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2008年7月31日 (木)

タイの迷信:薄荷

タイの料理には薄荷の葉をよく使う。
薄荷の葉を摘むのにもタイには迷信がある。
生理中の女が薄荷の葉を摘むと薄荷は枯れてしまうとタイ人は
信じている。

俺のいい加減なタイ語は生理中の女が草を刈ると草が枯れると
解釈した。
「生理中の女に草刈をさせるといいね。
草が皆んな枯れるのだろう?」
「・・・・・えっ?」
同じ言葉を繰り返した。
「バカね!野菜だけよ!」
「ジャガイモ掘りはどうなんだ?」
「薄荷だけよ!」

何処の国にも面白い迷信がある。
笑っちゃう!!!
このような迷信ができた背景がなにかあるはずだ。
それを探るともっと面白いだろうな。
例えばお釈迦様が下痢をした原因を探るとお釈迦様が食べた
物の中に生理中の女が摘んだ薄荷の葉が入っていた。
それ以来、生理中の女が薄荷を触るのを禁じた。
こんな迷信に出会うと想像が無限に広がってしまう。

2008/7/31

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タイの卵焼きとスウェーデンのパン

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どうやらヌチャナートも朝食作りが面倒らしい。
簡単にできるものにしたかったようだ。
「卵焼きでいい?」
「いいよ」
こんな卵焼きを作ってきた。
西洋人が作る卵焼きは卵の黄色が綺麗に残るように火を通す。
タイ人は卵の色にはこだわらないようだ。
卵焼きを作ると卵の色はいつもこんな色だ。
「ヌチャナートは料理が下手だから卵がこんな色になるんだよ」
ですって?うーん、そうかもしれない。
料理によっては綺麗な卵色をだすから、料理が下手なのでは
なさそうだ。タイの卵焼きは「こんなもんだ」と理解しておくこと
にしよう。不味いのならともかく、十分に美味しいからこれで
いいのだ!

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冷凍のスウェーデンのパンをチンして出してきた。
Hallakaka(Hの次のaにはウムラウトがついている)と書いてある。
俺はスウェーデン語は分からないが、動物的カンでkakaはケーキ
という意味と推定した。そうするとハルラと言う名前のケーキと解釈できるな。
念のため、インターネット辞書で調べるとKakaはケーキだった。

インドのナンのようなパンだ。
これはヌチャナートのお気に入りだ。
タイの卵焼きとスウェーデンのパンというおかしな組合せだが
楽しい食事だ。卵焼きにはちょっと唐辛子ソースをかけたのは
言うまでもない。

2008/7/31

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食べ物のにおい

人間は食べ物の臭いに敏感だ。
特に馴染みのない食べ物の臭いには敏感になる。
俺達日本人は味噌醤油の臭いに鈍感になっている。
この臭いに馴染んでいないアメリカ人には味噌醤油の臭いは
悪臭となる。

食べ物の臭いに敏感なのは体が自己を守ろうとする本能的
反応だと思う。
臭いを嗅いで食べられるか腐っているか判断する。
化学的に分析したり、細菌・微生物の数を数えるより人間の鼻
の方が遥かに正確で迅速に判断できる。

俺達日本人は欧米の料理に慣れているが、多くのタイ人は
欧米の料理を知らない。ヌチャナートも例外ではない。
「欧米料理の店へ行こう」と言ってもヌチャナートは行こうとは
言わない。無理に連れて行ったが、不味そうに食事をしている。

今日はスエーデン系家具屋の中にあるカフェテリアに
ヌチャナートを連れて行った。
そのカフェテリアの中の臭いはとくに強い物ではない。
換気も十分だし、天井も高く場所も広いので俺は特に臭いを
感じない。感じたとしてもごく普通の欧米料理の臭いなので
拒否反応はない。

カフェテリアに入るとヌチャナートはさっそく反応し始めた。
「なーに、このにおい?」
あきらかに拒否反応だ。
「普通の欧米の料理のにおいだよ」
「・・・・・」
どうもヌチャナートにはこのカフェテリアの中のにおいは異臭の
ように感じるらしい。料理を選んで、少し食べると味とにおいに
うんざりして食べなくなると思った。そんなことを知っている俺は
ヌチャナート用にタイの唐辛子ソースをこっそり持参した。
唐辛子ソースがあれば、欧米の料理でも食べちゃうはずだ。

白ワインとシャケのマリネー、それに小さなパンを取っていた。
唐辛子ソースは使わなかった。

2008/7/29

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2008年7月28日 (月)

エスニックフードってなあに?

エスニックフードという言葉に出会ったのは30年以上前のことだ。
メキシコから合法・不法にアメリカに入国した人々は貧しかった。
多くのメキシコ人は機械化が困難で多くの人手が必要な農場で
働いていた。どこでも貧しい人々の料理は差別される。
彼等の料理をアメリカの白人は
「えっ?!メキシコ料理!」
と言って食べなかった。この頃のアメリカ白人の感覚は昔の
日本人が餃子など中国庶民の料理を見下していた感覚に似て
いる。恐る恐るメキシコ料理を食ってみると、旨い。
多分、その頃のアメリカ白人の感覚ではメキシコ料理と言うと
差別感があるのでエスニックフードと言ったのだと思う。

世界経済が地球規模になり、人々の往来が激しくなった。
アメリカには中華料理をはじめ、いろいろな国の料理屋ができた。
アングロサクソン系白人が食べている料理以外の料理を
エスニックフードと呼ぶようになった。カナダ政府の報告書を
読んでいたら、和食もブラジル料理も、もちろんエスニックフード
に入っている。

日本ではエスニックフードというのは東南アジアの料理を指して
いるようだ。アメリカ人が辛味のあるメキシコ料理をエスニック
フードと言ったように、日本人は辛味のある東南アジアの料理
をエスニ
ックフードと呼んだのだろう。
よく「エスニックフード大好き!」なんていう人がいる。
その人はアメリカ・カナダ人から見ると和食もエスニックフードだ
ということを知っているのかな?
アメリカ人から見るとメキシコ料理はエスニックフードだけど、
日本人からメキシコ料理を見るとエスニックフードではな

らしいな。

ある国で多数派の人々が、少数派の人々の料理を呼ぶ言葉が
エスニックフードと考えたらいいんじゃないかな。
地域によってエスニックフードは異なる料理をさすと考えたら
良いと思う。

ウチの料理はいつもタイ料理だからいつも所謂エスニック
フードだ。それじゃあ、タイ人から見てエスニックフードとはなん
だろう?
タイ料理屋に比べてフランス・イタリヤ料理屋は少ないから、
これらの料理はタイではエスニックフードになるな。
バンコックには和食の店が多い。これら和食もタイ人から見ると
エスニックフードなんだろうな。
本当にタイ人が和食やフランス料理をエスニックフードというか
俺は知らない。ベトナム・ラオス・カンボジア料理屋は日本の
ラーメン屋みたいな扱いかな?
これらの料理はエスニックフードかな?
山岳民族がバンコックに出てきて料理屋を開いたならエスニック
フードかな?

2008/7/28

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宴会料理

今日はヌチャナートの友達が来ることになったので、いろいろな
料理を作った。まずは珍しくもない蟹と海老の料理だ。
こんなのは世界中何処に行っても同じだ。
タイの唐辛子ソースやペーストで食べるのがちょっと違うところかな。

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豚の足を煮込んだ。ドイツ語ではアイスバインだ。
タイではこれをスターアニスで香りをつける。
俺はあまりその香りを好まない。
ヌチャナートはスターアニス抜きの味付けにした。
大きな肉の塊をでぇーんと出したところを写真に撮ればよかった。

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タイサラダとトムカーガイだ。

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こんな鍋料理も作った。

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こんな料理もあるよ。

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使った材料の一部だ。

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タイ料理に慣れた人ばかりだから、辛いと悲鳴をあげる人はいない。

2008/7/26

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2008年7月27日 (日)

スパイシーということ

パーティでスイス人と話をしていた。俺達は英語でタイ料理の話をして
いた。話がスパイシーという言葉の意味の定義になった。

スイス人「スパイシーには辛いことも含まれるよ」
俺   「香りが豊なことで、辛味は含まれないのではないか?」
スイス人「うーん、わかんないな。辛味も含まれると思うよ」
俺   「そうかな?」
スイス人「辛味というのは火傷する感じだね」
俺   「うん、そうだね」

そんな簡単な話のやりとりで俺は はっと驚いた。
彼の母国語はドイツ語だ。ドイツ語と英語の関係は近い親類のような
ものだ。したがって彼が考えるスパイシーの定義は英語国民が考える
定義に近いと考えられる。
「スパイシーには辛いという意味も含まれるのだ!」
頭をぶん殴られたような衝撃を受け、スパイシーという言葉について
考えてみた。

スパイシーなんて言葉をグルメ番組でよく聞く。スパイシーは英語だから、
英語国民に「スパイシー」と言ったとしよう。日本人が思っている
「スパイシー」と英語国民が考えている「スパイシー」では違った意味に
なる可能性がある。グルメ番組で「スパイシー!」なんて言っているが、
スパイシーとはどんなことなのか正確に意味を理解しているのか疑問
になる。カタカナ英語を英語と思って使うと思わぬ落とし穴にひっかかる。

スパイシーという言葉はスパイスから派生した言葉だ。
スパイスを日本語にすると香辛料となる。
その名の通り香りが高いか、辛味が強い薬草の総称が英語でスパイス
だ。香り高いセージ、クミン、ナツメグ、キャラウエイ等々の薬草や
唐辛子や胡椒のような辛味のある薬草が香辛料だ。
スパイスを香辛料と誰が訳したのだろうか?実に適切な訳語だ。

語源を考えると、スパイシーには「香りが高いこと」と「辛味が強いこと」も
含まれていることが分かる。受験英語の悪い癖で
「スパイス=(名詞)香辛料、スパイシー=(形容詞)香り高い」
と英語と日本語を1対1で覚えていた。
語源に遡って考えることをしていなかった。
スパイスには唐辛子も含まれるからスパイシーには辛いという意味が
あっても可笑しくない。

俺はスパイシーという言葉は「香り高い」「香り豊な」「香ばしい」と言う
意味だけだと解釈していた。多くの英和辞書の最初の方にでてくる訳語
はこのように香りを主体にした意味だからである。
スパイシーを「香り高い」と考えるのは狭義では正しいが広義では
間違いだ。いい加減に英和辞典を読んでいた俺はスパイシーという言葉
の意味を長いこと香りに限定していた。
英語を不正確に覚えていた自分を恥じた。

俺はスパイシーという言葉でこんな失敗をした。
タイの田舎の屋台に英語を話す女店員が居た。
「スパイシーにしますか?」と女店員が聞いた。
俺は「香り高くするか?」と聞かれたものと解釈した。
俺は唐辛子の辛さはほどほどにして、そのほかの香草などで強い香り
にしたものを期待していた。辛味なんて全く想定していなかった。
出てきた料理はもの凄く辛かった。タイ人が考えるスパイシーは唐辛子
の香りが高く、その量が多いことだった。辛さに閉口しながら、
「タイ人は英語が下手だから、スパイシーとホットを同義語と思っている
のだ!」そのように俺は解釈し女店員の英語の間違いを大きな心?で
許していた。

俺は英語の解釈を間違っていた。
カタカナ英語を英語だと思って使うととんでもない間違いを犯す危険が
あるのが分かるだろうか。

2008/7/26

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2008年7月26日 (土)

コーヒー粕

朝のコーヒーはうまい。
今までコーヒーを飲む習慣がなかったヌチャナートも朝のコーヒーを喜ん
で飲むようになった。タイ人もコーヒーを飲む習慣はあるが、たいていは
ポリ袋に入れた氷の上から熱いコーヒーを注いだアイスコーヒーだ。
砂糖とコンデンスミルクをたっぷり入れて甘くしたものをストローで吸い
ながら飲むのも美味しい。
タイのように暑い国だから美味しいのかもしれない。
こんなコーヒーを屋台で買って飲みながら、町の風景を見て歩くのも
楽しい。

朝の市場を探索して、ちょっと歩き疲れたので座りたくなった。
コーヒー屋台の隣にテーブルがあった。
座ったら、何故か熱いコーヒーを飲みたくなった。
注文すると縁のかけたコーヒーカップに熱いコーヒーを入れて出して
くれた。太陽は照りつけ始めていたが空気はまだ涼しい。
市場で買物をする人々を見ながらゆっくり熱いコーヒーを飲む。
フランスの影響がある、ベトナム・ラオスならともかく、タイの屋台で熱い
コーヒーを飲むなんて場違いの気がする。大きなパラソルの下で飲む
コーヒーはなんとなく風情があった。
こんな所でも熱いコーヒーを飲める、縁がかけているがちゃんとカップも
用意してあることから、少数ながらタイ人も熱いコーヒーを飲むのだと知った。

今朝も俺はエキスプレッソを作った。
朝のコーヒーは俺の仕事にさせられている。
エキスプレッソ器から古いコーヒー粕を取り出そうとした時、コーヒー粕
をこぼした。綺麗に掃除したつもりだったが、取り残しがあった。
ヌチャナートがそれを見た。
「なぁーに、これ!?」
「あっ!コーヒーだよ。ごめん。」
「コーヒーの糞ね」
「えっ?!」食い物に糞なんて言葉を使うなよ!汚らしいと俺は思った。
どうやらタイ語の糞という言葉は「人間にとって不要な物は皆な糞」らしい
と気づいた。魚のはらわたも糞だ。
かんな屑も「木の糞」と言ったと思うな。
タイ語の「糞」という言葉の使い方は面白い。

