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2008年4月23日 (水)

好みは変わる

焼酎は今では若い女も飲む。焼酎を飲みすぎて酔いつぶれる
女もいる。焼酎なんて酒は労働者の酒だった。
昔のロンドンではジンは労働者が飲む下等な酒とされていた
のに似た現象が日本にもあったのだ。

俺は子供の頃、焼酎と言う漢字が読めなかった。
焼酎と書いた看板を見ると「ヤキザケ」って何だろうと不思議に
思っていた。酒を焼いてどうするのだろう?
どうやって酒を焼くのだろう?子供らしい疑問をもっていた。

通常のサラリーマンが飲む酒は清酒と決まっていた。
清酒にも格付けがあって一級酒は二級酒よりも上等とされて
いた。格付けを受けないで市場に出荷される物は自動的に
ニ級酒になる。そうすると一級酒よりも旨い二級酒が出回る
ことになった。その事実が格付け廃止につながった。
味が分からない連中は一級酒は二級酒より旨いと思い込ん
でいた。そんな時代のことだ。
焼酎なんて下等な酒とみなされていた。

焼酎に絡んだこんな映画を見たことがある。題名は覚えてい
ない。相撲の親方だか興業主が元力士が住む町に巡業にくる。
親方だか興業主が泊まっている宿に元力士が訪ねる。
元力士は一升瓶を持ってきた。
その一升瓶に入っているものは清酒ではなく焼酎だった。
元力士は落ちぶれて清酒を買う金がない。
「申し訳ない。恥ずかしいが焼酎しか買えない」
元力士は焼酎は無礼と考え頭を下げる。
「いや、そんなことはいいんだ。あの横綱との取り組みは素晴ら
しかったな」
親方は言う。元力士は金星をとった取り組みを宿屋で再現した。
「あの時、横綱はこうきましてね。」
横綱の攻めを堪えている足に力がはいった。
旅館の畳の表面がぴりぴりと裂けてしまうほど足に力が入って
いた。元力士が焼酎を恥ずかしそうに差し出したことと、畳の
表面が裂けたことを鮮明に覚えている。

焼酎なんて日陰者の酒だった。
今じゃお天道様の下を堂々と歩いている。
旨いものが正当に評価される時代がきたことを嬉しく思う。
俺達の周囲には偏見で不当に評価されている食べ物が沢山
ある。それらが皆な陽の当たる場所にでてきたら、俺達の
食生活はもっともっと豊に変化に富んだものになる。
動植物の生態系もかわり、エコロジカルな世界になると思う。

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2008/4/22

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