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2008年10月31日 (金)

タイの庶民とマヨネーズ

昔でもちゃんとした洋食屋が日本にあった。また一流のシェフがいて
一流の西洋料理を作っていた。
それらを知り、食べていたのは特定の社会階層の人々だけだった。
庶民の洋食は極端な話、豚かつとカレーだけだった。
豚かつにはトンカツソースという日本独特のソースをかける。
洋食はトンカツソースをかけて食べる物だと言う固定観念が庶民
に出来上がっていた。その当時の庶民はベシャメルソースや
フレンチドレッシングなんて知るはずがない。
そんな日本人は、見慣れぬ洋食を出されるとトンカツソースを要求
した。トンカツソースがないと洋食を食べられない日本人がいた。
これは笑い話ではない実際にあった話だ。

今から400年ほど前にポルトガル人が当時のタイの都アユタヤに
来て西洋料理を伝えた。そのうちの何点かは昔のままのスタイル
で現在まで受け継がれているが、多くは失われた。
近年になって西洋料理がタイに入り始めた。
バンコックにはちゃんとした西洋料理を食べさせる店はある。
そんな店に入れるのは外国人と裕福なタイ人だけだ。
西洋料理が徐々にタイの庶民にも伝わっていったが、高価な油や
肉を使う料理はタイの庶民には伝わらなかった。
庶民が簡単に手に入る材料で出来る西洋料理はサラダだけだ。
彼等は昔から生野菜を食べる習慣はあるが、必ず何かの料理と
一緒に食べる。生野菜だけを食べることはない。
生野菜を西洋風に食べるためにマヨネーズを使った。
日本人の西洋料理=トンカツソースという構図と同じようにタイ人
には西洋料理=マヨネーズという構図が出来上がって
いる。
ヌチャナートも西洋料理にはマヨネーズがつきものだと信じている。

そんな歴史的背景を頭に入れて話を進めよう。
先日、豚ロース肉の厚切りを買った。なんとなくポークソテーが食い
たかったからだ。それを見て、ヌチャナートが豚かつを作ると言い
出した。
「豚かつでもいいな」別に反対はしなかった。豚かつは西洋にその
起源を持つが、今では日本の風土にすっかり溶け込み
完全に和食
化している。俺にとって豚かつは和食なんだ。昔の日本人が豚かつ
は西洋料理だと思っていたように、ヌチャナートも豚かつは西洋料理
だと思っている。豚かつを食卓に並べて言った。
「マヨネーズいるでしょ?」
俺はタイ人の西洋料理=マヨネーズという構図を思い出して笑った。

2008/10/28


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親子丼と義理の息子

親子丼という料理が日本にある。鶏肉を出汁の中で煮て卵でとじた
物を丼飯の上に乗せたものだ。
鶏肉の代わりに豚肉を使うと他人丼と呼ぶ。
これをヌチャナートに説明したら、可笑しそうに笑っていた。
日本人の俺が聞いてもおかしな料理の名前だと思う。

英語で書かれたタイ料理の本を読んでいた。
その中に'son-in-law eggs'と言う面白い名前の料理があった。
直訳すると「義理の息子卵」だ。
こんな変な名前は英語国民が勝手につけた名前だと思い、タイ語
ではなんと言うのか調べた。
タイ語もやはり「義理の息子卵」となっている。
'son-in-law eggs'と言う名前はタイ語を直訳したものだった。

料理の名前を聞けば、それがどんな料理か大体は想像がつく。
しかし、これは全く想像がつかない。
説明を見ると「ゆで卵を油で揚げて甘いタレをかけたもの」となって
いる。どうしてこれが義理の息子になるのか分からない。
想像がつかないから写真を見てください。

1042222

http://pirun.ku.ac.th/~b5043026/pics/1042222.jpg
http://i50.photobucket.com/albums/f340/pookmelbourne/Picture721-1.jpg
から拝借した写真だ。

Picture7211
一つはタレがかかっているが、もう一つはタレをつけて食べるようになっているのがわかる。
しかし、どうして「義理の息子」なのか理解できない。

俺はこの料理が何故、義理の息子になるのか想像を巡らせた。
有名レストラン主の義理の息子が編み出した料理かもしれない。
男の睾丸をタイの俗語で卵と言う。
日本の俗語で睾丸を息子と言うことがある。
卵=>睾丸=>息子と連想して義理の息子卵としゃれたのかな?
俺はこれで納得した。真実を追究するほど重要な問題ではない。

俺は常々日本人とタイ人の考え方は似ているところがあると思っている。
このように考えると「親子丼」「義理の息子卵」も同じような発想だなと感じてしまう。

2008/10/31


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2008年10月30日 (木)

燻製牡蠣の油漬

こんな食べ物をヌチャナートはタイで食べたことがない。
タイでも買えると思うが、普通の市場では絶対に売っていない。
普通の市場で売っていたとしても俺はタイ独特の食品に興味を
持っていたので、西欧的な食品に注意を払っていなかっ
たから、
こんな缶詰は目に入らなかった。

日本のスーパーに燻製牡蠣の油漬缶詰があった。
おっ!そうだ。これはヌチャナートが知らない食品だ。
これをヌチャナートに食べさせて、その反応をみよう。
魚介類が大好きなヌチャナートはこれを旨いというはずだ。

缶詰を空けてヌチャナートに試食させた。
思っていた通り、牡蠣の燻製を美味しいと言った。
俺はこれを使ったタイ料理を期待していた。
「これでタイ料理を作ってくれよ」
例えばこれでタイ風のサラダを期待していた。
「油が多いから、タイ料理にしても美味しくないわ」
期待と違った答えが来た。
「唐辛子とナンプラで食べると美味しいわよ」
レンゲに唐辛子入りのナンプラをすくい、燻製の牡蠣を一粒
のせた。確かにこの食べ方も旨い。
日本的な発想ではないこの食べ方を旨いと言う日本人は少ない
と思う。牡蠣についてきた油が唐辛子の辛味を消してくれる。
そして唐辛子の心地よい香りが際立つ。
日本人が嫌う油こさがきえるので、こんな食べ方もいいもんだ。

2008/10/30


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2008年10月28日 (火)

カオパット タイ炒飯

俺の大好きなカオパットだ。タイに旅行した人は一度はこれを屋台
で食べただろう。俺はタイ人と生活しているから、好きな時にいつ
でもカオパットを食べられると思うだろう。それが違うのだ。
ヌチャナートはこんな物は料理じゃないとバカにしている。
「もっと美味しい物を作ってあげるわ」
優しい言葉で俺の要望を無視する。
「もっと美味しい物」と言っているが、実はヌチャナートが食べたい
物を作るのだ。俺がカオパットを食べたいと思っても作ってくれ
ない。なかなかカオパットを食べる機会がない。
今日は何故かカオパットだ。カオパットを作った理由は簡単だ。
料理を作るのが面倒だし残飯もあるから、カオパットにした。
カオパットは手抜き料理なのだ。
これで残飯も整理できる一石二鳥の料理だ。

P1060763pct13
手抜きと残飯整理の料理だが、俺にとっては久しぶりのカオパット
だ。飯粒もパラパラとはがれる。べたついていない。飯が光って
いる。マナオを絞って酸味を加える。こうすると味がしまる。
ラーメン屋の炒飯なら、スープがついてくる。
タイのカオパットにはスープがつかない。
習慣と言うのは恐ろしい物で、ウチのカオパットにもスープがない。
スープはないけど、ビールがあるから文句は言わない。

2008/10/25

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2008年10月27日 (月)

生唐辛子を買う

茨城でタイの野菜を作っておられる方がいるらしい。その方から
新鮮な唐辛子を譲っていただいた。今回は三キロ求めた。
唐辛子をキロ単位で買うなんて日本の家庭では考えられない。
これで驚かないでください。生唐辛子を1キロと言われてもどの位か
想像つかないでしょう。この位の量です。この袋が3つです。