「鼠の糞」という辛くて香りがよくて小さい唐辛子がある。
タイ人が大好きな唐辛子なのに「糞」なんて言葉をつけるのはおかしい。
その形が「鼠の糞」を連想させるのかな?
「糞」は不要な物につく言葉だが、「鼠の糞」は例外だ。

今朝はコーヒー粕からタイの文化についてちょっと考えた。

2008/7/26

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2008年7月24日 (木)

缶ビールで省エネ

暑いね!連日の猛暑で参っている人が多いと思う。
これはウチの料理とは関係ないが、食べ物に関係しているから
紹介しておこう。

環境だ、エコだ炭酸ガス削減だ!と世間は五月蝿い。
省エネの時代だ。エアコンの温度設定を下げる、できる物なら
エアコンを使わなければ環境に優しくなる。
そんなの無理だ!でもナントカしなくてはいけない。
俺はこんなことをやった。普通サイズの缶ビール一本でエアコン
は不要になる。やり方は簡単だ。

まず、風呂に朝の冷たい水を入れておく。
よく冷えた缶ビールもって水風呂に入る。
心地よい冷たさだ。子供の頃の水遊びを思い出す。
そして冷えた缶ビールをぐいとあける。
体の外と中から冷やす。唇が紫色になるのがわかる。
こうして水風呂から上がると、もうエアコンなんて必要ない。
うまくやると三日くらいエアコンは不要だ。

缶ビール一本で体が効果的に冷えることを実証した。
水風呂は心臓の弱い人や年寄りには危険だよ!
断っておくが、俺は命の保証はしないから真似するなよ。
こんなおバカな実験は俺一人がやれば十分だ。

2008/7/24

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蝉が鳴かない

今年はまだ蝉が鳴くのを聞かない。
ヌチャナートも蝉が鳴かないのを不思議に思っている。
「去年、ヌーが蝉を食べちゃったからだよ!」
「そんなことないわよ」
蝉は当たり年とはずれ年があるらしい。
今年ははずれ年なのか?

タイ人は蝉だけでなくいろいろな昆虫をよく食べる。
昆虫は食品として売られている。
日本の蝉は食べられることを知らないから、木の低いところに
いる。タイの蝉は見つかったなら人間に食べられちゃうので木の
高いところにいる。
「日本では蝉を捕まえるのが簡単ね」
ヌチャナートはそんなことを言っている。
日本にもタイ人が多く定住するようになると、蝉はだんだん木の
高い所で鳴くようになるかな?

蝉など昆虫食を軽蔑してはいけない。
世界にはいろいろな食習慣がある。
南米の何処かでも蝉を食べる。蟻を食べる国もある。

日本人は当たり前のようにタコを食べるが、あんな物を食べる
日本人を理解できない人々がいる。
しかも明石のタコは旨いが、何処其処のタコはまずいなんて
産地によって旨さを識別している。
タコを食べない人々には日本人は気が狂った、ゲテモノ食いと
しか思えないだろう。

人間を食べることがあるサメを日本人が食べるのを見てタイ人
は気持ち悪がる。そのくせ、ふかひれスープは美味しいと言って
タイ人も食べる。
なんだか矛盾しているがそれが食習慣の面白さだ。

蝉が五月蝿いほど鳴くから夏だ。
蝉が鳴かない夏は物足りない。

2008/7/24

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2008年7月23日 (水)

冬瓜のトムチュート

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夏の野菜なのだが、冬瓜という。
煮込むと冬瓜は透明になる。光の具合で煮えた冬瓜は氷のような色合い
を見せる。口の中でとろける。
冬瓜はクセのない味だから、どんなものとでもあってしまう。
挽肉をちょっと辛く味つけして片栗粉でとろみをつけたものを冬瓜に
かけても美味しい。
鶏のスープをナンプラで味付けして冬瓜と鶏肉を煮込んだトムチュート
だ。辛くないから誰でも食べることができる。

この料理をトムチュートなんて言うと
「えっ?!タイの料理?気持ちわりい!!」
なんて言って東南アジア蔑視・西洋崇拝の人は最初から食おうとしない。
食っても美味しいとはいわないだろう。

これを英語でWinter Melon Soupと言えば評価はがらりと変わる。
「えっ?!ウインターメロンってなぁーに?聞いたことある?」
「聞いたことない」
Winter Melonと言うと特別高貴なメロンと勘違いするが、実は冬瓜という
ごくありふれた野菜の英名だ。
「英国の王室で出される料理です」なんて言って名前で貫禄をつける。
凝った器を使い、もったいぶって出す。
そうすると「旨い!今まで食ったことがない味だ!」なんてことになる。
俺は今、いい加減なことを言っているが、英王室で出された料理を調べ
れば冬瓜を使った料理はあると思う。

中国の皇帝が食べた料理の中には間違いなく冬瓜のスープはある
はずだ。味は英王室とか中国皇帝と言った権威と関係ない。
美味しい物は美味しいのだ。自分の舌で旨さを追求しなくてはいけない。

目黒の秋刀魚という落語を思い出した。
もうもうと黒い煙を出して焼いた秋刀魚を殿様が食べて旨いといった。
殿は城で秋刀魚を焼かせた。
万一、殿の喉に骨が刺さったならいけないと全部骨を抜いた。
そんな秋刀魚を食っても旨くない。
「秋刀魚は目黒に限る」と言う殿の言葉で落語は終わる。

殿の城・王室・宮廷の中には美味しい料理がたくさんあるが、それ以上
に庶民の料理の中に美味しい物が沢山ある。
自分の舌で味の冒険をしよう。

2008/7/23

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2008年7月22日 (火)

ラッタナー、餡かけビーフン

ヌチャナートが盛んにラッタナーを食べるかと聞いている。
俺はラッタナーというのがどんな料理なのか知らない。
ビーフンが入った袋をもって、「これの料理よ」とヌチャナートが
言う。俺は作ってくれる物なら何でも食べてしまうから、どんな
食べ物でも構わない。
「ラッタナーに何を入れる?」
「・・・・」
ラッタナーがどんな料理なのかわからないから応えようがない。
「豚肉?」
「うん。そうだね」豚肉が食いたいのではない。応えなくては
いけないので、息をする代わりに返事をしている。
「海老もいれる?」
「うん」またいい加減な返事をする。
「野菜はキャベツとナスでいい?」
「いいよ」
これでヌチャナートは俺がどんなラッタナーを望んでいるのか
了解したようだ。それ以上の質問はなかった。
俺はパソコンに向かって作業をしていた。
「お腹が空いたら言ってね。ご飯を作るから」

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真ん中に窪みがあり、そこに氷をいれる冷酒用のお銚子で
冷やした白ワインをヌチャナートは飲んでいる。

「まだご飯を食べないの?寝ちゃうわよ!」
俺の弱みに付け込んだ脅迫だ!
ヌチャナートが寝たら、今晩はご飯がないか、自分でつくら
なくてはいけない。慌てて「ハラ減った!」と言った。

野菜と豚肉などを炒めて餡をかけた。
それを茹で上げたビーフンにかけてこの料理はお仕舞だ。
唐辛子ソースを持ち出してきて、これをかけてよくかき回して
食べろという。辛味が加わって美味しくなった。
唐辛子の味と香りがないと食べられなくなっている自分を笑った。

飯を食いながら毎日かかってくる押し売り電話?のことを考えて
いた。
「迷惑電話だな」「今度、かかってきたらどう対応しようか」
と思いながら食っていた。
「サミイはさっきから黙って食べているわね。美味しくないの?」
俺はつまらない考え事をしながら飯を食っていたので、黙って
飯をくっていたことに気がついた。
「そんなことないよ。美味しいよ!」慌てて応えた。
感激する味ではないが、そこそこに美味しい料理だった。
俺が飯を食い終わると、ヌチャナートは安心したのか猫の
サダムを抱きながらさっさと寝室に消えた。

2008/7/21

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ワインに合うタイ料理

先ほどから冷たく冷やした白ワインをヌチャナートは飲んでいる。
美味しくワインを味わうには肴はチーズとか生ハムと決めて
かかっているフランス人やスペイン人が見たら驚くような物を
ヌチャナートはワインの肴にしている。
悪臭漂う野菜の漬物パクドンと一緒にワインを飲んでいる。
発酵食品、とくに悪臭がでる発酵食品は好きな人にはたまらない
ほど美味しい食べ物だ。
嫌いな人にはとても受けつけられない酷い食べ物だ。
パクドンで飯を食っていても俺は驚かないが、パクドンでワイン
を飲んでいるのにはフランス人ではない俺も驚いた。

30年も前にはワインと刺身や鮨は合わないという固定観念が
日本人にもフランス人にもあった。ミシュランの三ツ星を取った
和食店にはみんなワインがあるそうだ。これで暗黙のうちに、
ワインと和食が合うというお墨付きができてしまったような
ものだ。本当にフランス人がワインと刺身や鮨が合うと思って
いるのか俺には疑問だ。
フランスのある地方で僅かに作られているチーズと地酒の組合せ
は最高に美味しいと言われて味見をしても、チーズもワインも
フランス人ほど経験を積んでいない俺のような日本人にはその
旨さをなかなか正当に評価
できないものだ。
和食の経験が少ないフランス人が
「この店の料理とこのワインの組合せがいい」
なんて正直で気が弱い人
にはなかなか言えるものではない。
ミシュランの場合は、なにしろ覆面審査だからどんな無責任な
ことでも言える?これはちょっと言いすぎかな??

タイのワインだが、フランスの醸造技術を取り入れて良質の
ワインがタイでも作られるようになった。関税だか酒税だか
高額な課税があるためタイでは輸入ワインはもちろん、
国産ワインも高価な飲み物だ。
そのうちに税制が変わり安いフランスワインをタイの庶民が
楽しめるようになるだろう。そのためにはフランス人はいかに
フランスワインがタイ料理と合うか宣伝しなくてはいけない。
宣伝では「ワインとトムヤンクンは合う」なんていうだろう。
俺もこの組合せはワインと刺身の組合せより合うと思う。
「ワインとソムタムはいい」とも言うだろう。
えっ!?あの生臭い蟹のにおいが?
腐った魚の臭いがワインとあう?
タイではワインの宣伝のために、フランス人は
「ワインの香りはパクドンの香りと絶妙なハーモニーをかもし出す」
なんて
言い出すかな?
フランスワインの普及のためにはそのくらいのことを言わなくては
駄目だ!現にヌチャナートはパクドンと一緒にワインを飲んで
いるではないか!
タイではワインは高価な飲み物だから、ウチの安物ワインでも
ヌチャナートは「美味しい」と言う。他の料理では厳しい味の評価
をするヌチャナートだが、ワインの評価は俗っぽい。

パクドンは俺を含めて外国人は嫌うが、ヌーの好みの料理だ。
好みの料理と高級ワイン?でヌチャナートは幸せな気分に
なっている。パクドンとワインの組合せをフランス人は美味しい
というか?幾ら、商売の為とは言いながらも、ここまで無理して
来ると俺はフランスワインは味噌の香りでも糞の香りとでも
あってし
まう気がする。

2008/7/21

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日本製インスタントラーメン

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俺達がタイで驚くことの一つにタイ人はラーメンに砂糖を入れる
ことだ。俺も真似してタイラーメンに砂糖を入れた。
塩っぱいはずのラーメンスープが甘くなり、泣きたくなるほど
不味いものになった。

ある時、俺が「タイラーメンを食いたい」と言った。
タイ人が俺の為に近所の屋台からタイラーメンを買ってきてくれ
た。「スープに砂糖をいれるな」と言うのを忘れた。
丼を両手で抱えながら買ってきてくれたラーメンには砂糖が
入っていた。「失敗したな」と思いながらラーメンを食った。
塩っぱい味に辛味が加わる、その後に甘味を感じた。
その甘味になんとも言えない快さがあった。
辛味の後に感じる甘味には優しさがある。
「なぁーるほど、ラーメンに砂糖を加えるとこんな美味しさが
でるのだ!」俺はその旨さに感心した。
照りつける太陽の下で食べるラーメンだから感じたのか?
自分で砂糖を加えると味のバランスがとれない。
いつも変な味になるので、俺は砂糖を加えるのを諦めた。

ヌチャナートは飯を作るのが面倒なので日本のインスタントラー
メンを作った。ラーメンにソーセイジが入っているのも面白い。
タイラーメンを注文すると、魚のつみれのような物を入れてくれ
る。つみれの代わりにソーセイジをいれたのだろう。
ラーメンなのに、こんな器に入れてだす。
日本人はこの料理にはこんな器と料理と器の関係にこだわる。
タイ人はそんなこと、気にかけない。
王宮料理の場合は規則とか習慣というのがあるかもしれないが、
ウチの場合は庶民料理だから「
そんなのカンケーネェー」ようだ。
「サミイが作ったナムソムを加えると美味しいわよ」
俺が酢に生唐辛子をいれたものをインスタントラーメンに加えろ
というのだ。タイの屋台ではどのテーブルにも必ず置いてある
調味料だ。酸味と辛味が加わって美味しい味になる。

ヌチャナートも俺が作ったナムソムを加えてインスタントラーメン
を食いだした。一口、味見したら立ちあがった。
「あれ?どうした?」
見ているとヌチャナートは砂糖を持ってきてインスタントラーメン
に加えた。タイ人にはラーメンスープに砂糖を加えないと駄目
なんだと改めて感じた。

