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2009年7月30日 (木)

今年はまだやっていない

暑い日が続く。金も時間もかけずにできる究極の暑さしのぎがある。
今年はまだやっていない。まだそれほど暑さを感じないからだ。
その方法は簡単だ。
まず水風呂を用意する。水風呂は実に気持ちがいい。
それから冷蔵庫から持ってきたビールを水風呂の中で飲む。
下戸の方は氷水でもよい。
そうすると体の中と外から徐々に冷え、しばし暑さを忘れることが
できる。効果的にやると三日ほど暑さを感じない。
それってもしかして・・・・・?
そうです、場合によっては命がけの暑さしのぎです。
間違いなく、暑さを忘れるよ。
それだけは保証する。

2009/7/29

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水を被る

暑い日が続いている。こんな日は水を被るのが一番良い。
タイの中流、上流階級の家では温水シャワーや西洋式の風呂が
ある。温水を浴びたり、熱い湯に入るのが中上流階級の風呂浴び
だ。タイの庶民の家庭でで風呂に入るというのは水を被ることだ。
庶民の家では風呂桶のような所に水を溜めておき、その水を被る。
風呂とトイレが同じところにあるので、風呂桶の水は用便後の尻を
洗うのにも使われる。間違っても風呂桶の水を飲んではいけない。

そんな生活を経験していると、暑い時には水を被るのが一番気持ち
がいいと分かる。お湯を使わないから、流行の言葉ではエコ的生活
だ。タイ人と結婚している人なら、みんな暑い日には水を被ると思っ
ていた。どうやら水を被らない人もいるようだ。

暑いとはどういうことなのか実験した。
頭に薬缶一杯ほどの水をかける。水は首、肩、胴と流れ下る。
そしてふくらはぎに達すると冷たかった水が生温かくなる。
「自分の体温でお湯を沸かした!」ときっと驚く。

風呂と言えば水を被ることしか知らないタイ人はお湯の風呂に入る
のを恐がるそうだ。タイのホテルに温水シャワーがあった。
久し振りに温水で身体を洗い、ベランダで夜風を浴びる。
冷たいビールを飲むと実に気持ちが良い。
連れてきた子供達に風呂に入るように言った。
だが、子供達は初めて経験する温水シャワーを恐がって誰も使おう
としない。タイ人は温水の風呂やシャワーを恐がるのは本当のようだ。

2009/7/29

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カオパット、タイ流焼飯

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「カオパット、作るわね」
俺が好きなカオパットとかバーミーナムなんていつも馬鹿にしている
のに珍しいことを言う。炊飯器に飯がちょっとだけ残っていた飯を使
ってカオパットにする。
「卵、ある?」冷蔵庫にも何処にも卵はない。
「なければいいわ」
いつもは卵がなければカオパットではないと言うのに、今日は卵なし
で良いという。その理由は簡単だ。
自分では食べず、俺に食わせるカオパットだからだ。
肉もタマネギも入っていない。塩味だけのカオパットを作っている。
昨日、牛筋からとった油を使ってご飯を炒めているのが俺には面白
い。この油で炒めたものは冷めると不味くなる。
温かいうちに食べた。
飯粒の表面が乾き、飯粒はくっついていない。
具は何も入っていないカオパットだが花マルをあげたいほどよく出来
ている。じりじりと照りつける日差しのなかで蝉が鳴いている。
タイを思わせる料理だ。いつもはレモンを絞ってから食べるのだが、
今日はレモンを使わずそのまま食べた。

2009/7/29

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2009年7月29日 (水)

やっぱりダメだ

今まで、ヌチャナートは漬物に醤油をつけることを知らなかった。
先日、ヌチャナートは蕪と胡瓜の漬物に醤油をつけると美味いと
知った。醤油をつけると美味いと知ったなら、次回は漬物と醤油を
一緒にだすかなと思っていたが、やっぱりダメだ。
漬物だけをだして、醤油を出さなかった。
人間は今までの習慣どおりにしかできないのだ。
特に食習慣を変えるのは大変だ。
俺は食習慣を完全にタイ料理に切り替えているのに、いらいらしない。
俺は珍獣に属するのかな?

ウチには唐辛子がなくなったことを先回の記事に書いた。
唐辛子なしの生活を暫く続けることになるのか?
辛味のないどんな料理が出てくるのか楽しみにした。
「唐辛子がないのよ」
「・・・・」俺は黙ってヌチャナートの顔を見た。
「生も乾燥もないのよ」
「・・・・」この後、なんと言うのか楽しみだ。
「明日、買ってこなくちゃ」
ああ、やっぱり、タイ人の食生活に唐辛子は欠かせないのだ。
「唐辛子がなくても平気よ」なんて言ったのは強がりだったのか?

2009/7/29

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2009年7月28日 (火)

耳で食べる料理

日本人は和食は繊細だが、タイ料理は大雑把だと思っている。
俺もその一人だが考えが少々変わった。
タイ人はタイ料理の中にあるいろいろな繊細な味や香りを判別でき
るが、唐辛子の辛さで舌が麻痺し
て日本人の俺にはそれを判別で
きない。味や香りを判別できればタイ料理の繊細さがわかる。
それが
分からないのでタイ料理を食べている時に悔しい思いに駆
られる。あの辛さの中で、レモングラスの香りが強くて美味いとか
不味いなんてタイ人でなくてはなかなか識
別できない。

料理で大切なのは舌で感じる味だと誰でもいう。
鼻で感じる香りも料理の大切な要素だ。
ここまではタイ人の感覚と日本人の感覚は同じだ。
日本の料理とタイの料理を比べると、タイの料理には目を楽しませ
るという感覚が和食より少ない。
料理を引き立たせるために、料理を盛り付ける器にも日本人はこだ
わる。タイの富裕層の家庭では器
にも気を使っていると思うが、
田舎の庶民の家庭や一膳飯屋などでは器に気を使うことはない。
気を
使うほど食器をもっていないのかもしれない。
屋台では数十本の切り傷痕があるプラスチックの皿に
料理を盛って
だすこともある。器まで気を使わないようだ。

大雑把に見ると味がよければ、香りが良ければいいでしょうという
のがタイ人の感覚だ。タイ人には目で食うという感覚は少ない。
「こんなに綺麗に盛り付けたのに、日本人にはこの美しさがわから
ない」とタイの料理人は日本人が
理解できないことを嘆いているか
な?日本人とタイ人の感覚の差があるだろう。
俺から見ると、タイ人は料理の見かけにこだわらない。

最近、耳も料理にとって大切な器官だと思うようになった。
料理にいろいろな名前をつける。名前の響きが耳に聞こえる。
その音で料理を想像する。これも食を楽しむ大切な要素だ。
飛び切り辛いラーメンだと、「鬼ラーメン」「地獄ラーメン」なんて名前
をつけている店がある。和菓子などでは源氏物語などロマンチック
な物語から名前をとることもある。
多くのタイ料理は「○○の煮物、炒め物」と言った名前が多いが、
耳で楽しませる料理もある。
例えば故事などから取った「泣く虎」なんて名前の焼肉料理だ。
「ほほーっ」と感心させる名前をつけるには遊び心がないと出来
ない。タイ人も耳で料理を食べるのだと気がついたら、なんとなく
楽しい気分になった。

2009/7/28

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塩漬け魚の頭

魚が安いと買い込んで塩漬けにしておく。
そんな塩漬けの魚がウチには何種類もある。
鮭のような大きな魚から豆鰺のような小さな魚まである。
タイの田舎の家庭にある自家製食材がウチにあると思ってもいい。
中にはひどい悪臭を放つものがある。それが美味しいらしいのだ。
毎日、ヌチャナートのタイ料理を食べているが、そのくさい魚だけは
勘弁してもらっている。

今日の魚は日本人なら開きにして保存する大きさの鰺だとしよう。
ヌチャナートはそれを塩漬けにして保存する。
熱帯での経験が豊富だから、ヌチャナートが漬け込んだ魚は絶対
に腐らない。塩漬けにした魚を焼くと、生魚や開きを焼いたのとは
違う美味さができている。
でも俺は極めて簡単な理由でいつも落ち着かない気分になる。
塩漬けしてから焼いた魚に頭がついていないからだ。
鰺の開きだって頭をつけたまま乾燥させてから焼く。
頭がない焼き魚を見ると落ち着かない。

頭は食べないし、頭をつけておけば漬込み容器も大きな物が必要
になる。頭を切り落として置く方が合理的だ。
鰺程度の大きさの魚を焼く場合、頭をつけたまま焼くのが俺達の
習慣だ。俺たちは鯛でなくとも尾頭付きで焼くのが上等な作法と考
えている。これをヌチャナートに説明しても「日本人は馬っ鹿みたい」
と考えるだろう。

どうせ頭は食べないのだから、最初から切り落としてあるほうが
親切だ。しかし日本人には「小さな親切、大きなお節介」と感じる。
日本人がタイ流の塩漬け魚の作り方を学んだら、きっと頭をつけた
まま塩漬けすると思う。俺も頭をつけたまま塩漬けにする。