P1060782pct13

今回は生の唐辛子です。乾燥物でもキロ単位で買うのですから、
生の唐辛子三キロというのは決して多くないのです。

新鮮な唐辛子は香りが違う。色だって綺麗だ。
乾燥物や冷凍物にはない、美味しそうないいにおいがする。
それだけで食欲をそそる。

P1060784pct13

2008/10/26


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2008年10月23日 (木)

飯の炊き方、タイと日本

今の日本の普通の家庭で飯を炊くのにへっつい(竃)と釜を使って
いる家はまずない。まず「へっつい」なんて言葉が死語になっている。
何処の家でも電気釜で飯を炊いていると思う。
容器に米粒を入れたら、所定の位置まで水を入れる。
あとはスイッチをぽんと押せば飯が出来上がる。

俺は男だから釜で飯を炊いたことはないが、女どもの飯の炊き方を
見ていた。釜に生米を入れる。釜に水を入れると、女は釜の中に
手を突っ込む。釜の米粒の上で手を広げる。
水が掌を隠すほど入っていれば丁度良い水の量だったと思う。
この記憶が正確かどうかは横に置いておこう。
飯を炊くとき、日本人は手を使って水分量を測っていたという事実
に注目しよう。

日本もタイも正式にはメートル法を使っているが、まだ坪、間、升
など尺貫法もなんとなく使われている。タイの場合は日本よりも 
もっとおおっぴらに尺貫法が使われている。
尺貫法の単位に、オンクリという聞きなれない単位がタイにある
ことを知った。これは長さの単位で人差し指の先端から第一関節
までの長さだ。この長さは飯を炊く時に使う。
容器に米を入れる。人差し指を米の上に立てる。
水が第一関節まで上ってくると1オンクリだ。
タイの米の場合、1オンクリの水でちょうどよいのかな?
飯を炊く場合、日本人もタイ人も手を使って水量を測ることを知って
俺はニヤリとした。

オンクリという単位は仏典の中にでてくる悪党オンクリマンの話
から来ているそうだ。オンクリマンは千人の人を殺さなければ悟りを
得られないと騙された。彼は悪人だけを殺し、殺した人の右手の指
を切り取って首に吊り下げていた。
仏陀に出会ったオンクリマンは僧侶になったというお話だ。

タイでも電気釜が普及しているので、俺は飯を炊く時に釜に指を
突っ込んでいるのを見たことがない。釜には目印の線があるはず
だが、それを使わないで彼等は指を突っ込んで1オンクリだから
丁度良いなんてやっていたら、微笑ましいと思うな。

2008/10/23

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タイ料理のにおい

パソコンを叩いていると、なんだかタイ料理のにおいがする。
台所の鍋にタイ料理が残っていると、そんなにおいがすることも
ある。今日は、台所には残り物はない。
ご近所の方がタイ料理を作っているのかなと思った。

最近のスーパーにはタイ料理の材料が沢山おいてある。
例えば、トムヤンクンを作るのに必要な材料が一まとめになって
いる。たまにしかタイ料理を食べない家庭には便利なパックだ。
そんな材料を買ってきてタイ料理を作っているのか?
「ウチがいつもこんなにおいを近所に撒き散らしているから、ご近所
さんも影響をうけたかな」程度に思ってパソコンを叩き
続けていた。
しばらくするとまたタイ料理のにおいがする。
こりゃ、おかしい。いくらなんでもご近所さんはそんなにも大量に
タイ料理を作るはずがない。
見回すと食卓の上にナムプリックがあった。
ナムプリックに蓋をしておこうと思っていたが、蓋をするのを忘れ
ていた。ナンプラと唐辛子が混じったタイ料理独特のにおいが
そこからでていた。

俺の感覚が変わっているのに、ナムプリックのにおいから分かった。
魚を醗酵させた物がナンプラだ。ナンプラのにおいは腐った魚の
においとも言える。生のナンプラのにおいは悪臭と言える。
人によっては耐え難い、我慢できないにおいだ。
俺も最初の頃はナンプラのにおいを避けていた。
それなのに、今日はナンプラのにおいを嗅いでタイ料理を想像して
いた。俺の中でナンプラのにおいは悪臭から好ましいにおいに
変化しつつあるようだ。
俺ですら、こうなんだから、タイの人々はナンプラのにおいを嗅ぐと
「ああ、腹減った!」「美味しそう!」「何か食いたい!」と感じるの
だろう。この感覚は俺達が立ち食いソバ屋から流れてくる醤油の
においを嗅ぐと、空腹を感じるのと似ていると思う。

2008/10/22


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2008年10月21日 (火)

ちょっとだけよ

何を食べたいか聞かれた。これと言って特に食べたい物はない。
冷蔵庫にうどんがあるのを思い出した。
「焼うどんを作ってくれよ」
うどんというのは汁物だとヌチャナートは思っているらしい。
たしかに、うどんは汁と一緒に食べることが多い。場所によっては
うどんをフライパンで炒めて食べる。焼うどんもうまい。
「日本人もうどんを炒めて食べるの?」
「食べるよ」
食べたい物を伝えたら、あとはヌチャナートに任せておけばいい。
「味は日本風にするの?それともタイ風がいい?」
日本風にすると、どんな味になるのか想像がつかない。
タイ人が考える日本風の味だから、俺達が思っているのとは全く別
の味になる可能性がある。タイ風にした。
「サミイはタイ料理が好きね」
俺は味の安全を考えてタイ風にしただけだ。完全に誤解している。

P1060756pct13

出てきたのがこの料理だ。見た目も綺麗に仕上がっている。
俺が食べ始めようとした時、ヌチャナートが言った。
「唐辛子、いるでしょ?」
ヌチャナートは焙煎した唐辛子をかけた方が美味しいという。
俺は見た目を考えて生の唐辛子を求めた。
「ちょっとだけね」
そう言って、この皿にこれだけの唐辛子を乗せた。
この量は小指ほどの唐辛子一本分だろう。
タイ人にとって唐辛子一本は「ちょっとだけ」かもしれない。
一皿分の焼うどんに一本の唐辛子は、日本人にもちょっとだけか?
多分日本人には、いっぱい、沢山、激辛になるのだろう。
焼うどんを食いながら、「ちょっとだけ」という曖昧な量について考え
てしまった。

2008/10/20


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2008年10月20日 (月)

タイのオムレツ

タイ料理の本を読んでいた。その中にオムレツという言葉があった。
「卵を食べるでしょ?どう料理する?」
丁度良い。オムレツをお願いした。出来てきたのが、これだ。
俺達が考えるオムレツは外側がちょっと硬くて、中はふんわり柔ら
かいものだ。これは中も外も硬い。俺達が言う、卵焼きだ。
オムレツじゃない。タイではよくこんな卵焼きを食べる。
俺達が定義するオムレツではないが、これはこれで美味しく食べ
られる。

P1060742pct13

世界の卵料理を調べると面白いと思う。
いわゆる目玉焼きと言っても、片面を焼いたら、ひっくり返して両面
を焼く国もある。焼き方、茹で方など調理法、卵の種類、卵の保存
方法などを調べたら立派な本になる。
ヒヨコになりかけた卵を食べる国もあるな。
地元の人は美味しいというが、「駄目だ!」と敬遠する外国人が多い。

卵の面白い食べ方がタイにもある。
温泉卵にもならない前に、卵を湯から取り出してコップに割りいれる。
そこにナンプラを入れて味付けする。生卵とは違う美味しさがある。
生卵を食べる習慣がある日本人には受け入れられるが、その習慣
がない人々は絶対に食べないと思う。

2008/10/19


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春菊の野菜炒めと煙草の煙

これはちょっと苦味があって 良い味になっている。
ウチにこんな野菜あったけ?
「この野菜はなんだい?」
「あのスーパーで買った野菜よ」
ああ、春菊だな。こんな風になると春菊に思えない。
春菊は鍋物に使うだけではない。こうやって炒めても美味しくなる。
「この料理はタイ語でなんて言うんだい?」
タイにない材料を使っているので、料理の名前を思いつかないら
しい。ちょっと考えながら言った。
「パットパクよ」
野菜炒め?まあ、野菜炒めに間違いないが、野菜と肉の量がほぼ
同じだから日本人の感覚では野菜炒めではない。
食えば旨いのだが、これを作る時は大変だった。
唐辛子を炒めるから、その刺激臭が強い。
このにおいを嗅ぐと必ずくしゃみをする。
換気扇を回して、唐辛子の煙を追い出す。

