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2008年11月27日 (木)

食習慣と前菜

英語国民向けに出版されている、ある著名な旅行本のタイ語会話
の部分を読んでいた。そこに食事時に彼等が必要と思う会話や
単語が並んでいた。それを見ると、食習慣の差がはっきり分かる。

日本人がタイの料理店で食事をする場合、飲み物はビールと
あれば酒、ウイスキー位しか飲まない。
俺が知っているタイ人も同じようなものだ。ワインなんて飲まない。
税率の関係でタイではワインが高価だから、タイの庶民はワイン
を飲めないのも事実だ。
西欧人の場合、食事にワインは欠かせない。
飲み物リストにワインをタイ語でなんというか載っている。
ご丁寧にも赤・白の区別はどのように言うのか載っている。
これだけでも、面白いと感じた。

いくらタイ料理が口に合わないからと言っても、日本人は醤油を
求めてもケチャップを求めない。西欧人にはケチャップが必要
なのだろう、ケチャップをタイ語でなんというのか載っている。
こんな単語からも国民性の違いが見える。

西欧料理は、最初に何を食べて次は何を食べるというお約束の流
れがある。日本やタイの食事の場合、決められた流れはなく、
食べたい物をどさんと並べて、好きな物を、自分勝手な順で食べる。
一の膳・二の膳と言った料理の流れはタイにもあるかもしれないが、
一般的ではないと思う。

先に書いた著名な本のタイ語会話の食事編に前菜という言葉が
あった。前菜のタイ語はアーハンワンとなっている。
「あれれっ!アーハンワンはおやつとか間食という意味ではないの
か?」おやつに相当するタイ語を見るとやはりアーハンワンに
なっている。アーハンワンをデザートとするのなら分かるけど、
前菜とするのはおかしい。それじゃぁ、前菜をタイ語でなんという
のか?そもそも前菜なんていう観念はタイ料理にはない。
観念がないから言葉がないのは当然だ。
タイ語で前菜のことは何と言うのだ?
日本にも前菜という言葉はなかった。
西洋料理を日本に紹介した誰かがアントレーを前菜としたのだろう。
手持ちのタイ語辞書で前菜を見ても決まり切ったタイ語はなく、説明
的言葉しかない。日本では前菜と言う言葉が定着しているが、タイ
ではまだ定着していない証拠だろう。

米国などにあるタイ料理屋のメニュウを思い出した。
そこには前菜という分類があったはずだ。メニュウを見ると前菜と
いう言葉とタイ語を併記している店が一軒あった。
その店で使っていたタイ語(Entrees  อาหารเรียกน้ำย่อย)を訳すと
食前酒つまり食欲を沸かせる物となっていた。
どうやらタイ語には前菜と言う観念がないことが確認できた。

日本人やタイ人の食事は腹いっぱいになったならお終いだ。
格式というのか、形式にこだわる西欧人にはデザートや食後酒が
ないと食事は終わりにならない。
会話本にはデザートや食後酒のタイ語も載っている。
日本語で書かれた旅行者用のタイ語会話料理編にはデザートは
載っていても食後酒までは載っていないと思う。

旅行に必要と思われる会話例を見ても、西欧人と、タイ人、日本人
の食習慣の差が見られて面白い。

2008/11/27


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2008年11月21日 (金)

風味を表す言葉

最近のテレビの食品関係の番組を見ていると、風味を表現するの
にフルーティーとかマイルドというカタカナ英語をよ
く使っているの
が気にかかる。この二つの言葉は日本人の感覚とほぼ同じよう
だから俺は許容範囲に入れている。
俺は英語の文献を読むと出てくる、肉の旨さを表すジューシーと
いう感覚を理解するのに苦労した。ジューシーはジュースの派生語
だ。俺がその当時知っていたジュースは果実ジュースだから、
たいてい甘酸っぱいも
のだ。ジュースに関係した言葉だから、水に
関係しているなと想像した。ジューシーというのは肉から出る汁の
ことを
言うのか?肉汁は果実の汁とはまるで性質が違う。
それなのに、どうしてジューシーと表現するのか英語国民の感

