ゲンパーヌアムウ
またヌチャナートが夕食は何を食べたいのか聞いてきた。
俺は何でもいいのだが、答えなくてはいけない。
「何でも良い」は答えではない。
俺も知恵がついてきた。肉を指定すれば良いのだ。
「豚肉がいいな」
「豚肉をどうしたいの?」
「うーん・・・・?」
「・・・・にする?」・・・・の部分は何と言ったのか分からない部分だ。
分からなくてもいいのだ。食べられるものに間違いない。
「うん、それがいいな」嬉しそうに答える。
何がでてくるのか分からないのに無責任な返事をする。
こんな料理がでてきた。
最近になってから分かったことだが、俺の辛味感覚は完全に日本人離れしている。
ウチの料理を食べても辛いと思うことが少なくなった。
ヌチャナートが「辛いわよ」と言う料理は間違いなく辛いと思うが、何も言わずに作った料理は辛いと感じなくなっている。
俺にはこの料理は辛くない料理と感じたが、普通の日本の食事をしている人にはかなり辛い料理かもしれない。
ピリ辛程度の辛味ではないはずだ。
辛味の他に旨味もかなりある。
牛蒡みたいな香辛料は食べなくてもいい。
葉っぱの香草も脇によけておく。
昔は全部を食べなくてはいけないと思って、出てきたものを全て食べていた。
生の粒胡椒も全て食べていた。
葡萄の房のように10粒、20粒も胡椒の粒がついている。
そんな房が一皿に幾つも入っている。
その全てを食べないと料理人に失礼かと思って生の粒胡椒を食べていた。
思い出してもあれはつらかった。
食べられる物と、食べなくてもいい物の区別がつくようになってからは料理自体を楽しめるようになった。
スープと肉をご飯に乗せる。
日本の米だから甘みがある。
タイの米は淡泊だがスープが米の粒の中に早く染み込む。
やはり、タイ料理にはタイ米が合っているのかな?
ちょっと粘りがある日本の米に慣れているので、米は日本の米の方が美味いと思っている。
ヌチャナートも「日本の米は美味しい」と言っている。
米粒の味を比較したら、日本の米の方がタイの米よりはるかに美味い。
うーん、でもタイ料理と一緒に食べるにはタイ米の方が美味しそうな気がしてきた。
2007/5/7
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