カイケム 鹹蛋(塩漬け卵)
ヌチャナートが友達から戴いてきたものだ。俺は別に興味を示さなかった。
中国の鹹蛋みたいなものだろう。たしかタイでも食べたことがある。
ヌチャナートはこの卵をカイケムと呼んでいる。つまり塩っぱい卵という意味だ。
「カイケムを食べる?」
「うん」そっけなく応えた。
ヌチャナートは卵を二つ割にして出してきた。
ここまでは普通のことだから驚かない。
黄身の色が変わっている。白身は白いままだ。
皮蛋のようなアンモニア臭はない。
スプーンで卵を切り取ろうとしたが、卵を切り取れない。
ヌチャナートは殻がついたままの卵をナイフで切っていた。
俺はこの卵はアヒルの卵だと思っていた。
アヒルの卵は殻が厚いのでナイフで切ることができない。
殻をナイフで切れるのなら、これは鶏の卵ではないかな?
「ヌチャナート、これは鶏の卵かい?」
「そうよ」
それなら、ナイフで切れる。
卵を潰してご飯と混ぜると、ご飯に塩味がついて旨味がでる。
「ヌチャナートはカイケムを作れるかい?」
「作れるわよ。今度、作るわ」
このカイケムは食べやすくていい。
「これをお粥に入れると美味しいのよ」
そうだろうな。
タイの町で酒を飲み、帰宅前にお粥を食べる。
熱帯で大酒を飲んだ夜に食べるお粥はほっとさせるものがある。
どう言ったらいいのかな?お腹が落ち着くといえば納得してもらえるかな?
そのお粥にこのカイケムを入れたなら間違いなく美味しい。
卵が安い時にカイケムを作っておく。
カイケムは保存が利く。保存中に塩味が馴染んでくる。
作りたては塩っぱいが、保存しているうちに穏やかな味になる。
2007/9/13
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