が理解できなかった。大袈裟に言えば、ここで挫折を感じた。
テレビでは肉を齧ってジューシーとよく言う。ジューシーというのは
どのようなことなのか本当に分かっているのだろうか

皆ながそう表現するから真似して言っているだけだろう。

日本語には風味を表す言葉が445語、英語には77語、ドイツ語に
は105語あるそうだ。
あるウエブサイトにタイの言語学者の話として、タイ語には味覚を
表す形容詞が14個あると書いてあった。
それを読んだ時、俺は「まさか!そんなに少ないはずはない!」と
思った。多分、言語学者は研究を進めるに当たって14個の代表的
形容詞を取り上げたのだろう。
それをタイ語には味覚を表す形容詞が14個しかないと考えた
日本人が間違っていると思う。
俺のつたないタイ語の知識で風味に関するタイ語を調べても、もっと
もっと沢山のタイ語がありそうだと分かってきた。
俺たちには何を
食っても辛くて舌が痺れてしまうタイ料理の中に、タイ人は微妙な
風味の差を感じ取り、それを言
葉で表現している。タイ語にも沢山
の風味を現す言葉があるはずだ。
会話や辞書で風味を表すタイ語を収集できても、俺にはその感覚
はなかなか理解できないと思う。例えば一人前に一掴みの生唐辛
子を入れた料理を食べると、「ペッディー」と言う。
「良い辛味」というような意味だ。恐ろしくて手も出せないから
「ペッディー」の感覚は俺には分からない。
味に関するタイ語を見ていたら、日本人が和食を愛するように、
タイ人も自分達のタイ料理をいかに愛しているか
分かった。

我々は風味を表す日本語を数多く後世に伝えていかなくてはいけ
ない。煎餅を齧って、割れる感覚は煎餅の風味の重要な要素だ。
あの感覚はパリパリとかバリバリと表現され、この二つの間には
微妙な差がある。
味ではなく触感だが、カリカリ、ガリガリ、ザクザクなんて言葉もある。
カリカリした食品にはどんな物があるかと聞かれれば、例えば硬い
梅干を、ザクザクした物と言われれば、例えば沢
庵を即座に日本
人は思い浮かべる。
この微妙な感覚の差を表現する英単語はないと思う。
なんでもかんでもマイルド、フルーティ、ジューシーというカタカナ
英語で風味を表現していたら、日本人の食に対す
る繊細な感覚
が失われてしまう。
更に言えば日本の食文化が陳腐なものになってしまう。
豊な日本の食文化を発展させるためにも、風味をカタカナ英語では
なく、日本語で表現する必要を強く感じてい
る。

2008/11/21


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2008年11月20日 (木)

ウチの料理で警察が

昨年の10月ロンドンの中心街で化学物質のにおいがすると通報が
あり、警察が道路を封鎖した。特殊スーツを着用した消防隊員が
においがでているタイ料理屋に突入した。
シェフは唐辛子を焦がしてチリソースを作っている所だった。
このにおいはタイ人でなくちゃわからない。
唐辛子を焦がせば、目に見えない煙がでてロンドン子はくしゃみ
をする。誰でも自分達の知らない食べ物のにおいを嗅いだら、
異臭と思う。くしゃみが出たから化学物質に間違いないと勘違い
するのも当然だ。

ウチでもしょっちゅう唐辛子を焦がす。
ご近所はもうこのにおいを知っているから、化学物質とは思わない。
そう願っている。
通りがかりの人がこの臭いを嗅いだならどうだろう?
「なんだこの異臭は?化学物質ではないか?」
「無差別テロかもしれない?」
なんて騒ぎ出し、警察に通報されたらどうなるだろう。
ロンドンの事件も他人事ではない。

2008/11/19


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2008年11月19日 (水)

