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2007年4月28日 (土)

タイの葬式:怨霊払い

第1章 火葬

タイの時間の数え方は色々ある。同じ時間を言うのに三種類ほどの言い方がある。時間を確認するために、タイ語が良く分からない俺は別の表現で時間を言い表さなくてはいけない。さもないと俺は飛んでもない間違いを犯してしまう。
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今日は遺体を荼毘にふす葬式の最後の日だ。火葬の時間をヌチャナートに聞いた。火葬は夜の時間帯に行われると俺は解釈した。
それにしてもおかしな時間帯に火葬をするものだ、きっと俺の解釈が間違っている。初日に世話役が黒板に葬儀の式次第を書いていた。その写真を撮っていたことを思いだし、デジカメで見て時間を確認した。
やはり火葬は昼間に行われるのだ。俺の時間の解釈が間違っていた。式次第を写真に撮っておいたので助かった。

俺達は時間に遅れて式場に到着した。既に式は進行していた。百名ほどの参列者がいた。日本の常識では大変な数の参列者だが、タイではこれは小さな葬式だ。R0019414pct40 

参列者の服だが、葬式では黒が好ましい色とされている。その逆におめでたい結婚式には黒服は許されない。しかし、あまり色にこだわらないようだ。派手な色、派手な模様の服を避ければいいようだ。王様の色とされている黄色の服で参列している者もいた。
Sex Easy Love Hardなどと葬式には相応しくない言葉が書いてある白いTシャツを着ている女もいた。英語の意味を理解していれば彼女はこれを着てこなかっただろう。

日本人の目から見ると、彼等の服装は葬式に相応しくない普段着、
無作法な服で参列しているように見える。しかし彼等は普段は着な
い、よそ行きのお洒落な服を着ている。
死者に敬意を払い、清潔で綺麗な服を着て葬儀に参列している。
こういうことが分かるようになるには時間がかかる。タイの普通の生活を知らないと理解できない。

棺桶はこの日まで綺麗に装飾を施した化粧箱に入っていた。
荼毘にふす今日は棺桶は化粧箱からとりだされている。白く塗られた棺桶の所々に金色の装飾がなされていた。単純で素朴だが綺麗な装飾だ。

遺体を荼毘にふす炉は高い煙突がついた寺のような形をしている。
普段は閉じられている炉の口が今日は開いている。

炉から鉄製の車が引き出されていた。車には沢山の炭が乗っていた。この車に棺桶をのせ炉に入れるのだとすぐに推定がついた。R0019405pct40 

炉までは階段を10数段ほど上らなくてはいけない。人の背丈以上の高さに炉がある。階段には白と黒の布で装飾が施されている。布の所々に花束が飾られている。
炉の前は15畳以上の広場になっている。棺桶はその広場に安置されている。炉の入り口に対して横向きに棺桶は置かれていた。
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司会者が「どこそこで何をやられている誰其れさん」と紹介する。
来賓の方々だろう。村長さんも名前を呼ばれていた。
名前を呼ばれた人は親族に会釈してから、棺桶がおいてある場所に続く階段を上る。綺麗な布のようなものを献上していた。
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その間に世話役が参列者に紙の造花を渡していた。献花や花束は赤、黄色、白、ピンクなどいろいろな色が使われているのに、造花は白だけだった。手元に紙が巻かれた竹串に造花はつけられていた。R0019426pct40 

親族や来賓が最後のお別れを済ませると、我々のような参列者が造花を献花する。一般参列者の数が多いので行列を作る。
普段のタイ人は行列を作って待つことをしない。我先に目的物に殺到するのだが、今日は違っていた。皆、静かに順番を待っていた。

献花は大きなお盆に乗せる。献花を済ませると、棺桶を撫でたり軽く叩いている。造花の献花を済ませると、階段を下りる。
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階段の下には世話人がいる。世話人はお盆に小さな物を載せている。
献花を済ませた人は小さな物を受け取る。全員の献花がすむと、献花は炉に入る車に乗せられる。
車には遺体を火葬にする炭が積み上げられている。白い造花は黒い炭の上で淋しげだ。