もしかすると、頭を切り落とすのは合理性からきているのではなくて、
迷信からきているのかもしれない。

2009/7/27

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ベルノミを煎じる

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タイ語でマトゥームมะตูมと呼ぶおかしな乾物がある。
日本語ではベルノミと言うそうだ。
蜜柑を輪切りにしたような形で、漢方薬という雰囲気がでている。
これを煎じると飲み物になる。
タイの市場に行けば、何処でも売っている。
俺がこんな物を買って帰ると、タイ人は「また変なものを買ってきた」
と笑う。俺はこのような物を見ると、味見してみたくなる癖がある。
ガイドブックにあるトムヤンクンや宮廷料理はタイ料理のほんの
一部だ。タイの食生活は幅広く、奥が深いから総合的に見るには、
あくなき探究心と好奇心がなくては勤まらない。
ちょっとだけ甘味があって、なんだか薬草のような香りがある。
苦味はない。美味いか?って聞かれると「うーん」と答える。
じゃあ、不味いのか?って聞かれても返事に困り「うーん」となる。
なんとも言いようのない甘茶のような味だ。
冷やして砂糖を入れると美味しくなると言う。
冷たいお茶、麦茶、ウーロン茶の類と思えばいい。
喉が渇いたら飲むものは、フルーツジュースのように濃い味や香り
のものは適さない。このようなさっぱり味の方がいい。
「うーん」と返事に困る程度の味の濃さでちょうどいいのだろうな。
これを飲むと体温がを下がるとか、疲れが取れるとか、蚊に刺され
ないとか霊験あらたかな飲み物の感じがする。
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話が変わるが町や市場のあちこちに薬酒屋がある。
そこで薬酒をぎゅーっと一杯ひっかける。すると薬酒屋は開店以来
一度も洗ったことがないコップに冷たい水を入れて出す。
「汚ったねー!」なんて言っていられない。
暑い中を歩き回りほてった身体に、強い酒を一気に飲んだ後だ。
出された水をぎゅーっと飲み干す。冷たい水が気持ちいい。
店によってはただの水だ。ちょっと香りがある黄色みを帯びた水を
だす店もある。あの香りがこの水なのかな。

2009/7/27

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忘れていた日本の味

蕪や胡瓜をヌチャナートは漬けるようになった。
今では、ご近所の奥さんが作った味と変わらない味の漬物を作る。
これをタイ人が作った漬物だと誰も思わない。
その漬物を箸で摘んだり、楊枝で刺して食べていた。
そんな食べ方に俺は何の疑問ももたなかった。
漬物を肴に酒を飲んだり、飯を食っていた。
これが当たり前だと思っていたが、今日は何かがおかしいと気付
いた。日本人は漬物には醤油をかけたり、醤油をつけて食べる。
俺は漬けあがったものをそのまま食べていた。
タイ料理は一般的に塩味が薄い。
薄塩の漬物はタイ料理の塩味と同じ程度だ。
いつもの塩味と同じなので、ちょうど良い塩味だと思っていた。
日本人はこの塩味の上にさらに醤油を加えることを思い出した。
すっかり忘れていた日本の味を思い出したら、醤油をつけて漬物を
食べたくなった。醤油をつけると味が複雑になって旨味がます。
俺はこの味を完全に忘れていた。
ヌチャナートに醤油をつけて食べることを薦めた。
「あら、美味しいわ」
次回から、漬物と一緒に醤油をだすだろうか?
多分、醤油は出さないと思う。

2009/7/27

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2009年7月27日 (月)

唐辛子がなくなった

誰でもタイ料理には唐辛子が必須の食材だと思う。
唐辛子がなくなりかけているから、「買おうか?」と言っても「要らな
いわ」と言うので買わなかった。
あれだけあった生の唐辛子もキログラム単位で買った乾燥の
唐辛子もない。焙煎した唐辛子がちょっとだけ残っている。
「唐辛子ないわよ。生も乾燥もないわ」別に慌てている様子はない。
「買って来ようか?」
「マイペンライ」
しばらく唐辛子がない料理を食べることになりそうだ。
それも良い経験かもしれない。
辛くないタイ料理もあるけど・・・・・。
ヌチャナートは唐辛子がなくても平気なようだが、俺の方が慌てて
いる。毎日、辛い料理ばかり食べていたので、唐辛子がないと食事
が進まなくなっている。長いことタイ料理だけを食べていたので俺の
舌は既に変化している。
突然思いついて外国ブランドのケチャップを買ってきた。
久しぶりにケチャップを味見した。余りにも甘いので驚いた。
「このケチャップはこんなに甘かったのだろうか?」
味は変わっていない筈だ。俺の舌が変わったのだ。
酢やマスタードを加えて好みの味にした。
唐辛子があれば、唐辛子を加えていただろう。

辛くないウチの料理ってどんな料理なんだろう?

2009/7/27

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2009年7月26日 (日)

夕涼み

夕暮れになると昼間の暑さは何処かに消えた。
「今日は外で食事をしようか?」
「あらいいわね。花火もやりましょうよ。」
「ああ、いいね」
「冷たいビールを用意するわ」
今晩は食い過ぎないよう、控えめにしなくてはいけない。
料理を楽しむというより、夜風に当たりながら話を楽しむ食事だ。
こんな時は料理とか味なんて二の次、三の次だ。
酒のつまみに、その辺にある料理を持ち出した。
「いい風だね」
「涼しいわね」
乾季に訪れるタイの夜にそっくりだ。
こんな夜は風呂に入って、白い粉を体中にたたき付け、洗いざらしの
こざっぱりした服に着替える。子供は通りを走り回って遊ぶ。
大人は表で、ビールを飲む。誰もが表に出てくるので、近年の日本
では失われている、ご近所との交流の時間だ。
熱帯の夜を思い出しながら、二人でとりとめもない話を続ける。
猫のサダム・フセインも我々に加わる。サダムは植え込みの影に
隠れてこちらの様子を伺っている。
捕まえようとすると、尻尾を高くあげながらさっと逃げる。
追いかけるのを止めると、また同じ所に戻っている。
それが面白いようだ。
「ビールがなくなったから、ワインを飲む?」
「そうね」
いつもは冷やした白ワインをのむのだが、今晩は赤ワインが飲み
たくなった。赤ワインも美味いもんだと見直した。
線香花火の火がぱちぱちとはじける。
ヌチャナートは花火で遊びながら子供のように「綺麗だわ」と喜ん
でいた。

2009/7/26

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洋梨とタイの茄子

白人とタイ人がウチに来た。タイ料理を肴に酒を飲む。
日本に来て、初めて日本の梨を食べた時の話をしてくれた。
「日本の梨は香りが少ない。それに硬いし、口の中がざらざらする。
これは梨じゃないよ」と思った
そうだ。
俺が初めて洋梨を食った時のことを話した。
「洋梨は香りがいいけど、柔らかで口の中でぱかっと割れないのが
面白くない。それに砂粒のような
ざらざらしたものがない。これは梨
じゃないよ」と思ったと俺が言う。
二人とも相手の国の梨を「これは梨ではない」と思ったことが一致し
たので笑った。
「梨というからいけないんだよ。別の果物と思えばいいんだよ。
そうすれば日本の梨も洋梨も美味し
い果物となるよね」
「なるほど、そうだね」
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緑色をしたタイの丸い茄子をだした。タイ人は唐辛子ソースをつけ
て美味しそうに食べている。
白人はタイ人の真似をしながら茄子を食べて考え込んでいた。
俺も同様に考え込んでいる。これの何処がうまいのだろう??
美味いとも不味いとも白人は言わない。
癖のない味だというより、茄子にはあまり味がないから美味いとも
言えないし、そうかと言って不味
いとも言えない。
ナンプラや唐辛子の味で食べているようなもんだ。
これを茄子だと思うから無意識のうちに日本の茄子と比較している。
全く違う野菜と考えればいいんだ。

この茄子の味を日本の料理に例えれば冷奴に似ているかな?
豆腐にはこれと言った強い味はない。
醤油や、生姜、ネギの味で豆腐を食べているのに似ていると思うが
どうだろうか?

2009/7/24

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2009年7月25日 (土)

隣のにおい

ご近所から夕飯を作るにおいがしてきた。
「ご近所さんが食事を作っているわ。これなんのにおい?」
このにおいはどこから流れてきたものかわからないが、お隣さんの
においとしておこう。ヌチャナートには日本の料理のにおいだと
わかるが、お隣さんが何を作っているのかわからない。
「これは魚を醤油で煮ているにおいだよ」
「あら、どうして分かるの?」
「わかるさ!」
日本の料理ならにおいだけどんな料理かわかる。
俺たちがタイに行く。いろいろな料理のにおいがしてくる。
「ああ、タイのにおいだ!」と感じるけど、それがどんなタイ料理
から来ているのかわからない。
「ヌチャナートがタイにいる時、お隣から料理のにおいがしてくると
しよう。お隣が何を食べている
かすぐにわかるだろ?」
「わかるわよ。”今日は何を食べているなんて”こと簡単にわかるわ」
「それと同じだよ」
「・・・」
においで料理の種類を見分けるのは慣れの問題だ。
俺は魚を煮ているにおいというところまではわかる。
においの専門家なら、「カレイを煮ているにおい」と魚種まで当てる
ことができるのだろうな。

2009/7/26

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余りにも普通なタイ料理

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こんな料理を出しながらヌチャナートは笑っていた。
「これってタイの普通の料理よ。」
「ふーん」
「お金のない人は肉を少ししかのせないわ」
肉を唐辛子ソースにつけてご飯に乗せる。
肉からたれた辛いソースが飯に浸みこむ。
その飯と肉を一緒に食べる。
ヌチャナートは「茄子も一緒に食べると美味しいわよ」と言っている
が、俺は別々に食べる。
生の茄子を唐辛子ソースにつけて食べる。
この食べ方がタイの普通の食べ方だ。
これを旨いと言うのだが、俺にはその美味さがわからない。
癖のない茄子の味、パリッと割れる感触、それがいいのかな?
生の胡瓜に味噌をつけて食べるのに似ているか?

