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2007年12月 6日 (木)

ピザ、チーズ、醍醐味、グルメ

チーズの味や香りをタイ人は好まない。ヌチャナートに「チーズを
買おうか?」「チーズを食べるかい?」と聞いても、いつも
「いらないわ」と言う。チーズが食いたくなると一人で買ってきて食う。

ピザを作った。ヌチャナートはピザを好まないのでチーズは使わ
なかった。チーズなしのピザなんてピザじゃない!と息巻きたく
なるのは分かる。食べ物は新しい地域に入ると変化するものだ。
タイ風のピザを作ったと思えばチーズ無しのピザだっておかしな
ものではない。俺が作ったピザをヌチャナートは美味しいと言って
食べている。外交辞令でいつも俺の作った料理を「美味しい」と
言うが、それ以上は食べようとはしない。
今日は違った。ちゃんと全部食べている。

「ねえ、ピザにある粘っこいものはなあに?」
「・・・・・・」
聞き返した。どうやら糸を引くチーズのことを言っている。
「あれはチーズだよ。チーズは食べないだろう?」
「・・・・・」
ヌチャナートは黙りこんだ。餅だと思っていたのかもしれない。
どうやらチーズそのものは食べないが、ピザに乗せたモツァレラ
チーズなどは食べるようだと分かった。こうやってチーズの味や
香りに慣れていくと、カビが生えたブルーチーズも食べるように
なる。食の好みの変化はこのように起きるのだと知り面白かった。
トマトが嫌いな子供もピザから入れば生のトマトも食べるように
なるかもしれない。

最高の美味さを表す言葉に「醍醐味」がある。醍醐というのは
チーズのことだ。醍醐は中国などから渡来して宮中に貢がれた
ものであろう。俺が想像するに醍醐はかなり臭いものだと思う。
臭みというのは、ある人には香味になり、ある人には嫌味に
なる。時の天皇が醍醐を香味と感じたか嫌味と感じたか分か
らない。

俺は醍醐とグルメの関係を考えた。
世の中にグルメと称する人が沢山いるが、本当に味が分かるの
だろうか?グルメ本とか有名人が「美味い」と言ったものだけを
「美味い」と言っているのではないか?
あるいは値段が高い物は「美味い物」と思っているのではないか?
天皇のような権威者、偉い人から貰った醍醐だ。
「不味いはずはない。美味くなくてはいけない。」と当時の人も
思い込んだ。本当はくさくて吐き気を催すが我慢する。
「これは日本にはない味。醍醐の味こそ究極の味だ。」
なんて多くの貴族は無理やり思ったのではないか??
もちろん、臭い醍醐を本当に「美味い」と思った貴族もいた。
新しい味に対する反応は今も昔も変わらない。

手作りのピザをヌチャナートと食べながら考えがあちこちに飛ん
でいた。

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2007/12/6

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