救急車が二台も待機していた。
「なんでここに救急車が来ているんだい?」
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不思議に思い、ヌチャナートに聞いた。
暑い中で長時間の葬儀に参列していると気分が悪くなる人がいるので救急車が待機しているそうだ。それにしても一台の救急車に4名が乗っている。
何故、そんなにも多くの救急隊員が必要なのだろうか?
彼等は葬儀とは無関係なので離れた場所で談笑している。仕事で待機しているという緊張感は見られない。

司会者が死者とのお別れの言葉を述べる。参列者はその言葉を聞いているのか聞いていないのかわからない。参列者の様子から見て誰も話を聞いていない。

司会者の話が終わると、十人ほどの若い男が飛び出して棺桶を炭を置いた車の上に乗せる。今まで炉の入り口に横向きに置かれていた
棺桶が縦向きになった。いよいよお別れだと知った。
今まで司会者の話をだらっと聞いていた参列者の中に小さな緊張が走った。
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棺桶の蓋が開けられ、遺体との最後のお別れをすることになった。
棺桶の中は白い布で覆われていた。白い布の上には模様がついた
ござが敷いてある。遺体はござの上に乗せられる。
白い布で遺体は包まれていた。遺体には本当に薄い死に化粧が施されていた。

ここで初めて泣く人々を見た。泣く人の肩を抱き慰めている。何処でも見られる葬儀の光景をここでも見た。棺桶には造花や線香を入れる。三途の川の船頭に渡す金だろうか、棺桶に小銭を投げ入れる人がいる。

一人の男がココナツの実をもって祈る。炉に入れる車にココナツを叩きつけてココナツを割る。ココナツの汁を遺体の周囲にかける。棺桶の周囲にも灯油をかける。

車を棺桶ごと炉に入れる。車に何らかの支障があったらしい。
車の周囲がざわついた。小柄の隠亡さんがでてきて何やら指示すると、車は炉に入った。
炉の蓋が閉じられた。炉の前の広場から人が消えた。
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誰がどのように着火するのかと見ていた。バイクのエンジンのような騒音がした。
静かな葬儀に相応しくない騒音だ。ヌチャナートが見ろという方角をみると煙突から煙がでていた。先ほどのエンジンの音は炭に火を付けていたのだ。

隠亡さんは階段などに飾り付けてある花束を外している。白と黒の幕も外し始めた。火葬場はだんだんと普段の姿に戻って行く。これで人々は散会した。

第2章 自殺

村の人々が集まりひそひそと話をしている。何を話しているのか俺のタイ語ではわからない。
しかしその雰囲気は尋常ではない。好ましくない事を話題にしているらしいと察した。俺達が50キロほど離れた町に出かけている間に起きたらしい。

「何が起きたんだ?」
質問しても詳しいことは理解できないだろうが、何が起きたのかどうしても知りたかった。タイ語の勉強と思って質問した。
「あの家の人が首を切って死んだのよ」
「・・・・」
誰かが死んだことは分かった。自殺か他殺かわからない。
死んだ原因は首と関係がありそうだが、首を吊ったのか、切ったのかはっきり分からない。身振りから判断して切ったようだ。
「首を切って死んだのか?」
「そうよ」
「自殺なの?」
「そうよ」
いつ「自殺」なんてタイ語を覚えたのだろう?ちゃんと通じている。
「日本では自殺すると警察が来て自殺か他殺か捜査するよ。タイでも同じか?」
「同じよ。警察が来たわ。」
「・・・・。やはり同じだね。」
他の人に自殺の原因を聞いた。どうやら太っていることを気にしていて薬を飲んでいたらしい。
「薬で頭がおかしくなったのよ」
太り過ぎを気にする余り、人生に悲観してしまい自殺に走ったらしい。
自殺したのはまだ若い25歳になる女で二人の子供がいる。

葬式は近所の寺で本日取り行うとのこと。
日本では死後24時間以上たたないと葬儀ができないように法律で決まっている。
昨日の昼頃に村を出た。その時には自殺騒ぎはなかった。
死体が発見されたのは昼過ぎのはずだ。葬儀は今日の13時に行われる。死体発見から24時間経っているのかいないのかあやふやな時間に葬儀を行う。葬儀を行うと火葬されるのか?