2008/7/22

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2008年7月21日 (月)

パクブンファイデン、朝顔の火炎料理

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バンコックのレストランで俺のために英語のメニュウがだされた。
ヌチャナートが居れば、ヌチャナートが料理を選んでくれるから
英語のメニュウなんて必要ない。。今日はヌチャナートが居ない
から、自分で料理を選ばなくてはいけない。
一緒に居る二人のタイ人も
「どうぞ、お好きな料理を選んでください」という。
何か珍しい物を食いたかった。
「朝顔の炒め物」という料理があった。
朝顔ってあの朝顔?小学生が4月に鉢に植えて夏休みに自宅
に持ち帰るあの朝顔?
夏の朝に咲く赤や青の花か葉っぱの料理なの?
こりゃ珍しい、それを戴くことにした。
出された料理はニラ炒めのような料理だった。
想像していたのとは違うが、旨い。気に入った。

この野菜は英語では朝顔となっているが、漢字では空芯菜
となる。この料理をレストランで頼むと、野菜を炒める鍋から
真っ赤な炎を派手に上げながら作るからパクブンファイデン
(赤い炎の空芯菜)という。通りに面した場所で料理を作り
パッと広がる炎を看板にしている店もある。
ヌチャナートは炎が出ないように調理している。
「それじゃぁ、ファイデンにならないね」
「こんな所でやったなら、危ないじゃない!」
出来上がった料理を家の外に持ち出して食べた。
夜風が涼しい。今日は蚊がいない。蚊取り線香は必要ない。
ヌチャナートは白ワインを飲む。
俺はウイスキーのソーダ割を飲む。
この料理ってダイエットになると感じた。
俺が考えたダイエット法は次に書こう。

2008/7/20

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噛むダイエット

昔々のことだった。兵隊から帰った学校の先生が言った。
「兵隊から帰った」と言っても、なんのことか分からない人が
増えてしまった。太平洋戦争中の日本は徴兵制だった。
兵隊にとられて戦地に行く。
戦地から帰ってくることを「兵隊から帰った」と言っていた。

元兵隊だった先生はたしかフィリッピンに居たそうだ。
終戦末期には食糧の補給ががなく、自給自足もままならず兵隊
は餓えた。餓死する兵隊も多かった。

「50回噛むまで飯を飲み込んではいけない」
というおかしな命令がでた。
腹が減っている、飯は少ない。ガツガツしている兵隊は50回も
噛まずに飯を食い終わる。
早飯食いの兵隊は厳しく叱責された。
先生は怒られたくないから50回噛んでから飯を飲み込んだ。
その先生が言った。
「不思議なことに50回も噛んでいると少ない飯でも腹いっぱい
になるんだ」
今は噛むことで満腹神経が刺激され空腹感がなくなると科学的
に証明されている。その当時はこのような脳神経的知識は
なかったと思うが、経験的に噛むことの生理的働きを知っていた。
この命令のおかげで多くの兵隊の命が救われた。

昨晩、空芯菜の炒め物を食べていた。
空芯菜はちょっとスジが硬くてよく噛まないと食いちぎれない。
噛んでいるうちに空腹感がなくなった。
この時、兵隊から帰った先生の話を思い出した。

そうだ!これをダイエットに利用できる。
何でも好きな物を食っても良い。ただ、それを飲み込む前に必ず
50回噛まなくていけない。
噛むことができない、コーラやアイスクリームは食うことを諦める。
チーズなら噛めるから食っても良い。
少ない飯で満腹になるから、食物の摂取量が少なくなる。
結果的に摂取カロリーが少ないからダイエットになる。

よく噛んで食べるのが健康の基本的姿勢なんだ。

2008/7/21

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葉のない唐辛子

P1050847pct13

辛い唐辛子だと思って唐辛子の苗をヌチャナートが買ってき
た。白い花が咲き、実ができた。やがて辛い唐辛子が出来ると
思ったが、どうやらしし唐のようだ。
先がとんがってこない。
苗が植わった鉢には唐辛子の種類が書いてあったはずだ。
それを読んであげなかった俺が悪い。
でもヌチャナートは気にしていないようだ。
ヌチャナートのお目当ては辛い実ではなくて新鮮な唐辛子の
葉っぱだ。これを摘んで料理に使う。

こんなにも葉を摘んでしまった。
大丈夫なのだろうか?
ヌチャナートは経験が豊富だから、絶対に枯れないと知っている
のだろう。これだけ葉を取ったなら育たないと思うのだが、
ヌチャナートは心配していない。
「これが赤くなったらきれいだから、赤くなるまで食べないわ」
しし唐を赤くする気でいる。

2008/7/21

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2008年7月19日 (土)

ボロニアソーセイジとタイの唐辛子

P1050827pct13

ヌチャナートがボロニアソーセイジを切っていた。
これをどうやって出すか黙って見ていた。
皿にトマトと一緒にソーセイジを盛って出した。
ここまではごく普通の出し方だ。なぁーんだつまらないと思って
いたら、その皿の隣にナンプラとプリッキヌーをいれた小鉢を
だした。やっぱりタイ人はこうするのだ。
唐辛子がない料理なんてタイ人には考えられないのだ。

ボロニアソーセイジをナンプラにつけて、プリッキヌーと一緒に
食べろというのだ。
プリッキヌーはタイの唐辛子の中で一番辛い唐辛子だ。
俺が唐辛子抜きでソーセイジを食べていたら、ヌチャナートに
怒られた。
「プリッキヌーと一緒に食べなければ美味しくないわよ!」
香りがよい唐辛子だからソーセイジと一緒に食べるとうまい。
だが辛さで汗が噴出してくる。汗を拭きながらソーセイジを食べた。
こんな姿を他の人が見たら、笑うだろうな。

2008/7/19

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タイの食べ物の香り

何処の国へ行っても食べ物の特有なにおいがある。
日本なら醤油や味噌のにおいだろうな。
町を歩けば何処でも醤油のにおいが流れてくる。
味噌汁のにおいを嗅ぐと「旨そうだな」と思う。
特に冬の寒い夕方、立ち食い蕎麦屋から流れてくる醤油の
においを嗅ぐと空腹を感じる。

俺はタイのにおいは八角のにおいだと思っていた。
町のあちこちから八角はにおってくる。
こっちの屋台、あっちの屋台でも豚の足を八角と一緒に煮込ん
でいる。タイの香りは八角の香りと思っていた。
このにおいを嗅ぐとタイ人は「旨そうだな」「腹、減ったな」と感じ
るのだろう。

今朝、家の中にタイを思い出すにおいがしていた。
八角のにおいではないのに、このにおいはたしかにタイの
あちこちで嗅いだにおいだ。このにおいもあちこちから漂って
くるにおいだ。おかしなことに、俺はこのにおいを嗅いで
「ああ、腹へったな!」と思ってしまった。
タイの食事のにおいと食欲が条件反射のように完全に繋がって
いる自分を発見して驚いた。

「なんだい、このにおいは?」
「カオニョウよ」カオニョウというのは餅米のことで、タイ東北で
よく食べる米だ。この餅米はタイ食材店で買ってきたものだから、
タイのにおいがして当然だ。タイの人々は竹で編んだ頭巾の
ような物で餅米を蒸す。頭巾のような竹の容器を両手で持ち
上げて、ひょいひょいと振る。容器を振るたびに湯気が立ち上が
り、この臭いがする。米の上下が入れ替わり、全体が満遍なく
均一に蒸しあがる。

餅米を蒸すにおいもタイの香りにいれなくてはいけない。
このにおいもタイを思い出させる大切なにおいだ。

2008/7/19

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パットムウ、豚肉の炒め物

P1050826pct13

ニンニクと一緒に炒めた豚肉だ。香りが食欲をそそる。
プリッキヌーと一緒に食べる。
タイ人でも辛いというプリッキヌーを食べる俺は日本人の中では
唐辛子中毒に入るな。プリッキヌーと食べるのはタイでは普通の
食べ方だから、タイ人が見てもどうということはない。
生のプリッキヌーをタイ人の前で齧っても、偉い日本人だと尊敬
されることもない。
この料理は食べると旨いが、作っている時は酷い臭いがする。

これがごくごく普通のタイ人の食事なんだ。
幾らタイの金持ちの家でも毎日が宮廷料理のようなものを食べ
ているわけじゃない。あんな料理を毎日毎食 食っていたら飽きる
し、超肥満になる。
飽きがこない食事はやはり、このように単純で素朴な料理だ。

2008/7/19

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人畜共用の餌

P1050820pct13

このイカは飼い猫のサダムフセインの為に買ってきたものだ。
ちょっと摘むと旨い。
ヌチャナートと一緒に猫の餌を食べだした。
サダムならこのまま食べるが、俺達は唐辛子と一緒に食べる。

よく、猫に烏賊をやってはいけないと言う。
猫が腰を抜かすというのだが、そんな兆候はない。
烏賊は食べるが、鯵など他の魚をサダムは食べない。
グルメなのか単なる我儘か?
タイでは塩漬けの魚を猫が食べるのをみていた。
猫は魚が好きなんだとその時、確認した。
よく日本の猫が煮干などを齧るのを見た。
サダムに鯵や煮干を食べさせておくべきだった。
烏賊を干したスルメをサダムは食べないから食事作りが面倒だ。
育て方を間違った。飼主の猫教育が悪かった?
腹が一杯になると、サダムは長ーくなって寝てしまう。
俺達の育て方が悪くても、サダムはナイフで無差別に通行人を
刺すことはしないから「まあ、いいっか」。

冬の間は丸まっているのに、暑くなったら長くなる。

2008/7/18

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カオパット

P1050822pct13

電気釜の中の残った飯を冷蔵庫に仕舞ってある。
これは文字通りの冷や飯だ。ウチでは冷や飯は大切な食材だ。
これをカオパットにしたり、カオツムにする。

今晩はもう外で飯を食うのはやーめた。家で食おう。
家で飯を食うのはよいが、何を食う?
「そうだ、カオパットを食おう」
カオパットを食いたいとヌチャナートに言った。
ヌチャナートは俺の要求を鼻で笑った。
「卵がないわよ」
「卵なんかなくてもいいよ」
「卵なしのカオパットなんてないわよ」
どうやら、ヌチャナートには卵なしのカオパットなど考えられない
ようだ。日本人に山葵抜きで刺身を食えと言っているようなものだ。
「しょうがないな、カオツムでいいか」
俺はカオパットを諦めていた。
ヌチャナートは卵なしのカオパットで良いなら作るわと言っている。
「それでいいから作ってくれ」
こんなカオパットが出来てきた。
飯粒がパラパラにはがれる美味しいカオパットだった。

2008/7/18

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2008年7月18日 (金)

豆腐のトムチュート

P1050803pct13

これも立派なタイ料理だ。豆腐の味噌汁も旨いが、この豆腐の
スープと言うのかシチュウも旨い。あっさりした味で辛味はない。
滅菌包装された豆腐なので冷蔵庫に入れておけば、長いこと
保存がきく。冷蔵庫の中で邪魔になったので、豆腐を食べること
にしたようだ。
日本でこれと似た料理と言えば、湯豆腐だろうな。
食材は豆腐だからクセがない。誰にでもこの料理は食べること
ができる。
タイ語でトムチュートトーフなんて言うからタイ料理だと思ってしま
うが、黙ってだせば東北だか九州の山奥の秘境に伝わ
る湯豆腐
と勘違いする。

2008/7/18

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ヤムウンセンで外食

P1050797pct14

外食なんて言うと、お化粧して着飾って高級レストランにでかけ
て食事をすることだと思われる。
ウチの場合は家の中ではなく家の外で食事をすることが外食だ。
幸いにも雨が降らないので、今日も外食だ。
道を歩く人から丸見えだ。真ん丸い月も俺達の飯を見ている。
俺達は慣れっこになっているので、タイ料理の臭いがわから
ない。通りすがりの人は「なんだろうこのにおい?!」なんて
思っているかもしれない。

今日はヤムウンセンだ。春雨を煮込んだ料理だ。
この辛味がいい。タイ音楽を流しながら飯を食う。
ウイスキーのソーダ割りを飲む。
ちいさな明かりをつけると、華やかになる。
時折涼しい風が吹いてくる。タイ料理を食べる好条件が揃って
いる。夜風に当たりながら冷たい酒を飲む。辛い料理を摘む。
暑い季節にはこのような辛い料理はいい。
ここで酔っ払っても終電の心配はない。タクシーも必要ない。
ゆったりと酒を飲む。
ご近所はどう思っているかわからないが、俺達は静かな夜を
楽しんでいる。こうして食べていると、タイの屋台で食事をして
いる気分になる。

2008/7/17

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2008年7月17日 (木)

パットメーとぶっかけ飯

P1050796pct13

暑い日が続く。夜風が涼しくなってきた。
「ねぇー、今日は何処でご飯を食べる?」
「・・・・」
「家で?外で食べる?」
「うーん、外で食べよう」
暑さでヌチャナートも疲れているようだ。簡単な飯でいい。
外で夜風に当たりながら、冷たい酒を飲み、飯が食えればそれ
だけでいい。
「サミイは何を食べたい?」
「・・・・・」俺の最も苦手な質問だ。
「パットメーにする?麺は何が良いの?日本のラーメン?」
矢継ぎ早の質問をヌチャナートは早口でまくし立てる。
のんびり話すタイ人が多い中でヌチャナートは異例なほど早口だ。
その早口に俺は飼い馴らされている。
パットメーというのはヤキソバのことだ。日本ではヤキソバと言え
ば支那そばを炒めたものに決まっている。
日本蕎麦を炒めたものをヤキソバとはいわない。
いろいろな種類のヤキソバがタイにはある。
俺はビーフンのヤキソバを作ってもらうことにした。
ご飯は一人前しかない。ビーフンをちょっと多めに作ればいい。
今朝の残りのゲンマラガオがあるから、それをぶっかけ飯にする。

