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2008年11月21日 (金)

風味を表す言葉

最近のテレビの食品関係の番組を見ていると、風味を表現するの
にフルーティーとかマイルドというカタカナ英語をよ
く使っているの
が気にかかる。この二つの言葉は日本人の感覚とほぼ同じよう
だから俺は許容範囲に入れている。
俺は英語の文献を読むと出てくる、肉の旨さを表すジューシーと
いう感覚を理解するのに苦労した。ジューシーはジュースの派生語
だ。俺がその当時知っていたジュースは果実ジュースだから、
たいてい甘酸っぱいも
のだ。ジュースに関係した言葉だから、水に
関係しているなと想像した。ジューシーというのは肉から出る汁の
ことを
言うのか?肉汁は果実の汁とはまるで性質が違う。
それなのに、どうしてジューシーと表現するのか英語国民の感

が理解できなかった。大袈裟に言えば、ここで挫折を感じた。
テレビでは肉を齧ってジューシーとよく言う。ジューシーというのは
どのようなことなのか本当に分かっているのだろうか

皆ながそう表現するから真似して言っているだけだろう。

日本語には風味を表す言葉が445語、英語には77語、ドイツ語に
は105語あるそうだ。
あるウエブサイトにタイの言語学者の話として、タイ語には味覚を
表す形容詞が14個あると書いてあった。
それを読んだ時、俺は「まさか!そんなに少ないはずはない!」と
思った。多分、言語学者は研究を進めるに当たって14個の代表的
形容詞を取り上げたのだろう。
それをタイ語には味覚を表す形容詞が14個しかないと考えた
日本人が間違っていると思う。
俺のつたないタイ語の知識で風味に関するタイ語を調べても、もっと
もっと沢山のタイ語がありそうだと分かってきた。
俺たちには何を
食っても辛くて舌が痺れてしまうタイ料理の中に、タイ人は微妙な
風味の差を感じ取り、それを言
葉で表現している。タイ語にも沢山
の風味を現す言葉があるはずだ。
会話や辞書で風味を表すタイ語を収集できても、俺にはその感覚
はなかなか理解できないと思う。例えば一人前に一掴みの生唐辛
子を入れた料理を食べると、「ペッディー」と言う。
「良い辛味」というような意味だ。恐ろしくて手も出せないから
「ペッディー」の感覚は俺には分からない。
味に関するタイ語を見ていたら、日本人が和食を愛するように、
タイ人も自分達のタイ料理をいかに愛しているか
分かった。

我々は風味を表す日本語を数多く後世に伝えていかなくてはいけ
ない。煎餅を齧って、割れる感覚は煎餅の風味の重要な要素だ。
あの感覚はパリパリとかバリバリと表現され、この二つの間には
微妙な差がある。
味ではなく触感だが、カリカリ、ガリガリ、ザクザクなんて言葉もある。
カリカリした食品にはどんな物があるかと聞かれれば、例えば硬い
梅干を、ザクザクした物と言われれば、例えば沢
庵を即座に日本
人は思い浮かべる。
この微妙な感覚の差を表現する英単語はないと思う。
なんでもかんでもマイルド、フルーティ、ジューシーというカタカナ
英語で風味を表現していたら、日本人の食に対す
る繊細な感覚
が失われてしまう。
更に言えば日本の食文化が陳腐なものになってしまう。
豊な日本の食文化を発展させるためにも、風味をカタカナ英語では
なく、日本語で表現する必要を強く感じてい
る。

2008/11/21


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2008年11月20日 (木)

ウチの料理で警察が

昨年の10月ロンドンの中心街で化学物質のにおいがすると通報が
あり、警察が道路を封鎖した。特殊スーツを着用した消防隊員が
においがでているタイ料理屋に突入した。
シェフは唐辛子を焦がしてチリソースを作っている所だった。
このにおいはタイ人でなくちゃわからない。
唐辛子を焦がせば、目に見えない煙がでてロンドン子はくしゃみ
をする。誰でも自分達の知らない食べ物のにおいを嗅いだら、
異臭と思う。くしゃみが出たから化学物質に間違いないと勘違い
するのも当然だ。