痛ましい事件が起きたものだ。死者の冥福を祈る。

第3章 葬儀初日

親族が遠くに住んでおり親族全員が集まるのに時間がかかる。
通常は三日で終了する葬儀だが、今回は4日かけて葬儀を行うことになった。
今ならドライアイスがあるから簡単だが、昔はこの暑さの中で遺体をどのように保持するのか不思議だ。
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昼に寺に行った時は薄い白で塗られた棺桶のような箱があった。
夕方、寺に行くともうその箱はない。螺鈿細工のような綺麗に装飾が
施された箱の中に棺桶のような箱は納められたのだろう。

小柄な隠亡さんがいた。隠亡さんは大きな燭台についた古い蝋をかきだしていた。蝋を捨てながら言った。
「古い蝋があってはいけなんだ。新しいものを使うものだ。」
隠亡さんは昔からの仕来りを守っている。葬儀式場に飾る花輪の準備もされていた。
日本とは違っていろいろな色の花が使われているのに興味をもった。
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正面の高い所に仏像が安置されている。仏像よりも低い段に僧侶が座る金色の綺麗な椅子が設けてある。
椅子の隣には長さ80センチほどの棒に長径50センチ短径40センチほどの金色の団扇のようなものがある。
団扇の表面には装飾が施され黒に近い青い色で文字が書いてある。この団扇は儀式に利用されるか、僧侶に風を送るために使われるものと推定した。
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葬儀執行人の挨拶があり、四名の僧侶が入場した。読経が始まった。日本の「南無阿弥陀仏」に近い「ナムアム」と言う言葉だけは聞き取れたが、後は何を言っているのか全くわからない。

教育を受けたタイ人に「読経は分かるか?」と聞いても、タイ人も僧の読経は何を言っているのか分からないそうだ。
「読経は古いパーリー語かサンスクリット語だろうね」
「そうかもしれませんね。私達には分かりません。」

目の前にいるのは四名の僧侶だがどうやらもう一人の僧が別の所にいるようだ。
影に隠れた僧が読経する。後で分かったことだが、影に隠れた僧とは4名の僧のうち、上席の僧だ。残りの三名の僧はそれに和するように読経する。
上席の僧が読む経文と残りの三名の僧が読み上げる経文は違う。
例えば同じ般若心経なのだが上席の僧が読む部分と他の僧が読む部分が違うのかもしれない。上席の僧と残りの僧が同時に別々の経文を唱える。パーリー語やサンスクリット語も中国語やタイ語のように音調があるようだ。
上席の僧が読む経文と、他の僧が読む経文では音の高さが違う。二つの経文が混ざると音楽のような不思議な和音ができる。経文を唱えているだけだが、僧が歌っているように聞こえる。
掛け合い漫才のように上席の僧の経が止まると、残りの僧の経だけが聞こえる。
まるでオペラかミュージカルのような音響効果がある。

四名の僧は団扇のようなものを取り上げて自分の前に立てる。
正面から見ると僧の顔は団扇で隠される。そばで見ると団扇の模様は曼陀羅の図の一部にも見える。読んではいないが文字は南無阿弥陀仏のような物だろうと推定した。
何の変哲もない仏教寺院の装飾物の一種と見ていた。
遠くから黄色の衣を着た僧が取り上げた大きな金色の団扇を見ると、団扇は僧の顔のように見える。その顔は魔界からの使者の顔だ。
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笑っているようにも見えるし、何かを威嚇しているようにも見える。青黒い色で書かれた文字の部分は目に見える。曼陀羅の図と見えた部分は口に見える。
団扇に描かれた絵は巧みに計算された図柄だった。

目の前の四名の僧の読経は団扇の後ろから聞こえる。僧は生身の人間と分かっているが、こうして僧の読経を聞いていると魔界の使者が我々に語りかけているようにも聞こえる。
音楽のような読経と魔界の使者の声をうっとりと聞いていた。