よく冷えた酒を飲みながらパットメーを食べる。
今日は人通りが少ない。

ちょっと辛めのパットメーが冷たい酒にあう。
ゆっくりのんびり飯を食っていた。
パラパラと雨粒が落ちてきた。
さっきまでは晴れていた空が曇っている。ここの所、大気が
不安定でにわか雨や雷が発生しやすい状況だ。
髪の毛が薄くなると、雨粒が落ちるとすぐに分かるようになる。
さっきニ、三粒の雨を感じたがその後は雨粒を感じない。
どうやら天気は持ちそうだなと思っていたとき、ヌチャナートも
雨粒を感じた。
「雨みたいね」
「そうだね、そろそろあがろうか?」
周囲にゴミが散らかっていないことを確認して、家に戻った。

2008/7/16

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2008年7月16日 (水)

タコとハムのタイ風サラダ

涼しい夜は外に出て食事をする。
散歩をする人々は俺達の食事を不思議そうに見ている。
通行人がある道路に面した場所で食事をするなんて日本人
の習慣にはない。他人が覗けないように周囲が垣根や塀で
囲まれた自宅の庭で食事をする風景はある。
俺達は他人の好奇心の目を気にしない。
「涼しくて気持ちがいいね」
「そうね、こうやっているとタイの夜みたいね」
「そうだね、ビールが美味しいね」
「ビアチャンを飲んでいるみたいね」
安くて、アルコール度数が高いビール、ビアチャンは人気歌手
の宣伝で売り上げをぐんぐん伸ばしている貧困層のビールだ。
昼間の暑さから解放されて、ぎんぎんに冷えたビアチャンを
夕涼みをしながら飲むのは旨い。料理を摘みながら、ビールを
飲んでいると近所の人が談笑に加わる。
そんな光景をヌチャナートも思い出している。

P1050772pct13

今日の酒の肴は軽く茹でたタコとハムを使ったタイ風のサラダ
だ。辛味と甘味のあるドレッシングがいい。
街灯の明かりと、周囲の家の窓からの明かりしかない。
料理は はっきり見えない。適当に、料理を摘んで食べた。
生のプリッキヌーに当たった。タイ人も辛いという唐辛子だ。
辛れぇー!
闇鍋みたいだ。なにが当たるかわからない。

夜風に吹かれながら食べる辛い料理はうまい。

2008/7/15

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豚の皮とイタリヤ・フランス料理

テレビをつけたらある婆ちゃんが美味しい穴場料理屋の昼飯を
紹介していた。台湾料理屋の店だった。
皮付きの豚肉を使った料理がお勧め料理だった。
なんでもこの婆ちゃんは料理研究家とかいう触れ込みだ。
同行している若い女タレントだか局アナがいる。
「これなんですか?」
「それは豚の皮ですよ」
「えっ!」
若い女はぎょっとした表情を見せた。そして箸も止まった。
婆ちゃんはそんな若い女の反応を無視して言った。
「豚の皮はイタリヤ・フランス料理にもつかっていますよ」
若い女はイタリヤ・フランスと聞いて安心したように料理を
食べだした。あとはお決まりの「安くて美味しいお料理でした」
と締めくくられる番組だった。

俺は若い女の反応を見て、溜息がでた。
日本人はいまだに東洋蔑視西洋崇拝の感覚を持っているのだ。
豚の皮を食べるのは台湾だけではない。タイでも食べる。
台湾料理屋で豚の皮を出されたので、若い女はぎくっとした。
それがイタリア人もフランス人も豚の皮を食べると聞いて安心
した。これっておかしいと思わないか?
フランス料理屋で豚の皮を出されたなら、
「コラーゲンたっぷりで美味しい」
なんて言い出すのではないか?

食べ物や料理は自分の舌で確かめて旨い物は旨いと言えば
いい。西洋人も食べるから、グルメ本が旨いと言っているから
旨いと言うのはおかしい。

2008/7/16

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夕涼み料理

今日も暑かった。昼間が暑いと夜の涼しさを有り難いと思う。
涼しい夜は家の外に出よう。外で食事をしよう。

昨日の経験から今日はちょっと形を変えた。
キャンプ用のテーブルを持ち出すのは大袈裟だ。
小さな台にお盆を乗せた。そこに料理をだせばいい。
今日は三品だ。豚肉の炒め物は俺が食べる料理。
辛ら~いソムタムはヌチャナートが食べる料理。
二人の共通料理はキノコのシチュウだ。

P1050776pct13

ニンニクと炒めた豚肉を唐辛子ソースにつけながら食べる。
胡瓜も唐辛子ソースにつけて食べる。
こんな風に屋外でこの料理を食べるとタイの屋台料理を思い
出す。タイの胡瓜は日本の胡瓜より小さい。
日本の物よりしゃきしゃきしていないが、甘味がある。
この胡瓜を日本で味噌をつけながら食べたなら美味しくないかも
しれないが、タイで唐辛子と一緒に食べると実に旨い。

ソムタムを俺は食べない。生臭い蟹や魚を入れてなければ俺は
食べたが、最近は蟹や魚が入っていなくとも食べなくなった。
俺がソムタムを食べないのでヌチャナートは自分好みの味を
作っている。思いっきりプリッキヌーを加える。
「辛くていいわぁー」なんて言いながらソムタムを食べている。
俺が食べたなら、辛さで汗が吹き出るが、ヌチャナートの顔に
汗は浮かんでいない。

P1050777pct13

キノコのシチュウは手をつけなかった。
今晩食べなくとも、明日また温めれば食べられる。
熱帯の料理は簡単に腐らないのがいい。

俺達がビールを飲みながら食事をしているのを道路を歩く人々
が見ている。
「タイの夜と同じだね」
「そうね」
エアコンの効いた部屋で優雅に食べるのもいいが、自然の風に
あたりながら食べるのは楽しい。

P1050778pct13

2008/7/15

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食品と健康関係の広告7168

最近、朝バナナが人気になっているらしい。いつからバナナが
健康食品になったのだろう。一種の流行かな。
あれを食えば体によい。これを食えば治るということを書いた本
や雑誌が沢山ある。
どんな食べ物が何にいいのか広告からみている。

「ゆほびか」誌 2008年9月号モキノ出版

台所の名医 「カレー」再発見
心と体の<消化力>がアップ!メタボ、生活習慣病を改善 
簡単美味ヘルシーレシピー満載!

カレーばかり食っているインド人に太った人をみない。インドの
映画俳優で人気があるのは男でも女でもちょっと太目だそうだ。
カレーが効くのではなくて、食事の摂取量と運動量のバランスが
取れているので肥満にならないだけではないか?
つまり、貧困が健康な体作りに役立っている。インド経済は確実
に向上している。カレーを食いすぎて肥満になるインド人がこれ
から増えるだろう。

「壮快」誌 2008年9月号 マイヘルス社/マキノ出版
一晩ででき甘くて美味
<酢トマト>で15キロ 12キロ速(丸囲み文字)やせた
ひざ痛 通風が消えた
血圧 血糖値も正常化

お昼のテレビで大評判!
史上最楽 
薬剤師夫婦 医師夫婦が
35キロ20キロやせた!
メタボ腹が19センチ縮小
朝バナナダイエット

育毛外来で著効を発揮
ハゲ、薄毛に太くて黒い毛がフサフサ 生えた、<ラズベリーローション>

金髪には効かないのか?もともと金髪でも黒い毛が生えるの
か?そんなことないな。金髪が生えるのだろうな。

「わかさ」誌 2008年9月号 わかさ出版
糖尿病の予防と改善に著効と世界が注目の紅茶とコーヒーの
最新効力アップ法
医師も大腸ポリープが消えた!物忘れ肩こり・高脂血も便秘も
改善!ニンニクで治す!
体の悩み別ベスト活用法
便秘・下痢にはニンニクヨーグルト、物忘れにはニンニク卵黄、
肩こりには黒ニンニクが一番

医者の大腸ポリープが消えたというといかにも効果がありそう
に勘違いする。大腸ポリープにとっては医者も単なる患者の
一人だ。医者だろうが、タクシーの運転手だろうが大腸ポリープ
に差はないはずだよね。

次にある方法は経済的な方法だから注目できる。

美人女医はビタミンC ウオーターでシミ知らず!
夏疲れ・ポッコリ腹・熱中症から脳梗塞・通風・メタボまで
水が夏の病気回復の名薬になるすごい飲み方
血液型別の水選びのコツも大公開!

A型の人は朝 水を飲む、O型の人は夜に飲めなんて書いて
あるのか?日本では水以上に安い食品はないから、
この健康法は経済的だ。

減食せずに5キロ減!
下腹もすっきりへこんだ!
食べるウーロン茶

「健康365」誌 ㈱エイチアンドアイ
腰痛・ひざ痛は女性ホルモン不足でも起こり「朝鮮ニンジンの
果実」なら傷みを解消し骨粗鬆症も改善

欧州の脳の薬「ニチニチ草」は記憶力や集中力をぐんと高めて
耳鳴り・難聴が大解消

今日はこんな広告が目に入った。
ところでこんな本を出版している人たちは、自分達でも試して
いるのだろうか?毎号、あれがいい、これがいいと書いてある
から、何を食ったら健康によいのか分からなくなるのではないか
と俺は余計な心配をしている。

2008/7/16

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ゲンマラガオ、パパイアのシチュウ

P1050782pct13

俺達にはパパイアは南国の甘い果物だ。
海岸の椰子の木の下には白いテーブルがあって、美女が
にっこり笑いながら食べているのが日本人が持つパパイア
のイメージだ。観光旅行のパンフレットにはそんな写真がよく
ある。

内陸の田舎にはいると、様相が一変する。
薄汚れたよれよれの服を着た貧相な人が真っ黒な手で青い未熟
なパパイヤでソムタムを作っている。
リゾート地やバンコックのホテルではパパイアは果実だが、田舎
では野菜として使われている。最近はタイからの輸入が増えた
のか、競争が激化したのかパパイアの値段も下がっている。
「辛いけど、美味しいわよ」
そんなことを言いながら出してきたのがこの料理だ。
パパイアと鶏を煮込んだものだ。
言われたとおり、この料理は辛いが旨味も強い。
いかにも田舎料理という感じのタイ料理だ。

2008/7/16

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国籍不明の卵料理

P1050780pct13

うーん、これはなんという料理だ。ハムと卵とトマトを炒めた
ものだ。ハムエッグ?そうではないな。オムレツ?
卵がふわっとしていないからオムレツじゃあないな。
タイ料理?こんなタイ料理がタイにあったかな?
それじゃぁー不味いの?とんでもない!美味しいですよ!

「美味しいよ。これは白人でも食べられるね」
「・・・・・」
「ドイツ人にはどうかな?ドイツの朝食にはこんな料理は
でないな」
「・・・・」
ヌチャナートは俺の話を黙って聞いている。
「英米人なら受け入れるかもしれない。でも英米人の朝食とは
ちょっと違うな」
「・・・・」
そんなことを言いながら、俺は国籍不明の卵料理を食べている。
「うん、美味しい」と言いながらヌチャナートも卵料理を食べている。
美味しく、楽しく食事ができれば、料理の名前なんてどうでもいいやね。

2008/7/16

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旨そうなにおい

夕方、ヌチャナートと歩いていた。ちょっと小腹がすく時間帯だ。
近所の家から天ぷらそばのにおいが漂ってきた。
「旨そうだなー」と俺は思った。
冷凍庫にかき揚げがあるのを思い出した。
家に戻ると、俺は冷凍庫からかき揚げを取り出した。
すぐに食べたいからそばつゆの中にいれて解凍した。
俺が台所でごそごそやっているのでヌチャナートが話しかけた。
「あら、何を作っているの?」
「天麩羅を食べるんだ。」
「素麺が冷蔵庫に入っているわ」
「ああ、そうだったね」
かき揚げなんて久しぶりに食う味だ。

かき揚げを食いながらヌチャナートに聞いた。
「なんで俺が天麩羅を食うのかわかる?」
「わかんないわ、なんで?」
「歩いている時、天麩羅そばのにおいがしたんだ。
それで天麩羅が食いたくなったんだ」
「ふーん・・・・」
同じ臭いを同じ時に嗅いだ。
俺はその臭いから俺の大好きな天麩羅そばだとわかった。
それで天麩羅が食いたくなってしまった。

俺とは反対にヌチャナートには天ぷらそばのにおいは馴染みがない。
駅の立ち食い蕎麦から漂う天ぷらそばのにおいはなんども嗅いでいる
が、ヌチャナートは天ぷらそばを食べない。
食べないからにおいと食欲が結びつかない。
それだけではなく、そんなにおいがあったことすら覚えていない。

俺とヌチャナートがタイの町を歩いていたならどうだろう。
例えばスターアニスのにおいがよく漂ってくる。
俺はあのにおいに食欲をそそられないが、ヌチャナートは
「ああ、お腹がすいた」と感じるにおいなのだろう。