P1060754pct13

春菊の野菜炒めを食べながら別のことを考えていた。
家の中で煙草を吸うと、女房が臭いと文句を言うので、旦那は
マンションのベランダにでて煙草を吸う家が多い。煙草の煙が
隣のベランダに流れて行く。隣は煙草が臭いという。
間接喫煙で肺がんになる危険があるから、ベランダでの喫煙は
止めてくれと訴えられる。

ウチのように唐辛子やニンニクを炒める料理が多いと、それらから
出る煙も多い。それを換気扇で追い出しているが、煙はナンプラ
などの臭いと一緒に隣の家にも入っていくはずだ。
唐辛子の煙はもしかしたら煙草の煙よりも発がん性物質を多く含ん
でいるのではないか?
「唐辛子の煙で肺がんになるから、唐辛子を使った料理を作ら
ないでくれ」なんて言われたらどうしよう?
ウチじゃ食べる物がなくなっちゃうよ。

刺激性があるから、唐辛子の煙は悪玉のように思える。
旨そうなヤキトリ、焼肉、蒲焼の煙には刺激性はないが、発がん性
物質は煙草より多いかもしれない。
そんな実験結果がでたら、外食産業は大きな痛手になるな。
中国、台湾からの鰻の輸入も止まる。想像はどこまでも拡大していく。

2008/10/20


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2008年10月17日 (金)

鶏ガラだか鴨ガラの料理

表示は「国産鶏ガラ」となっているのだが、ヌチャナートは「鴨ガラ」
だと言い切っている。自信をもって ひと目で言い切った。
ヌチャナートの確信をもった言葉を聴くと、鶏ガラではなくて鴨ガラ
ではないかと俺も思ってしまう。
日本では冷凍にしてスーパーで売れるほど、鴨ガラは出ないと思う。
中国から鴨ガラを輸入して「国産鶏ガラ」と称して売っているのでは
ないかとつい疑いたくなる。毒餃子事件に始まり、残留農薬やら
メラミン混入など最近、中国からの輸入食品に問題が多
い。
輸入品を国産と偽る商法も問題になったな。
消費者の目が厳しくなっているから、鴨ガラを鶏ガラと称して売って
いれば、この業者は大きな痛
手を蒙ることになる。
嘘つき食品かどうかは、俺の関心外だ。
俺の関心はこれでどんな料理ができるかだ。

P1060736pct13

俺が鶏ガラを買ったのは、タイで食った鶏ガラの唐揚が食いたく
なったからだ。
「これは鴨ガラだから、美味しくないわよ!」
そう言ってヌチャナートは料理を作ってくれなかった。
食べないで冷蔵庫に入れておいてもどうしようもない。
買った食べ物を捨てるわけにもいかない。
今日は自称鶏ガラを使って、こんな料理を作ってくれた。
鶏ガラだか鴨ガラだかわからないが、出汁はでる。
スープの味に問題はない。問題がないというより旨い。
ガラの周辺に小さな肉がついている。
バカにするけど、ガラにはかなり沢山の肉がついている。
唐辛子や香草で味がついているから、この肉も旨いんだよ。
その肉を食べる。コリコリした軟骨部分も食べる。

ダイエット中の人が、ガラについた肉を食べるのは物凄く大きな
利点がある。食べにくいから、食べるのに時間がかかる。
時間をかけて食べると少量で満腹感がでてくる。
結果としてダイエットになる利点だ。

俺達は鴨肉を余り食べないから、鴨肉と鶏肉の区別ができない。
鶏肉ならガラの周辺の肉は白いはずなのに、この肉は赤いし、
鶏肉よりも硬い。うーん、やっぱり鴨ガラみたいだな。
苦瓜の葉も入っている。その苦味とガラから出た油の味があう。
苦瓜は味を良くするだけではなく、葉の緑が料理の見栄えも良く
している。

これを食いながら、タイの肉食文化を考えた。
肉食文化が長い国では、可食部分は全て食べる。
日本人もガラや内臓をもっと食べなくてはいけない。
宗教的に言えば、人間の為に命をくれた動物への感謝でもある。
経済的に言えば、無駄をなくし、食糧自給率を向上させることにも
なる。

2008/10/17


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タイの田舎料理

ヌチャナートが料理を作っている。俺はパソコンで作業を続けている。
「出来たわよ!」
俺の背中に声をかける。俺はキーボードを叩き続けている。
「アハハハ・・・!これってタイの田舎の料理よ!」
見ると、タイのデパートの大食堂などで出されるような料理が食卓
に乗っている。料理を見ると、途端に空腹を覚えた。
パソコンを止めて、食事をすることにした。

P1060733pct13

野菜の緑と唐辛子の赤で彩りもいい。つい眺めてしまう。
「掻き混ぜて食べてね」
食べる前に全体を掻き回して食べると、味が均一になり美味しい。
俺は美観の上から、食べる前に掻き回すのは嫌いだ。
いつも、少しずつおかずとご飯を混ぜてから食べる。
その方が見た目に綺麗な食べ方だと俺は思っており、それにこだ
わっている。今日はご飯の上におかずが既に乗っている。
ヌチャナートが「掻き混ぜて食べろ」と言っている。
全体を掻き混ぜた。
掻き混ぜると、ご飯の色にムラがでるのを好まない。
ご飯全体が同じ色になるまで、よーく混ぜた。
それを一匙、口に運んだ。
いい味です。後は夢中で食べた。
ヌチャナートが話しかけても「うん、うん」とカラ返事をしている。
旨いと思う時は、そんなもんだ。
食うのが先で、返事は後になる。
食い終わった。
「美味しかった?」
「うん」心からそう思って返事をした。

2008/10/16


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2008年10月16日 (木)

食物と健康を考えよう0168

食べ物と健康に関係があることは、分かっている。これにはまた
流行もある。最近はバナナダイエ
ットが流行し市場からバナナが
消えた。俺は公告の中から食べ物と健康の関係を見ている。
今日、見た公告の中に朝ミカンダイエット
というのがあったから、
今度は市場から蜜柑がなくなるかもしれない。
朝バナナダイエットを発表した人は、
「朝、果物を取るといいですよ。バナナでなくてもいいのです
よ」
と言っていた。スーパーや市場の苦情に対応するために、バナナ
からミカンに変更したのかな

果物ならなんでもいいというけど、スイカのように季節性がある
ものは駄目だな。バナナのように
、年がら年中ある果物でなくては
いけない。いくら効果があるとは言え毎朝、食べるのだからバナ

やミカンのように安価な食べ物でなくてはいけない。
次はどんな果物でダイエットが流行るのか興味がある。

今日見た広告のなかから食べ物と健康関係を拾った。
俺は出版社の回し者でもないし、広告にある食べ物が本当に健康
やダイエットに効果があると
信じてもいない。
どの時代にどんな食べ物が脚光を浴びたのか注目しているだけだ。

「ゆほびか」誌 2008年12月号 マキノ出版
「朝ミカン」ダイエット 
コワイほど楽やせ!運動・食事制限なしで38kg減、バストは
Eカップ!高血圧・めまい退散!浅香光代さんも12kg楽やせ!

