けている。
これはタイ語会話の教科書だ。
想定会話の見本だから、白人の女が味が解ろうと、解るまいと関係ないことだ。
そんなことは解っているが、このシーンになると俺は何時も落ち着かない気持ちになる

俺がタイ語会話の本を書くならこのシーンは「辛くて味がわからない」と書くだろう。

2007/2/8

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台所のゴミと環境

料理を作れば当然ゴミがでる。
調理の過程で出る野菜の切りくず、魚の頭などと言ったゴミは通常のゴミとして捨てられる。
出来上がった料理を食べ終わると、皿が汚れる。
皿には油、かけすぎた醤油やソースの残りなどが付いている。
煮物などの場合は汁が残っている。

今までは汁は流しに捨てていた。
汚れた皿は水でさっと流してから洗っていた。

食べ終わった器は紙などで拭いてから洗うと環境に優しいといわれた。
それを聞いた時、俺は思った。
「拭き取った紙はごみ焼却場に行くのだろう。それはごみ焼却場の負担を大きくするだけだ。
洗い流すと汚れは下水処理場に行き、そこで浄化される。
焼却場の負担が大きくなるか、下水処理場の負担が大きくなるかの差だ。
どうやってもコストも環境への負担は変わらない」
このように思っていた。

どういう風の吹き回しか、食べ終わって汚れた皿を紙で拭いてから洗うようになった。
どうしてそんなことをやり始めたのか覚えていない。
今はそれが習慣になっている。
皿を拭き続けているうちに考えが変わってきた。
「やはり、皿を紙で綺麗にしてから洗うほうが環境にやさしいのではないか?」
そんな風に思えるようになった。
理屈ではない。そう感じるだけだ。

汚れた皿をそのまま洗い、汚れをそのまま下水に流すほうが簡単だ。
汚れた水は下水処理場までの長い道のりにある全ての下水管を汚しながら進む。
下水管には油脂分が付着して水の流れが悪くなる。

皿の汚れを紙で拭けば、紙はそのまま焼却場に運ばれる。
家から焼却場までの環境を汚すことはない。

汚れた紙を焼却する費用と、汚れた水を浄化する費用ではどちらが安いのか俺には分からない。
なんとなく思うのだが、汚れた紙を焼いてしまう方が、汚水を処理するより金がかからない気がする。
汚水処理には薬品も必要だし、ろ過も必要だ。
水分を含み燃えにくいゴミでも乾燥したゴミと一緒ならいつかは燃える。

食べ終わった皿は紙で拭いてから洗う方が環境に優しいのではないかという気がしている。

2007/2/7

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2007年2月 7日 (水)

チキンスープ

このチキンスープの作り方を教えろと言われても教えられない。
ケチではない。教えるほどのことはないからだ。
鶏肉を煮たお湯に塩を入れただけなんだ。
ねっ!教えるほどのことはないでしょ。
塩加減だけが味の決め手だ。
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これに長ネギを加えて香りづけした。
こんな簡単な料理だけど、これは飽きがこない。
鶏肉を茹でたお湯を捨てていませんか?
このスープを一度作ったなら、もう絶対に鶏肉を茹でた後のお湯を勿体なくて捨てることができなくなります。
表面に脂が浮いているでしょ。
この脂が熱を逃がさない。
熱いうちにこのスープを食べてしまう。

今日は他に料理があってチキンスープは要らないのなら、残しておけばいい。
脂が固まったなら、静かに脂を取り除く。
これもいい味がでているんだ。
このスープでいろんな料理ができる。

2007/2/6

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2007年2月 6日 (火)

残飯整理

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この飯は残飯だ。
出来上がった時は緑の豆が色鮮やかだった。
常温にだしていたが、まだちょっと綺麗な色が残っている。
豚肉と豆をオイスターソースで炒めたものだ。
辛味はない。
これなら辛さに弱い日本人でも食べられる。
いつも新しい料理を食べているわけではない。
時々、このように残飯整理をする。
大金持ちの家庭ではそんなことしないのだろうか?
残飯の方が美味しい料理がある。
前の晩に食べたカレーを温めなおして翌日食べる方が美味しい。
おでんなんかもっと味が沁みて美味しくなる。
大金持ちは温めなおしたカレーの美味しさを知らないかも???
気の毒だ。
金持ちにはなりたくない!なーんちゃって!
この料理は色合いが命だ。
色が鈍くなったので、目で見る美味さがなくなった。
器の底に溜まっている汁の美味さは変わらない。
これは残飯だけど、美味しさは合格だ。

2007/2/6

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2007年2月 5日 (月)