自分が今までに体験してきたにおいによって食欲が刺激されるかどうか
決まるのだ。

2008・7・14

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蛍の光とニンニクのにおい

夜になると、向かいのマンションのベランダで蛍の光のように
赤い小さな火が見える。暗いベランダで誰かが煙草を吸って
いる光だ。

ある団地では隣のベランダで吸っている煙草の煙がウチに
入ってくるからベランダでの喫煙を禁止しようという動きが
でた。煙草の煙が臭いとか間接喫煙で肺がんの恐れがあると
いうのがその理由だろう。家の中で煙草を吸えば女房・子供が
怒る。ベランダで吸えば隣が怒る。
何処で煙草を吸えばいいんだよ!
その団地では煙草は家の中で吸えということにした。

一軒家の場合ではどうか?日本の場合、一軒家と言っても隣と
の隙間は少ない庭で煙草を吸っていると、煙が隣に流れて行く。
「煙がウチに流れてくるから、庭で煙草を吸わないでください」
そんな苦情がきそうだな。

煙草の臭いが嫌いな人には我慢ならない臭いかもしれない。
しかも今は「嫌煙権」なんて権利が認められている。
顔を合わせたなら挨拶をするなど、普段のお付き合いがちゃん
とできていれば、嫌煙権云々なんて持ち出さない気がする。

煙草の煙で思い出すのがウチの料理だ。
タイ料理だからニンニクや唐辛子を多用する。
料理を作っている時のにおいは日本人には酷いものだ。
ニンニクをフライパンで炒めると強い香りが飛び出す。
香りと言うと聞こえがいいが、ニンニクが焦げた煙だ。
このニンニクの煙の中にはどんな発癌性物質が含まれて
いるか研究がないと思う。
ニンニクよりもっと酷いのが唐辛子を炒める臭いだ。
唐辛子の煙を吸い込むと間違いなく くしゃみをする。
つまり刺激の強い煙だ。
ニンニクや唐辛子から出る煙は煙草より肺がんの危険性が高い
かもしれないと俺は思っている。
「お宅の料理は臭いし、発がん性のある煙が流れてくるから
タイ料理はやめてくれ」
なんて隣から言われたらどうしよう???

まだ「嫌ニンニク権」とか「嫌唐辛子権」という権利が確立されて
いないので、誰もウチに文句を言わない。
こんな権利ができたなら、ウチは何を食ったらいいのだ!
日本の焼肉屋は倒産する!

2008/7/14

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2008年7月14日 (月)

世界三大スープ、トムヤンクン

観光案内書など、タイの料理について書いてある記事を読むと
必ずトムヤンクンがでてくる。たしかにトムヤンクンは旨いスープ
だ。酸味があって辛くて、香り高いスープだ。海老にアレルギーが
ある人には無理だけど、誰でも気に入るスープだと思う。

トムヤンクンの説明に観光案内書などは
「世界三大スープ の一つに数えられている」とある。
肝心の世界三大スープは何かという説明が観光案内書など
にはない。誰かの話をそのまま書き写していったからこんな
ことになっているのだと思う。
俺は常々、トムヤンクンは旨いと思うが、これが世界中の人に
広く知れ渡っているか疑問に思っていた。

世界三大と言うには知名度が高くなくてはいけない。
俺は日本人の中でしか物事を考えないが、日本人でトムヤンクン
と言う名前を知っているのはどの位いるか?
世界三大スープと言うには知名度の他に、何処でも食べること
ができるという条件がある。タイ料理店が増えているが、
まだまだタイ料理店は少ないから簡単にトムヤンクンを食べ
られない。

俺はふと、世界三大スープというのが気になってインターネット
で調べた。そうしたらこんな結果がでていた。

ブイヤベース、ボルシチ、ふかひれスープ 《トムヤムクン》

ブイヤベースの名は知られている。
日本にはフランス料理店があちこちにあるので、ブイヤベース
は食べられる。料理本にもブイヤベースの作り方などがよく
でている。

ボルシチもブイヤベースとほぼ同じ条件だ。
ふかひれスープは知名度もあり、食べられる場所もあちこちに
ある。材料が高いから、今晩のおかずなんて言う料理本には
作り方はでていない。

別の意見もあるだろうが、以上の三点は世界三大スープと言って
もいいのではないかと俺も思う。
ふかひれスープの後ろに《 》付でトムヤンクンが入っている。
うーん、これはどうかな?トムヤンクンがふかひれスープに
知名度や料理店数で対抗できるか?ちょっと無理な話だと思う
がどうだろうか?

世界全体から見たら、トムヤンクンは日本のミソスープ味噌汁
より知名度は低いと思う。トムヤンクンが世界三大スープの一つ
というのは日本語の観光案内書が作り上げた伝説だと感じ出した。

こんなことを書くと、トムヤンクンが不味そうに聞こえてしまう。
タイ政府がトムヤンクンの知名度をあげる努力をあまりしていない
からトムヤンクンが知られていないだけだ。
これは美味しいスープだから、タイに行ったら是非食べて貰い
たい料理だ。

2008/7/14

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タイカレーとココナッツ

P1050765pct13

ちょっとしたきっかけからタイカレーを食べることになった。
ウチがいつもタイ料理を作っていることを知る、ご近所の方が
話しかけてきた。
「あのー、バンコックに住む親類からタイ料理の素を貰った
のですけど、使い方がわかんないんです。
よかったなら使っていただけませんか?」
出された物を見ると、日本で言えばカレールウのようなものだ。
「お口に合うかわからないけど、作って持っていきますよ」
こんな経緯からタイカレーを作ることになった。

戴いたカレールウのようなものに、ウチにある香草を加えた。
ご近所さんのために、辛味は抑えた。タイカレーを作るには
ココナッツが必要だ。生のココナッツなんて手に入らないから、
いつも缶詰のココナッツを使う。
値段の安いココナッツがあったので、それを買い込んでいた。
英語でCoconut Milkと書いてある。いつものココナッツの缶詰
はCoconut Creamと書いてあったかもしれない。
俺はcoconut milkもcoconut creamも同じと考えた。
それというのも米国人の書いた本の中に、こんなことを読んだからだ。
「コーヒーにMilkをいれると言うよりcreamを入れると言った方が
上品に聞こえる」と書いてあった。乳製品の分類ではMilk
とCream
は異なるが英語の日常生活の中ではこの二つの言葉は同じ
ような使い方をしていることがこの文章から分かる。
だか
ら俺はCoconut MilkもCoconut Creamも同じと考えていた。

ヌチャナートが「ココナッツをとってよ」と料理を作りながら言う。
俺は缶詰のココナッツを振ってから開けた。
缶を振っている時、なんだかいつもと違うのに気づいた。
缶の中で水がゴボゴボと言っている。いつも使っている
ココナッツの缶詰は開けると、缶の上に水分が溜まり、その下
に固形物がある。缶詰の中身をヌチャナートが掻き混ぜている
鍋に空けた。水が缶から鍋に流れ落ちる。そろそろ固形物だな
と思ったが、固形物は出てこない。缶をこれ以上傾けると、
固形物がポチャンと鍋に落ちるのではない
かと心配したが、
全部水だった。文字通りcoconut milkだった。

よく言えばさっぱりしたタイカレーが出来上がった。

2008/7/13

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豚肉の炒め物、タイスタイル

P1050761pct13

これは簡単なタイ料理だ。豚肉をニンニクと一緒に炒めた
ものだ。フライパンで豚肉を炒めている時、焦げたニンニクの
良い香りがする。俺には良い香りだが、他の人には悪臭・異臭
と感じるかもしれない。
この香りは換気の悪い焼肉屋の店の中に漂う香りだ。
俺には食欲をそそる香りなのだが、いやな人には駄目な臭い
だろうな。

作り方も簡単だが、食べ方はいたって簡単。
肉をご飯の上に乗せる。
レモン、ナンプラ、生唐辛子のソースを肉にかける。
ニンニクの香り、唐辛子の刺激で飯が進む。

この料理の場合、肉は脂肪が多い薄切りを使った方が美味しい。
美味と言うのは高価な肉を使えば出来るというわけではない。
今、流行のイベリコ豚よりも安いコマギレ肉を使った方が美味しいよ。

2008/7/13

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パッカパオ

P1050751pct13

これも俺の好物だ。この香りが好きなんだ。
適度な辛味が俺の嗜好にあっている。
この料理だと、ついつい食べ過ぎる。
飯は控えめに盛っておかないといけない。
少なめでちょうど良い。
食わなければ完全なダイエットだが、そういうわけにはいかない。

2008・7・11

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唐辛子でダイエット

P1050763pct13

今日は鷹の爪と称する唐辛子を買った。中国品だ。
俺の知識では鷹の爪は指先ほどの大きさだが、この鷹の爪は
普通の唐辛子と同じ大きさだ。まさか鷹の爪と称すると高く売れ
るので鷹の爪と偽称しているのではないだろうな?
ウチの料理に必要な唐辛子は綺麗な色と、味と香りを持つ物だ。
名前なんかどうでもいいし、これが本物の鷹の爪かどうかは
今の俺には興味がない。

俺が興味を持ったのは唐辛子が入った袋の裏に書いてある
文だ。
「唐辛子にはなんとシェイプアップ効果があります!」
と書いてある。これは薬学的に説明がついている。
唐辛子の辛味成分であるカプサイシンは体脂肪の燃焼を助け
るからシェイプアップ効果はあるとみて良いだろう。
更にこんな内容の文があった。
「東南アジアの人々に肥満が少ないのは唐辛子を沢山食べて
いるからです」
たしかに東南アジアの人々には肥満が少ない。
肥満が少ない理由を俺は唐辛子と結びつけて考えていた。
カプサイシンの効果は間違いなくある。
辛くて食えなくすることで少ない食料で食事を終わらせるために
唐辛子を多用するとも考えた。唐辛子を多用するのは食べ物を
節約するための知恵と考えたのだ。
少ししか食べなければ太ることはない。これは明白だ。
ヌチャナートの食傾向を見ると、この観察は間違いのようだ。
プリッキヌーと言う辛い唐辛子を30-40本入れたソムタムを
「辛味がキクー・・・」「いい辛味よ!」と言いながら食べている。
面白いことに、「辛らーい!」と言う時は、休み休みソムタムを
食べる。

東南アジアをタイに限って俺が観察したところではこの説明は
正しくないと感じるようになった。この袋の説明だと唐辛子を
沢山食べればどんなに食べても太らないと勘違いする。

タイの経済は向上している。金が手に入ると人間は食べ物を
沢山食べるようになる。塩漬けの魚しか食べなかった人々が
肉を食べるようになった。食事の量も多くなった。
交通手段としてバイクを買えるようになった。
昔は歩いた距離を行くのにバイクを使うようになった。
沢山食べ、運動が減る傾向になった。
その結果、最近では太った女をよく見かける。

幾ら辛い料理でも食べ過ぎると太るというのが俺の結論だ。
唐辛子でダイエットと言って何にでも唐辛子を入れて食べても
痩せない。
やはり、摂取カロリーを減らし、適度な運動をすることが大切だ。

2008・7・13

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2008年7月13日 (日)

ブランド米も偽物

またも偽物騒ぎだ。今度はブランド米の偽物だ。
騙す奴を許すわけにはいかない。
誰もこれに異論をはさまないはずだ。
騙される消費者も反省しなくてはいけない点があると俺は思う。

ササニシキとかコシヒカリなんてブランド米が入っているような
表示なのに全く入っていないという酷い物もあったそうだ。
米でさえ騙されると言うことは、自称グルメと言う人でも殆どの
人は味がわからない証拠だ。
自分の舌で味を確かめ、本当に美味しい物だけを買えば騙さ
れることもない。例え騙されても自分の舌で旨いと感じたもの
だから、他人を責める気にはなれないはずだ。
騙される自分が悪いと諦めがつく。
ブランドだけを信じて「美味しいお米であるはずだ」と思って
買った人は怒るだろう。これは味を見抜けずに、高い金をだした
自分が悪いのではないか?

