ゲンオンマクア ラオス風シチュウ
「ごはん、すぐ作るからね」そう言うと食事の準備に入った。
調理の手順が体に刻み込まれているのだろうか、無駄な動きが
ない。ニンニクの甘皮、あのとり難い薄い皮もするりと剥きとる。
鍋を火にかけると、そのまま煮えるのを待つ。
達人というのは手をかけなくてはいけないところは徹底的に手を
かける。手をかけなくてもいいところは、手を抜く。
それを心得ているから、楽をしながら料理ができるのだな。
ゲンオンマクアと呼んでいるラオス風のシチュウができてきた。
タイの東北部ではラオス料理をよく食べる。
ラオス料理を出す時、ヌチャナートはいつも笑いながら言う。
「これラオス料理よ。サミイはタイでなくてラオス料理を食べるのね」
どうして俺がラオス料理を食べるとおかしいのだろうか?
タイ人はタイ料理とラオス料理の違いが分かるのだろうけど、
俺たちにはわからない。俺たちにはタイ、ラオス、カンボジア、ベト
ナム料理の区別がつかない。みーんな同んなじタイ料理だ。
東南アジアの皆さん、ごめんなさい。本当にわからないのです。
ラオスであろうとタイであろうと俺には変わりがない。
出された料理を食う。日本の濃い紫の茄子が入っている。
柔らかに煮えている。これ以上カロリーをとってはいけないと思い
ながらも食べてしまう。食べながらなんとなく違和感を感じた。
「もしタイなら、緑の茄子を使うんだろう?」
「そうね」
もし、タイでこのシチュウを食べたなら、ピンポン玉のような緑の
茄子がシチュウに入っている。
茄子の色の違いが違和感の原因だった。
2009/6/25
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