「壮快」誌 2008年12月号 マイヘルス社/マキノ出版
一晩で作れ甘くて美味<リンゴ酢>で血圧 脂肪値が大降下!
5キロ3キロ速(○囲み文字)やせた
下腹ペッタンンコ

銀メダリスト内村選手の勝負食!
<ミニチョコ>で医師が45キロ 22キロ 14キロ楽(○囲み文字)
やせた メタボ脱出

「健康365」誌 2008年12月号 ㈱エイチアンダイ
中高年の悩み「頻尿・尿失禁」が一週間で治まり
朝まで熟睡できると大評判の「朝鮮人参の果実」

「朝鮮人参の果実」を食べ物とするのは無理があるかな?
でもニンジンと言われると食べ物のよ
うな気がする。
朝鮮人参は八百屋で売っていないし。その果実というのは種の
ことだろ?ますます食べ物から遠ざかるが、まあ、いいっか。

2008/10/16

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2008年10月15日 (水)

パットミー、タイ風焼ビーフン

P1060730pct13

なんとなくビーフンが食いたくなった。これという理由はない。
「これでパットミーを作ってくれよ」
俺は水で戻しておいたビーフンを出した。
「肉はないわよ。卵と野菜だけでもいいの?」
「ああいいよ」
本当に肉のないパットミー、焼ビーフンがでてきた。
「これって菜食主義者のご飯だね」
「そうね」
「菜食主義者は野菜と卵と牛乳しか使わないよね」
「そうね」
肉のない焼ビーフンはあっさりしている。
カロリーの取りすぎを防ぐには丁度良い料理だ。
肉なんか入らなくても、これは食える。
台湾の焼ビーフンも旨いが、このタイ風の焼ビーフンも旨いよ。

2008/10/14

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クンナンプラ、生海老のナンプラ漬

生海老に葱、唐辛子、ニンニクなどを乗せてナンプラをかけたもの
だ。まあ、言ってみれば生海老のタイ風サラダかな。
初めてこれを食った時、旨いと感動した。
その時は生の唐辛子と生のニンニクのスライスが乗っていた。
ニンニクの辛味と海老の甘味が合う。
生のニンニクなんて日本では絶対に食えない。
誰もが生のニンニクやニンニクが沢山入った料理を食べているタイ
ではニンニクのにおいなんて気にしなくても良い。
喜んでニンニクと海老の旨さを堪能した。

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今日のクンナンプラには焙煎したもち米の粗粒が入っている。
この焙煎したもち米の香りがいいし、こりこりした粗粒の食感がいい。
このようなクンナンプラもあるのだ。クンナンプラは店によって味が
違う。いろいろなクンナンプラがあるから、自分の気に入った味の
店を選ぶといい。

最初は珍しくて美味しいと思ったクンナンプラだが、最近は飽きて
きた。いつでも食べられると思うから珍しさがなくなったこともある。
一種の贅沢だ。
せっかく作ってくれたクンナンプラだが二匹しか食べなかった。
魚を余り好まない俺が旨いという料理だ。
海老が好きな人にはお勧めできる美味しいタイ料理のひとつだ。

2008/10/14


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2008年10月14日 (火)

トムカーガイ

これを食いたいと思っていたが、なかなか作ってくれない。
今日はご機嫌がいいのか、トムカーガイを食べるかと聞いてきた。
「うん」
「酸味はどうするの?酸っぱいのはだめでしょ?」
「酸っぱいほうがいいな。」
ちょこちょこと調理を始めて、すぐにトムカーガイが出来てきた。
表面には油が浮いている。この油は鶏とココナッツからでてきた
ものか?油と酸味がお互いのきつい味を打ち消しあう。
それでまろやか味にまとまる。
唐辛子の辛味やレモングラスなど香草の香りが食欲を盛り上げる。

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最近、このような料理を日本の土鍋に盛ることが多い。
タイ料理なのに、日本の食器に盛られるとなんとなく違和感を感じる。
独特な形をした赤い素焼きの土鍋がタイにある。
タイ料理はタイの食器に盛る方が美味しそうに見えると俺は感じる。
ヌチャナートはこの土鍋に盛ると綺麗だという。

2008/10/13


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2008年10月13日 (月)

パットムウ、豚肉と胡瓜の炒め物

この料理をパットムウผัดหมูと言っていた。豚肉の炒め物という意味
だが、日本語では肉野菜炒めと言えばいいかな。
牡蠣油で味付けしている。
生の唐辛子と一緒に食べるのがタイ風かな。
綺麗な色に仕上がっている。料理をよく見ると、胡瓜が入っている。
胡瓜を炒めるなんて日本人の発想にない。

P1060719pct13

日本人は胡瓜は漬物にするか、塩や味噌をつけて齧る物と考えて
いる。豚肉と胡瓜を炒めるなんてタイ人ならではの発想だ。
胡瓜を炒めるとしなっとなる。こうやって食べる胡瓜も美味しい。
先日、胡瓜を炒める話をしたら、日本人は「胡瓜を炒めるんですか?」
と驚いていた。
確かに豚肉と胡瓜の炒め物は日本人には考えられ
ない料理だ。

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2008/10/13

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2008年10月12日 (日)

こんなタイ料理

食事の前に写真を撮る。写真の整理を怠っているうちに、どんな
料理でどんな味だったか忘れてしまった。毎日、飯を食うから写真
は溜まる一方だ。
サボると味の記憶が薄れてしまい、文を作るのも苦労する。

P1060689pct13_5 

これは朝食だったと思う。水の量が多すぎたのでご飯がお粥みたい
になってしまった。
起きてくると、ヌチャナートはご飯の炊け具合をチェックする。
「水が多すぎたわよ!」
文句を云うのなら、自分で炊け!!
男らしく怒鳴りつければいいのだが、惚れた弱みがあるのでつい、
「すいません」となる。
この挽肉の辛い料理を乗せると、水っぽいご飯でも気にならない。

次の料理はなんだっけ?肉の形からハラミだな。
これも辛くて旨かった。
ヌチャナートはいつも「日本人は油で揚げた物が好きね」という。
云われて見ると、日本人は揚物が好きだ。
ホカホカ弁当屋の店先のサンプルもカツとかフライが多い。
それに対してタイの料理はこのような煮物が多い。
メタボを防ぐためにも日本人は揚物を止めるべきだと思うな。

P1060692pct13_3

その次はたしか卵焼きを作ると言って出してきた。
俺達が考える卵焼きではないが、旨いから名前なんかどうでも
いいっか。毎日々、こんなタイ料理の連続だ。
「これはベトナム料理。今日はラオス料理ね。これはタイの南部の
料理よ。」いつもそんなことを言いながら、料理を作ってくれる。
俺はタイ全土の料理を試食している気分だったが、こうやってみる
とウチの料理はタイ東北部の田舎料理が多い。
タイ南部の味は東北部の味とは違うけど、辛さで舌が痺れちゃって
日本人にはなかなか区別がつかないだろう。

P1060701pct13_3

子供の頃に食べた味の記憶は消えない。
慣れ親しんだ味が誰にとっても美味しい味なんだ。
俺のように、こんな異種類の料理を毎日食べて旨いなんていう
のは変人だ。

2008/10/12


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戴いたタイ野菜

最近はタイの野菜を国内で作る農家がある。
そんな農家の野菜をおすそ分けして頂いた。
新鮮な唐辛子は香りがよい。
いつも冷凍の唐辛子を使っているので、香りは落ちている。
このピンポン玉のようなタイの茄子も、ヌチャナートは美味しいと
言って喜んでいる。

日本に住むタイ人も増えた。タイ料理店も増えたのでこのような
タイの野菜を作る農家
も採算がとれるようになったのだろう。


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2008/10/7

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茄子味噌

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ナスを叩き潰して唐辛子や香草と混ぜたものだ。
俺はこれを茄子味噌と呼んでいる。
これを温かいご飯に乗せてもいい。
辛味と旨味でご飯をパクパク食べてしまう。
他になんのおかずがなくてもこれだけで飯を食べられる。
肉と一緒に食べても美味しい。
万能味噌と呼んでもいい。


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2008/10/8

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お粥、カオツム

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昨日の宴会で飲みすぎた。
「元気ないわね。お粥を作るわ」
お粥のことをタイ語ではカオツムという。

日本で言う飲み会の最後はカオツムを食べてお開きになる。
これがカオツムの深夜の食べ方だ。
熱帯での飲み会の仕上げに食べるカオツムは格別な美味しさだ。
風も涼しくなった夜に、煌々と明るい店でカオツムを食べていると別世界にいる気分だ