イカと蛸

日本人はイカと蛸は完全に別の物と考える。
イカと蛸では足の数が違う。イカの足は10本だし、蛸の足は8本
だってことを日本人は子供でも知っている。
タイ人はイカも蛸も同じと考え、両方ともプラムックと呼んでいる。
魚屋とか水産関係者は両者をきちんと分けているはずだ。
辞書にはちゃんとイカは「プラムック」で蛸は「プラムック・ヨク」と
別々の言葉が出ている。

ところが「ヨク」という言葉に問題がある。
「ヨク」というのはタイの叙事詩ラーマヤナに出てくる巨人の悪魔
のことだ。この「ヨク」というタイ語を英訳すると「giant」となる。

タイの食べ物について調べていたら、プラムックヨクと言うタイ文字
の隣にgiant squidとあった。
「蛸というタイ語を英語に直訳してgiant squidとしたな。タイらしい
間違いだ」俺は一人でニンマリした。
確認のためそのウエブを見た。そうしたら本当に巨大なイカの
写真が出てきた。人間より大きなイカだ。
これって大王イカという奴じゃないか?
大王イカも蛸もプラムックヨクなんだ。

プラムックというのは「魚墨」と直訳できる。
イカも蛸も墨を吐くからプラムックなんだな。イカと蛸は姿形がまるで
違う。日本人は姿からイカと蛸を区別しているけど、タイ人は姿を
無視して墨を吐く共通
点でイカと蛸を結びつけている。

蛸のことをプラムックと言われると、俺はなんだかヒト間違いされた
気がする。

2008/11/19


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2008年11月18日 (火)

トックを使って

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韓国のトックをスーパーで見つけたヌチャナートはそれを求めて
きた。トックなんて知らないのに、物を見て、餅の薄切りと判断した
ようだ。食というのは保守的な物で、見知らぬ食品には手を出さ
ないものだ。新しい食品とか、知らない食品に手を出す
ヌチャナートに驚いた。
物を見ただけで、ヌチャナートの頭にはこれをどのようにしたら
美味しく食べられるか考え方ができあがっているようだ。

これと同じ物がタイにあるか聞いたら、「ない」と言う。
でもトックはコエチャップというタイの食材に似ていると言う。
おそらくヌチャナートはトックは韓国の食材ではなく日本の食材だ
と思って買っただろう。

頭の中にトックを使った料理ができあがっているので、ヌチャナート
は手早く料理を作った。俺は今までトックを使ったことがないが、
汁物の中に入れるとよさそうだなということは想像できた。
トックの正しい使い方がわからない。
ヌチャナートは水に浸したトックを鶏肉で出汁をとったスープに
入れていた。俺はトックの正しい使い方を知るため、トックが入って
いた袋の説明を見た。
「調理前に水につけなさい」と書いてある。
初めて使う食材なのに、日本語で書かれた説明も読めないのに、
正しい使い方をするヌチャナートに吃驚した。

スープには長葱と生姜しか入れてない。
単純な味だが、餅のむちむち感とあって美味しい。
生姜の香りがいい。
「唐辛子をいれて食べると美味しいわよ」
ああ、ここにも唐辛子が入るのだ。溜め息がでた。
タイ人にとっては唐辛子がない食事なんてサビ抜きの寿司なんだ
ろうな。

2008/11/18


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2008年11月12日 (水)

菜の花スープ

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菜の花と長葱のスープだ。
余計な物や余計な時間は使わない。
市販の粉末スープを使っただけだ。
これだけでも、いい味がでるよ。

2008/11/10


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豚ロースとタイの食習慣

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写真を見て、「この料理はタイ風」と感じる人はタイをよく知る人
だと思う。
日本には文明開化の時、肉料理が入ってきた。
それと同時に西洋風の食習慣が紹介された。
豚ロースの厚切りを食べるには、ナイフとフォークを使うものだと
された。しかし、食べつけない食器で食事をするのは面倒だ。
新しい食習慣も定着先で徐々に変化する。
トンカツのように和風化され、箸で食べるようになったのが良い
例だ。