ウチでは毎日がタイ料理と聞くと、多くの日本人はタイ料理店で食
べる言わば「着飾った、よそ行きの料理」を毎日食べているのだと
思う。
この考えは日本をちょっと知っている外国人が日本の家庭では毎日
がすき焼き、刺身、寿司を食べていると勘違いしているのに似てい
る。ウチで毎日食べているタイ料理は「普段着の料理」なんだ。
タイの田舎で日常的に出される、余りにも普通な家庭料理だ。
「あたしね、日本では日本の料理だけを食べるもんだと覚悟して
いたのよ。タイで食べているのと同んなじ物を食べるなんて思わ
なかったわ。」
今日の料理の素材はナンプラだけがタイの物だ。
風変わりな茄子も国産だ。ニンニク、唐辛子は中国産で普通のスー
パーで買える物だ。だから簡単にタイ料理が作れる。

2009/7/23

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日本の即席麺

先日、日本の即席麺を食べている時、ヌチャナートがぽそりと言った。
「日本の即席麺はおいしいわ。タイの麺は美味しくないでしょ?」
「いや、そうかな?」
麺が好きな俺はタイの即席麺もうまいと思って食べている。
あの辛味が病みつきになっている。

ヌチャナートの言葉で昔のことを思い出した。
今から20年以上前の話だ。
日本のスーパーがタイから即席麺を輸入した。
醤油味とみそ味があった。
値段は覚えていないが、当時の日本製品の半額以下だったような
気がする。安い値段に釣られてタイ製の即席麺を買った。
それが実に不味かった。何でも食う俺が不味いというのだから、
相当な不味さと言える。
醤油味はみそ味のような味がする。
みそ味は醤油味のような味がする。
味噌と醤油が味の上で区別できない。
余りにも不味い麺なので記憶に残っている。

その記憶があるから、今のタイの即席麺は旨いと思う。
タイの麺を食いながら技術の進歩は凄いと思った。
タイの麺が美味くなった影には日本企業の力があったのだ。

2009/7/22

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2009年7月23日 (木)

長い豆のソムタム

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これはヌチャナートのソムタムだ。俺が食わないから思いっきり不味
いソムタムにしている。俺には不味くて食えないのだが、タイ人には
飛び切り美味しいソムタムだ。
腐った魚や蟹をここに入れたから、俺はそのにおいに耐えられない。
このにおいはタイ人には食欲をそそる醗酵臭だ。
においを嗅ぐだけで「美味しそー!」となる。
戴いた赤くて長い豆をソムタムにしている。
一人で美味しそうに食べているヌチャナートを見て俺はため息をつく。

2009/7/22

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長い豆

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ヌチャナートが嬉しそうに新聞紙の包みを渡す。
「ねー、これを開けてみて!」
新聞紙の包みを開けると、こんな長い豆がでてきた。
お友達から貰ったのだそうだ。
緑色の長い豆は見たことがあるが、こんな赤い豆は見たことがない。
タイの市場をほっつき歩いていたから、多分見ているはずだ。
似たような物が沢山あるので、タイで見ると珍しくない。
珍しくないと思うと、印象に残らない。
このように長い白い豆もあるそうだ。
食べ方は通常の豆と同じで煮たり炒めたりする。
日本人にはこの豆の姿が珍しい。

2009/7/22

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春雨とチキンスープ

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鶏肉が少々残っていた。この肉をお湯に入れた。
「ヌチャナート!チキンスープが欲しい。」
こう言うとタイ風のスープが出来てくる。
どんなスープになるかはヌチャナートの気分しだいだ。
今日は、スープに春雨を入れた。
緑の葉が入っている。彩りとして綺麗だ。
「ヌー!この葉は何の葉なの?」
「唐辛子の葉よ」
ベランダで栽培している唐辛子の葉を摘んできたのだ。
種蒔きが遅かったから、まだ唐辛子は成長段階だ。
それなのに、もう葉を摘んでしまう。
これじゃ、唐辛子は実をつけないのではないか?
俺たちは唐辛子の葉なんてあまり使わないが、タイ人はいろいろな
料理に使う。

欧風のスープならクルトンが入るが、タイ風のスープだと春雨が入
ると考えたら良いのかな?春雨もいいもんだ。

2009/7/22

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ラープ

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これもヌチャナートだけの料理だ。
どうしたのだろう、俺はラープを食わなくなった。
かんかん照りの太陽の下の屋台でもち米と一緒に出されたラープ
に感動したのに、今は食べたいと思わない。あの時の感動は今でも
思い出す。
「これは美味い!でも辛いな!」
美味いからもっと食いたい。おかしな表現だが、本当に頑張って
食った。頑張る価値がある辛さだと思った。とうとう辛さに耐え切れ
なくて食べるのを止めた。

今日のラープは千枚を使っている。俺が食べないと知っているの
で、ヌチャナート好みの味になっている。辛さもタイ人が辛いと思う
辛さになっているはずだ。辛さに慣れていない日本人がこれを食べ
たなら、腸が吃驚して下痢を起こす。

2009/7/22

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パッカパオ

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ヌチャナートは牛肉を見て、ラープを作ると言い出した。
「ラープを作るけど、食べる?」
「ラープか?あんまり好きじゃないな」
あれだけ好きだったラープなのだが、何故か食べなくなってしまっ
た。俺が好きなパッカパオを作ってもらうことにした。
戴いた赤くて長い豆をパッカパオに入れる。
出来上がるとヌチャナートは笑い出した。
「赤い豆が黒くなっちゃったわ!」
皿を見て俺もその彩の悪さに笑ってしまった。
見かけは悪いけど、味は良い。
この料理はよく火が通っているから、不衛生なタイの屋台で食べて
も安全だ。毎日、こんな料理を食べているから、俺は鈍感になって
いる味と香りだ。
これを食べる日本人は異国情緒たっぷりの料理と感じるだろう。

2009/7/22

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好みの変化:タイ人の場合

誰でも年齢と共に食べ物の好みに変化がでる。子供の頃は苦くて
不味い水だったが、大人になるとビ
ールは旨い飲み物になる。
子供の頃は大好きだった大福餅は大人になると甘いので食べない。
大人になってからも食べ物の好みは変化する。今まで納豆を食べ
なかったのに、なにかがきっかけで
納豆を食べたら病みつきになる。
こんな例は枚挙に暇がない。
日本の年寄りの場合、特定の食品を好むという傾向はない。
あえて考えれば、多くの年寄りは歯が悪くなっているので、ご飯が
柔らかになる。塩分が控えめになることかな?

タイ人の場合も年を取ると食べ物の好みに変化がでる。
「タイの年寄りは西瓜とバナナが好きよ」
「ふーん、バナナも好むようになるのかい?」
「そうよ」
年寄りが西瓜をおかずに飯を食っているのをみたことがある。
俺はそれを笑ったが、それを見ていたタイ人は誰も笑わない。
西瓜で飯を食う年寄りを見るのはタイでは当たり前の光景らしいと
その時、感じた。
バナナを年寄りが好むというのは知らなかった。
多くの種類のバナナがタイにはある。
タイの年寄りが好むバナナはどんなバナナなのだろう。
日本のように生食するバナナもある。焼いたり、油で揚げて食べる
小さなバナナもある。ヌチャナー
トに聞いてみた。
すると完熟したバナナならどんなバナナでも食べるそうだ。
「完熟したバナナは甘くて美味しいでしょ」確かに甘くてよい香りが
する。
「お菓子は食べないのかい?」
「食べるわよ。」
「・・・・」
「でもね、お菓子を買うお金を持っていないのよ」
「なるほど」
「バナナだったら5バーツでこんなに買えるでしょ」
両手を広げてみせる。

どうしてタイの年寄りは西瓜とバナナを好むようになるのか?
若い頃は辛い物を好んでいたので、その反動だろうか?
西瓜を好むのは水分を無理なく補給するためだろうか?

2009/7/23

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2009年7月22日 (水)

ソーセイジの行方

俺がタイで泊まる安ホテルの朝食に出されるハムやソーセイジは
見ただけで粗悪品と分かる物だ。他に美味しいタイ料理があるの
で、ハムやソーセイジには手を出さない。
スーパーで売っているソーセイジは綺麗なパッケージに入っている。
真空包装されて見かけは立派だが製品はお粗末だ。
仏教国でありながら、肉食を禁じていないから、タイでは肉を昔か
ら食べている。肉食の習慣がある国では絶対に肉を無駄にしない。
タイも例外ではない。
そんな伝統がある国なのに、欧風のソーセイジは何故か不味い。
もっと美味しいソーセイジができてもいいのにと思うが、美味しい
ソーセイジはない。
タイ風のソーセイジなら安くて美味しい物がある。

ウインナーを冷蔵庫からだしておいた。
タイの屋台がやるようにこのまま油であげるかな?
それともフライパンで炒めるかな?
ウインナーやフランクフルトのようなソーセイジをタイ人は区別せず、
どちらもひっくるめてホット ドッグと呼んでいる。
ホットドッグなんてヌチャナートはタイでも日本でも余り食べることが
ない。以前、ホットドッグを野菜と煮込んだことがあった。
あれは旨かった。
このソーセイジがどんな料理になるか、その行方が楽しみだった。
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今日はウインナーを輪切りにしてカオパットに入れて出した。


2009/7/22

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辛いか辛くないか?

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この料理は日本人に合わせて辛くないものにしたそうだ。
表面に見える唐辛子だけでも1,2本分はある。
当然、見えない部分にも唐辛子は入っている。
少なく見積もっても3本はある。
この位の大きさの器に盛った料理のなかに3本の唐辛子が入った
なら、日本人は極辛から超辛と表するだろう。
ヌチャナートに言わせると「辛くない味にした」そうだから、笑っちゃ
う。普段ヌチャナートが唐辛子を食べる量から見ると、これは僅か
な量だ。
辛い、辛くないを決めるレベルが俺達とは異なっている。
普通の日本人が辛くて食えないレベルが、タイ人の標準的辛さなん
だろうな。そのタイ人の標準から見るとこの料理の辛さは低くて辛く
ない。それでも唐辛子が最低3本は入っている。

タイ料理ってどの位辛いのか想像がついただろうか?

