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2008年7月23日 (水)

冬瓜のトムチュート

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夏の野菜なのだが、冬瓜という。
煮込むと冬瓜は透明になる。光の具合で煮えた冬瓜は氷のような色合い
を見せる。口の中でとろける。
冬瓜はクセのない味だから、どんなものとでもあってしまう。
挽肉をちょっと辛く味つけして片栗粉でとろみをつけたものを冬瓜に
かけても美味しい。
鶏のスープをナンプラで味付けして冬瓜と鶏肉を煮込んだトムチュート
だ。辛くないから誰でも食べることができる。

この料理をトムチュートなんて言うと
「えっ?!タイの料理?気持ちわりい!!」
なんて言って東南アジア蔑視・西洋崇拝の人は最初から食おうとしない。
食っても美味しいとはいわないだろう。

これを英語でWinter Melon Soupと言えば評価はがらりと変わる。
「えっ?!ウインターメロンってなぁーに?聞いたことある?」
「聞いたことない」
Winter Melonと言うと特別高貴なメロンと勘違いするが、実は冬瓜という
ごくありふれた野菜の英名だ。
「英国の王室で出される料理です」なんて言って名前で貫禄をつける。
凝った器を使い、もったいぶって出す。
そうすると「旨い!今まで食ったことがない味だ!」なんてことになる。
俺は今、いい加減なことを言っているが、英王室で出された料理を調べ
れば冬瓜を使った料理はあると思う。

中国の皇帝が食べた料理の中には間違いなく冬瓜のスープはある
はずだ。味は英王室とか中国皇帝と言った権威と関係ない。
美味しい物は美味しいのだ。自分の舌で旨さを追求しなくてはいけない。

目黒の秋刀魚という落語を思い出した。
もうもうと黒い煙を出して焼いた秋刀魚を殿様が食べて旨いといった。
殿は城で秋刀魚を焼かせた。
万一、殿の喉に骨が刺さったならいけないと全部骨を抜いた。
そんな秋刀魚を食っても旨くない。
「秋刀魚は目黒に限る」と言う殿の言葉で落語は終わる。

殿の城・王室・宮廷の中には美味しい料理がたくさんあるが、それ以上
に庶民の料理の中に美味しい物が沢山ある。
自分の舌で味の冒険をしよう。

2008/7/23

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