ナムプラのにおい
むかーし、昔の話だ。俺はベトナムにニョクマムといわれる臭い
調味料があることを知った。
「どんな味で、どんな臭いなのだろう?」と俺は興味を持った。
仕事で関係を持ったベトナム人にニョクマムについて聞いた。
「ニョクマムは美味しいよ。ベトナム料理になくてはならない
ものだ」そう言われてますますニョクマムに興味をもったが、
いつしか忘れていた。
その後、タイ料理に出会い、ナムプラを知った。
漢字でナムプラのことを魚醤と書くが、ナムプラを直訳すると
「魚の水」となる。ベトナムのニョクマムも直訳すると「魚の水」
だったと記憶している。
ベトナムのニョクマムもタイのナムプラも日本で言えば醤油の
ような基本調味料だ。日本人にはあまりわからない、あまり感じ
ないが醤油もかなり悪臭がある。
タイの食堂・フードセンターにはナムプラなど調味料を置いて
あるテーブルがある。そのテーブルの近くはナムプラのにおい
で臭い。俺はそんなテーブルを避けて、遠くのテーブルで食事を
していたが、そのうちに気づくとナムプラを置いたテーブルの近く
で食事をしていた。慣れは恐ろしい物だ。
そんな経験から「タイ人はナムプラのにおいを気にしないのだ」、
日本人が醤油に悪臭がないと思っているのと同じように
「タイ人はナムプラにはにおいがないと思っている」
と勘違いしていた。
毎日、毎食、ウチの食卓には小皿・小鉢に入れたナムプラと
唐辛子がでる。日本の家庭で小皿に醤油をいれるようなものだ。
使い切れない醤油にはラップをかける。その理由は埃が入らない
ようにするためだ。醤油が臭いからではない。
食事の後でヌチャナートが言った。
「ナムプラにラップをかけておいてよ」
「・・・・?」
「ナムプラは臭いからラップをかけてよ」
タイ人でもナムプラは臭いと思っていると知り、俺は笑ってしまった。
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2008/7/2
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