ウチでもしょっちゅう唐辛子を焦がす。
ご近所はもうこのにおいを知っているから、化学物質とは思わない。
そう願っている。
通りがかりの人がこの臭いを嗅いだならどうだろう?
「なんだこの異臭は?化学物質ではないか?」
「無差別テロかもしれない?」
なんて騒ぎ出し、警察に通報されたらどうなるだろう。
ロンドンの事件も他人事ではない。

2008/11/19


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2008年11月19日 (水)

イカと蛸

日本人はイカと蛸は完全に別の物と考える。
イカと蛸では足の数が違う。イカの足は10本だし、蛸の足は8本
だってことを日本人は子供でも知っている。
タイ人はイカも蛸も同じと考え、両方ともプラムックと呼んでいる。
魚屋とか水産関係者は両者をきちんと分けているはずだ。
辞書にはちゃんとイカは「プラムック」で蛸は「プラムック・ヨク」と
別々の言葉が出ている。

ところが「ヨク」という言葉に問題がある。
「ヨク」というのはタイの叙事詩ラーマヤナに出てくる巨人の悪魔
のことだ。この「ヨク」というタイ語を英訳すると「giant」となる。

タイの食べ物について調べていたら、プラムックヨクと言うタイ文字
の隣にgiant squidとあった。
「蛸というタイ語を英語に直訳してgiant squidとしたな。タイらしい
間違いだ」俺は一人でニンマリした。
確認のためそのウエブを見た。そうしたら本当に巨大なイカの
写真が出てきた。人間より大きなイカだ。
これって大王イカという奴じゃないか?
大王イカも蛸もプラムックヨクなんだ。

プラムックというのは「魚墨」と直訳できる。
イカも蛸も墨を吐くからプラムックなんだな。イカと蛸は姿形がまるで
違う。日本人は姿からイカと蛸を区別しているけど、タイ人は姿を
無視して墨を吐く共通
点でイカと蛸を結びつけている。

蛸のことをプラムックと言われると、俺はなんだかヒト間違いされた
気がする。

2008/11/19


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2008年11月18日 (火)

トックを使って

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韓国のトックをスーパーで見つけたヌチャナートはそれを求めて
きた。トックなんて知らないのに、物を見て、餅の薄切りと判断した
ようだ。食というのは保守的な物で、見知らぬ食品には手を出さ
ないものだ。新しい食品とか、知らない食品に手を出す
ヌチャナートに驚いた。
物を見ただけで、ヌチャナートの頭にはこれをどのようにしたら
美味しく食べられるか考え方ができあがっているようだ。

これと同じ物がタイにあるか聞いたら、「ない」と言う。
でもトックはコエチャップというタイの食材に似ていると言う。
おそらくヌチャナートはトックは韓国の食材ではなく日本の食材だ
と思って買っただろう。

頭の中にトックを使った料理ができあがっているので、ヌチャナート
は手早く料理を作った。俺は今までトックを使ったことがないが、
汁物の中に入れるとよさそうだなということは想像できた。
トックの正しい使い方がわからない。
ヌチャナートは水に浸したトックを鶏肉で出汁をとったスープに
入れていた。俺はトックの正しい使い方を知るため、トックが入って
いた袋の説明を見た。
「調理前に水につけなさい」と書いてある。
初めて使う食材なのに、日本語で書かれた説明も読めないのに、
正しい使い方をするヌチャナートに吃驚した。

スープには長葱と生姜しか入れてない。
単純な味だが、餅のむちむち感とあって美味しい。
生姜の香りがいい。
「唐辛子をいれて食べると美味しいわよ」
ああ、ここにも唐辛子が入るのだ。溜め息がでた。
タイ人にとっては唐辛子がない食事なんてサビ抜きの寿司なんだ
ろうな。

2008/11/18


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