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2007年11月26日 (月)

ガイドブックのタイ料理店

ミシェランによる日本の料理店の格付けが発表され話題になって
いる。やがてミシェランはタイでも同じこ
とをやるでしょう。
どんな結果が発表されるのか今から楽しみです。

俺はいったい美味しい店というのはどういう店なのだろうかと考え
てしまう。
某有名料理店に入ったとしよう。そこはテレビにもたびたび出演
している某有名シェフがいる店だ。そこでグルメ本・雑誌・テレビ
でも取り上げられているあの有名な料理を注文したとしよう。
俺たちは某有名シェフが作ってくれたものと勘違いしている。
実際に作っているのは某有名シェフの弟子か孫弟子あるいは
パートの従業員だと思って間違いない。

俺は毎日、辛いタイ料理を辛さで汗を流しながら食べている。
ウチで食べている料理はヌチャナートが美味しいと思う味付け
になっている。正真正銘のタイの田舎料理だ。俺に合わせた味
ではない。日本人に妥協した味でもない。
日本人の中では、俺はタイ料理に対する耐性が強くなっている。
当然、俺は辛さ、タイ料理のにおいに対する耐性は他の人より
強いと思っている。強いはずだ。
俺がタイで料理店の格付けをしようと試みるとしよう。1,2軒の
店はなんとか味見ができる。3軒目にな
ると、もう辛くて、タイ人
なら感じ取れる微妙な味の差なんて俺には感じ取れない。

ある時、タイ人と一緒に食事をした。タイ人が
「こりゃぁー、不味い!」と言い、顔をしかめた。
「こんな不味いもので金をとるのか?!」とちょっと怒った様子だ。
確かに昨日、別の料理店で食べた味とは違うが似たような味だ。
これが顔をしかめるほど不味い味になるの
かどうか、はっきり
言って俺には分からなかった。店による味のバラツキていどに
しか感じなかった。

観光でタイへ行ったなら、美味しい店でタイ料理を満喫したいと
誰しも思う。そこで頼りにするのがガイドブックだ。
ガイドブックの執筆者はタイ料理の味の違いが本当にわかるの
でしょうか?タイ人の感じ方と日本人の感じ方はちがうから、
日本語のガイドブックに掲載する店は日本人が評価しなく
ては
意味がない。取材でタイに訪れただけですからねぇー。
ましてタイは初めて、タイ料理を食うのは初め
てなんて記者に
タイ料理の店による味の違いを見分けられるはずはないと誰しも
思うでしょ?

まずは試してみましょう。空港から町に入りホテルにチェックイン。
ホテルの外にでて目に付いた店に飛び
込んでトムヤンクン他三品
を注文しましょう。辛過ぎて全部を食べられないはずです。
でも最初のタイ料理
ですから、これはなんとか乗り切れるでしょう。
これを三日も続けているとそろそろ腸が唐辛子でおかしく
なります。
一週間以内に間違いなく腸が唐辛子の消化を拒否しはじめて下痢
になります。仕事だから下痢腹
の記者も取材を続けるでしょう。
そんな取材記事を信用できると思いますか?

タイの生活に詳しい藤井伸二氏はガイドブックについてこう述べて
います。
「レストランを紹介する際の「おいしい」「まずい」の基準をどう定め
ているか?どのガイドブックにもそ
の点は明確にされていない。」
わかる、わかる。腹が減っていれば、何を食ってもうまい。
旨さの基準なんてあってないようなもんだ。
照明なら何ルックス以下なら暗い、それ以上なら明るい、
何ルックスを超えると眩しいとほぼ一致した線を
引ける。
味に関してはそれはない。一緒に同じ料理を食っても「旨いという人」
「不味いという人」に分か
れる。藤井氏の言い分もわかるが、
そもそも味に”美味しさ”と”不味さ”を分ける基準なんてないと思う

あったとしても、それを言葉で表現できない。科学が発達して
「旨いものを食べると前頭葉のここの電位
が高くなる。電位がこれ
以上なら旨いものだ。」なんて言える時代がくるかもしれない。
今の所、旨さの基準はないとしよう。

「コンビニ弁当と牛井で生きているような貧乏取材者が会社の
経費でタイにきたら、なにを食べてもおいし
く感じるのではないか?」
とも藤井氏は書いている。これを読んで俺は思わず笑ってしまった。
高級レスト
ランに入って、仕事と称して思いつくまま、じゃんじゃん
料理を注文していたら、何を食っても旨いかもし
れないと俺も思って
しまう。自分の財布が痛むわけじゃない、会社の経費もちだ。
仕事で食っているという
大義名分がある。何を注文しても貧乏取材
者の勝手だけど、注文した料理はちゃんと食べなくては、お店に
失礼だと思うな。失礼かどうかという問題はさておいて、どんなに
辛くても食べなかったなら記事は書けな
いでしょ?
一口、二口だけ食べて記事を書いたなら、無責任ですよね。
日本から、ぽっとタイに来て、貧乏
取材者にタイ料理の旨さを評価・
比較しろと言う方が無理だと俺は思う。