2009/7/21

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茄子のグローバル化

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嬉しそうにヌチャナートが話す。
「あのね、茄子が手に入るのよ」
「ふーん」
「あそこ、なんて言うの?」
「・・・・」
「あー、千葉よ。千葉で作っているのよ」
「・・・・」
俺は日本で見られる普通の紫色の茄子だと思っていたから、話に
興味をもたなかった。

ヌチャナートから電話がかかってきた。
「ねー、サミイ!重いのよ。助けに来てよ!」
迎えに行くと重そうに袋を提げている。
”ああ、話をしていた茄子を手に入れたのだな”と思っただけで特に
気にも留めなかった。手提げ袋を持ってあげて家に帰ると、
ヌチャナートは弾んだ声で言う。
「綺麗な茄子よ。見て御覧なさい。」
見ると、俺が想像していた日本の茄子ではなくて、緑色のタイの
茄子だった。
「これ美味しいのよ。あまーいのよ!」
茄子が甘いというのは初めて聞く言葉だ。
苦味や渋味などがないということだろう。
日本と違ってタイにはさまざまな茄子がある。
その中でもこの茄子は最も人気のある茄子だ。
ナムプリックをつけて生でこの茄子を齧る。生で茄子を食べる習慣
は日本にはない。ヌチャナートが甘いというから、無意識のうちに
砂糖や果物のような甘さを期待していた。そんな甘さが茄子にある
わけがない。苦味とか渋味、いがらっぽさなどそんないやみがない
単純な味だ。それだから食べやすいので、甘いと表現したのだろう。
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生の茄子の食べ方はこのように切る。ぱかっと茄子が割れる。
割った茄子に唐辛子をつけて食べる。
なんで唐辛子をつけるのか?味噌でも良いと思うが、タイ人は
唐辛子で食べると美味しいと感じるか
ら唐辛子をつけるのだろう。

数年前にはこんな茄子は飛行機で取り寄せ、タイ食材店でしか手
に入らなかった。しかも、こんな新鮮なものは手に入らなかった。
違法滞在も含めて、日本に住むタイ人の人口が増えたので、この
ような茄子も日本で栽培し販売でき
るようになった。
茄子の世界もグローバル化しているのだ。

2009/7/21

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2009年7月21日 (火)

朝顔に間違いない

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俺にとって空芯菜が朝顔の仲間というのはちょっと信じがたいこと
なんだ。朝顔と言うのは夏の朝に咲く花だ。それを食べてしまう
なんて・・・・。

空芯菜のカイワレを買って食べた。根の部分は食べない。
普通は捨ててしまうところだが、キッチン菜園を思い出した。
根の部分を鉢に植えておいたら、芽が出て葉が伸びた。
葉の形を見て驚いた。それはまさしく朝顔だった。
やっぱり空芯菜は朝顔の仲間なんだ。
昨日は二つ三つしか朝顔の葉はなかった。
今日は数が増えている。
明日はもっと数が増えるか?もう駄目だろうな?
それにしても捨てるはずの根の部分から新しい野菜が生まれる。
なんだか得した気がする。

2009/7/21

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辛いか辛くないか?

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この料理は日本人に合わせて辛くないものにしたそうだ。
表面に見える唐辛子だけでも1,2本分はある。
当然、見えない部分にも唐辛子は入っている。
少なく見積もっても3本はある。
この位の大きさの器に盛った料理のなかに3本の唐辛子が入った
なら、日本人は極辛から超辛と表するだろう。
ヌチャナートに言わせると「辛くない味にした」そうだから、笑っちゃ
う。普段ヌチャナートが唐辛子を食べる量から見ると、これは僅か
な量だ。辛い、辛くないを決めるレベルが俺達とは異なっている。
普通の日本人が辛くて食えないレベルが、タイ人の標準的辛さなん
だろうな。
そのタイ人の標準から見るとこの料理の辛さは低くて辛くない。
それでも唐辛子が最低3本は入っている。

タイ料理ってどの位辛いのか想像がついただろうか?

2009/7/21

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ラーメンをタイ風に

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俺がバーミーナムを作ってくれと頼んでもなかなか作ってくれないの
に、昨日からラーメンを食うと言っていた。ヌチャナートにとって日本
のラーメンや、タイのバーミーナムは食事や料理ではないらしい。
俺がそんなものを好むのが不思議に感じるようだ。
そんなヌチャナートが自分からラーメンを食うと言い出した。
何か異変の前兆かもしれない。明日、日食が起きることと関係して
いるか?まさかそんなことと関係していない。
たんなる気まぐれだ。

ウチには何種類もの麺がある。どの麺を使うか聞いてきた。
俺は日本のラーメンを指定した。

先日、俺が箸の出し方について日本式とタイ式の差を説明して
おいた。それを思い出したのか今日は日本式に箸を置いている。
ラーメンの器の上に箸を乗せることは余りないが、もし乗せるとすれ
ば横向きに乗せる。器の耳の部分に注目すれば、今日はちゃんと
横向きに箸が乗っているのがわかる。
焼豚を乗せているのも日本のラーメン風だ。

ここまでは日本風だなと思っていた。
「ねー、レモンいる?」
「ああ、そうだね。レモンが欲しいな」
この一言でタイの感覚にスイッチが切り替わった。
「お酢でもいいかしら?」
「ああ、いいよ」
「唐辛子はそこにあるからね」
「うん」
「よく掻き混ぜて食べてね」
もう完全にタイの屋台でバーミーナムを食べている感覚に戻って
しまった。

2009/7/21

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2009年7月20日 (月)

鯛お頭のタイ料理

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鯛のお頭はヌチャナートの大好きな部分だ。
誰かも言っていたが、たしかにお頭は身と違って部分ごとに味が
違うので食べる面白みがある。
お頭を買ってくると直ぐに塩漬けにしておく。
鮮度がいいうちに塩漬けにした方が美味しく仕上がる。
塩漬けにすると、そのまま放っておく。
気が向いた時に取り出してきて調理する。

俺はいつも焼いてから食べる。
ヌチャナートは今日はお頭を野菜と一緒に蒸し上げている。
ベランダからサラネーをとってきてナムピックにたっぷり乗せる。
箸で肉を穿り出す。それをナムピックと一緒に食べる。
サラネーの特徴のある香りが口の中で広がる。
この香りを嗅ぐとタイ料理を食べていると実感する。
完全にタイの田舎料理、タイ庶民の家庭料理の味になっている。

写真を見ただけでは日本の鯛の兜焼きと変わらない。
鯛のお頭を焼いただけでタイ料理だなんて言うのは詐欺だなんて
言われるかもしれない。塩漬け保存した鯛の味、唐辛子加工品の
ナムピックの辛味、サラネーの香り、それらがまとまると日
本人には
作れない料理になり、「うん、これはタイ料理」と認定しちゃう。

魚を余り好まない俺だが、ヌチャナートに付き合ってお頭を食べて
いるうちに、お頭の旨さが分かっ
てきた。
手の込んだ宮廷料理は続けて食べると飽きてしまう。
毎日々食べる家庭料理って、飽きがこないことが大切な要素だ。
家庭料理がこのような単純な味のものになってしまうのは日本も
タイも同じだ。

2009/7/20

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やはり朝顔だ

最近は何処のスーパーでも空芯菜があるから珍しくない。
まだ空芯菜が普及していなかった頃の話だ。

英語では空芯菜のことを朝顔と呼んでいる。
レストランの英語で書かれたメニューに朝顔の炒め物というのが
あった。
「これは旨い!」朝顔の炒め物は俺のお気に入りになった。
こんな旨い野菜の実物を見たかった。
朝顔の炒め物を食べてから、タイの友人に頼んだ。
「畑に朝顔があったら教えてくれ」
畑に朝顔を見つけて、友人は詰まらなさそうに言った。
「あれが朝顔ですよ」
「えっ?あれが?」
今度はこっちが驚いた。朝顔と言うのだから蔓がのびて、可憐な花
が咲き・・・・と想像していた。
俺が見た朝顔はまるでほうれん草か小松菜のようだった。
こんな野菜をどうして朝顔と呼ぶのか不思議だった。

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空芯菜のカイワレを買った。
根の部分を切り取って鉢に植えておいたら芽が出てきた。
これは野菜になりそうだ。芽がどのようになるか見守ることにした。
葉が出てきた。その葉を見るとまさしく朝顔だ。
こんな新しい発見をすると子供の時に感じた驚きの混じった感動
をおぼえる。

2009/7/20

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日食が近づく

ヌチャナートに近々大きな日食が起こると説明した。
「ああそうなの。」
何かを思い出してヌチャナートは笑いながら話し出した。
「あのね、タイでは蛙が太陽を食べちゃうと信じているのよ」
俺も釣られて笑った。
「日本ではどう信じているの?」
「うーん、わからないな」
こういう話って好きだな。

2009/7/20

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2009年7月19日 (日)

深酒の後のお粥

ああ、深酒をやってしまった。二日酔いで頭が痛いなんてことは
ないが、いつもの時間に目覚めない。飯も食う気がしない。
ごろーんとだらしなく横になって本を読んでいる。
「ねえー、お粥食べる?何か食べないと身体に悪いわよ」
「いらない」本を読み続ける。
「お腹が空いたら、言ってね。お粥を作ってあげるわ」
「うん」返事をするのも面倒だった。とにかくこの一冊を読み終えた
い。最近、図書館から借りた本だとか、古本屋で買った本が溜まっ
ている。それらを読まなくてはいけない。やっと一冊を読み終える
と腹が減っている。
「ヌー、お腹、すいた。お粥が欲しい」
すぐに鶏粥ができてきた。小さなタマネギ、生姜と赤い唐辛子が
入っている。
「掻き回してから食べてね」
お粥の熱さと唐辛子の辛さで汗がでる。
俺自身というか、俺の口の中は辛いと思っていないのだが、体が
唐辛子に反応して汗がでる。どうしてタイ人は辛い物を食べても汗
をかかないのだろう?タオルで汗を拭きながら、お粥を食べている
滑稽な姿に自分でも可笑しくなる。