俺は今回の事件で人間の舌はブランドでいかに簡単に騙され
てしまうかはっきりわかった。
最近、起きた偽国産ウナギ、偽飛騨牛問題・・・・・なら騙される
理由は分かる。俺たち貧乏人は飛騨牛なんてなかなか食えない。
「たしかソウルオリンピックの年に飛騨牛を食った」
なんて情けない状態だ。
普段は食ったこともない飛騨牛の偽物を飛騨牛だと言ってださ
れたなら、飛騨牛はうまいとなるだろう。
飛騨牛のように比較する材料が乏しい、食べた経験が乏しい
物なら騙されることもある。

しかし、米は毎日食べている。比較材料は沢山ある。
食べた経験も豊富だ。
それでもブランド信仰者は騙されている。これには驚いた。
米屋は消費者が見抜けないとわかっているから、偽ブランド品
をつくる。本物と偽物の差は人間の味覚とは関係ないDNA鑑定
で偽物と分かる程度の差なんだ。

米屋もブランド米ではないが美味しい米をつかっただろうから、
検査が入るまで嘘がばれなかった。消費者は
「ブランド米ではないかもしれないが、美味しいお米だから買った」
のではない。ブランド米と騙されて買ったのだ。
「アタシはブランドで買ったんじゃないわよ。美味しいお米
だから買ったのよ!」
うーん、そういう人もいるだろう。負け惜しみだと見苦しいね。

ブランド物の時計や鞄などは偽物と分からないように精巧に
作られている。専門的知識がなかったなら、本物との区別が
つかない。偽ブランド食品の場合はどうだ?
偽物と本物を区別するのに専門的知識が必要か?
消費者が偽物と本物を区別する意味があるのか?
美味しくて、安全で、安価な食品を消費者は求めている。
旨いか不味いか自分で判断すればいいことだ。
ブランドには関係のない話だ。
国産鰻と偽国産鰻に味の差があったのか?
差があったとしても我々素人にはその差は区別できるほど
大きな物ではなかったはずだ。ブランドに囚われず、自分が旨い
と思うものを選ぶのが賢い消費者だと思う。

ブランドがあるから美味しいと思う消費者も改めなくてはいけない。
生産者や販売者は消費者を騙すことを止めてもらいたい。

2007/7/12

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タイ料理のにおい

パッカパオその他の料理を作っている。パッカパオを作りながら
くしゃみをしている。唐辛子からでる煙が鼻を刺激する。
これはまあ許せる。

醗酵させた魚を煮ると酷い臭いがする。
ヌチャナートは自分で料理をしながら呟いた。
「どうしてなのかしら?タイじゃ臭わないけど、日本だと臭うわね」

タイでも同じようなにおいが、おなじように臭っている。
でも何処の家からも同じ臭いがしてくる。
それだから、人々はこのにおいに耐性ができている。
或はにおいに麻痺している。鈍感になっている。
この臭いを嗅ぐと、タイ人には「旨そうだなぁー」と思うような
条件反射が出来上がっている。
タイでこのにおいを嗅いでも異臭と感じない。
日本人が醤油のにおいを異臭と感じない、醤油が焦げる臭い
は食欲をそそるにおいになるのと同じだ。

周囲に似たにおいがあると、においは遠くに飛んでいかない。
これと同じにおいが日本にはないので、このにおいはかなり
遠くまで飛んでいるはずだ。
このタイ料理のにおいにはご近所さんは迷惑しているだろう。
料理をしている時はおかしな臭いだが、出来上がった料理には
そんな異臭はない。
出された料理を食べたならどこにあの異臭があったのかわからない。

2008/7/12

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2008年7月10日 (木)

瓢箪を食べる

P1050715pct13

昔々のことだった。
「宮崎では糸瓜を食うんだよ。」
そんなことを教えてくれた人は糸瓜を食うなんてゲテモノ食いの
軽蔑すべき習慣のような口調だった。俺もその時は糸瓜が食用
になるなんて思ってもいなかったので、糸瓜を食べる習慣を奇妙
に感じた。
糸瓜について俺が知っていることは風呂で体を洗うものという
ことだけだ。まさか糸瓜が食用になるものとは思ってもいな
かった。タイの食生活を経験するうちに糸瓜は美味しい食品
だと分かった。

商店街の八百屋に糸瓜があった。
「ああ、糸瓜の季節なのだ」
俺はヌチャナートに糸瓜を買おうとは言わなかったが、
ヌチャナートは糸瓜を買っていた。ヌチャナートが買った糸瓜は
俺が商店街で見た糸瓜より大きい。それに周囲にごつごつした
角がない。形は糸瓜だ。きっと糸瓜にもいろいろな種類が
あって、これは糸瓜の一種なのだろうと思っていた。

ヌチャナートが糸瓜を料理し始めた。
「これを煮ると美味しいのよ」
嬉しそうに、糸瓜の皮をむいたり、種を取り除いていた。

「ヌー、これをタイ語でなんて言ったっけ?」
「ナムタオよ」
糸瓜のタイ語はナムタオだったっけ?違う気がする。
俺がうっすら覚えている単語とは違う。
辞書でナムタオを調べた。いかにも簡単に調べられると思う
だろうが、違う。タイ語は表音文字なので、音の高低や母音の
長短で文字やスペルが変わる。カタカナでナムタオと書ける
タイ文字は何種類もある。ナムタオと書けるタイ文字の中に
「gourd」という訳語があった。「gourd」は瓢箪だよね。
糸瓜と思ったのは瓢箪だった。

瓢箪というのは世界中に多くの種類がある。風船のように
まん丸の物から、真ん中がくぼんだ所謂ひょうたん型、胡瓜や
瓜のような形などいろいろな物がある。
これは糸瓜型をした瓢箪だった。

P1050729pct13

瓢箪の料理、食べ方をを知りたいですか?聞くだけ野暮です。
ヌチャナートが作った料理は料理ともいえないものだ。
ただ茹でて出してきただけだ。ねっ!聞いて損したでしょ?
瓢箪は茹でると柔らかになる。それに唐辛子ソースをつけて
食べる。料理も簡単だが、食べ方も簡単だ。

瓢箪には癖がないから、どんなソースでも合う。
日本人には甘い味噌、酢味噌、唐辛子や辛子入りの味噌でも
美味しいと思う。
糸瓜と誤解していた瓢箪だが、味は十分に楽しんだ。

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2008/7/8

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アメリカ風トマトサラダ

P1050727pct13

先日は生ハムを使ったが今日はロースハムを乗せた。
トマトを薄切りにしてハムを乗せ、塩コショウをしてタマネギの
薄切りを乗せただけだ。
簡単すぎてサラダと言うのが恥ずかしい。
ましてアメリカ風なんて言うのが恥ずかしい。
しかし、この料理はアメリカの本を読んで覚えた料理だから
俺にとってはアメリカ風サラダなんだ。

ヌチャナートはタマネギを水に曝す。俺は水に曝さないでその
ままトマトに乗せる。味はちょっと違うがどちらも美味しく食べ
られる。俺はアメリカ人好みの唐辛子ソースをかける。
ヌチャナートはアメリカ風唐辛子ソースは好まない。
タイ料理に唐辛子を多用する。従って唐辛子を使ったものなら
タイ人は好むはずだという俺の推定は完全にはずれた。
アメリカ風唐辛子ソースを俺がかけて食べるのをヌチャナートは
不思議そうに見ている。俺だって昔はこんな物をかけなかった。
タイ料理ばかり、毎日食っているうちに唐辛子がないと味が物足
りないと感じるようになってしまったのだ。

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2008/7/9

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玄関マットのサラダ

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この玄関マットのようなモツをシチュウにして食べたのだが、
食べきれない。余ったモツを使ってサラダにした。
モツをサラダにするなんて日本人の発想にはない。
薄荷の葉をベランダから取ってきて乗せる。
彩がよくなる。これは意外と旨いサラダだ。
こんな料理は日本にはない。タイ人の発想だ。

肉食文化が長いタイ人は肉を本当に無駄にしない。
日本人はタイ人の食生活を見て、
「タイ人は鳴声以外はなんでも食べる」なんて馬鹿にする。
食糧自給率の低さ、食糧確保の国際的問題、ゴミ問題・・・・・
などを考えると食べられる物は何でも食べてしまう必要がある。
「鳴声以外は・・・・」なんて笑っている場合ではない。
玄関マットのサラダを食べながら、ちょっと真剣に考えて
しまった。

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2008/7/9

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野菜入りお粥、カオツム

P1050738pct13

俺は肉が好きだ。魚は余り好まない。ヌチャナートは魚が好きで
魚料理を沢山作る。俺は無理をして「美味しいね」と言いながら
一緒に魚料理を食べていた。こっちが「美味しい」と言う物だから、
ヌチャナートはそれをまともに受けて、また魚料理を作ってだす。
魚が続くので、俺は魚に余り手をださなくなった。
ヌチャナートもその変化に気づき、俺には肉料理をだすように
なった。

今日は軽くお粥を食べることにした。
お粥には苦瓜が入っている。日本人が作るお粥や茶漬けに苦瓜
が入るか?そんなもんを入れるわけがない。
タイ人の頭ではお粥に苦瓜はおかしな組合せではない。
「パクチーも入れるでしょ!」
俺が返事をする前にパクチーがお粥に入った。
「肉ばかり食べちゃ、体に悪いわよ。今日は野菜のお粥にした
からね」
日本の米で作るタイ風のお粥だが、これは旨い。
苦瓜の苦味も気にならない。
最初は悪臭と思ったパクチーのにおい。
いつの間にやら悪臭が俺の中では香りに変わっている。
この香りがないとタイの味にならない。

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2008/7/9

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ゲンパーパクナム、瓢箪のシチュウ

P1050742pct13

大きな瓢箪なので一回では食いきれない。今日も瓢箪料理だ。
これは食うと旨いのだが、調理中のにおいは酷い。
臭いのだ!醗酵させたのだか腐ったのか分からないにおいが
する。

出来上がった料理の瓢箪の薄緑色が綺麗だ。
ところどころにある赤い唐辛子の色と対照をなしている。
俺にとっては辛味がないあるいはちょっと辛い料理だが、激辛
料理と言われるかもしれない。
辛い物、辛い料理が好きな人は旨辛料理と言うかもしれない。

鶏肉と瓢箪の組合せがいい。
瓢箪は口のなかでトロッととけるように喉にいく。
食事をしながら、ヌチャナートがこの近所で誰かが作っていた
瓢箪の話をする。
「あそこに瓢箪があったでしょ?」
「・・・・」
「日本人は誰も瓢箪を食べないのね。」
俺は覚えていない。ヌチャナートは瓢箪を食べ物だと思っている
からちゃんと覚えている。食べ物の恨みは恐ろしい。

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2008/7/10

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鍋底の穴 幸福のサイン

こんなタイトルの投稿記事があった。
「いまどき、鍋底の穴なんてなんだ?」不思議に思い記事を読んだ。

夫に出会う前から使っていた鍋だ。道具がなかった新婚時代、
子供が三人生まれ、ラーメン作りなどに大活躍した鍋だ。
運動会の弁当作りの最中に鍋に穴があいた。
なんで運動会の日に?子供が元気に育ってくれたことに感謝しろ
というサインに思えた。思い出すと涙がでてきた。
鍋の小さな穴に大切なことを教えてもらった。(主婦30歳)

そんな内容の投稿記事だった。
今じゃあ、100円ショップでも買えるステンレスの鍋なんて、昔は
なかった。アルミの鍋が普通だった。鉄鍋は大砲や軍艦作りの為
に供出しちゃったので鉄鍋などどの家庭にもない。
アルミの材質が悪かった。直ぐに穴があいた。
飯の真ん中に赤い梅干をのせる弁当を日の丸弁当と言った。
弁当箱のアルミと梅干の酸が反応して弁当箱の蓋に穴があく。
溶け出したアルミがついた飯は金属臭がして不味かった。

今のスバル自動車の前身は中島飛行機だ。敗戦で飛行機作り
ができない会社は飛行機に使うアルミで 鍋を作り売っていたと
いう話を聞いたことがある。

今だったなら、穴の開いた鍋など当然のように捨てる。
穴があいていなくとも、汚れが落ちないから、デザインが飽きた
から・・・・・などの理由でまだ使えるものを捨てている。
ウチの料理に使っている鍋よりも綺麗で高級な鍋が捨てられ
ている。拾って使いたいくらいだ。拾ってきたら、今、使っている
鍋を捨てなくてはいけない。それは俺が無駄遣いに加担している
のと同じだ。ヌチャナートもそれを見て笑っている。
「あら、ウチのお鍋より良いものが捨ててあるわ」
もったいない、まだ使えるのにと思いながら横目で見て通り過ぎ
ている。
「タイなら十分に使えるわ。金属を売ることも出来るわ」

今でも昔でも穴のあいた鍋は使えない。敗戦後の物がない時代
でも小さな穴が開いた鍋を捨てるのは勿体無いと考えた。
当時のおばあさんの知恵で、穴に真綿を詰めればまだ使える
というのがあった。この方法を俺はやったことがない。
多分、水漏れは起こらないだろうが、真綿に食中毒菌が繁殖
する危険性がある。でも鍋は火にかけるのだから、食中毒菌は
殺菌される?そんな知恵もあった。

鍋修理用に細いアルミのリベットを売っていた。
鍋底の穴にリベットを通す。平らな場所に鍋を置き、金槌でリベット
を叩くと穴は見事に塞がる。俺もそうやっていくつかの鍋の底を
修理した。
日本の経済が復興して大量消費、大量廃棄の時代になった。
アルミの技術が進歩してアルミの鍋に穴が開くことがなくなった。

タイの屋台で使っているアルミの鍋はボコボコ・デコボコだ。
アルミ板が薄いのか、彼等の取扱が乱暴なことによる。
そんな鍋なのに、穴を修理した跡がない。
タイのアルミでも穴があくことがない。アルミの精錬技術が進歩
しているのだ。あのタイ人ですら鍋の穴を修理する必要がなく
なっている。アルミ鍋修理用のリベットをタイで売っているのを
見たことがない。

投稿記事を読みながら、昔のことやタイの普通の人々の生活を
思い出していた。
穴が開くまで大切に鍋をつかった30歳の主婦に応援を送りたくなった。

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2008/7/5

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タイ料理の作法

俺はタイ料理の正式な食べ方を知らない。
食事作法、テーブルマナーはタイにもあるはずだ。
好きなように、俺が美味しいと思う方法でタイ料理を食べれば
いいと思って自分勝手な食べ方をしてきた。
家庭の中ではそんな我儘は許される。
タイ人と一緒に食事をする時、或はタイの社会の中で、我流の
食べ方は許されるはずがない。もしかすると我流の食べ方は
とんでもない間違いや誤解を引き起こす可能性がある。
正しいタイ料理の食べ方を学んでおく必要がある。

