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2008年12月11日 (木)

タイの料理学校

バンコックにある一流ホテルのサイトを見ていた。
そのホテルは料理学校をもち、シェフが料理を教える。
そのカリキュラムを見た。
しっかりしたホテルだから、いろいろな料理を教えてくれる。
西洋料理はもちろん、タイ料理も古典的なものから現代風のもの
まで教える。ずらずらとカリキュラムを見ていると、四日間の
日本料理コースがあった。

第一日目の料理は味噌汁と天麩羅と握り寿司だ。
タイ人から見ると、天麩羅と握り寿司は典型的な和食だ。
まあまあ標準的な料理だ。和食の教育内容としてはいい教材だと
思う。

第二日目は茶碗蒸しがある。タイにも茶碗蒸しはあるけど、これを
和風だしでつくるのだろう。この味がタイ人に好まれるかどうかは
別として、教材として茶碗蒸しはいい。
スが入らないように作るにはコツがいる。
そのコツを伝授するから、教える側にしても教えがいがある。

次にカリフォルニア巻というのがあった。
なんじゃ、これ???これを和食と称するのを許せるか?
日本の高度成長の波に乗って、寿司がカリフォルニアに入った。
そこで寿司が変化した。日本人が寿司ネタと考えないアボガドの
ようなものを使った巻き寿司などが米国で発明された。
それらの新しい巻き寿司をカリフォルニア巻と称した。
その米国生まれの巻き寿司が日本に逆上陸し、回転寿司などで
売れている。カリフォルニア巻の背景を知らないタイ人は、カリフォル
ニア巻は日本の寿司だと勘違いした。
勘違いしたままタイ人シェフはカリフォルニア巻の作り方を覚えた。
覚えた料理を学校で和食として教えるのだ。
俺としては複雑な気持ちになる。

もしミシュランの覆面審査員がこのホテルの和食レストランでカリ
フォルニア巻を食べて、
「これは、旨い!三ツ星だ!」
なんてことを言ったなら、どうしようと余計な心配をしている。

お次は揚げだし豆腐だ。俺が好きな料理だから、文句はない。
これは立派な和食だが、作り方は簡単だ。出汁が決めてだ。
富士スーパーで和風だしを買ってきて水で薄めろなんて言ったら
商売にならないから、出汁の取り方から教えるの
かな?

第三日目あたりから、そろそろおかしくなる。
第一品は稲庭ひやしうどんだ。
暑い国だから、冷やしうどんはいいと思う。
でもこの味はタイ人の好みに合うのかな?
タイ人は唐辛子をつけ汁に沢山入れて、はじめて「これなら食える」
と言うと思う。

うどんの次はトンカツだ。たしかに俺たちはトンカツをよく食う。
しかし、俺たちにとってトンカツは洋食だ。純粋な和食ではない。
俺たちはよく和風作りの店で箸を使ってトンカツを食うから、タイ人
から見たら和食だと思うのだろう。日本人の食事としてトンカツを
紹介するのはいいけど、トンカツを和食としてタイに紹介されるのは、
ちょっと迷惑
だ。日本には伝統的な美味しくて、綺麗な料理がある。
そっちを紹介してもらいたいと俺は思ってしまう。

デザートなのだろうか、お汁粉が教材になっている。
うーん、まあいいっか。

第四日目になるとワケの分からない料理名がでてきた。
多分野菜付け合せだと思う。
その次が鶏唐揚だ。似たようなものがタイにもある。
ド田舎は別として、ケンタッキーフライドチキンもタイにある。
こんなものを和食としていいのだろうか?

最後に親子丼が出てきた。まあなぁー!これは和食だよね。
日本人なら、味の良し悪しは別にして、習わなくとも作ってしまう。
タイ人は作り方を教わらないと作れないから、これが教材になるのも
仕方がないかな。

俺たちがタイで料理を指差すと、その料理を飯に乗せてくれる。
そんな料理を俺たちは「ぶっかけ飯」と呼んでいる。
親子丼のことをタイ人は日本のぶっかけ飯と思うだろうな。

カリキュラムをざーっと見た。最後に授業料が出ている。
日本円で約4万円だ。タイの物価、庶民の生活から考えると大金だ。
こんなホテルで授業を受けるのは金持ち階級だけだ。
タイの金持ちは日本の金持ちとはケタが違う。大富豪だ。
一握りの人々が国の富の殆どを握っている。
そんな人々にとってこの授業料は、はした金にもならない。

これはあくまでもタイ人を対象にした料理教室だ。
勘違いでもタイ人が日本の料理、和食と考える料理を教えなくては
いけない。作り方を覚えて、生徒が自宅で再現して、家族が美味しい
と考える料理を教えなくてはいけない。
懐石料理のような繊細な味の料理を教えても、タイ人は美味しいと
感じない。料理教室も商売だから、お客さんが美味しいと感じる
料理を教えなくてはいけない。
そんな、こんなを考えるとこのカリキュラムはよくできていると思う。

2008/12/11


TREview

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