「単純に「客がおおい店」をおいしい店と許している。」そんな取材
記者もいると藤井氏は言う。食べても
いないのに"旨い”と言う
記者より、その取材記者は良心的だと俺は思う。
行列のできる店は美味しい店と
いう公式だ。不味いなら絶対に行列
はできないから、日本ならこの公式は当てはまるだろう。
でもタイの場合はちょっと違う気がする。店がガイドに紹介料を払う
から、ガイドが大勢の観光客を連れて
来ている可能性もある。
客が多いから美味しい店とは言い切れない。
「フードセンター」というのがタイにはよくある。日本で言えばデパート
の大食堂のような場所だ。そこならいつも大勢の客がいる。
「フードセンター」は集客力のある場所に位置しているから、大勢
の客が
いる。旨さとは関係がない。

日本でもタイでも客が多い店は調理工場をもっている。冷凍に
できるものは冷凍しておいて、注文があると
それを温めてだす。
客が多い店では冷凍食品や調理済み食品を食べている可能性が
大きい。普段は冷凍食品
なんて馬鹿にしているのに、客が多い
店の冷凍食品なら美味しいのでしょうか?

「某ガイドブックは料理の値段で高級・中級・エコノミーにわける
ことにした。結果、高級料理のほとんど
は高級ホテル内のレスト
ランで出されるものになってしまったが、「値段が高い=高級」の
考え方自体、か
なり貧しい。」と藤井氏は酷評している。
ホテルは場所代、食卓・食器などの設備・備品代、ちゃんと英語を
話すウエイトレスの人件費など諸経費が
料理の値段に上乗せ
される。値段が高いから美味しい料理という公式は当てはまら
ない。ガイドブックに紹介されている、美味しい店はそんなものだ
と思えばいい。お目当ての店もないし、何処に行くか分からない時
のほんの参考書であって、ガイドブックは味を保証して
いるわけ
ではないと理解しておこう。

本当に美味しいタイ料理を追及するには食材や調理を見ることが
できる店に行かなくてはいけない。屋台な
らそれは可能だ。
それだけではない。見ない方がいいのだけど、屋台なら洗い場も
見ることができる。屋台なら全てを納得した上で旨い料理かどうか
判断できる。調理の研究家なら、あちこちの屋台を食べ歩くのも
いいでしょう。

観光客にはそんな時間はありません。貴重な時間におかしな食べ
物で腹を壊したら楽しい旅行が台無しです
。屋台は汚い、不潔
だから綺麗なお店に入りましょうと考えるでしょうね。
綺麗なお店も屋台の主人も材料はみんな市場で仕入れてきます。

タイの市場を知っていますか?テレビでは色鮮やかな野菜、風変
わりな形をした熱帯の果物などなど豊かな
食材を売っているタイの
市場を紹介しています。テレビの色映りがよいように、青空市場で
撮影しています
。多くの市場は屋根だけの体育館のような場所に
あります。中は薄暗く、蒸し暑く、臭くて、冷蔵庫もない
台の上に肉
や魚があり、ハエがぶんぶん羽音を立てています。テレビじゃ暑さ
や臭いはわかりません。コン
クリの床は濡れて滑りやすい。
溝には汚れた水が溜まっている。電車のつり革を消毒してから掴む
ような人が足を踏み入れることができない場所です。
庶民の市場はバンコックのウイークエンドマーケットのように、
わいわいがやがや言いながら土産物を買う
観光地じゃありません。
少しでも安く買おうとする主婦と、1バーツでも高く売ろうという店主
の戦場とい
うと大袈裟ですが、生活の場です。

綺麗な店も屋台も何時洗ったのか わからないまな板を使って
います。包丁でまな板をこすると油のような汚れがわんさかでます。
店の構えは綺麗でも、裏側は屋台と同じと考えて大きな間違いは
ありません。衛生面からタイの料理を見たら、屋台も見かけが綺麗
な店も似たようなものです。

タイの料理店の実態を知ったなら、ヤケクソです。
したすら食い歩くのです。英語なんてタイの田舎じゃ、通じないと
思ってください。タイ語を話せる日本人なんてすくないですよね。

店に入ったなら、他の客が食べているものを見て、旨そうなものを
指差して注文することが多くなります。

何がだされるかわかりません。覚悟はできてますか?
旨いと思った肉は蛙かもしれません。果物のような香りは昆虫かも
しれません。半分消化された草が入っているかもしれません。
そんなことを気にしていたら、美味しい料理に巡り会えま
せん。
そのうちにガイドブックにはない店で感激する味に出会えます。

やがて評判のよい屋台は店を構え、大きな店になり、ホテルに出店
できるようになると、前述したような値
段と味になります。

誰だか忘れたけど有名シェフでした。
「普通の家庭の主婦が作った料理は、私の料理より美味しい
ですよ」なんて言っていた。そのシェフの気持ちは俺も分かる。
「味、味、アジ、あじ・・・・」と毎日、味を追求していると、食べること
が仕事になり、食べ物の美味し
さを楽しむことができなくなります。
ほっとくつろいだ中で出される、主婦の手料理を有名シェフが
楽しむ
姿を想像すると思わず笑みが浮かんでしまいます。

美味しい料理、美味しいお店っていったい何なんでしょうね。

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2007/11/26

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