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2009/7/19

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キッチン菜園なんて

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ウエブで見たのかな?キッチンでみずみずしい野菜を作っている
写真を見た。俺もその真似をした。ニンジンの一部を残しておき、
それを水につけた。
そうすると新たな茎が伸びてきた。やがて葉になる部分ができて
きた。水を切らさないように心がけていた。
茎はどんどん大きくなった。しかし何も栄養剤を加えない水道水だ。
葉になる部分は黒ずんできた。
水耕栽培をするにはそれなりの肥料と管理が必要だ。
俺は小松菜やほうれん草のような大きな葉がでることを期待して
いた。出てきたのは細い茎だ。小松菜のようになるには月単位の
時間が必要だ。それに広い場所も必要だ。
捨てるもので新しい野菜を作るなんて理想と現実の差が大きい。
何日もかけて、一口分の野菜を作るのは馬鹿々しい。

カイワレなどは水耕栽培して根がついたまま出荷されている。
根の部分は細かい穴の開いたプラスチックにしっかりと絡まって
いる。このプラスチックを捨てないで水につけておけばまたカイワレ
ができるという。早速実験をしてみたくなった。ニンジンと違って
カイワレなら直ぐに大きくなる。

空芯菜のカイワレを売っていた。空芯菜もカイワレにできるなんて
想像もしていなかった。ヌチャナートはそれを見て
「空芯菜よ、買いましょうよ」と言う。
タイでは空芯菜のカイワレがあるのか?
茎や葉の状態から空芯菜と判断したのかわからない。
パッケージには漢字で空芯菜と書いてあるが、ヌチャナートは漢字
を読めない。カイワレの姿・形から空芯菜と判断したのだ。
俺はこれを買って、根を水耕栽培すると言った。
ヌチャナートはそれを聞いて一笑した。
「バカね!土に植えればちゃんとした野菜になるわよ!」
水耕栽培できるのだから、土に植えればちゃんと野菜になるはず
だ。切り取った根を鉢に埋めておいた。茎がでるかどうか半信半疑
だった。今朝、鉢をみると、ちゃんと茎がでていた。
これが何処まで伸びるかわからない。
捨ててしまう部分から新しい野菜ができるなんて、なんとなく嬉しい。

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2009/7/19

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2009年7月18日 (土)

唐辛子ペースト

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嬉しそうに笑いながらヌチャナートが近づいてきた。
手には野菜が入ったポリ袋を持っている。
「ねー、サミイ!これ見てよ」
見るとポリ袋には青い唐辛子が一キロ弱 入っている。
「これ安いでしょ!」
安い買物を見つけてヌチャナートは得意満面だった。
何処の国の主婦でも安い買物を見つけると同じ顔を見せる。
幾ら安いからと言っても、日本の家庭では一キロも唐辛子を使い
切れない。買っても大部分を腐らせてしまうから、誰も手をださない。
生唐辛子の一キロなんてウチではどうと言うことはない。
「日本の唐辛子だから辛くないわよ」

唐辛子とニンニクその他を混ぜてペーストを作った。
こうなるともう唐辛子は腐ることがない。
味見をすると、唐辛子の香りがふわっと出てくる。
ペーストだから見た目はあまり美味しそうに見えないが、
このペーストを熱い飯の上に乗せると、他のおかずは必要ない。
本当にこれだけで飯が食えてしまう。
日本の唐辛子だから、辛くないとヌチャナートは言う。
最初のうちは俺も辛いとは思わなかった。
食っているうちにちょっとピリピリしてきた。
タイ料理に慣れていない人がこのペーストを食べたならこれは充分
に辛い食べ物だろう。

2009/7/18

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ウルメ鰯

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思うことがあってカタクチイワシを探していた。
「カタクチイワシがあったら、教えてね」
とヌチャナートに頼んでおいた。
「サミイ!ここに大きい鰯があるわよ」
見るとウルメ鰯の干物だった。
俺は食生活を変えようと思っているのだが、なかなか難しい。
これはいい機会だ。肉より魚を食おう。そう思ってウルメ鰯を買う
ことにした。魚ならなんでも大好きというヌチャナートはウルメ鰯を
喜んで買った。

鰯の干物だから焼くところまでは日本人もタイ人も同じだ。
日本人はこれにちょっと醤油を垂らして食べる。
この食べ方も旨い。
ウチでは唐辛子ペーストをつけて食べる。
唐辛子ペーストはもちろん自家製だ。
異端な食べ方だが、この食べ方もいいもんだよ。

2009/7/18

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2009年7月17日 (金)

野菜炒めタイ流

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もっと野菜を食べなくてはいけないと自分でも思っている。
「野菜を食べなくちゃダメよ。これを食べなさい!」
野菜炒めを作ってくれた。
見た目はラーメン屋で食べる野菜炒めと変わりがないが、
オイスターソースを使っているから味は違う。
フライパンに金属のヘラが触れる音がする。
カチャ!カチャ!カチャ!シュッ、シュッ!
忙しそうに、野菜と肉を掻き混ぜている。
美味しそうなにおいが出てきた。
「出来たわよ!早く食べて!」
俺はパソコンから手を離せない。
料理が出て来た時にはピーマンは見事な緑をしていた。
写真を撮ろうとしたら、もうピーマンの色が変わっている。
「ああ、パソコンの手をちょっと休め、もっと早く写真を撮るべき
だった」なんて反省しても、もう
遅い。
有り合せの野菜をこうやって炒めて食べるタイの味もいいな。

2009/7/16

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生野菜とタイ人

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生野菜をタイ人はよく食べる。野菜は肉に比べて安価なのはタイ
でも同じだ。安価だからだろうか?
屋台で食事をすると、「どうぞご自由に」と笊に入れた生野菜をだす。
西洋風にドレッシングをかけたサラダなら俺も生野菜を食べる。
しかし楔形に切った生のキャベツとか生の豆もやしなどをだされて
もお付き合い程度にしか食わない

ここに生野菜がある。これはこれから調理するための素材ではな
い。このまま生で食べる物だ。
俺もそれを食べるつもりだったが、この野菜はどう見ても素材なの
で食べ忘れた。何処からどう見ても俺達には生で食べる野菜に見
えない。気がつくと、ヌチャナートが一人で全部食べてしまった。

2009/7/16

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唐辛子の焙煎

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唐辛子を焙煎するなんてことを日本人はやらない。
俺達日本人の唐辛子の食べ方を考えてみた。
まず生の唐辛子を食べることはない。
しし唐は生の唐辛子だが、これを生で齧ることはない。
たいてい焼くとか天麩羅にして食べる。
保存がきくように赤く熟してから乾燥させる。
これを刻んだり、粉にしたり、粉を山椒などと混ぜて七味唐辛子と
して使う。
そう言えば、七味唐辛子のようなものはタイにあるかな???
見たことがない。これだけ唐辛子を多用する民族だ。
もしかするとタイの何処かに七味唐辛子はある。
興味あるな。

タイ人は唐辛子を焙煎して使うことがある。
忍者が目潰しに唐辛子を使うくらいだから、唐辛子を焙煎したなら
どういうことになるか想像がつく
だろう。
家庭用にこんな少量を焙煎しただけでも凄い煙がでる。
業務用だとどういうことになるか、わかるでしょ。
この煙を嗅ぐと必ずくしゃみをする。
焙煎している間、猫のサダムは何処か安全な場所に逃げて行く。
鍋を見ると白い物が見えるのに気付くだろう。
これは塩だ。塩を使う理由をヌチャナートに聞いた。
「塩を使うとにおいが少なくなるのよ」
おお、なるほどとその時は思った。
加熱された塩と唐辛子のにおい成分が化学反応をするのだと一人
で納得した。待てよ!本当にそうかな?
唐辛子を鍋に入れて焙煎すると、唐辛子から油がでて、鍋にくっつ
き、焦げやすくなる。
塩を入れることで、唐辛子が熱い鍋に直接触れない。
唐辛子は鍋に直接触れないので、唐辛子は鍋にくっつかない。
熱い唐辛子からでた油を塩が吸い込む。
油が直接鍋に触れないから、においを抑えることになるのかな。

唐辛子を焙煎する時、塩を入れるのは焦げ付きを減らし、においを
抑える昔からの知恵のようだ。

2009/7/15

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タイ風に豚カシラを焼く

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俺は豚のカシラ肉をタイ風に焼いて食べるのが好きになった。
赤提灯の店で安酒を飲みながら、カシラ肉を食っていたが、
その時は、それほど旨いとは感じなかった。

「ねぇー、これどうしたいの?」豚のカシラ肉のことだ。
「焼いてくれよ」
どうやら、ヌチャナートの頭には別の料理があるようだ。
それはこの次にして、今日は焼いて貰うことにした。
「好きな方を使ってね」
唐辛子ソースが二種類でた。
どちらをつけて食べても美味しい。
「タイ人みたいね。唐辛子がないと食べないのだから!」
俺のこんな食べ方を見て、ヌチャナートは飽きれる。
ヌチャナートの知り合いの日本人の旦那は和食しか食わない。
誰もタイ料理を食べないのを知ると、俺が毎日タイ料理を食べて
いるのが不思議に見えるようだ。

赤提灯で出すカシラは醤油タレをつけて和風に焼いたものだ。
唐辛子なんて使っても少量しかつかわない。
ヌチャナートはナンプラや牡蠣醤につけたものを焼く。
それをどーんと唐辛子と一緒に食べるから旨いのかな?

俺が旨いと思って、お隣さんにこれを持って行っても、お隣さんには
辛すぎて食べられないだろうな。

2009/7/15

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これはダメ!