同じ肉を食べるにも、タイ人には違った食習慣がある。
昔から肉料理を食べていたタイでは肉の食べ方も西洋とは違う。
独特な食習慣がタイでは形成されている。
タイの食事はフォークとスプーンで食べる。ナイフは使わない。
何故、ナイフを使わないのか?
その理由は簡単だ。使う必要がないからだ。
ナイフを使わなくてもいいように、切ってから出すか、柔らかに煮込
んでから出す。皮付きの豚足でもことこと長時間煮てスプーンで
食べられるようにして出す。

豚ロースに味付けしてフライパンで焼くと、写真のように、
食べやすい大きさに切り分ける。それをご飯の上に乗せて出す。
日本人は豚ロースを箸で食べられるように切ったなら、ご飯の横
に置く。それも切り分ける前の姿を変えないようにきちんと並べる。
タイ人はそんなことをしない。どさっと切った肉を飯の上に乗せる。
これをナムプリックと一緒に食べるのがタイ風だ。
もし、肉が大きすぎると思ったなら、スプーンを肉に押しつけて切る。
スプーンでも肉は切れますよ。

こんな簡単な料理の中にも食文化、食習慣の差が見えてくる。

2008/11/10


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渡り蟹と焼茄子

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この渡り蟹は手抜きサラダに使ったものと同じ材料だ。
茄子を焼いて皮を剥いた。
そこに渡り蟹のサラダを乗せた。
西洋風の蟹サラダだとどうなるかな?
多分、焼茄子と合わないと思う。
タイ風の蟹サラダだと、うまいこと味が合う。
軟らかい焼茄子と辛い蟹サラダを食べると、一風変わった味
となる。

2008/11/10


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渡り蟹の手抜きサラダ

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これは手抜き料理の一つだ。
缶詰の渡り蟹を買ってある。
忙しい時にこれを使う。
生の蟹を使うと、蟹肉を取り出すのが面倒だが、缶詰だと
簡単だ。
「あら、蟹が沢山あっていいわね」
ヌチャナートも缶詰にご機嫌だ。

2008/11/10


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茄子と挽肉の炒め物 タイスタイル

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茄子を炒めた物は美味しいので大好きだ。
挽肉と炒めるともっと美味しくなる。
中国の料理として麻婆茄子が宣伝されて久しい。
麻婆茄子は日本に定着したといえる。
タイ人が茄子と挽肉を炒めると、唐辛子が入る。
その辛さは麻婆茄子以上だ。
辛い物が好きという日本人にはこの味は受ける。
材料費も安いから主婦の味方だ。
ナンプラなどタイの食材を使う代わりに、醤油を使えば良いと思う。
のん兵衛の酒の肴にぴったりだよ。

2008/11/10

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2008年11月 9日 (日)

昨日の残り

カイランを買って来た。これを炒めた。
これは結構うまいものだが、食べ残した。
また温めて出してきたので、きれいな青が黄色くなっている。
食べると、傷みはじめていた。
美味しい時にちゃんと食べておけばよかった。
惜しいが捨てた。
食べ物を無駄にしてはいけない。

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2008/11/9


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空芯菜の炒め物

これも最近よく食べる料理になった。この野菜は昔はなかった。
日本の家庭ではこれをどうやって食べているのだろう?
空芯菜の筋は固い。噛み切るのが大変だ。
便秘に効きそうな料理だ。
単純な料理だからこそ、飽きがこない。
タイのレストランでこれを頼むと料理人が火傷をするのではないか
と心配になるほど、真っ赤な炎を高くあげながら作ってくれる。

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2008/11/8


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パッカパオヌア

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牛肉の炒め物だ。これは食うと旨いのだが、作っている時は大変
だ。唐辛子の煙でくしゃみが出る。
その苦しさを乗り越えると、美味しい料理がでてくる。
もちろん辛い料理だと思う。タイ料理だから辛くて当たり前だ。
こんな料理ばかり食べているので、辛いというのはどんなものか
わからなくなっている。
俺には辛くないが、日本人には辛いだろうな。

タイ料理も食べているうちに好きな物が決まってくる。
始めは好きだったのに、今では好きではないものもある。
その逆もある。
この料理は最初から好きだ。飽きが来ない。

