ヌチャナートのソムタム
小さな青いパパイヤを売っていた。フィリッピンだか沖縄だか
どこの物だかわからない。
こんな小さなパパイヤなんてタイでは見ない。
青いパパイヤを見つけるとヌチャナートは喜びの声を上げた。
「パパイヤよ!わーい、ソムタムを食べられるわ!サミイは
食べないでしょ?」
ウチに帰ると早速ソムタムを作り始めた。
タイの女はソムタムが大好きだ。ソムタムには小さな黒い生きた
蟹をタイでは使う。日本にはそんな蟹はいない。
しょうがないからタイの蟹に似た沢蟹を使ってソムタムを作って
食べる。そうすると寄生虫に感染する。
そんな事例が報告されている。
ヌチャナートはガピイを使っている。ガピイは海老を醗酵させた
ものだ。旨味も臭みも強い調味料だ。クセのある調味料は好きな
人は好き、嫌いは人は嫌いと別れる。
その間がない。俺は嫌いだが例外があった。
タイ米をガピイで味付けした飯を食ったことがある。この飯は
どういうわけか旨いと感じた。ガピイで味付けした日本米の飯を
日本で食べたなら美味しくないかもしれない。
熱帯と言う条件があるから美味しいのかもしれない。
ここが味の面白さ、不思議さだ。
ヌチャナートは美味しそうにソムタムを一人で食べている。
俺が食べないと知っているから、思い切り唐辛子をいれた。
色を見ただけで辛そうだとわかる。
「辛くていいわ!」と言いながら一人でソムタムを食べている。
2007/9/13
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