読経が終わりかけると、世話人が食卓をだした。食卓には粥が並べられた。僧侶が去ると、そのまま帰る人もいた。食卓の粥を食べてから帰る人もいた。世話人が食器を洗ってくれる。世話人は隣近所の人々だ。こんな所も日本の葬式に似ている。

第4章 葬儀二日目

今日は親族の一部が到着したらしい。僧侶の近くの席に座る人々が増えている。葬式は昨晩と同じような式次第で進行している。昨晩は参列する人から香典を集めた。金があるので今晩は参列者にだす食事が増えていた。
昨晩は金が無かったのでお粥しかでなかった。
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日本の葬式とは違って飲み物は水やソフトドリンクしかださない。
ビール、酒はでない。近所の人々が参列者の食事の世話をしている。食後は食器も洗っている。テーブルや椅子を片づけるのも近所の人々だ。

葬式が行われている寺と家の間はバイクで二、三分だ。寺で食事をしてから家に戻りビールを飲んだ。
寺で食ったのはタイの食事だから辛い。辛いから水を飲む。腹が一杯になり、冷たい水も沢山飲んだ。こんな状態でビールを飲んでも美味しくない。缶ビール一本を空けるのにかなり時間がかかった。

見慣れぬ人が近所を歩いている。大勢の親族がやって来たけど、この辺の家では全員が入れる風呂がない。何人かに分かれて近所の家で「貰い風呂」をする。寺にはトイレや水はあるが水浴びをする風呂はない。それで村の人々の家で風呂を使わせて貰うのだ。風呂と言っても水を浴びるだけだ。近所の人が見慣れぬ人に話しかけた。
「お風呂に入ったの?」
「ええ、入ったわ」
親族はこれから寺に戻って寝るそうだ。これは死者を荼毘にふすまで、親族は死者と共に寝るという習慣なのかもしれない。

親族一同を泊めるほど大きな家はこの村にはない。全員が無料で泊まれる場所は寺以外にない。経済的、場所的理由で寺で寝るだけかもしれない。宗教、習慣とは関係ないことなのかもしれない。

日本ではお寺の本堂に寝るにしても、布団がなければ寒くて寝られない。ここタイでは布団など必要ない。雨露を防ぐ屋根がありさえすれば何処でも寝ることができる。

第5章 葬儀三日目

死者の親族が大きな籠に洗濯物を入れてやってきた。
「この辺で洗濯してくれる家があると聞いたんですけど」
「その家ならこの先にありますよ」
大勢が集まるから洗濯物の数も多い。葬式があると、なにかと大変だ。

夜になった。俺は葬儀に出る積もりだった。ヌチャナートは葬儀には行かないと言う。式次第によると、今晩やることは昨晩と同じだ。
「今日の葬儀は昨日と同じかい?」
「そうよ。明日は行くわ。明日は荼毘にふすのよ」
俺も出かける気が失せた。隣人は出かける様子だった。
「行かないの?」隣人が聞く。
「行かないわ」
ヌチャナートが答える。葬儀の後は食事がでる。この二日間は葬儀の食事で夕食を済ませていた。
「葬儀に行かないと、今晩の晩飯がないじゃないか」
俺が冗談を言う。
「大丈夫よ。あたしが余った料理を持ってきてあげるわ」
隣人は葬儀の手伝いをする。たいてい食べ切れない料理があるので、それを持って来てくれるというのだ。心配していた雨も降らなかった。涼しい空気を喜びながら酒を飲んでいた。隣人が粥をもって帰ってきた。ヌチャナートが粥を暖め直して出してくれた。

第6章 怨霊払い

昼間のうちに火葬が済んだのでこれで全ての式が終わったのだと思っていた。四日間の長い葬式だった。なんだかほっとした。
ヌチャナートはこれから怨霊払いがあるけど見るかと聞く。
ここまで葬式につきあったのだ。最後まで付き合う気になった。怨霊払いは火葬が終わった日の夕方から始まると言う。