朝食にもカオツムを食べる。
俺は朝食にでるカオツムは大好きだ。
しかしなあ、二日酔いの朝に食べるカオツムはなんとなく情けない味がする。

2008/10/12


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黄色いすだち

P1060708pct13 今日はヌチャナートの友達がやってくる。ヌチャナートは張り切って
料理を作っている。これは材料の一部だ。
青いパパイヤはソムタムにする。
最近はパパイヤの値段が下がっているので、ヌチャナートは喜ん
でいる。タイではこんな小さなパパイヤを見たことがない。
日本で使うにはこの位の大きさで十分だ。

料理を作る感覚が日本人とは違う。
トマトも傷がついているが、そんなことは全く意に介さない。
気にしない、気にしない!
傷んだ所を切って、使ってしまう。
トマトは生で食べるより、煮込んでしまうことが多い。
煮込み料理だと、トマトの姿なんて気にすることはない。

この黄色い丸い玉はすだちだ。
すだちは新鮮な緑いろと酸味が命だと日本人は考える。
少々、古くなって黄色くなったすだちでもタイ人は平気で使う。
タイの料理では酢をあまり使わないけど、柑橘類の酸味をよく使う。
酸味の材料だから、すだちが黄色くなってもかまわない。
タイ人にとって良質の柑橘類とはジュースが沢山でることだ。
レモンとすだちの香りの差なんてものもタイ人は気にしない。

タイにはライムが沢山ある。しかも安い。
ライムを半分に切って、料理に使う。
残りの半分はそのまま放ってある。
日本の家庭なら残った半分にラップをかけて表面が乾燥しないよう
にする。タイの庶民はそんなことをしない。ラップを買える家庭は
裕福な家庭だからか?多分、裕福な家庭でも残ったライムにラップ
はかけないだろう。そのような習慣がない。
酸っぱいから放ってあるライムには蝿もたからない。
熱帯の暑さでライムの表面は乾燥する。
それでもまだジュースを絞れる。
次の料理の時には、表面が乾燥した残り物のライムを搾る。
多分、埃と一緒にライムジュースは料理に入る。

料理の材料に対する感覚が違うから、黄色くなったすだちでも平気
でタイ人は使う。


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2008/10/11

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スペアリブのネム

ネムというのはタイで作られている醗酵肉だ。
「どんな味?」と聞かれると、「ソフトサラミのようなもの」と答えていた。
俺が知っていたネムは挽肉か肉の粗切りを使ったものだ。
挽肉とか粗切り肉で作ったネムは乾燥・薫煙していないサラミのよう
な味になる。初めて食った時、その旨さに惚れてしまった。

スペアリブでネムを作るとヌチャナートが言い出した。
そんなネムは初めてだ。どんな味になるのか楽しみにしていた。

醗酵が進み、ちょうどよいくらいになった。
ヌチャナートは醗酵の状態を食べなくとも見ただけでわかるようだ。
「ちょうどいいわ。酸っぱくなり過ぎると美味しくないわ。
これを冷蔵庫にしまっておいてね」
冷蔵庫にいれておけば、醗酵は進まない。

ヌチャナートの友達が週末に来るという。
その時に、これをだそう。友達に出す前に、試食をした。
スペアリブのネムを油で唐揚にした。
酸味も塩味も丁度良い。これはうまい。
新しい味の発見だ!俺は喜んだ。
友達もそれを味見したらきっと驚くぞ!
俺は友達の驚きの声を聞きたかった。

P1060704pct13

あぁー、それなのに!友達は
「軟骨の唐揚ね!」
そう言って感動を示さなかった。
俺には新しい味なのに、友達はありきたりの味と評価した。
これは塩やタレにつけて油で揚げた、ただの軟骨の唐揚じゃ
ないんだぞ!
醗酵させて、酸味があるだろ!
その違いが分からぬか!
袋に入れて醗酵させているものを見せてから、唐揚にして出せば
よかったかな?


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2008/10/11

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国産鶏ガラと称して鴨ガラ

スーパーに冷凍の鶏ガラがあった。日本では鶏ガラなんてラーメン
のスープを作るとか出汁を取るのに使うだけだ。
日本人の発想には鶏ガラを食べるなんて考えがない。
捨てる一歩手前が鶏ガラだから、これを食べようなんて考えない。
鶏ガラを見たら、タイで食べた鶏ガラの唐揚を食いたくなった。
「こんな物まで食うのか!」とバカにするが、食うと旨いよ!
鶏ガラを買い求め、これで唐揚を作ってくれとヌチャナートに頼んだ。
「唐揚なんて美味しくないわよ」
「美味しいよ!」
タイの市場で何度も食べて、美味しかったことを強調した。
ガラというと肉なんてないと思うが、意外と沢山肉がついている。
それに軟骨部分がコリコリしていて美味しい。
残る部分は硬い骨の部分だけになる。
あんなにがさばっていた鶏ガラの唐揚も食べ終わると、僅かな骨
になってしまう。
「お腹がすいていたんでしょ!」
「そんなことないよ!」
「これで?????を作ってあげるわ。いいでしょ?」
なんと云う料理だったか名前は忘れた。

ヌチャナートは鶏ガラを袋から取り出した。
「あらっ!?これ!鶏ガラじゃないわよ!」
「えっ!?」
「見てよ!この皮!」
「・・・????」
「これは鴨よ!」

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俺は皮を見ても鶏と鴨の区別をつけることができない。
日本人は鴨を余り食べないから、鴨の皮に馴染みがない。
このガラの大きさは通常の成鶏と同じだ。
鶏ガラというくらいだから、皮なんてほんの少ししかついていない。
そのほんの少しの皮から鶏と鴨をヌチャナートは区別した。
「鴨で????を作ってもおいしくないわ。このガラを冷蔵庫に
しまってよ!」
命令だから黙ってガラを冷蔵庫にしまうことにした。
「見てよ!お尻に脂がないでしょ!」
ヌチャナートはこれが鴨だという証拠を更に指摘した。
冷蔵庫に仕舞う前にガラを見た。
鶏肉なら尻の部分に丸い脂肪の塊がついている。
このガラには脂の塊がついていない。
お尻の脂でもこの鶏ガラは鴨ガラだとヌチャナートは判断した。
皮の色や組織とお尻の形からヌチャナートはこのガラを鴨ガラだ
と言う。

見る人が見れば、鶏と鴨の区別は一目でわかるのだと思う。。
俺には区別ができないが、ヌチャナートはちょっと見ただけで鴨と
断定した。即断できるということは、自分の判断に自信があること
だ。判別の速さから推定して、ヌチャナートの判断に誤りはないと
俺は思う。

俺の推定だが、これを売り出した業者は中国から鴨のガラを輸入し
て国産の鶏ガラと称
して売っているのではないか?
中国では鴨肉をよく食べるから、鴨ガラも大量にでる。
それを安く買ってきて、国産鶏ガラと言っているのか?
鶏と鴨なんてDNA鑑定をすれば簡単に区別がつく。
食の安全や、偽装が話題になっている時代だ。
ヌチャナートのお見立てどおり、鴨肉だとしたら、これは大問題になるな。


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2008/10/11

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2008年10月 8日 (水)

生ハムとセルヴェッサ

やっと夕食の時間だが、疲れた。脱力感でもう何を食いたいという
気力もない。冷蔵庫に生ハムがあった。俺には生ハムはちょっと
特別なものだが、ヌチャナートには生ハムもボンレスハムも
ムウハム」と言って区別をしない。せめて「ムウハムソット」と言って
貰いたいと俺は思っている。
しかしなぁー
、タイの片田舎で育った人間に西欧の料理を理解しろ
と言うのは酷と言うものだ。

スペインの一杯飲み屋へ行くとカウンターの上に生ハムがぶら
下がっている。
「セルヴェッサ」と言ってビールを注文する。
肴に生ハムを頼む。生ハムの柔らかい感触、温かみを感じる脂
の旨味が冷たいビールにあう。