あるタイの女だが一緒に食事をすると必ず「迷い箸」をする。
器に盛った料理を箸で摘む。摘んだ料理を食べるのかと思うと、
それを取り上げないで、別の物を摘む。
いったん取り上げようとした料理を器の中で転がして別の物を
摘む。日本人の食事作法に反する食べ方なので、俺はいらいら
する。でもタイでは、タイ社会では許されているのかもしれない。
或は日本と同じく、忌み嫌われる行為なのかも知れないが確認
していない。

俺はタイ社会の中で我流の食べ方をしてきた。
タイ人の中に俺の食べ方を下品な食べ方と見る人がいても
不思議ではない。

ヌチャナートが料理を食卓に出す。
飯を茶碗ではなくて皿に盛る。そしてスプーンを皿に置く。
俺とヌチャナートは自分の皿に置かれたスプーンで料理を
取って食べる。俺達は口につけたスプーンで料理を取り合って
いる。家族・夫婦だからこれは許されることだということを
すっかり忘れていた。これがいつしかタイ料理の普通の食べ方
と勘違いするようになってしまった。

料理を食卓に出す時、ヌチャナートは料理を盛った器にも必ず
スプーンを入れる。俺はそのスプーンをどかす。
それが面倒臭い。とうとうヌチャナートに聞いた。
「どうして使いもしないスプーンを料理の器に入れるんだい?」
「普通はこのスプーンで自分の皿に料理を取り食べるものなのよ。」
自分が口につけたスプーンで料理を取るのはタイでも作法に反し
ていた。これは日本でも同じだ。
口につけた箸で共通な料理を摘むことはない。
いつも家庭でやっていることは、タイの食事作法に反していた
のだと改めて認識した。

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2008/7/10

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2008年7月 8日 (火)

玄関マットのような

P1050722pct13

菱形の模様がある玄関マットのような形をしたモツを
ヌチャナートは求めてきた。
俺達日本人はモツは下級な肉と見なしているが、タイ人は下級
な肉とは見ていないようだ。
違った味の肉を求めてモツを食べると見た方が正しそうだ。
彼等は実によくモツを食べる。ヌチャナートも例外ではない。
「あら、肝臓があるわ」「ハツが美味しそうね」「砂肝を買いましょうよ」
そんなことを言いながらモツを買う。
ヌチャナートはガツの値段が日本ではタイとは違って安いので
喜んでいる。

この玄関マットのようなモツを煮込んだ。それを唐辛子ソースを
つけて食べる。モツ独特のにおいはないので食べやすい。
噛み心地もよい。硬いスジ肉とは違い、何度か噛んでいる
うちに噛みきれる。

大きな鍋で玄関マットを煮込んだ。食べきらない物はまた温め
直して食べる。コラーゲンが豊富なので、冷めると鍋の中は
ジェリーのように固まっている。
それを時々かき混ぜながら、とろ火でゆっくり温める。
もう何回、これは温め直したのか?
最初はちゃんと菱形の模様があったのに、もう菱形は変形して
いる。これもウチのタイ料理だ。

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2008/7/8

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ビルマの麺

ビルマの麺の紹介をテレビでやっていた。
そして麺つゆの出汁のとり方になったら、さも気持ち悪そうに
「なんと!ナマズ!」と言っていた。
黒い大きなナマズを乾燥させた、日本で言えば鰹節のような
物を鍋の中に入れていた。タイにも乾燥ナマズがあるそうだ。
乾燥ナマズをいろいろな料理に使うとのこと。ナマズで出汁を
とったなんて知らなければ、「ビルマの麺は美味しい」
なんて言っているはずだ。
俺はビルマの麺を知らないがきっと美味しいと思う。

食に対する偏見をもってはいけないと頭ではわかっている。
ナマズに対する偏見を取り除くのは容易ではない。
それが何かの拍子にナマズ大好きに変化しちゃうから食の好み
というのはわからない物だ。

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2008/7/8

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2008年7月 7日 (月)

ラオスの子供と運動選手

人間の食習慣は保守的だ。
ラオスの川岸のオープンレストランで食事をしていた時のこと
だった。景色がよく見える場所で食事をしたいと誰しも思う。
店の中央のテーブルより、店の外側に近いテーブルを選んだ。
水牛を追いながらゆっくり歩く人を見たり、川の流れをみたりして
食事を楽しんだ。食事が終わりに近づいた。
沢山の子供が我々を遠巻きにしているのに気がついた。
日本人が珍しくて見ているのだろうと思っていた。
そんなことには慣れているので、気にもしなかった。

我々が席を立った。
そうすると子供達が一斉に我々がいたテーブルに駆け寄った。
我先に、残り物の食事を取り合っていた。
呆気にとられて彼等の様子を見た。
小さな子供は餅米を丸めて逃げるようにその場を立ち去った。
あの子にとってそれだけあれば十分に腹いっぱいになる量だ。
大きな子供は餅米を持って逃げ去る子供を「バッカみたい!」と
言う顔で見ていた。
そして彼は美味しそうな料理だけを選んで食べていた。
小さな子供は飢えを凌ぐものが欲しかった。大きな子供は余裕
があるから旨い物を欲しがった。
飢えに近い状態でも食は保守的なのを見て、俺は驚いた。

食べ放題の焼肉屋へ行った。
部活が終了した高校の運動選手がどやどやと入ってきた。
「こいつらが腹いっぱい食ったなら、店はたまらないな!」
俺は店に同情した。
見ていると、彼等は焼肉よりもラーメン、カレーと言ったすぐに
腹に溜まる物を食べていた。
「ああ、食った!」彼等は満足げに言った。
そこまでしか見ていなかったので、このあとどの位の焼肉を食べ
たのかわからない。既に腹に食べ物が入っているので、
それほど大量の焼肉は食べられないだろう。

飢えに苦しむラオスの子供と運動選手の共通点を俺は見た。
両者とも空腹を抑えるために、一番馴染みがあるものを選んで
食べることだ。
ラオスの小さな子供は餅米をいつも食べているので餅米を持って
行った。今の日本の家庭なら焼肉やBBQをやるけど、ラーメンを
食べる回数より少ない。
運動選手はラーメン・カレーは馴染みの食べ物なのでまず
それを食べた。

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2008/7/7

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胡瓜の花とタイ東北部

ガソリンスタンドの脇に小さな空き地がある。
ガソリンスタンドは其処にいつも季節の花を植えている。
今日、通りかかった時、ヌチャナートはめざとく胡瓜の花を
見つけた。
「あら、胡瓜よ」
「ああ、そうだね」
「こっち見て!もう実がついているわ!」
「・・・・」
「日本はいいわね、何処でも花が咲くのね。」
「・・・・」
ヌチャナートは呟くように言った。
「日本の土はいいのね」

観光案内書をめくると、タイ東北部は土地が痩せており、作物が
育たないので貧しい農民が多いと書いてある。
ヌチャナートの呟きで、土地が痩せているという意味を実感した。
関東地方の土は富士山の火山灰の上に枯葉などが堆積した
ものだ。俺達は何の疑問もなく、その辺の土に種をまくと、花が
育ち実もなる。それが当たり前だと俺達は思っている。

タイ東北部ではそんな簡単に作物が育たないのだ。
胡瓜の花を見て呟いたヌチャナートの一言で肥沃な土地というの
はどんな物なのか理解した。

海から遠く離れたタイ東北部で製塩工場を見て、この辺の土地
は塩害で作物は育たないのだと頭では理解できていた。
今日は心で理解できた。頭で理解することと、実感するのは
まるで違う。その差を知り、驚いた。

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2008/7/7

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どら焼とカノムトーキョ

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今日の読売新聞にタイでも人気がある、日本のドラえもんが
バンコックの児童福祉施設を訪問し、日本とタイの友好を訴
る親善外交を始めたという記事があった。
そしてドラえもんの好物のどら焼を子供達に配ったという話だ。
子供達がどら焼を食べている写真が載っている。
多くの日本人はこの写真を見て、
「タイの子供もどら焼が好きなんだ」と思いにっこりするだろう。
実は俺もにっこり笑った一人だ。
俺はにっこり笑った後に、タイの夜市を歩いていた時のことを
思い出した。それを思い出すと笑いがひいた。

若い女が通行人に大声で呼びかけている。
「カノムトーキョ」と叫んでいる。「東京のお菓子」という意味だ。
女が売っている「東京のお菓子」と称するものを見ると、日本風
のお菓子ではない。それなのに、なぜ東京と日本の地名がつく
のか不思議だった。そんなことを記事にしてブログに載せた。
ヒントを戴き調べると「カノムトーキョ」はドラえもんのどら焼と
関連があることを知った。
ドラえもんが大好きな どら焼なんてタイにはなかった。
どら焼ってどんなお菓子なのだろうとタイ人が想像してつくった
のがカノムトーキョだというのだ。

カノムトーキョというのは食物史の中でも極めて珍しい食べ
物だ。日本や、その他の国にこのような食べ物はない。
例えばイタリアで人気がある食べ物を想像して日本で独自に
発達させた食べ物はあるか?
ピザとお好み焼きは形が似ているが、イタリアと日本で別々に
発達した食べ物だ。日本人がピザの話を聞いて、ピザとはこんな
ものだと想像してお好み焼きを作ったのではない。

今では日本企業がタイに進出してどら焼を売っている。
どら焼をタイ人に「これが本物のカノムトーキョだ」と言って食べ
させたところ不評だったという記事を読んだ。
ヌチャナートも小豆の餡を好まない。
餡のことをヌチャナートは「甘い豆」と呼んでいる。
豆を甘く煮て丁寧に練り上げた物を我々は「餡」という特別な
名前をつけて区別している。
それを甘い豆と言われると、俺には不味げに聞こえてしまう。
和菓子売り場で気に入った形のお菓子をヌチャナートは見つける。
「可愛いわね、これなあーに?」
「甘い豆が入ったお菓子だよ」というとそのお菓子を買おうと
しない。アンコはタイ人の好みにあわないようだ。

それなのに、タイの子供はどら焼を貰って美味しそうに食べて
いる写真が掲載されている。
あれは無料で配られたから食べている。カメラに気づいて
笑っている。カノムトーキョとどら焼が同じ値談ならタイの子供は
カノムトーキョを買う。
俺は写真を見なおして、文化の差、好みの差、感じ方の差などを考えてしまった。

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2008/7/7

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2008年7月 6日 (日)

鶏の足と誤解

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この写真の料理を食いながらいろいろ考えた。
業務用の冷凍カレーに鶏の足を加えて煮込んだ物と考えれば
いい。このカレーは業務用だから、味の基本はできている。
店で何かを加えて独自の味に仕立てればいいという便利な品だ。
醤油とタイの香草・唐辛子を加えているので、インドカレーの香り
はない。
俺から見ればタイ料理だ。
ヌチャナートから見ると日本料理だ。
この料理にはこんな誤解があった。

誤解 1
タイには多くのインド人が住み、宝石店、料理店などを経営して
いる。しかし、偏見で?色が黒いインド人やインド料理をタイ人
は好まない。ニンニクを多用する中華料理や朝鮮料理をチャン
コロや鮮人の料理と言って日本人は彼等の料理を低くみていた。
それと同じようにタイ人は自分達が使わない香辛料を多用する
インド料理をタイ料理より下位の料理と位置づけている。インド
料理を食べようと言うタイ人は少ない。
ヌチャナートもインド料理やインドカレーを知らない。ヌチャナート
は日本に来て、日本人がカレーを好んで食べるのを知った。
日本人が食べるカレーはインドが源だと知らないヌチャナートは、
カレーは日本の料理だと誤解している。

誤解 2
鶏の足なんて日本人は食べない。食べる物ではないと日本人
は誤解している。タイ人は鶏の足をよく食べる。
タイの露店で売っている鶏の足の唐揚は旨い。そんな話をすると、
「タイ人のような下等な国民が食べる物を、高等な日本人が食べ
られるか!!」なんて言う。最近は少なくなっているが、日本人
には白人に対する劣等意識がある。
欧米人がやることなら受け入れるが、東南アジア人がやること
は受け入れない。
ポルトガルの首都リスボンでは鶏の足を煮込んで売っている。
日本の立ち食い蕎麦かハンバーグのように気楽に立ち寄って
鶏の足を食べている。タイ人が食べる物は受け入れないが、
ポルトガル人が食べる物なら受け入れる。
そんなおかしな考えがでてくる。

今の日本は鶏の足は食べない。
食糧問題、食糧自給率問題が討議されると、安価で良質な
蛋白源である鶏の足も当然、食べるようになる。
「コラーゲンが豊富で美容にもいい」
なんて自慢げに話すようにもなるだろう。
俺が今「鶏の足は旨い!よい食糧源だ!」
と叫んでも誰も相手にしない。
「ふん!貧乏人だから鶏の足まで食っている!ゲテモノ食い!」
と蔑む人が多いはずだ。
日本でも鶏の足をごく普通に食べる日は近づいている。

誤解 3
鶏の足を食べながら、ヌチャナートにこの料理の名前を聞いた。
「知らないわ。これ日本の料理でしょ?」
「えっ!・・・・・????」
これが日本の料理だって?どう見たって日本の料理ではない。
日本人は鶏の足を食べない。これだけでも日本の料理とは考え
られない。ヌチャナートはタイ人が鶏の足を食べるから、日本人
も当然のように鶏の足を食べる物と誤解している。
大量の唐辛子を加えたことは忘れている。日本の料理にこんな
辛い物はない。タイ人が何にでもナンプラを使うように、日本人
は何にでも醤油を使う。醤油で味付けすれば、なんでも日本
料理だとヌチャナートは誤解している。カレーを日本料理と誤解
している上に、醤油で味付けしたから
「これは完璧な日本料理だ」とヌチャナートは誤解している。