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ベランダから摘み取ったサラネーの彩りに魅かれて、一口食って
みた。タガメの良い香りがする。その他の味も良い。
申し分ない料理なのだが、俺は食わない。
この軽い芳香が虫の香りだと分かるので、それだけでイヤになる。
偏見です。
この偏見をとるには、夜店で売っているタガメの唐揚を食べなくて
はいけない。しかし、こんな大型昆虫を食べるのも勇気がいる。
タイ人は美味しそうにタガメを食べているのだが・・・・・。
俺にはダメだ。

タガメエキスの果物を思わせる香りは好きだ。
料理にこのエキスを使われると、「ああ、あの虫・・・・」と感じて食べ
られなくなる。

2009/7/15

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えのきだけの煮付

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こんな和風の料理も作るようになった。
醤油で煮付けただけの簡単なものだが、誰にでも受け入れられる味に
なっている。黙ってだしたなら、この調理人はタイ人だなんて思わない。
これをタイで作るなら、きっと唐辛子が入るのだろう。

2009/7/15

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メジナに瓢箪

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塩漬けのメジナを取り出した。
これを瓢箪と煮込む。
メジナを塩漬けにすることも日本では珍しい。
瓢箪を食べるのも珍しい。
その珍しい二品を煮込むと言うのも珍しい。
これはタイ人ならではの発想だ。
俺は煮込んだ魚は苦手だ。
俺用に魚の入らない瓢箪の煮込みを作ってくれた。
そういうと聞こえはいい。
ヌチャナートが食べる魚入りの瓢箪料理は豪華だ。
俺用の瓢箪料理は瓢箪の他に何も入っていない貧弱なものだ。

2009/7/14

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ガイピンと瓢箪

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鶏肉を焼いた。鶏肉はここにある唐辛子ソースを付けて食べる。
ウチではこの食べ方が普通の食べ方になっている。
日本人が何にでも醤油をかけて食べるように、鶏肉をナンプラに
つけて唐辛子を乗せてから食べている。毎日、毎食が辛い料理だ。
「よく厭きないね?」なんてよく聞かれる。
他人が質問するのならまだいい。ヌチャナートまでが
「ねぇー、タイ料理ばかりでいいの?」と飽きれたように聞く。
「うん、これが普通の食事なんだ。」これが俺の答えだ。
普通の食事になってしまうと、辛いのが当たり前の料理になって
しまう。毎日、味噌汁を食べても日本人は厭きない。
日本人にとってそれが当たり前の食事になっているから飽きがこな
い。それと同じだ。

鶏肉の他に野菜も食べなくてはいけない。
野菜は瓢箪を煮込んだものだ。
ヌチャナートは魚を入れて煮込むと言う。
俺には魚を入れないものを作ってくれたのだが、瓢箪以外に何も
ない。ヌチャナートの物と俺の物を比べると俺の物はみすぼらしい。
こんな形の瓢箪だった。

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瓢箪の皮を剥くとちょっと青臭いにおいが立ちこめる。
普段は嗅ぐことがないにおいだ。

2009/7/14

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2009年7月16日 (木)

食物と健康広告7169

食べ物と広告の関係を見ていると、面白いことに気付く。
流行があるのは知っていた。暫く見なかったものが復活することも
ある。どこまでが食い物なのか俺にはわからないが、俺の独断と
偏見で食い物と認定したものをここに掲載
する。
例えば山人参の葉なんて食い物かどうかはっきりしない。
でも人参というから俺は食い物に認定した。
細かい所にこだわらずに大きな流れをみていきましょう。
今回はトマトに注目が集まっている。一時はバナナが流行り品切れ
になった。トマトが値上がりし品切れになるかな?
不景気なせいかな、金がかからない水飲みとか白湯飲みなんて
健康法の広告が増えている。

「健康365」誌 2009年9月号 ㈱エイチアンドアイ

欧州では脳の薬「ニチニチ草」で記憶力や集中力が高まり耳鳴り・
難聴も改善と評判
この広告は何時頃だか覚えていないが、よくでていた。
最近、みかけないなと思っていたら復活した。

高い血糖値が食後も空腹時もすぐ下がり糖尿病体質・合併症まで
改善「新琵琶湖つゆ草」

血圧は50ミリ血糖値は100ミリも下げて動脈硬化を退けると評判
「日本山ニンジンの葉」

◆日本だけでなく海外でも医師がガン治療に使うと
「ハナビラタケ強化食」のガン改善力が評判

「わかさ」誌 2009年9月号 わかさ出版

脳も血管も活気づく こまめ水飲みで体の悩みが改善し脳梗塞
認知症を防ぐ水は水素水

百寿者に多くガン心臓病も防ぐ長寿ホルモン増やしで特効食は
高血圧も軽快するメロン

沖縄に勝る長寿地域の奄美で元気な70代80代がこぞって飲み、
ガン再発や高血圧を防いだ原動力は秘伝のキビ酢

糖尿病の怖い合併症は色の濃い食べ物に多い悪玉物質が原因と
わかり 防ぐ特効食はなんと緑茶ほか

「ゆほびか」誌 2009年9月号 マキノ出版

混ぜるだけ!美味さわやか!「トマト牛乳」ダイエット
人気料理家は39kgやせてリバウンド知らず!
便秘もシミも撃退!

「壮快」誌 2009年7月号 マイヘルス社・マキノ出版

アトピー、認知症も防ぐと新判明!
<トマト>で19キロスルリやせた
ひざ痛 脳出血が改善 イボも消えた

千葉麗子さんのキレイの秘密!
テレビで大反響!
白湯飲みで 17キロ10キロ9キロ速やせた
血圧血糖値が下がった!
むくみが取れて顔スッキリ!

2009/7/16

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2009年7月15日 (水)

鶏の唐揚と異臭

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俺が外から戻るとタイの屋台のにおいがしている。
「ヌチャナート、タイのにおいがするね」
「くさいでしょ?」
「いや、俺にとっては美味しいにおいだよ。ご近所はどうかな?」
「きっとくさいって言ってるわ」
そうかもしれない。
家に居たのではこのにおいがわからない。
外から家の中に入ると、明らかに普通とは違うにおいに気づく。
タイならあちこちからこのにおいがしてくる。
ごくごく当たり前のにおいだ。
このにおいを嗅ぐと腹がへっているのがわかる。
俺にはこのにおいと食欲が結びついてしまった。
パブロフの条件反射だ。

日本人がタイで味噌汁を作ると、ご近所に「日本の料理はくさい」
と言われる。周囲と違うにおいは悪臭なんだ。
俺が食欲を感じてしまうタイ料理のにおいはご近所にとっては
異臭、悪臭なんだ。

2009/7/14

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飴色のニンニク

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球根のようなニンニクを割って粒のようなものを取り出した。
その中に飴色をした粒があった。
通常は白だから、これは明らかに異常だ。
今まで見たニンニクの異常は青い芽がでたことだけだ。
こんな飴色の粒なんて見たことがない。
こうやって写真で見ると、まるで蜜柑の粒のようだ。
なんだか甘いキャンディーにも見える。
飴だと思ってこれを食ったら悲鳴をあげるだろう。
俺にとっては珍しいのでヌチャナートに見せようと思い、とっておい
た。ヌチャナートはそれを見て簡単に捨ててしまった。
「あのニンニクを見たかい?」
「見たわ。腐っているのよ」
つまらなさそうに答える。
「タイでも見るかい?」
「見るわよ。しょっちゅうよ」
ニンニクが飴色に腐るのは暑い季節か暑い気候の所だけで起こる
ようだ。

2009/7/14

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ザラメ

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俺達が普通見る砂糖は砂糖黍からとるものだ。これがタイでは
砂糖黍からとるものと砂糖椰子からとるものと二種類がある。
砂糖の色の変化を精製過程別に見ると黒から茶、白に色が変化
する。そこまでは日本にある物と変わらない。
「ああ、こんなもんか」程度にタイの砂糖に注目していた。
関心の程度はそのくらいだった。

ヌチャナートが何かに注目して驚いたような声をあげた。
「ねぇーっ!あれ、なーに?」
なんの変哲もないちょっと茶色みを帯びたザラメだった。
「砂糖だよ」
「・・・・」
砂糖だと言われても、分からないようだ。
「砂糖黍からとる砂糖だよ」
そう言われてもまだ分からないようだ。
どうやらタイにはザラメがないみたいだなとその時になって気付い
た。そういえばあんまり注目していなかったが、タイでザラメを使って
いるのを見たことない。あっても良さそうだが・・・・・。
少なくとも、ヌチャナートはザラメを知らないことは分かった。

ザラメを買い求め家で試食させた。
「うん、砂糖黍ね。美味しいわ」
ヌチャナートは菓子をあまり作らないから、これを普通の料理に使う
だろう。菓子作りが好きな人なら、このお菓子にはこの砂糖と決め
るもんだ。

ザラメなんて日本ではありふれたものだが、タイでは珍しいのかも
しれない。タイの市場を見て回り、いろいろな食材に注目していた
が、ザラメがあるかどうか気がつかなかった

2009/7/15

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2009年7月14日 (火)

ラオス風スープ

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このスープをラオス風スープと言っている。
俺にはこの料理の何処がラオスで何処がタイなのかわからない。
タイ人には区別がつくようだ。
俺たちが関西風の味、関東風の味の区別がつくように、タイ人には
タイとラオスの差がわかるのだろう。

スープは何処にも尖った味がない、丸くまとまった良い味になって
いる。ホアラパーの軽い香りが広がる。
鶏肉、朝顔、茄子といろいろな具が沢山入っている。

料理を食って、これはタイのどの地域の料理か分かるようになる
にはまだまだだな。

2009/7/13

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カオパットプウ 蟹炒飯

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冷凍の炒飯が店先に出ていた。これは業務用食品のようだ。
業務用食品の包装をばらして安売りしているように見える。
透明なパッケージには製品名、製造日、材料などの記載がない。
それらの表示はパッケージが入っているダンボールに書いてある
のだろう。このような売り方は法律で許されるのかどうかわからない。
俺は法律なんか気にしないで買ってきた。
この透明パッケージを冷凍庫に入れておく。必要な時に取り出して
レンジでチンをすれば直ぐに食べ
られる便利な品だ。

レンジでチンをしても食べられるが、フライパンで炒めた。
タイの習慣でカオパットには卵を入れる。
卵が入らないとカオパットではないと考えているようだ。
「レンジでチンをしたものより、美味しいわ」
たしかにその通りだ。