2008/11/8


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ソムタムを作る音

最近は青いパパイヤが簡単に手に入るのでヌチャナートはソムタム
をよく食べる。パパイヤの千切りに唐辛子他を加えて臼で叩き
ながら調味料と混ぜ合わせて作るサ
ラダをソムタムと言う。
この料理はイサーン地方の名物料理で男より女が好む。
和食を作るのに、叩き潰すことはあるが、叩き潰しながら混ぜ合わ
せるという調理方法
はない。あっても少しだけだ。
ソムタムをはじめとして、タイ料理は叩き潰し混ぜ合わせることなし
には作れない。料
理を作るには調味料などを入れた臼を叩く
ポクポクという音が出る。これはウチの生活音だ。
これを五月蝿いと言われたなら、食べる物がなくなってしまう。

P1060841pct13

上階の家で工事をしているようだ。何かを叩く音がする。
「あら、あたしが料理を作っていると、こんな音がしているのね」
ヌチャナートはいつも自分が出している騒音に気づいたようだ。
「そうだね」
暫くすると、またポクポクと音がする。
「上の家でもソムタムを食べるようになったんだよ」
「まさか」

2008/11/9


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2008年11月 7日 (金)

ご飯がないからパットママー

今日はご飯がない。新たにご飯を炊くのも面倒だ。
「ご飯がないわよ。どうすんの?」
「うーん・・・・・・?」
どうすんの?なんて言われても困る。
自分で何を食いたいか考えるのが面倒なのだ。
だからいつも「なんでもいい」と応える。
その代わり俺は出された物は何でも食べなくてはいけない。
覚悟ができているから「なんでもいい」と言えるのだ。
今日はちょっと違った。食べたい物を指定した。
実は、本当にそれを食べたいのではなくて、思いついた料理の
名前を挙げただけだ。
「パットママー」
これはインスタントラーメンを使ったヤキソバだ。
ママーというのはタイで一番人気のあるインスタントラーメンの商品
名だ。インスタントラーメンの代名詞にもなるほどママーの名前は
浸透している。このインスタントラーメンは汁麺だ。これを使って
ヤキソバにしたものがパットママーだ。

インスタントラーメンを日本では汁麺以外に使わない。
日本人はインスタントのヤキソバが食いたければ、ヤキソバと書か
れた商品を買ってくる。ヤキソバをインスタントラーメンを使って
作るのは違法ではないが、異質、異端な料理法だと考えられている。
製造元は汁麺として売り出しても消費者はそれを素材と考え、汁麺
をヤキソバに使ってもいい。
この点 タイ人は日本人よりも考え方に柔軟性がある。

パットママーはタイでは人気がある。家庭料理として食べられている
だけではない。日本人の感覚では分からないことだが、屋台の店先
でもママーの袋が飾ってあり、それを調理して出してくれる。
レストランのメニューにもパットママーとあるのには驚かされた。

P1060831pct13

俺がパットママーと言ってから、直ぐに料理が出来上がってきた。
出てきたのは茹で麺の上に肉や野菜を炒めたものを乗せた
ラタナーだった。日本の餡かけそばだ。パットママーではなかったが、
これも美味しい麺の食べ方だ。


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2008/11/6

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味噌汁に唐辛子

「スープいるでしょ?」
「うん」
当然、タイのスープが出ると思った。
出てきたのは味噌汁だった。これをウチではナムスップミソと言って
いる。いい味の味噌汁を作るようになった。
お隣に持って行っても日本の味だと言われると思う。
その味噌汁なのだが、タイ料理と一緒に食べると、味ががらりと
変わってしまう。冷めた味噌汁なんて不味くて食えない。
あつあつの味噌汁をふうふう言いながら食べるのが、味噌汁の
正しい食べ方だ。
味噌汁に七味唐辛子をかけると風味がましてうまい。
俺の好きな味噌汁の食べ方だ。
味噌汁にかける七味唐辛子の中に含まれる唐辛子の量はちょっぴ
りだ。タイ料理に使う唐辛子は多い。
口の中は既に唐辛子の辛味で火を噴いている。
そこにあつあつの味噌汁が入った。
火に油をそそいだような、辛さが襲った。
俺は味噌汁を食うのを一時中断した。
「おいしい味噌汁よ」
そう言いながら、ヌチャナートは味噌汁を平らげた。