俺はパソコンの作業をしていた。
「サミイ!お坊さんがいらしたわ!」
ヌチャナートが呼ぶ声がする。俺は急いでパソコンを閉じる。

僧侶は一台のピックアップトラックに乗ってやってきた。誰かが僧を迎えに行ったのだ。僧は死者がでた家に向かう。その家の前庭が怨霊払いの場所になっている。
西側には赤い幕が張られている。
全部で6名の僧侶が来た。僧の席は赤い幕が張られた所だ。
幕の前にはござが敷いてあり、ござの上の赤い座布団に僧侶は座る。
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祭壇が作られており、あり蝋燭がともされている。どうやら祭壇に近い場所が上席で、道路に近い方が末席らしい。
末席の僧が糸巻きを取り上げる。糸巻きから白い糸を繰り出す。末席の僧侶から上席の僧侶に糸が伸ばされる。
糸はこの世とあの世を分ける象徴か、聖なる場所を意味しているようだ。

村長がお経のようなものを唱える。上席の僧がそれに答える。
村長は僧侶に怨霊払いをよろしくとお願いしているようだ。

一般参列者は道路に敷かれたござの上で人魚のような座り方をしている。この座り方はタイでは正式な座り方だ。
僧侶の座り方は黄衣が邪魔をしてよく分からない。正座でも胡座でもない。胡座と正座のあいの子みたいだ。

上席の僧が団扇のようなものを取り上げた。合唱のような読経が始まる。読経の最初の方では「サンマーサラナイ」という言葉が繰り返されていた。
読経の途中で村長が聖水を入れた壺の上の蝋燭に火を付ける。
蝋燭は壺の上に横に置かれる。上席の僧が読経しながら壺の上の
蝋燭を取り上げて蝋を聖水に垂らす。

読経の最中に携帯電話が鳴る。
それだけで彼は人々の顰蹙をかってしまったのに、携帯電話にでて大声で「サワディカップ」と言った。普段は寛容なタイ人だが、電話がかかってきた時が悪い。神聖な行事の真っ最中だ。彼のこの行為に周囲の人々は怒りを感じて彼を睨んだ。人々の怒りを感じた彼は声をひそめた。
「葬式なんだ」小さな声で言っている。しかし電話の相手は急に葬式と言われてもなんのことか分からないらしい。彼は何度も「葬式なんだ」と繰り返していた。やっと携帯電話も切れた。

読経が一段落する。僧は水を飲む。水の他にコーラがある。タイの僧侶は一日に二回、朝七時と十一時に食事を取るだけだ。コーラには糖分があるけど食事とは考えないので、俺には可笑しかった。

再度読経が行われる。上席の僧が経文を唱える。
今までの経文はパーリー語かサンスクリット語だったが、今度の経文はどうやらタイ語だ。村長をはじめ参列者は上席の僧侶が唱える経文を復唱する。これで式は終わった。

末席の僧が聖なる糸を糸巻きに捲く。糸巻きを隣の僧に渡す。
同じ事を繰り返し上席の僧まで糸巻きが届く。上席の僧は糸を捲き終わると、かたわらに糸巻きを置く。村長が僧にお礼の言葉を述べる。

上席の僧は箒のような物に聖水をつける。箒を振って聖水を村長をはじめ付近の人々にかける。
上席の僧が立ち上がる。僧は参列者に箒で水をかけまわる。
村長が聖水が入った壺を持ち僧侶の後ろを歩く。人々はありがたそうにその水をうける。
両手を合わせるワイというお辞儀をしながら頭を下げる。
「お坊様、こちらにもお願いします」と僧に聖水を願っている。
人々は「アジャン」と言って僧侶に呼び掛けていた。俺の乏しいタイ語の知識ではアジャンは先生、指導者の意味だと理解している。日本では修業を積んだ僧をアジャリと言う。
僧侶に呼びかけるアジャンと言う言葉は日本語のアジャリに通じる言葉ではないかと思った。

僧は近所の家に入っていく。そこでも箒で聖水をかける。怨霊がこの家に取り付かないためだ。葬式を出した家では特に念入りに聖水を撒いていた。

あらゆる場所と参列者に聖水を撒き終わると怨霊払いの式は終了する。乗ってきたピックアップトラックで僧侶は寺に戻った。

2007/4/19

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