ゲンマラゴ パパイヤのシチュウ

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腹が減っていた。気が付いたら昼飯もろくすっぽ食わないであれこれをしていた。
やっと用事が終わり、駅から家に電話した。
「俺は今、駅にいる。まもなく帰る」
「早く帰ってきて!」
飯を作っておいてくれとは頼まなかったのに、家に着くとヌチャナートはちゃんと飯を作っておいてくれた。
玄関の扉を開けるとタイ料理の臭いがした。
この臭いを嗅ぐと食欲がでてしまう。
近所の人には異臭だろう。
俺にとってはこの臭いは食欲を満たしてくれる有難い臭いなのだ。
ヌチャナートの手料理に慣らされている。
そうかと言っても、近所の家から流れてくる里芋を煮る臭いを嗅いでもやはり食欲がでる。
日本人の味覚を忘れているわけではない。

腹が空いているので熱いゲンマラゴを慌てて食べた。
唐辛子の刺激が鼻に来る。
思わずくしゃみがでた。
これはいけない。もっと落ち着いて食べよう。
「落ち着け!落ち着け!」と自分に言い聞かせながら食べた。
ゆっくり食べるとそれほど辛くない。
スプーンで鶏肉と青いパパイヤの薄片を掬ってご飯にかける。
ヌチャナートは俺の食べ方を黙ってみている。
いつもは「これはこうやって食べるのよ!」と煩い。
俺は自分流に食べたいのだ。
マナーに反してもいい。
普通の食べる順序とは異なってもいい。
俺が美味しいと思う食べ方で料理を食べたいのだ。
今日はヌチャナートがお勧めする食べ方と一緒だったみたいだ。

腹が空きすぎている時は意識的にゆっくり食べる必要がある。
ゆっくり食べると静かに満腹感がでてきた。
家庭料理を食べた満足があった。

2007/2/5

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2007年2月 3日 (土)

二人のソムタム

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タイ東北部の人はソムタムと呼んでいる青いパパイヤのサラダが大好きだ。
特に女が好む。
男もソムタムを食べるけれど、余り食べないようだ。
「ソムタムを食べるでしょ?」
どうしようかなと迷った。
海老を醗酵させたガピーが入ると生臭くなる。
あの臭いがタイ人にはいいらしいのだが、俺は駄目だな。
旨味が強く出るのは分かるが、海老や蟹特有な臭いも強く出る。
「ガピーを入れない奴なら食べるよ」
ヌチャナートは青いソムタムをポクポクと叩いて千切りを作っている。
「トマトは何処かしら?」
冷蔵庫の中を覗き込んでいる。
トマトを取り出してパパイヤと一緒に臼で突いている。
「アハハ・・・子供の食事よ!」
俺のソムタムのことを言っている。馬鹿にしているのかな?
馬鹿にされてもいい。
辛すぎるソムタムを食わされるよりましだ。
これが俺のソムタムだ。
綺麗な色合いだ。
白い器に似合う色だ。

ヌチャナートは自分の好みで味付けをした。
蒸し上げたもち米と一緒にソムタムを食べている。
もち米を指で丸めてはソムタムの汁につけて食べている。
「美味しいわ」
このソムタムの色を見てくれ。
俺のソムタムの色とは全く違う。
赤を通り越して茶色になっている。
「辛くて美味しいわ」
あの色ではかなり辛そうだ。
「サミイのソムタムには唐辛子は一本しか入っていないわ」
食べ始めた時にはそれほど辛いとは思わなかったが、食べているうちに辛味を感じ始めた。
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唐辛子一本でこのくらい辛いのだ。
ヌチャナートのソムタムには少なくとも4,5本の唐辛子がはいっているだろう。
最初は「辛くて美味しい」と言っていたが、終わりの方になるとヌチャナートも
「ああ、辛い!」と言い出した。
そう言いながらも辛い食事に満足している様子だった。
これが二人のソムタムだった。

ソムタムの関連記事はここにあります。

ソムタムポンラマイ 果物のソムタム 
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_a524.html
インゲンのソムタム   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_806d.html
ソムタム    
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_a806.html
二人のソムタム    
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_d616.html
ソムタムの道具    
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_fbe8.html
ソムタム祭    
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_0b60.html
瓜のソムタム    
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_baa8.html
ソムタム    
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/10/post_a806.html
熱いソムタム    
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/10/post_cc7b.html
茄子のソムタム    
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/10/post_ccda.html
ソムタムを作る    
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/post_ed2f.html
ソムタムを食べる   
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/05/post_5e83.html
今日のソムタム    
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2006/04/post_f488.html