2008/11/8


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インスタントラーメン文化とママー

タイで一番人気のあるインスタントラーメンは「ママー」というブランド
の商品だ。「ママー」はインスタントラーメンの代名詞みたいな存在
だ。インスタントラーメンの種類はタイでも多い。
次々と新商品がだされるようだ。
食べ方は日本と同じだが、麺が少ないので湯の量も少なくする。

インスタントラーメンと言うのは日本では家庭内で食べる物だ。
家の外で食べることはない。例外はカップ麺だ。
コンビニでカップ麺を買い、魔法瓶のお湯を入れて、店で箸を貰い、
店先に座って食べている高校生をよく見る。

これがタイに行くと様相がちょっと違う。インスタントラーメンは屋台
などの定番料理なのだ。屋台のラーメン屋を覗くとガラスのショウ
ケースにママーが入っている。
注文するとママーにスープを加えて出してくれる。屋台とは言え、
料理店だ。料理店でインスタントラーメンを食べるなんて日本人の
感覚にはない。日本の屋台ラーメンに「◎◎チキンラーメン」なんて
置いても絶対に注文する人はいない。インスタントラーメンの袋を
屋台で見た時、
「何でこんなもんが売れるのだ?バッカじゃなかろか!」と思った。
どうしてこんな商売がタイでは成り立つのか不思議に思うだろう。

それにはそれなりの文化背景がある。
タイの食生活は極端な話、外食が基本だ。独身者の場合、家で料理
を作ることはない。大通りに出れば必ず屋台がある。裏通りのこんな
所にもと思われる場所に飯を食わせる店がある。
腹が減ったら、近くの店か屋台へ行って食べる。
あるいは店で料理を買って帰り、自宅で食べる。
「飯は買って食う」という社会構造が出来上がっている。
日本の場合、料理店で飯を食うのは特別な場合だから、綺麗な店、
グルメ情報にある店に行く。
タイの場合、外食は日常の食べる行為だから、着飾ってグルメレス
トランに行くことはない。腹が満たされればいいのだから、普段着で
近所の店や屋台に行く。
旨い物を出せば、裏通りでも店をやっていける。
自宅にガスも調理道具もない家も多いと思う。
市場や近所の雑貨店で袋入りのママーを買ってきても食べることが
できない。そんな状況だから、インスタントラーメンのママーが食い
たければ屋台でそれを注文するしかない。

それに気づけば、タイの屋台ではインスタントラーメンを定番料理
としてだせる理由を理解できる。

2008/11/8


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2008年11月 3日 (月)

肉ジャガ風

「いつもタイ料理ばかりだから、今日は日本の料理を作るわ」
そう言いながら料理を作り始めた。
「味噌味にするわね」

日本人は「タイ料理はくさい」と言う。
ウチでは珍しい味噌のにおいがし始めた。
あまり嗅がないにおいだから、味噌はくさいと感じた。
慣れ親しんだにおいはくさいと感じないが、たまに感じるにおいは
くさいと感じるものだ。日本人と結婚した白人が味噌や醤油のにおい
がくさいという気持ちがわかる。このにおいをタイで嗅いだなら、
タイ人も「日本人の料理はくさい」と言うはずだ。

「日本の料理は簡単でいいわ」
普通の家庭で食べる日本の料理は、切って調理するだけだ。
タイ料理の場合、香草を臼でポクポクと叩き調味料を自分で作り、
野菜や肉を作り上げた調味料と一緒に加熱する。調理の工程が
一段へるから、日本の料理は簡単でいいとヌチャナートは言うようだ。

