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2008年2月26日 (火)

ムラサキイガイとパクチー

テレビで東京湾に外来の魚介類が押し寄せており、在来の魚介類
の存在が脅かされていると報じていた。
東京湾は江戸前と言う。江戸前で取れた新鮮な魚を使って作る
寿司を江戸前寿司と言う。今、江戸前の魚がいなくなり、外来の
魚介類が繁殖を続けている。
輸出入が盛んになり、外国の船が東京湾に出入りすることで外国
の生物が東京湾に入りこんできたのだ。日本も在来の生物を外国
に運んでいるから、外国船を責めることもできない。
ムラサキイガイも外国から日本に入ってきた外来種の貝なのだ
そうだ。やがて、江戸前の魚介類はいなくなり、外来の魚介類が
江戸前の魚介類となる。

近未来の江戸前寿司屋を想定して、その光景をテレビは映して
いる。番組では外来の魚というとまるで異星人・エイリアンのよう
な扱いをしている。気持ち悪さをそそる効果音がテレビから流れ
ている。寿司屋のメニュウには今までなかった外来の魚介類の
名前がある。ムラサキイガイがその一つだった。
「今日はムラサキイガイを使った寿司を皆さんに食べてもらい
ましょう」司会者は言う。
番組に出てきたタレントはそれを聞いて気味悪そうにしていた。
タレントの一人が選ばれてムラサキイガイの試食をすることに
なった。選ばれたタレントはムラサキイガイの寿司を手にとり、
試食するのを躊躇っていた。
「ムラサキイガイはスーパーでも売っている貝なのに、何を
ためらっているのだ?」俺はいらいらしながら番組を見ていた。
タレントはやがて覚悟を決めて寿司を食べた。気持ち悪そうな顔
をしていたが、やがてムラサキイガイは食べられると納得した。

その後、司会者が
「ムラサキイガイはイタリア料理店などで出されているムール貝
のことです」と真相をばらす。タレントの一人が
「なあーんだ、それを先に言ってくれればいいのに!」
と言っていた。俺はそれを聞いて溜息をついた。

東京湾に入り込んだ外来の種としてムラサキイガイが紹介された。
その時はムラサキイガイは気持ちの悪い貝とタレントは考えた。
実はムラサキイガイはイタリア料理店のムール貝のことだと教え
られるとムラサキイガイは食用の美味しい貝とタレントは考えた。

タイ人が料理に好んで使うパクチーでも同じような反応がある。
パクチーはタイのくさい香草と考えている間は日本人はパクチー
を嫌う。しかし、パクチーは西洋料理に使うコリアンダーだと知る
とパクチーに対する日本人の評価は一変する。

ムラサキイガイもパクチーも西洋料理に使っていると分かると
日本人の反応が違う。まだまだ日本人は欧米文化に劣等感を感じ
ているのだろうか?
テレビを見ながらふとそんなことを感じてしまった。

ムラサキイガイはタイでも良く食べる。ヌチャナートの大好きな
貝だ。貝の一部が緑色の大粒のムラサキイガイがタイでは上等な
品物と考えられている。もし司会者が
「ムラサキイガイはタイでも盛んに食べられている貝です」
と紹介したなら、タレントの反応はどうだっただろうか?
イタリア料理のムール貝と紹介された時の反応とは違うと思う。

俺はつまらない事にこだわる。
「イタリア料理店でムール貝云々」と言われたことが気になった。
ムラサキイガイは和名だ。
英語ではマッスル、フランス語でムールだ。ムールだけでは物足
りない?のでムールの後に「貝」をつけて「ムール貝」というのが
日本で通用している呼び名だ。
この貝のことをイタリア語ではムールとは言わないと思った。
こんなことをいちいち調べなくてもいいのに、インターネットでイタ
リア語の辞書サイトを見た。日本語で「ムラサキイガイ」と入力した
が相当するイタリア語はなかった。
次に「ムール貝」と入力したら、4件あった。
「コッツァ」「ミーティロ」「ムスコロ」「ペオーチョ」とイタリア語では
言うらしい。方言とか用法などで言葉を使い分けているのだろう。
イタリア料理店でフランス語を使うのは、場違いな気がするけど、
こんなことにこだわるのは俺だけかな?

2008/2/26

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