大根の煮物と国際化
ヌチャナートが大根を煮込んだ。味見をして「美味しい」を連発して
いた。
俺の母親も大根を煮ては「美味しいわよ、食べなさい」とよく言って
いた。あの頃の俺は大根なんてちっとも美味しいとは思わなかった。
「美味しいから、食べな!」と強制されるので、余計に食べたくなか
った。大人になり、年を重ねるに連れて軟らかく煮えた大根がうまい
と感じるようになった。
ヌチャナートが煮込んでくれた大根を旨いと思いながら食べていた。
「タイにも大根があるよね?」
「あるわよ。でも人参みたいに小さいのよ」
人参は強調しすぎだが、日本の大根のように大きな物はタイには
ない。
「こういう大根の料理はタイにはあるかな?」
「さあ、どうかしら?」
他の具材と煮込んだ大根はあるが、このように大根が主役の料理
はないらしい。日本には風呂吹き大根という美味しい料理がある
ことを教えたかった。風呂吹き大根なんてタイ語で何と言うのか
わからない。タイでも大根はダイコンと言っていたと記憶している。
しょうがないから風呂吹き大根のことを「ダイコン アップナム(風呂
に入る)」と言った。
おかしな表現なのでヌチャナートは笑った。
「ちょっと甘味のある味噌と一緒に大根を食べる。美味しいよ」と
補足説明。こんな大根だけの料理もタイで普及するかもしれない。
タイではナンプラを使って味付けするから色の濃い料理になる
だろうな。味も国際化する。
2007/10/31
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