肉ジャガ風の料理が出来てきた。
「生唐辛子をいれるでしょ?」
深く考えずに生唐辛子を入れて貰うことにした。
俺の頭の中では肉ジャガに七味唐辛子を入れる感覚だった。
何時ものタイ料理を食べる感覚で、唐辛子と肉ジャガをスプーンで
とって口に入れた。日本の料理はタイ料理に比べて塩分が多い。
それと日本の料理は温度が高い。
塩分が多い上に温度が高い料理に生唐辛子が加わった。
唐辛子の辛味が強烈にきた。

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タイ料理の場合、香草の香りに隠されて米の香りは感じない。
ウチではタイ料理ばかり食っているので、安い米でも十分に間に
合う。肉ジャガと米の飯の場合、米の香り、米のウマさの差が
はっきり分かる。
こういう料理の場合は、旨い米が欲しいな。

2008/11/2


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焼茄子

今日は茄子を焼いた。タイにも焼茄子はある。
タイの青空市場に行く。日本人にはお祭広場のように見えるが、
これがタイの日常生活だ。ここで必要な物を買って行く。
その市場が楽しい。客と店との対話がある。
俺のいい加減なタイ語を聞いて、いろいろ教えてくれる。
飾り気のなさ、人なつっこさが青空市場にはある。
そんな市場で焼茄子が売られている。
タイの茄子だから緑色だ。焼茄子は美味しいんだよね。

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今日は日本風にした。生姜と葱と醤油で食べた。

2008/11/3

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芋茎のトムチュート

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スーパーに生の芋茎があった。それを見るとヌチャナートは駆け
寄った。あまり、生の芋茎を見かけない。
ヌチャナートは生の芋茎が好きらしい。
芋茎を見かけると必ず買う。
今日は芋茎と竹の子と豚でトムチュートにしてくれた。
コブミカンの葉で香りをつけた。
これは日本人にも受ける料理だ。
慌てて食べると芋茎は熱いから気をつけないといけない。

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2008/11/2


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青いパパイヤ

数年前には青いパパイヤを買うにはタイの食材店に行かなくては
ならなかった。値段も高かった。タイでパパイヤが幾らなのか知って
いるので、タイ人の感覚では法外に高い値段のパパイヤを買う気
にならなかった。
最近は、スーパーでも青いパパイヤを見かけるようになった。
それを見ると、大好きなソムタムを作るたにヌチャナートは必ず買う。

タイ人が美味しいというソムタムは魚の漬物を入れるから、くさくて
食えない。魚の漬物ならまだいい。タイでは沢蟹のような小さな黒い
蟹を生きたまますり臼のような器にいれて
叩き潰して食べる。
沢蟹には寄生虫がいるのではないかと心配で俺は食べられない。

最近、俺はソムタムを食べない。俺が食べないからヌチャナートは
自分好みの味にしている。
「おいしいわ」一人で呟きながら食べている。
俺は冷ややかに見ている。
辛いソムタムが欲しくなると、やたらと唐辛子を加えるみたいだ。
それをヒィヒィ言いながら食べている。
ヌチャナートが辛いと言うのだから、相当に辛い。
辛さに参ってしまうのかと思うと、そうではない。
「ヒィー!辛い!辛くていいわ!」
そう言いながらまた辛いソムタムを食べている。

ウチでは青いパパイヤをソムタムにしているが、日本人の家庭では
青いパパイヤをどのように食べる
のか?
まさかソムタムにするのではないだろう。
サラダにするのかな?味噌汁の具にもなるな。

今までパパイヤは熱帯の果物という位置づけだったが、これから
はパパイヤは野菜となるな。

2008/11/3


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2008年11月 2日 (日)

ぶっかけ飯

料理の名前を忘れたからぶっかけ飯としておこう。
タイの屋台などでよくある食べ方だ。
これを食いながら思った。
牛丼、天丼、親子丼、カツ丼などは日本のぶっかけ飯だ。
天丼に松竹梅の位があるとしよう。奮発して松の位の天丼をタイ人
にご馳走しても、タイ人は屋台で食べる安いぶっかけ飯を思い出す
のではないかな?

