鯖の水煮缶詰
日本人は缶詰の魚の調理が下手だ。下手と言うと語弊がある。
調理の仕方をあまり知らないと言う方が正しいと思う。
鯖の水煮缶詰を開けたとしよう。
多くの場合、缶を開けたら中身を皿に移すこともしない。
缶の中から魚を摘んでお采にする。
味に物足りなさを感じると醤油をかけて食べる。
とんかつソース、ケチャップ、マヨネーズなどをかける人もいるかな?
醤油をかけるのが普通の食べ方だと思う。
日本人は缶詰を完成された料理だと思っているからこうなるのだろう。
タイ人は缶詰は料理の素材だと思っている。
つまり、缶詰の魚は半完成品だと思っているのだ。
半完成品を食べても美味しいはずはない。これに手を加えればもっと美味しくなるとタイ人は考える。
この柔らかく煮えた魚をどうやって美味しく食べられるかタイ人は工夫する。
日本人の嗜好を知っている缶詰会社は鯖の味噌煮缶詰なども出している。
タイ人は水煮缶詰を半完成品だと思っているから、味噌で味付けされた缶詰は完成された加工食品と感じる。
完成品には手を加えることができないから、味噌煮の缶詰はタイ人には不評だ。
ヌチャナートは鯖の水煮を使って今日はこんなものを作った。
魚の舐め物だ。魚の舐め味噌と思えばいい 。焼いた魚でも同じ
ものができる。缶詰は既に熱がかかっているので焼く手間がいら
ない。簡単に料理を作れる素材だ。不意に来客があったなら、缶詰
の蓋をあけてこれをだせばいい。
クラッカーがあれば、クラッカーの上にこれを乗せて食べてもらう。
この舐め物とビールで時間稼ぎをしておいて他の料理を作ってしまう。
そんな早業がこの鯖の水煮缶詰でできる。
缶詰は鯖でなくてもいい。鮭でも鰯でもいい。
今日はフライパンに油を敷いてナスを軽く揚げた。
茄子の上にこの舐め物を乗せて食べた。
唐辛子の辛味と茄子の旨味は相性がいい。
安い素材の組み合わせだけど、美味しい料理だ。
料理はなにも高価な素材を使うことはない。
知恵で幾らでも美味しいものができるんだ。
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2007/2/26
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