P1060672pct13

生ハムは焼酎と一緒に食べても美味い。
高級レストランでは麗々しく綺麗に飾ってだす生ハムだが、生ハム
はそのまま食べても美味しい。どうやって生ハ
ムを食べるか考え
なくてもいい。それなのに、ヌチャナートは「醤油をかけるか?」と
聞いてきた。
「醤油なんてかけたら、塩っぱくなるよ」
「・・・・・・」
醤油と聞いて俺は何だか生ハムをいじりたくなった。
「レモンをかけてくれよ」
生ハムにレモンの酸味と香りは絶対にあう。
それだけでは物足りない。
「ああ、それから唐芥子がいるな」
生ハムにレモンと唐芥子の組み合わせは相性がいい。
もっと複雑な味にしたかった。
「ニンニクも加えてくれよ」
「生姜もいる?」
「生姜はいらないな」
これを聞いてヌチャナートは笑っている。
「サミイはタイ人みたいね」
生の唐芥子とニンニクをレモン汁がかかった生ハムで包んで食べる。
これは俺が創作した味だ。自画自賛の良い味になっている。
俺が美味そうに生ハムを食っているのでヌチャナートも味見した。
「あら、美味しいわね!」
ヌチャナートも美味さに感激していた。
「この味ってネムみたいね」
言われてみるとネムの味に似ている。偶然というものだ。
俺が考えた独創的な味を既存のネムの味に例えられて俺は唖然
とした。俺ってやっぱり才能がないのだ!
生ハムを作るには温度など厳密な管理と熟成期間が必要だ。
ネムのように肉を丸めて放っといても出来るものじゃない。
特別な技術と環境が必要な生ハムと、誰でも簡単に作れるネム
を一緒にされてちょっとがっくりきた。


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2008/10/6

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サダムも食後に水

食事を注文する時、タイ人は必ず飲み物を注文する。
家庭の食事でも、食事を終わったら水分を取る。
俺には食事の後に水を飲む習慣はあまりない。
食後に渋茶をすするなんてこともしない。
タイ料理を食った後でも俺は水を飲まないのでヌチャナートはいつも
「駄目ね!食事の後に水を飲まないと病気になるわよ」と言う。
その理由はわからない。
俺は唐辛子で胃がやられるから、水を飲むのだと一人で合点している。

話が変わるが、ウチの飼い猫の名前はサダムフセインだ。
可愛い名前を悪魔に知られると、悪魔がさらって行く。
そんなことを信じているタイ人はわざとおかしな名前をつける。

ヌチャナートはサダムに餌を手で与える。
満腹になるとサダムは顔を横にそむけて餌を拒否する。
「お腹が一杯なのね。サダムちゃん」
そう言って、ヌチャナートはサダムに水を飲ませる。
水の与え方がうまいのか、サダムは水を飲まされてしまう。
サダムの餌には唐辛子は入っていない。
それなのに、食事の後にヌチャナートはサダムに水を飲ませる。

俺に「食後に水を飲め」と言うのは理解できる。
サダムにまで無理矢理 水を飲ませるので俺は笑ってしまう。


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2008/10/8

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2008年10月 6日 (月)

焼き飯、炒飯、カオパット、ナシゴレン

これらは皆な似たようなものだ。味付けに醤油を使うかナンプラ
など地元の調味料を使うかの差だ。
俺が子供の頃はチャーハンという言葉がなかった。
あったのかもしれないが、俺ん家では使っていなかった。
焼き飯と炒飯の違いは?うーん、難しい問題だ。
俺ん家で食べるのが焼き飯で支那ソバ屋で食べるのが炒飯だ
としておこう。昔はラーメン屋なんて言わなかった。
皆な支那ソバ屋とか中華ソバ屋と言っていた。
支那ソバ屋に入って「ヤキメシ」と言えば、今で言う炒飯がでてきた。

カオパットは言わずと知れたタイの焼き飯だ。日本の米とはちがって
粘り気のないタイ米で作ったカオパットはパラパラと米粒がはがれ
て旨い。下手な屋台で食べると、タイ米なのに飯がぐしゃついて
いる。そんな屋台には二度と行かない。

ナシゴレンはインドネシアの焼き飯だ。
俺が初めてナシゴレンに出会ったのはオランダの田舎の小さな宿
だった。宿の主人はナシゴレンが得意だといっていた。
「ナシゴレンを知っているか?」
俺はナシゴレンなんて名前を初めて聞いた。
「焼き飯のことだよ。皆、俺のナシゴレンは旨いと言うよ」
「・・・・」
なんでオランダの田舎で焼き飯を食わなくちゃいけないんだよ!?
そうは言ってもこの村じゃ宿は一軒しかない。
まだここに逗留しなくてはいけない。
宿の主人のご機嫌をとっておく必要がある。
ナシゴレンを注文した。要するに焼き飯だった。
オランダ人には東洋風の味で旨いのだろうが、日本人にはあり
きたりの焼き飯だった。

オランダとインドネシアの歴史は古い。
17世紀にオランダはインドネシアに進出し太平洋戦争までインドネシア
を支配していた。石油資源を求めた日本はインドネシアでオランダ軍
と戦った。そこで日本軍の捕虜となってしまった気の毒なオランダ兵
がいた。そんな時代背景があるから、日本人を憎むオランダ人が
いた。オランダでは太平洋戦争当時の話をするのは禁物と言われ
ていた。あの宿の主人は戦争でインドネシアに行き、
そこでナシゴレンの作り方を習ったのだろうか?
ナシゴレンと聞くと、オランダの田舎の宿を思い出す。


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2008/10/6

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2008年10月 5日 (日)

好みの変化とタイ料理

毎日、タイ料理を食べ続けていると、自然に好きなタイ料理とそう
でもないタイ料理がでてくる。また昔は好きだったのに、今はそれ
ほど好きでないタイ料理ができた。
どうしてこうなったのかわからないが、なんだか不思議な気がする。

クンナンプラなんて言う料理がある。生海老のサラダだ。
海老の甘味と唐辛子の辛味、ニンニクの香りが素晴らしいと思って
いた。白い海老肉にのった赤い唐辛子、緑の葉と見た目も綺麗だ。
それもなんとなく食べなくなった。これという理由はない。
何故そうなったのかもわからない。
ただ、食べなくなっただけだ。出されれば一匹二匹は食べるが、
感激がないからそれ以上は食べない。

肉を醗酵させて酸味をだしたネムもそうだ。
これも旨いと思って食べていたが、最近は作っても食べない。
ヌチャナートが一人で食べている。俺は生のネムを酒の肴にして
いた。
「これがあれば、酒が進む」と喜んで食べていた。
そのネムも余り食べなくなった。自分から作ろうともしない。
ネムは実に旨いと思っていた。醗酵肉の傑作とも賞賛していた
のに、食べなくなった。

トムヤンクンも余り好まなくなっている。酸味と辛味のバランスが
とれたトムヤンクンは旨いと思っていた。これは旨い料理なのだが、
今はそれほど感激しない。トムヤンクンも地方色があって
イサーン風、バンコック風と作るがどちらも余り食べなくなった。
いつでも食べられると思うから、そうなっちゃうのかな?
そうだとしたら贅沢な話と思われる。

その逆にタイカレーは大好きになった。初めてタイカレーを食べた
時は
「何だこの味!?これはカレーではない!」
と不味いというより、怒りに似た物を感じた。
今はタイカレーは俺の好物になっている。
理由は分からないが、ヌチャナートはタイカレーは料理ではない
と思っている。
「タイカレーを作ってくれよ」と頼んでもなかなか作ってくれない。
気が向いた時だけ作ってくれる。俺に気を使って作るというの
ではないようだ。大量に作っておけば俺が勝手に温めて食べるから、
料理を作る手間を省ける。
タイカレーはヌチャナートの手抜き料理だ。
そんなこと、わかっているけど好きな料理だから黙って食べている。