蟹と言っても本物の蟹は使っていない。カニボコだ。
俺たちはカニボコなんて言って安物扱いをしているが、タイ人は
カニボコが大好きだ。
カニボコはタイ製の寿司に堂々と乗るスシネタだ。

偽物の蟹炒飯だが飯がパラパラにはがれてよい感じだ。
レモンの絞り汁をかけて唐辛子と一緒に食べると、もう完全にタイ
料理になってしまう。

2009/7/13

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アンチョビーのお茶漬け

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スペイン産のオリーブ油漬けアンチョビーの缶詰があった。
これはタイ料理の食材に似ていると言っても分からないかも知れ
ない。アンチョビーはカタクチイワシを塩漬けにしたものだ。
海老、魚いろいろなものを塩漬にしたものがタイには沢山ある。
それら海産物の塩漬の一種とアンチョビーは位置づけできるから
ヌチャナートが気に入るはずだ。アンチョビーの缶詰はタイにもある
が、庶民の手の届かない高嶺の花だ。高嶺の花というより、庶民は
そんな物の存在を知らないというのが正しいと思う。
缶詰を開けた。
「食べてごらん。美味しいよ」
「あら、魚ね。あたし、魚 大好きなの」
味見をして、美味しいという。
俺は美味しいと言われても、外交儀礼と考える癖がついている。
「これはタイ人にも受ける味じゃないかな?」
「そうね、この味なら大丈夫よ。
タイ人ならこれを・・・・やって・・・・やって食べるわ」
なにやら、タイ人好みの食べ方を語っている。
俺が想像したとおり、アンチョビーはタイ人に受け入れられるようだ。

パッケージの中に美味しいアンチョビーの食べ方を書いた紙が
入っていた。その紙を見るとアンチョビーをお茶漬けにしても美味し
いと書いてある。
どんぶり飯にアンチョビーを乗せて、海苔、三つ葉を加えて、山葵を
入れてお茶をかける。
こんな食べ方は今までには考えられない異端な食べ方だ。
昔は西洋の食材は西洋風に食べるレシピーしかなかった。
これを使って西洋人はこのように食べますと言った、西洋料理を
紹介するレシピーばかりだった。今は西洋の食材を和風に食べる
レシピーが乗っているのが面白いと思った。
時代の変化だ。食の世界もグローバル化している。
和食の代表 寿司がタイに入り、日本人が想像できない寿司がタイ
で生まれている。
スペインのアンチョビーが日本に入り、スペイン人が考えられない
食べ方を日本人が発明する。
なんとも愉快な世界になったもんだ。

2009/7/13

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2009年7月13日 (月)

肉はもっと安くなる

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商店街の肉屋に豚カシラ肉があった。これを日本人はゲテモノと
バカにする。
タイの市場では豚の頭を丸ごと売っている。
豚カシラ肉の専門料理店があった。今度タイへ行ったらその店で
食事をと思っていた。次回、その店があった場所に行くと、もうその
店はなかった。タイではそんなことがよくある。
宝籤に当たった人が日本で言えば八百万の神に相当するピーに
感謝して豚の頭を飾り、お線香を立て
ていた。
肉食文化が長い国では動物の隅々まで食べる。
タイも例外ではなく、一頭の豚の頭から尻尾、血まで
食べてしまう。
豚で食べられないのは鳴き声だけと言う。
日本人も豚のロース、バラ、肩、腿だけでなく、豚のあらゆる部分を
食べると良い。カシラ肉を食べないから、その分をロースなどの価格
に上乗せしている。豚のどの部分からも価値が生じれば、肉の価格
は安くなる。エコロジーとか食糧自給率の向上なんて難しいことを考
える必要はない。食べられる物を全て食べればいいだけの話だ。
日本にも肉食文化が入って100年になる。
そろそろ豚一頭を丸ごと食べる文化に移行してもいい時期だ。
それが命をくれた動物に対する恩返しではないかな?

そうそう買ってきた豚カシラ肉をどう食ったか書かなくちゃいけ
ない。
「ねぇーっ!これ、どうやって食べるの?」
「・・・・」ヌーチャナートは黙って肉を見ている。
俺が考えなくともヌーチャナートが考えて料理してくれる物と思って
いた。
「揚げる?炒める?焼く?」
「焼いたのがいいな」
塩とニンニクで味付けしてグリルで焼いた。
真っ赤な唐辛子ソースをつけて食べる。
カシラ肉は脂があり旨い。硬くて赤い腿肉よりはるかにうまい。
グルメ番組でカシラ肉の特集番組をやれば、直ぐにカシラ肉は普及
する。カシラ肉他が高値で売れるようになると、ロース肉などの
値段が下がるはずだ。

2009/7/12

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メジナの塩漬

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メジナをヌチャナートが見つけた。
「あの魚、買いましょうよ」
黒いメジナを求めた時には、これをどう調理するのか考えが決まっ
ているようだ。家に帰ると早速、魚の処理にかかった。
手早く処理することが美味しさの決めてなのだ。
身に切れ目を入れて、鰭を落とす。尾鰭まで落としちゃった。
なんだか格好が悪い魚になった。
食べない、食べられない全ての鰭を落とす方が合理的だ。
俺たちには活け造りの習慣があり、まるで活きているかのような形
で皿にだす。鰭を落とし、身だけをだす合理的な食べ方にはなんだ
か抵抗がある。
「ねぇー、この魚パーニンに似ているわね。」
「ああそうだね」
言われて見れば色と言い姿と言いパーニンに似ている。

プラスチックの容器に塩を振ったメジナを入れて冷蔵庫で保管した。
魚から出た水が容器の中に溜まっている。
こうして塩漬けにすると腐ることはない。

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「魚、食べるでしょ?どうやって食べる?」
「うーん?!焼いて食べる」
「あたしは蒸すわ」
メジナの焼き物と蒸し物が出てきた。
俺が五月蝿いからかな、偶然かな魚は左向きで腹が俺の方を向い
ている。俺の教育の成果かとにんまりする。ヌチャナートの蒸し魚
は魚の向きなんて気にしていないのがわかる。
教育の成果ではない、偶然の産物だったのがこれでわかる。

塩味はちょうどいい。これに唐辛子ソースをつける。
辛味があると旨さが増すと思うのはタイぼけになっている証拠だ。

2009/7/13

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朝顔の味噌汁

英語では朝顔と言っているのに日本語の分類ではヒルガオ科に
なっている。朝だか昼だかよく分からないのがこの野菜、空芯菜だ。
俺は朝顔は炒め物にして食べる物だと思っていた。
ヌチャナートは味噌汁の具に使っているので驚いた。
日本人の発想にない料理だ。食ってみると旨い。
味噌汁なんてウチの料理にしては珍しい。
最近は味噌汁も上手に作るようになって、正直言って日本人の味
と変わらない。味噌汁に空芯菜を入れてごらん。
美味しいので驚くと思う。

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この味噌汁で俺が驚いたのは具だけではない。
器にステンレスのレンゲが入っていることだ。
日本人は味噌汁の椀に口をつけて食べる。
タイ人はそれを、はしたない、下品な食べ方と見る。
器に口をつけることは許されないから、スプーンで食べる。

ウチにも和食器のお椀はあるが、普段は使わないので何処かに
しまってある。お椀を探し出すのが面倒だから、いつも使っている
器に味噌汁を盛った。
そして、タイの習慣に従ってレンゲを入れた。
出来上がってしまった習慣を変えるのはいかに困難かわかる。

俺たちにとって味噌汁はご飯には必ずつけるものだ。
ヌチャナートにとって味噌汁は「ナムスップミソー」であって、スープ
の一種だから、ご飯の有無に
関係ない。
スープだからスプーンをつけるのが当然だと思っている。
味噌汁を食いながら文化・習慣の差に驚いている。

2009/7/13

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2009年7月12日 (日)

初めてのタイ料理

「まだ食べたことがないからタイ料理を食べたい」という日本人二人
がいた。
ヌチャナート達はタイ人の集まりにそのお二人をご招待した。
なにしろタイ人が自分達のために作った料理だ。
辛さも遠慮しない、タイの味そのままだ。
これがタイの味だといった料理ばかりだというよりそれしかない。
集まりから帰ってきたヌチャナートは言った。
「日本人は”辛ーい!”って言ってたわ」
「そうだろうね」
「それでね、何度もトイレに駆け込んだわ」
「・・・・」
「タイ人はトイレに行かなかったわよ」
そう言って笑っていた。

不慣れな辛いタイ料理を食べると腸が驚いて動き出しトイレに行き
たくなる。唐辛子が多すぎると腸が判断すると、腸は下痢を起こし
て唐辛子を出す。下痢で驚くけど不思議なことに腹痛がない。
これは腸が正常に機能している証拠だから心配ない。

タイ旅行を計画している人は楽しい旅を続けるためにトイレ問題を
計算に入れておく必要がある。それからトイレを意味する
「ホングナム」というタイ語だけは覚えておこう。
辛い食事の後は店のトイレで用を足しておくとよい。
日本のような公衆便所はタイでは少ない。駅、バスターミナルなど
には有料の公衆便所がある。料金
は3バーツ程度だ。
観光客の多い場所は英語でtoiletとか中国語で水房などと書いて
あるから分かりやすい。

町の中にも私設の有料便所はあるけど多くのトイレの看板はタイ語
だ。田舎で見かけた有料便所と案内看板をここに集めておいた。
参考になるかもしれない。
タイ文字が読めないと違いが分からず、どの看板も同じように見え
ちゃう。なんとなくトイレとトイレの看板の雰囲気は分かるかな?
俺達にはどうみてもトイレに見えない掘っ立て小屋がトイレのことも
ある。

http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-60bc.html

探している余裕がない、緊急事態ならこうしよう。
手近な店に入り、腹を押さえ、両足をバタバタさせて「ホングナム」
と言えばいい。直ぐにトイレに案内してくれるはずだ。