2007/2/3

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牛ハラミと竹の子

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牛のハラミと竹の子を煮込んだ。
時間をかけて煮込んだハラミは柔らかい。
この煮込みにはレモングラスが入っている。
唐辛子もたっぷり入っている。
俺は辛さで汗をかいているが、ヌチャナートはこの辛味は普通だという。
日本人はハラミを味噌で煮込むだろう。
こういう味噌煮込みもうまい。
タイ人が作るハラミの煮込みも美味いよ。
タイ料理ではいろいろな香辛料を加えて煮込んでいるのでハラミの臭みが消えている。
消えているのではなくて臭みが隠されているのだ。
臭みが消えたのでも隠れたのでもどっちでもいい。
これは安くて美味い料理だ。
ヌチャナートは調味料、香辛料を加えて煮込み始めたらもう鍋を火にかけているだけで見ようともしない。
適当な時間 煮込んだら「食べられるわよ」と言って出してくる。
主婦が作るこのような手抜き料理が家庭の味なんだろうな。
こういう味って飽きがこない。

2007/2/2

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2007年2月 2日 (金)

餅つき

満月の夜だった。月を見上げながらヌチャナートが言った。
「お月様が綺麗ね。月には兎がいるのよ」
タイ人も月の黒い影を兎と見るのだと知ってちょっと驚いた。
「日本人も月には兎がいると考えているよ」
「あの兎、耳が長いわね」
確かに耳の長い兎に見える。
「兎はタムカーオしているのよ」
タムカーオというのはどういうことなのかよく解らない。
直訳すると米の作業ということになる。
タムカーオは籾を取る作業かもしれない。
あるいは精米なのかもしれない。
米に関連した作業なのは間違いない。
「米は普通の米かい?餅米かい?」
「解らないわ。お米よ」
タムカーオと言いながらヌチャナートは杵を上下に打ち降ろす仕種をした。
十五夜お月さんの絵に描かれる兎さんの姿と同じだ。
片手で杵をもって臼を突いている姿だ。
ヌチャナートの仕種は日本の餅つきのように杵を振り降ろす仕種ではなかった。
タイ人も月の兎は片手で真ん中が細くなった杵を持ち、米をついている姿を想像しているのだとわかった。
月の兎は米の作業をしているとタイ人は考えるということは はっきりした。
片手で杵を持ち、臼の米を突く作業は青いパパイヤでソムタムを作る作業に似ている。
兎がソムタムを作っているのだとはタイ人は考えないのだ。
そこがちょっと笑える。

日本では臼を使っての作業は餅つきと決まっている。
昔は臼で粟や稗などを脱穀していたかもしれない。
少なくとも現在は臼と餅は切り離せない。
俺達は月の兎は餅つきをしていると考えている。
タイには餅がないので、タイ人は月の兎が餅つきをしているとは考えないのだ。
日本人とタイ人は考え方が似ているが、何処か違う所がある。
ヌチャナートと月を見上げながら、考え方の相違を知り笑ってしまった。

2007・2・1

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クンヤム 海老サラダ

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川海老があった。ヌチャナートのお気に入りだ。
「これでクンテンを作りましょうよ」
「止めときな!」
クンテンを作るにはもっと跳ね回る海老を使わないと危険だ。
今日の川海老は、ちょっと元気がなくなっている。
「これでクンヤムを作るわ」

川海老のサラダだ。
海老を茹でると、赤くなった。
これにニンニクや唐辛子を入れて掻き混ぜる。
見た目が綺麗なサラダだ。
今日は川海老で作ったが、他の海老で作ってもいい。

2007/1/31

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2007年2月 1日 (木)

生ハム

デパートの地下で生ハムを見つけた。
ああ、そうだ!タイにはいろいろなソーセイジがあるが生ハムはない。
ヌチャナートは生ハムを知らないはずだ。
是非これを買って試食させよう!

タイでも西洋人を客としている店ではいろいろなソーセイジやハムを売っている。
よい製品もあるが、なんだこれ!と驚くほどお粗末な製品もある。
生ハムを輸入しても購買層が薄いので採算が取れないはずだ。
日本でも生ハムは手に入りやすくなったが、まだまだ売っている場所は限られている。
そんなことから考えてもタイには生ハムはないと言えるのではないかな。

生ハムの一切れを差し出した。
「ヌチャナート、これを食べてごらん。美味しいよ!」
適度な塩味、豊かな香りが口の中に広がる。
柔らかで粘るような噛み心地。
これが生ハムの味だ。
ヌチャナートもこの味を喜ぶはずだ。
そう決め込んでいた。
「うん、美味しい!」
もっと食べさせようとしたが、食べない!
「サミイが食べたら!」
こういう時は味が気に入らない時だ。
やはり、生ハムの味はヌチャナートのお気に入りにならなかったのだ。
生ハムの味、感触はタイ人のお好みではないのかもしれない。

2007/1/31

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