ウチの料理はタイ料理ばかりだから和食がない。
例えばお茶漬けさらさらで飯を食いたいと思ってもそんな料理は
ない。お茶漬けに近い、タイ料理カオツムで我慢?する。
沢庵ボーリボーリなんてものもない。沢庵に近いタイ料理はないな。
その他、多くの和食が全くない。醤油も殆ど使わない。
使う機会がないのだ。よくまあ、これでやっていると思われる。
習慣と言うのは恐ろしい物で、これが食事だと飼い馴らされたので
腹が減るとタイ料理を食べている。

俺が好んで食べるタイ料理はどうやら煮込んだ肉料理が多いみた
いだ。魚を煮込んだ物はにおいで好きになれない。
肉を取るか魚を取るかは個人の好みの問題だ。
いずれをとっても煮込んだ料理はタイの庶民が日常的に食べて
いる料理だ。
俺の好みも自然にタイの庶民が食べている味に近づいていた。

鮨、活き造りとか祝い事に出る所謂ご馳走と言うものより、味噌汁
に焼き魚といったごくごく普通の物を食べている方が飽きが来ない
のはタイ料理でも同じだ。
トムヤンクンは謂わばハレの場の料理だ。たまに食うから美味しい
のであって、これが日常的にでたら、すぐに飽きる。
普通の料理はいつまでも食べられる。


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2008/10/4

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田螺とエスカルゴ

商店街で田螺を売っていた。それを見るとヌチャナートは直ぐに
買った。タイの田圃にも田螺がいてそれを食用にしているのだと
推定した。田螺を見てヌチャナートは「真水の貝」と言っていた。

田螺は田圃などの水の中にいる。海にいるサザエなどに似ている
から、俺は田螺は貝の一種だと思っていた。
田螺と言うタイ語を知らない。俺が持つ日タイ辞典には田螺という
言葉はのっていない。和英辞典で田螺を調べたら、
「mud snail」「pond snail」「fresh-water snail」となっていた。
「えっ!田螺はカタツムリの一種と考えられているのだ!」
この考えには驚いた。
P1060642pct13

カタツムリは陸生の貝だと知っていた。
田螺も陸生の貝と考えるのか????
カタツムリは水の中に住まないから陸生の貝と考えるのは理解
できる。田螺は真水の中とはいえ、水の中に住んでいる。
俺には田螺をカタツムリ(陸生の貝)の一種とは考えられない。
田螺はカタツムリではなくて立派な水棲の貝だと俺は思っている。

カタツムリで思い浮かべるのはフランス料理のエスカルゴだ。
フランスの用水路などにも田螺はいると思う。
陸生の貝のカタツムリをフランス人は食べるけど、カタツムリの
仲間の田螺は食べないのではないかな?
日本人はカタツムリを食べるフランス人をゲテモノ食いと考える。
フランス人は田螺を食べる日本人をゲテモノ食いと考える。

俺は田螺を楊枝で穿り出してはナムプリックをつけて食べている。
小型のサザエを食べている感じだ。
英語国民は田螺をカタツムリの一種と考えている。
俺は田螺は貝の一種だと思って食べている。
カタツムリを食べるフランス人は田螺を食べない。
(確認していないから断定できないが、多分、食べないと思う。)
田螺を食べる習慣のない人から見ると、田螺を食うのはゲテモノ
食いだ。

一体、ゲテモノって何なんだろう????
田螺をカタツムリの一種と考える人々がいるのを知って、
考えてしまった。


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2008/10/4

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漬物とタイ人

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日本の漬物を売っていた。
それを見て急にヌチャナートが漬物を買おうと言い出した。
自分が食べるのではなくて、俺が食べたがっているのではないかと
考えたようだ。俺は別に漬物を食べたいとは思っていない。
「ねぇー、どれにする?」
俺は胡瓜と沢庵を選んだ。

胡瓜の漬物をヌチャナートは自分でも作ることがある。
作り方は簡単だし、タイには胡瓜の漬物はないので面白がっている。
タイの胡瓜で漬物を作って、タイの人々に試食させると言っている。
この胡瓜の漬物に対しては、大きな反応がなかった。
似たようなものを以前にも食べているので、目新しくなかったのだろう。

大根のたまり漬けを摘んで「これは美味しい」と驚いていた。
こんな味を好まないと思っていたから、俺にはちょっと意外だった。
味の好みというのはどのようにして決まるのかわからない。
長い間、食べていることで好きになるものもある。
このように初めて食べたものでも一発で好きになってしまうものもある。

沢庵と思ったものを摘んでからヌチャナートが驚いたように言う。
「あら、この野菜には火があるわ」
そのような事を早口なタイ語で言った。
漬物に火とはなんだろう?なんのことだかわからない。
沢庵を食べると煙のような臭いがする。
秋田だったかな?大根に煙をあててから漬物にする習慣があるの
を思い出した。これは煙でいぶした大根の漬物なのかもしれないな?
煙のにおいをヌチャナートは火と言ったようだ。

日本には多彩な漬物がある。
その一部をタイ人が食べる。タイ人の反応を見ることができて面白かった。


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2008/10/4

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鶏の足をタイ料理に

日本に仏教が入ってから四足の動物の肉を食べるのは禁じられた。
その後、何百年も肉食をしていなかったから、日本では肉食文化が
途絶えてしまった。インドからタイに入った仏教では肉食を禁じて
いない。肉食文化が長い国では肉を無駄にしない。
可食部分は全て食べる。タイでも同じだ。

レストランをタイで開業した日本人のサイトに、こんなことが書いて
あった。お寺から肉料理の出前の注文があった。
「おいおい、坊さんが肉を食べるのかよ!?」
「お坊さんだって食べなかったなら死んじゃうでしょ」
「・・・・???」
寺に肉料理を出前したとしても、その料理をお坊さんが食べるとは
限らない。タイのお坊さんは信者が捧げる物しか食べないし、
決まった時間にしか食事をとらない戒律があるから、お坊さんは
出前料理を食べない。寺で働く人々が食べるのだろう。

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日本人は鶏の足を食べない。鶏の足も可食部分だからタイ人は
よく食べる。写真を見ると分かるが爪の部分を切り落としてある。
出刃包丁で爪を叩き切る。この料理を何度も食べさせられている
うちに、だんだんこの料理のよさがわかってきた。
とろっとしたゼラチン質がうまい。
手で持たないと食べにくいのが難点だな。手がべとべとになる。
唐辛子の数とスープの色を見ると、いかにもタイの屋台料理と
いう感じがする。器に盛る時、右足と左足の数を揃えるなんて
ことはない。適当にどさっと入れる。

今は鶏の足なんてゲテモノ料理のように見られている。
食糧難などがきっかけとなって、日本でも鶏の足を食べる風習が
出来てくると思う。
油っ気が少ない、胸肉の部分より足の方が旨味成分は多いと思う。


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2008/10/4

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牡蠣と唐辛子

牡蠣というのは寒い地域で育つのだと思っていた。
何処で取れるのか知らないが、タイにも牡蠣はある。
牡蠣はタイでも高級品と考えられている。
昔は流通システムが出来上がっていないので、タイの内陸部では
牡蠣を食べられなかった。今は内陸部でも牡蠣を食べられる。
牡蠣をだす料理屋がタイの内陸部にもある。

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牡蠣を買って来た。グリルに牡蠣を入れてちょっとだけ焼く。
焼き上がった牡蠣を開いてレモンの汁とナムプリックと一緒に
食べる。なんにでも唐辛子を使うのがタイ人だ。日本人が見たら
「唐辛子をいれたなら、牡蠣の繊細な味がわからなくなる」と考える。
少々の唐辛子があっても日本人の舌は痺れて麻痺してしまう。
餓鬼の頃から辛い物を食べているタイ人の味覚は唐辛子では
変化しない。極端な話だが、唐辛子の刺激がないと食事ではない
と考える。唐辛子と一緒に牡蠣を食べるのが、正しい牡蠣の
食べ方とタイ人は考える。
牡蠣が好きな人にはあの特有なにおいが良い香りだ。
あのにおいを生臭いと違和感を持つ人もいる。
唐辛子があると生臭みを感じさせない。
試してみます?