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日本人の食事作法ではおかずを飯の上に乗せて食べるのは
お行儀が悪い、見苦しい食べ方だ。
こうやっておかずを飯にぶっかけて食べると、美味しい。
どうして日本人は飯を美味しく食べられるぶっかけ飯をお行儀が
悪いとしたのだろう。主食である米の飯をいかにおいしく食べるか
突き詰めて食文化が出来上がっていく。
温かいご飯に刻んだお新香を混ぜると旨い。これも行儀が悪い
食べ方だ。こう考えると、日本の食事作法はご飯を美味しく食べる
方法を無視しているな。

2008/11/1


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茄子を炒める

ここ暫くは茄子料理が続く。先日、タイの丸茄子を大量に買い込ん
だ。緑色の丸茄子をタイカレーに入れても日本人は驚かないが、
タイ人は煮込み料理より、丸茄子を生食するのを好むのを知ると
日本人は驚く。ヘタの部分を切り落とし、十文字に切り込みを入れ
る。パカっと丸茄子を割って唐辛子ペーストをつけて食べている。
やってみると、あんがい旨い物だ。

その他にバーゲンで日本の紫色の茄子を買って来た。
安いから買い込む主婦の習性で買ったものだ。
丸茄子の上に日本の茄子が加わった。
しばらく茄子料理が続くことを覚悟した。

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バーゲンの茄子で炒め物を作ってくれた。
茄子の炒め物はどのように味付けしても美味しく食べられる。
秋茄子は嫁に食わすなという言葉がある。
確かに秋は茄子が旨い季節だ。

2008/11/1


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西洋梨とタガメの香り

西洋梨を買った。この香りはタイ人が料理によく使うタガメの香りに
似ている。柿のような寒い所で育つ果物もタイでは売っている。
おそらく恐らく中国から輸入されたものだろう。
まだ西洋梨がタイで売られているのを見たことがない。
ヌチャナートが知らない西洋梨を食べさせて、タガメとの関係を
知ってもらおうと思った。

タガメと言うのはゲンゴロウの親分のように大きな昆虫だ。
英語ではwater beetleという。beetleと言うのだから甲虫の仲間
らしい。水棲の甲虫と英語国民は考えるのだ。なんとなく笑った。

タガメをタイ人は食べるし、バッタよりも高い値段で売っている。
どうやら油で揚げてあるようだ。何度か食べようと思い買ったの
だが、勇気がなくて食べられない。昆虫とは言え、食べ物だ。
食べ物を食べるのに勇気が必要なのに笑った。
頭の中では安全な食品だとわかっている。
しかし昆虫は食べモンではないと思っているから、食べだすには
勇気が必要なのだ。買ったが食べないタガメを子供に上げると、
美味しそうに食べる。思い切ってタガメを食べたら、翌日は腹を
壊したという話を何処かで読んだ。
俺は思うにそれはタガメのせいではなく、別の要因だと思う。

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店で売られているものはオスだかメスで香りがない。
食べたことがないのに、断定するのはいけないな。
香りを出す物は高値で別の所に売るようだ。
タガメを買い取った会社はタガメから香りのエキスを抽出する。
そのエキスをちょっぴりサラダに混ぜる。
実に華やかな西洋梨の香りが漂う。
女はその香りに酔う。みんなうっとりとした表情で「美味しい、
いい香り」となる。その香りがタガメから来ていると知ると、途端に
食が進まなくなる。

タガメのエキスを小さな瓶に入れて売っている。
タイ人にとっては便利な商品なのだが、俺はこのエキスが入った
サラダもなんとなく食べない。

2008・11・1


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蕪のトムチュート

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蕪のトムチュートを作ってくれた。蕪の上の黒いボツボツは黒胡椒
だ。漬物にするのかと思った蕪を煮込んだ。
蕪を漬物にすると歯ざわりがしゃきしゃきしている。
煮込んだ蕪はしなやかで口の中でとろける。
長ネギも甘くて美味しい。
生のナンプラには強いにおいがあるが、こうして加熱するとにおい
が飛んでしまい旨味だけが残る。
この蕪のトムチュートなら西洋人も「おいしいスープ」評価するはずだ。

2008/11/1


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