誤解の塊のような料理だが、良い味にまとまっている。
油とコラーゲンが多いので、冷めると食べにくい。
熱いうちに食べると、「鶏の足はうまい!」と驚く味だ。

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2008/7/5

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ニョッキのタイ風お粥カオツム

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日本ではまだあまり御馴染みではないが、イタリア人の大好きな
ニョッキを使ってタイ風お粥を作るとヌチャナートは言っていた。
ニョッキというのはイタリア語でGnocchi di patate 
英語でpotato dumplingとか Potato Gnocchiという料理でジャガ
イモの団子と思えばいい。

ニョッキを使ってカオツムにするという発想は日本人にはできない。
食べ物が一つの地から別の地に移ると、全く別の物に変化する。
マルコポーロがイタリアに伝えた当時の中国「元」の麺がスパゲッ
ティになったのが良い例だ。ニョッキをカオツムにすると言うのは
イタリアの食材が日本に住むタイ人に入ってジャガイモのお粥に
変化したと考えればいい。やがてこれがタイに伝播する。
タイに伝播するとイタリア人が驚くタイのニョッキになる。
或は「これと似たような料理がイタリアにもあるよ」となる。

日本の天麩羅はポルトガルから伝わった。
来日したポルトガル人が天麩羅を見て、
「これと同じような料理がポルトガルにもあるよ」
と言った。それと似たようなことが起きる。

「ねぇー、豚肉ない?」
冷蔵庫には牛肉しか入ってない。
「牛肉じゃ駄目よ、美味しくないわ」
粉末のスープの素で味付けをしてニョッキのお粥を作ってきた。
お粥というのだから、ニョッキを潰してどろどろになった汁を想像
していた。出てきた物はスイトンのようなものだった。

食べるとニョッキのもちもちとした感触がいい。
これは噛んでいて気持ちが良い感触だ。
「おっ!これはいけるな!」
ニョッキを噛んでいるとニョッキに加えた香辛料の香りだか、
食品添加物のにおいのようなものがした。
「あらっ!美味しくないの?」
「うーん?」
「唐辛子をいれる?」
「そうだな」
この丼に焙煎した唐辛子を小匙に一杯加えた。
日本人が使う量ではない。タイ人が使う普通の量だ。
「レモンを入れる?」
このスープに辛味を加えただけでは美味しくないので、レモンを
絞ってもらった。辛味と酸味が加わったので、味がぐーんと
しまった。これは新しいタイの味だ。

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2007/7/4

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2008年7月 4日 (金)

ゴーヤとニラ玉

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最近はなんだか変な食べ物ばかり食べている。
「あー、これはタイ料理だ」と感じる物を食っていない。
毎日がタイ料理だから、マンネリ化している?
今日のこの料理もタイ料理なのかどうかわからない。

「ゴーヤを食べるでしょ?」
「うん」
「煮る?炒める?」
俺はどっちでもいいのだが、応えなくてはいけない。
炒めるを選んだ。
「苦いわよ」
タイ人はよく苦い物を食べるが日本人はあまり苦い物は食べ
ない。

ヌチャナートは冷蔵庫の中からニラをとりだして考えている。
ニラが安いとヌチャナートは買い込んでくる。
それを塩もみして米のとぎ汁に漬け込む。
これが醗酵するとすごいにおいがでる。
発酵食品のにおいは好きな人にはやみつきになる香りとなる。
それが嫌な人にはたまらない悪臭になる。
俺はいつもヌチャナートが作るニラの漬物を食べない。
それを知っているのでヌチャナートは俺がニラを食うかどうか
冷蔵庫の前で考えていたのだ。

「ねぇー、これ食べる?」ニラを見せる。
「食べるよ」意外だ!という顔をしてヌーは俺を見る。
「卵はどうする?入れる?」
どんな料理になるのかわからないが、卵を入れることにした。

出来上がったものは日本のラーメン屋で見るニラ玉炒めだ。
ねっ!日本の料理なのかタイの料理なのかわからないでしょ。
ニラの陰にゴーヤが隠れていた。
ラーメン屋のニラ玉にはゴーヤが入っていないからタイ料理
かな?ナンプラと生唐辛子を加えながら食べた。
「タイ料理なのかどうかわからない」と思っていたが、こーすると、
タイの味だな。

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2008/7/3

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2008年7月 2日 (水)

食べ物と健康関係の広告7028

今日は随分 食べ物と健康に関係する広告が目に入った。
まずはこんな広告だ。
こういう広告を見ていると、健康によい食べ物ってなんだろう?
と考えてしまう。

「安心」誌 2008年8月号 マキノ出版
シミも毛穴の黒ずみもおなかのたるみも消えた!
82歳素肌美人もパーツモデルも
愛用の塩ハチミツ

肥満専門医考案 26Kg 16KG ウエスト41cm 体脂肪率11%減!
血糖値も正常化!
肉食べ放題ダイエット
のべ17万人の調査で分かった
コレステロールは下げる必要はない!
高いほうが長生きできる!

「夢21」誌 2008年8月号 わかさ出版
こんな広告だ。俺がこんな食べ物と健康関係の広告に目を付け
出してから、高野豆腐がいいという広告は初めてかもしれないな。

誰の体内にも必ずある長寿の素質が見事に開花し、老化も遅ら
せる二大特効食は
干し葡萄と高野豆腐

それから「絹を食べる」という広告があった。
どこかの養蚕研究所で絹から作った食品というのをテレビで見た
ことがある。中国やタイでは蚕を食べる。
高級衣料というイメージしかない絹から作った食品と言われると、
なんだか人工的に作られた食品のようでちょっと気味が悪いと
俺は感じてしまう。
絹は動物性蛋白質だから食べることは可能だろうな。
ああ、そうそう、広告ではこんなことを言っている。

突然死も招くと今問題のメタボ腹を素早く解消し、高血糖も撃退
する切り札は 食べる絹

この雑誌の広告はこんなところでした。次の広告は

「はつらつ元気」誌 2008年8月号 芸文社

18kg減で体型別人! 患者50人も楽(丸囲み文字)やせた!
メタボ医師が腹やせ30cm!! 
間食ゆで卵ダイエット

◆ 尿もれ・ひん尿解消!ペチャカボチャ種子エキス!

こんな広告もありました。

「毎日が発見」誌 2008年8月号 
角川SSコミュニケーションズ発行

内から外から若返る!
豆腐の力 市道・調理 林 幸子先生
○ 大豆サポニンがコレステロールを減らす
○ イソフラボンが骨祖しょう症を防ぐ
組合せでおいしさ倍増!
初夏に味わう豆腐料理

こんな広告を見ていくと、「何を食っても健康になる」という結論が
でるかもしれない。
「紅茶キノコ」のような一時的ブーム・ファッションなのかわかって
くるだろ。

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2008/7/2

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ナムプラのにおい

むかーし、昔の話だ。俺はベトナムにニョクマムといわれる臭い
調味料があることを知った。
「どんな味で、どんな臭いなのだろう?」と俺は興味を持った。
仕事で関係を持ったベトナム人にニョクマムについて聞いた。
「ニョクマムは美味しいよ。ベトナム料理になくてはならない
ものだ」そう言われてますますニョクマムに興味をもったが、
いつしか忘れていた。

その後、タイ料理に出会い、ナムプラを知った。
漢字でナムプラのことを魚醤と書くが、ナムプラを直訳すると
「魚の水」となる。ベトナムのニョクマムも直訳すると「魚の水」
だったと記憶している。

ベトナムのニョクマムもタイのナムプラも日本で言えば醤油の
ような基本調味料だ。日本人にはあまりわからない、あまり感じ
ないが醤油もかなり悪臭がある。

タイの食堂・フードセンターにはナムプラなど調味料を置いて
あるテーブルがある。そのテーブルの近くはナムプラのにおい
で臭い。俺はそんなテーブルを避けて、遠くのテーブルで食事を
していたが、そのうちに気づくとナムプラを置いたテーブルの近く
で食事をしていた。慣れは恐ろしい物だ。

そんな経験から「タイ人はナムプラのにおいを気にしないのだ」、
日本人が醤油に悪臭がないと思っているのと同じように
「タイ人はナムプラにはにおいがないと思っている」
と勘違いしていた。

毎日、毎食、ウチの食卓には小皿・小鉢に入れたナムプラと
唐辛子がでる。日本の家庭で小皿に醤油をいれるようなものだ。
使い切れない醤油にはラップをかける。その理由は埃が入らない
ようにするためだ。醤油が臭いからではない。

食事の後でヌチャナートが言った。
「ナムプラにラップをかけておいてよ」
「・・・・?」
「ナムプラは臭いからラップをかけてよ」
タイ人でもナムプラは臭いと思っていると知り、俺は笑ってしまった。

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2008/7/2

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イタリアのニョッキ

最近、イタリアのニョッキがよく店にでている。
こんな物は俺達が普段、買物に行くスーパーには昔はなかった。
外人が集まる店に行かないと手に入らない品だった。

ウチの料理はタイ料理だけだから、ニョッキを見ても買おうとも、
食べようとも思わない。人間は誰でも同じだ。
自分が食べる食品、自分が好きな食材には目が行くが、自分が
知らない食品・食材は目に入っても見えていない。
どういうわけか、ヌチャナートの目にニョッキが入った。
「ねぇー、サミイ!これなーに?」
「これはジャガイモの団子だよ」
「へぇー。買ってみましょうよ。」
ニョッキの食べ方も知らないのに、ニョッキを食べようという。
パッケージにある絵を見て、味を想像したようだ。
「これね、あのソース、なんて言ったかしら?
ああそうそうマヨネーズで食べると美味しいわよ」
マヨネーズで食べるのなら、俺の手が省けるし、ウチにイタリア料理
に使う香辛料やハーブはないから丁度良い。
イタリアのソースを作ってもヌチャナートやタイ人の好みに
合わない。観光客が訪れる場所にはピザショップがタイにもある
ので、ピザソースやイタリアの味がタイでも浸透していると思う人
が多いだろう。実際にはあのような味や香りは、金持ち階級の
ファッションとしての味だ。庶民が知らない味だ。
イタリアの味はまだまだタイの市民権を得た味になっていない。
それは経験的に知っている。

ニョッキを茹でてマヨネーズをつけてヌチャナートは食べている。
俺はナンプラと唐辛子をつけて食べている。
辛味がないと食事が喉を通らなくなっている。
それを見てヌチャナートは
「バッカみたい」笑っているというより、見下げている。
イタリアの食品をタイの調味料で食べるのは異質とヌチャナート
は感じている。マヨネーズは西洋の味だから、イタリアのニョッキ
と合うとヌチャナートは考える。茹でたジャガイモにマヨネーズは
合うから、ニョッキともマヨネーズは相性がいい。

ニョッキを食べながらヌチャナートは別のことを考えていたようだ。
「これを鶏肉と一緒に煮たら美味しいわよ。
カオツムみたいになるわ。作ってあげるわ。食べるでしょ?」
日本人なら、スイトンを想像する。タイにはスイトンはないから
ヌチャナートはカオツムを想像した。

ニョッキはヌチャナートが生まれて初めて食べる食品だ。
イタリアの食品をタイ料理に変化させようとヌチャナートは考えて
いる。どんな料理になるか楽しみだ。

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2008/7/2

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タインドカレー

鍋にインドカレーが残っていた。これじゃちょっと足りないな。
何かを足そう。冷凍庫を開けたら、カレーがあった。
凍ったままのカレーをインドカレーが残っている鍋に入れた。
そして火にかけた。頃合を見て鍋の蓋をあけた。
鍋の中には竹の子が沢山入っている。
「なんだこれは?!インドカレーの中になんで竹の子が入って
いるんだ?」
先日、ヌチャナートは大好きな竹の子を使ったタイカレーを作った。
その残りを冷凍していたのを思い出した。
「インドカレーの中にタイカレーを入れてしまった!」
これじゃタイカレーでもインドカレーでもない味になってしまう。
もうヤケクソになってこのカレーを「タインドカレー」と俺は命名
した。「食べ物を無駄にしてはいけない」
が俺の鉄則だ。
どんなに不味くても、自分が作った味だ。
不味いのは自分の過失だから、誰をせめることもできない。
味を見た。インドカレーの香りと味はタイカレーの影に隠れて
しまった。しかし、味は想像していたほど悪くはない。
ちょっと変わったタイカレーの味だった。

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2008/7/2

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2008年7月 1日 (火)

生ハムとトマト

アメリカの料理本で読んだトマトの簡単料理がある。
トマトの薄切りにタマネギを乗せて塩コショウをするだけだ。
これが意外と旨い。
こんな料理をタイ人は知らない。
俺が作ってヌチャナートに味見させた。
ヌチャナートも初めて食べて「美味しい」と評価した。
それはそれでいいのだけど、その後は
「サミイが作ると美味しいのよ」と煽てて俺に作らせる。
煽てと分かっているが、いつも俺が作ることになってしまった。

生ハムがあった。
「これをトマトに乗せると、美味しいわよ」
なるほど、美味しいかもしれない。
自分が思いついた料理だから、ヌチャナートは自分で料理を
始めた。トマトの薄切りに生ハムを乗せる。
その上にタマネギを散らす。
生ハムの塩分があるので、塩は控えめにする。
「これは旨いよ」
「あら、本当ね!」ヌチャナートは喜んでいる。
気がついたら、写真を撮るのを忘れていた。

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2008/7/1

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