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2008/10/4

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2008年10月 4日 (土)

秋刀魚の塩焼と唐辛子

P1060625pct13

先日は秋刀魚が安かったので、「秋刀魚を買おうか?」と言った。
ヌチャナートが「要らない」と言うので、秋刀魚を買わなかった。
それなのに、今日はヌチャナートが秋刀魚を買ってきた。
「どうしたの?」
「急に食べたくなったのよ」
「・・・・」
「これに塩を沢山かけて、焼くのよ」
「・・・・」
「皮を剥いて、食べるのよ。美味しいわよ」
想像しているだけで、美味しそうな顔をしている。

秋刀魚は秋の味覚だ。秋刀魚なしで日本の秋を語れない。
苦味のある、秋刀魚のワタが旨いと魚好きな人は言う。
ヌチャナートも例外ではない。
「あの苦いワタが美味しいのよね」
俺にはワタは黒くてどろどろして気持ちが悪い部分なのだが、
あそこが美味しいという。
皮を剥いて白い身の部分を食べる。
黒いワタの部分はヌチャナートの皿に乗せる。
喜んでワタを食べるヌチャナートを不思議に思いながら見ている。

焼いた秋刀魚にはレモンとかすだちの汁をかけて食べるのが日本人
だ。油の乗った秋刀魚に酸味が加わると味がしまってくる。
秋刀魚の身をとると、俺は唐辛子のペーストを乗せて食べる。
このタイ式の食べ方も旨い。
写真を見るとなんだかキムチのように見えるのが唐辛子ペーストだ。
唐辛子ペーストは辛いが強い香草の香りがあって、それだけでも
飯のおかずになる。それに秋刀魚が加わるから嬉しさ倍増だ。


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2008/10/3

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2008年10月 2日 (木)

トムヤンビーフン

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これはタイ土産として戴いたものだけど、何故か日本の輸入業者
の名前がある。バーコードも日本を示している。
表示は全て日本語だ。タイの製造業者が日本人観光客むけに
バンコックの土産店に横流ししたもの
だろうか?
なんだかおかしな物を貰った。本当にタイでこれが売られている
のだろうか?

大きな海老が入った美味しそうな写真が載っている。
同じように大きな海老が入った写真をタイの企業も載せている。
日本の企業とタイの企業の差はその写真に「調理例」の文字が
入っているかどうかだ。実際に入っている海老は小指の先ほどの
小さな海老だ。この写真を見て大きな海老を期待してしまう日本の
消費者は中身を見て嘘つき商品、誇大広告なん
て怒る。
それで日本で売られている製品には必ず「調理例」という文字が
書いてある。この製品も例外ではない。

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蓋を取ると中身はこんな具合に詰まっている。ビーフンもちゃんと
袋に入っている。ちょっと大きめな大福のようにまとめたビーフン
の形が可愛らしい。野菜が入っている袋には「かやく」なんて書い
てある。関東の人は「かやく」と聞くと火薬・爆薬を想像する。

袋を開けると小さな海老が出てきた。野菜は思ったより多い。
粉末スープとペースト状のスープが入っている。

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お湯をそそいで暫く待つ。容器には3分待てと書いてあるが、
それ以上待った。よぉーく掻き混ぜて食べた。
こうしてみるとなんだか美味しそうに感じる。

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ビーフンはよろしい。よろしいとは言ったが本当に美味しいビーフン
の茹で加減というのを知らな
い。俺が「これは駄目!」と判定する
味ではないから合格だ。スープを飲んでがっかりした。
これは俺が期待していた味ではない。
いつもタイ料理を食べているのでこの味は日本人向けに手を
加え
られた味のように感じた。なんだか物足りない。
いつもタイの田舎料理を食べているからだろ
うか、味にクセがなさ
過ぎると感じる。

タイ料理の味を知らず、日本のカップ麺しか知らない人には、この味
は異国の味、一風変わった味
だろう。多分、酸っぱくて辛い味なん
だろうな。この程度の辛味をピリ辛から激辛というのだろう

この商品をスーパーなどで見かけたことがあると思う。
俺はこの商品を買うだろうか?俺は絶対に買わない。理由は簡単だ。
「美味しくないもん!」
タイ料理を知らない人にはこれは衝撃的な味だろうな。
衝撃、感激を受けた人はこの商品をまた買うだろう。

味は新しい地域に入るとそこで変化をする。これもそうだ。
俺には満足がいかない味だが、多くの日本人にはこの味がタイの味
として定着していくのだろうな

最近は環境問題が五月蝿い。食品の容器包装も簡便なものに
なってきている。この商品のプラスチック容器は立派だ。
一回で捨ててしまうには惜しい。俺はこの容器を洗って、再利用
するだろう。立派な蓋がついているので、例えば食べ残しをこの
容器に入れて冷蔵庫にしまうこともできる。
三回は使えると思う。そう考えるとこの容器は環境に優しいのか?
待てよ!残り物を冷蔵庫で仕舞うための容器は幾らでもある。
うーん、やはりこの容器は立派過ぎて無駄と考えるのが正しい
ようだ。


TREview

2008/10/1

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サイコロステーキのタイ料理

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日本ではサイコロステーキはかなり普及している。
サイコロステーキを作る技術はタイにも導入されているのかな?
少なくとも庶民が買物をする市場ではサイコロステーキを見かけ
ない。冷凍庫なんて市場にはないから、サイコロステーキを売り
たくても売れないのが実情だな。

冷蔵庫からサイコロステーキを取り出した。
「トノー!これをどうやって食べる?」
ヌチャナートが言う「トノー」とは俺のことだ。
俺はヌチャナートに「殿」と呼ばせている。
タイ人の発音では「殿」が「トノー」と間が抜けた発音になってしまう。
「炒めればいんだよ」
「・・・・・」
ヌチャナートは飽きれたというような顔つきで俺を見ている。
サイコロステーキをステーキを焼くようにして出せばいいなんて
ヌチャナートには考えつかないよ
うだ。余りにも簡単な調理法なの
で、そんな物は調理ではないと考えるのかな?
ステーキを食べたことがないのなら、ステーキの焼き方を知らなく
てもしかたがない。どうやらヌチャナートの頭では
「ステーキはお店で食べる物。ウチで食べるのはタイ料理」
と考え
ているのだろう。サイコロステーキをどのようにタイ料理に
仕上げるか考えたようだ。

茄子とサイコロステーキを炒めたものがでてきた。
これをプリッキヌーと一緒に食べる。これも旨い料理だよ。
俺はサイコロステーキを食べるつもりだった。
俺は肉をいかに美味しく食べるか考えていたのに対して、
ヌチャナートは茄子をいかに美味しく食
べるか考えていたようだ。
茄子を旨く食べるためにサイコロステーキを利用したという感じだな。
ヌチャナートの関心は肉ではなくて茄子にあった。
「どう?茄子は美味しいでしょ?」
茄子が旨いかどうか聞くが、肉は旨いか聞かない。
秋茄子は確かに旨いよ。でも俺は肉を食べるつもりだったのに、
茄子が旨いか聞かれて返事に困った。


TREview

2008/10/1

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簡単な日本料理

「ごはんよ!」
そんな掛け声を掛けられて食卓についた。
鶏肉と茄子を煮込んだものがでていた。
いつもタイ料理だから、これもタイ料理だと思って食べた。
なんだかいつもと味が違う。
「これって日本の味だな」
「そうよ、日本料理を作ったのよ」
旦那がたまには日本料理を食べたがっているだろうと気を使って
くれたようだ。そんなことに気を使う必要はない。
毎日がタイ料理であっても俺は違和感を感じていない。
ヌチャナートの気遣いに感謝しながら、食べていた。
その後、ヌチャナートがポツリと言った。
「日本の料理は簡単でいいわ。」
「・・・・・?」
「だって、ポクポクやらなくてもいいでしょ」
うん、確かにその通りだ。
タイ料理を作る場合、必ず香草などを臼で叩き潰す。
この工程がないとタイ料理は作れない。
日本料理を作るにはそんな必要はないから、日本料理は簡単で
いいと言っている。
こんな発想は日本人にはない。


TREview

2008/9/29

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