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2007年2月 2日 (金)

餅つき

満月の夜だった。月を見上げながらヌチャナートが言った。
「お月様が綺麗ね。月には兎がいるのよ」
タイ人も月の黒い影を兎と見るのだと知ってちょっと驚いた。
「日本人も月には兎がいると考えているよ」
「あの兎、耳が長いわね」
確かに耳の長い兎に見える。
「兎はタムカーオしているのよ」
タムカーオというのはどういうことなのかよく解らない。
直訳すると米の作業ということになる。
タムカーオは籾を取る作業かもしれない。
あるいは精米なのかもしれない。
米に関連した作業なのは間違いない。
「米は普通の米かい?餅米かい?」
「解らないわ。お米よ」
タムカーオと言いながらヌチャナートは杵を上下に打ち降ろす仕種をした。
十五夜お月さんの絵に描かれる兎さんの姿と同じだ。
片手で杵をもって臼を突いている姿だ。
ヌチャナートの仕種は日本の餅つきのように杵を振り降ろす仕種ではなかった。
タイ人も月の兎は片手で真ん中が細くなった杵を持ち、米をついている姿を想像しているのだとわかった。
月の兎は米の作業をしているとタイ人は考えるということは はっきりした。
片手で杵を持ち、臼の米を突く作業は青いパパイヤでソムタムを作る作業に似ている。
兎がソムタムを作っているのだとはタイ人は考えないのだ。
そこがちょっと笑える。

日本では臼を使っての作業は餅つきと決まっている。
昔は臼で粟や稗などを脱穀していたかもしれない。
少なくとも現在は臼と餅は切り離せない。
俺達は月の兎は餅つきをしていると考えている。
タイには餅がないので、タイ人は月の兎が餅つきをしているとは考えないのだ。
日本人とタイ人は考え方が似ているが、何処か違う所がある。
ヌチャナートと月を見上げながら、考え方の相違を知り笑ってしまった。

2007・2・1

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