« ニンニクの香り | トップページ | ラープとクレソン »

2008年3月28日 (金)

オムレツのタイバージョン

P1040469pct13

料理を作るのが面倒だったのだろう。ヌチャナートは卵を手に
とった。
「今日は卵を食べるでしょ?」
こちらの同意を求めているようだが、実際は「今日は卵よ!」
と宣言している。俺は「うん」と同意させられた。

日本人は冷蔵庫に卵を入れて保管する。冷蔵庫も卵が動かない
ように安全な設備を作ってある。
卵を冷蔵庫に入れる習慣がタイ人にはない。卵は常温保管だ。
日本だってちょっと前まで卵は常温で保管していたから、それ
ほど驚くことではない。
常温と言っても、タイの常温だから30度前後の温度だ。
日本なら真夏の気温に相当する。そんな状態で保管するもの
だからタイの卵は極めて危険だ。

それだけなら、まだいい。彼等は「先入れ先出し」の習慣がない。
新しく仕入れた卵を売残りの卵の上に置く。
売残りの卵はますます古くなる。
「こんなことをやっていたら、必ず問題が発生する」
俺は彼等のやり方を黙ってみていた。一年ほどたって卵を売る店
を訪ねた。ちょうど仕入れた卵を並べている時だった。
「どうするかな?」並べ方を見ていた。
古い卵を脇に置いた。新しい卵を並べてから、その上に古い卵を
乗せていた。彼等は一年かけて新しい物を学んだ。

ヌチャナートは卵を割りながら喜んでいた。
「日本の卵は新鮮でいいわ。タイの卵は臭いのよ」
「えっ!?」俺は驚いた。卵を売るタイの店で見たことを思い出し
寒気がした。彼等は腐りかけの卵を食べているのだ。
そして卵に臭いがあることが通常だと思い込んでいる。

これはタイバージョンのオムレツだ。玉ネギだけの簡単な
オムレツだ。卵がふわーっと美味しそうに膨れた。
ここで火を止めると思ったが、ヌチャナートはまだ卵に火を通し
ている。出来上がったオムレツは卵が硬くなっていた。

そう言えばタイのオムレツはよく火が通っている。
卵が古いものだから、ふんわりとしたオムレツは危険なのだろう。
それでオムレツによく火を通す。
彼らだってふんわりしたオムレツを食べれば、硬いオムレツより
美味しいとわかる。安全を優先するとどうしても、よく熱をかける
ことになる。俺はそんな風に推定している。
いつも新鮮な卵が手に入れば、彼らだってふんわりしたオムレツ
を食べるだろう。

クチコミblogランキング TREview

2008/3/28

|

« ニンニクの香り | トップページ | ラープとクレソン »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/68615/11892768

この記事へのトラックバック一覧です: オムレツのタイバージョン:

« ニンニクの香り | トップページ | ラープとクレソン »