2009/7/12

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2009年7月11日 (土)

果物と言う言葉

日本語で果物はリンゴ、梨、柿、蜜柑のような甘い果実を指す。
果物と果実は我々が日常使う日本語ではほぼ同じ意味で使われて
おり、果実と言えば甘い果物を連想
する。
果実であってもナスや胡瓜を果物とは言わず野菜と呼んでいる。
生物学者や農学者はリンゴや茄子もひっくるめて果実と言う。
日常生活で胡瓜を野菜とは言っても果物とか果実と言うことはない。

和英辞書によれば果物に相当する英語はフルーツfruitとなってい
る。英単語フルーツfruitの使い方を見ると、果物と言うより日本語
の果実に近い使い方だ。

和タイ辞書によれば果物に相当するタイ語はポンラマイผลไม้だ。
俺はポンラマイを果物という意味で使ってきた。
日常会話の練習ソフト・本などでもポンラマイを果物として扱ってい
る。レストランでの会話例で
「果物は何がありますか?」
「パイナップル、西瓜、マンゴスチン、パパイ
ヤ・・・・」と熱帯果実の
名前が挙がっている。初級者が使う辞書でもポンラマイという言葉
の隣にバナナなどの絵が描かれている。
だから俺はポンラマイは日本語の果物に相当すると覚えていた。

二三日前のことだ。
ヌチャナートがポンラマイがどうのこうのと言った。
冬瓜だったか、何を指してポンラマイと言っていたのか忘れたが、
俺たちが通常野菜と称しているも
のだった。
タイ語のポンラマイという単語の意味は日本語の果物よりも英語
のフルーツに近い意味なのだと知っ
た。

2009/7/11

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パクチーがあった

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ここんとこ暫くパクチーを使っていない。最近はパクチーをあちこち
でよく見かける。数年前は航空貨物で取り寄せたパクチーしかな
かった。それもタイ食材店でしかお目にかからなかった。
今は地元で栽培されるのでパクチーも安い。

安い、よく見かけるパクチーには希少価値がなくなった?
パクチーを見てもヌチャナートは買おうとしない。
「パクチーがあるよ、買おうか?」
「いらないわ」
どういう風の吹き回しか、今日は自分からパクチーを買おうと言い
だす。パクチーは八百屋の店先に漢字で「香菜」と書いてある。
「あら、パクチーよ!買いましょうよ」
そういわれると、俺もパクチーの香りを思い出した。
緑の葉を摘んで食べてみた。特有の強い香気がある。
多くの日本人はこの香りに拒否反応を示す。俺もイヤだった。
しかし、この香りになれないとタイ料理を食べることができない。
パクチーの香りがついた料理を食べているうちに、パクチーの香り
に慣れてしまった。慣れると良い香りに思われてくるのが不思議だ。
しばらくパクチーが入った料理を食べていないので、パクチーの香
りが懐かしくなった。

2009/7/10

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パッカパオガイ 鶏肉と砂肝のパッカパオ

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パッカパオは俺の大好きな料理だ。これを食べる人はおいしいと
言う。しかしこれを作る人は大変だ。唐辛子から猛烈な煙がでる。
この煙が刺激となってくしゃみがでる。
作り始める前に換気扇を回して空気の流れを換気扇に行くように
しておく。これをやらないと、刺激臭が広がってしまう。
今日は鶏肉と砂肝を使った。
どうして砂肝を使ったのかと言うと、砂肝はヌチャナートの好物だか
らだ。理由はそれだけではない、実は、塩っぱかったらしい。
「あら塩っぱいわ」
そう言って砂肝を加えて塩味を薄めたのだ。
「うん、いい味よ」
俺はこの料理の味も香りも好きなんだ。

2009/7/11

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タイ風ムール貝

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だいぶ大袈裟なタイトルだ。こんな風に言うとなんだか特別な料理
に聞こえる。地中海沿岸ではムール貝をトマトソースで煮込むとか
複雑なことをやる。タイ風というのだから、ココナッツクリームを使っ
たこってりしたソースで煮込んだものかな?なん
て思ってしまうだ
ろうな。これは別にどうと言うことがない料理だ。
ムール貝を茹でて唐辛子とニンニク、ナンプラのソースで食べる
だけの話だ。ウチというか、タイでは単純なソースをつけて食べる。
この食べ方も良いもんだよ。
今日の殻は余り大きくない。殻を開けると大きな身が入っている。
なんだかとくをした気分だ。

流通が進化し、タイの内陸部でもムール貝を食べることができる。
田舎の村々をトラックで走り回る移動販売車がある。
彼等は移動販売車を「車の市場」と呼んでいる。
たいてい旦那が運転して、女房が荷台で販売する。
移動販売車が走る村々の客は貧困層が多い。
高原地帯の村に来る移動販売車でもムール貝を売っている。
貧困層が買えるムール貝は小さいものばかりだ。
たまに大きな殻があっても身は痩せて小さい。
殻も大きく、ふっくらとした身がついているムール貝は富裕層が買物
をするスーパーや高級料理店に
流れてしまう。

日本や欧州で見るムール貝は貝殻が全体に黒いのにたいして、
タイでは貝殻の中央部は黒いが周辺部
は緑色だ。

2009/7/10

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2009年7月10日 (金)

トムヤンクンとすき焼き

トムヤンクンと言えばタイを代表する鍋料理だ。
すき焼きは日本を代表する鍋料理だと言ってもよい。
この二つの料理について考えてみた。

味はどう見ても共通点はない。
トムヤンクンには酸味と辛味があるが、すき焼きにはない。
すき焼きの味は醤油の味だ。トムヤンクンにはナンプラを使うが
醤油は使わない。
主な材料も片や海老で片や牛で共通点はない。
どちらも一つの鍋を大勢でつっつくのは共通だ。
酒を飲みながらすき焼きの鍋をつつくのはあまりにも当たり前のこと
なので俺たちは何も疑問を感じない。
タイ人も同じくトムヤンクンを友人・家族とつつくのを当たり前と感じ
ている。

俺はこんな話を聞いたことがある。
西洋人の食事は常に個人単位だ。食卓の真ん中に大皿や大きな
器があり、それが全員の物という場合もある。
その時は、大皿から自分の皿に取り分ける共用のスプーンなどが
ある。共用スプーンは"取り分け"だけに使い、それで料理を食べ
ることはない。
その逆も真で、個人のスプーンやフォークで大皿の料理を絶対に
取り分けない。
そういう習慣があるから、自分の箸で食卓の中央にある鍋から肉や
野菜を摘んで食べるすき焼きは気
持ちが悪いと西洋人は感じるら
しい。

トムヤンクンの場合、高級レストランでは取り分け用のスプーンを
出すこともある。取り分け用のスプーンがない場合、各人が自分が
使っているスプーンで海老などを取り分ける。
箸と違ってスプーンには唾液が多くつく。それで鍋の料理をすくって
食べる。
初めてトムヤンクンを食べる西洋人は他人の唾液が混じっている
かもしれない鍋から海老などを取り
出すのを気持ちが悪い、非衛生
的と感じるだろう。
俺にはすき焼きの習慣があるから、トムヤンクンの鍋をタイ人と
つつくのに何の違和感も感じなかっ
た。トムヤンクンの習慣がある
タイ人は一つの鍋をつつくすき焼きに抵抗は少ないはずだ。

これが西洋人になると、大勢が同じ鍋をつつくトムヤンクンやすき
焼きに抵抗を感じる。東洋人はいちいち取り分け用食器を使わな
くてはいけない西洋料理に抵抗を感じる。
この差異を乗り越えるには東洋人にも西洋人にも小さな心理的
葛藤がある。

2009/7/9

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2009年7月 9日 (木)

バナナの蕾と鶏のタイ料理

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近所にバナナがある。これが丈夫な木で何度も切られるのだが、
またすぐに大きな葉を広げる。そのバナナに蕾ができていた。
日本の気候では果実に成長しないことはわかっている。
今ならバナナの蕾を食える。どうせ枯らしてしまう。
日本人はバナナの蕾を食べることを知らない。
有効利用しよう。
「あの蕾を貰おうか?」
「要らないわよ!あんなの美味しくないわ!」
食べていないのだから、美味しいか不味いか分からない。
それなのにヌチャナートは見ただけで不味い蕾だと断言する。
バナナの種類によって美味しい蕾とそうでない蕾があるらしいこと
は分かった。タイにはいろいろな種類のバナナがあり、バナナの
プランテーションでは異なる色のバナナの葉が茂
っている。
山の斜面にあるバナナの葉が風に揺れるのを見ると南国だと感じ
てしまう。俺がタイで目にするバナナの蕾はどんな種類のバナナ
なのか知らない。
蕾の大きさから推定して大型のバナナだろうと思っている。

日本でも新鮮なと言いたいところだが、「生の」と言い換えた方が
良さそうなバナナの蕾を時々みか
ける。タイでの値段を知っている
から、飛行機代が含まれている生のバナナの蕾を買う気がしない。
バナナの蕾が食べたくなったなら、缶詰で代用している。

バナナの蕾と鶏肉、香草で煮込む。
一羽の鶏を出刃包丁で叩き切り、料理ごとに使い分ける。
これには小さな肉を選んでいた。
バナナの蕾は黒くなっているので、見かけは悪い。
でも食べると旨いのに驚く。
香草の香りに最初は騙されているが、徐々に唐辛子の辛味がきい
てくる。

あっ、そうそうここにもコブミカンの葉を使っている。
この料理では西洋料理で月桂樹の葉を使うのと同じように、
コブミカンの葉は切らずにそのまま入れ
ている。
料理によってコブミカンの葉をそのまま使う場合と、切ってから使う
場合があるらしい。今までそんなことに着目していなかった。
コブミカンの葉を切るのは、切断面から香り成分を多く出すためだ
と思っていた。
高級寿司店ではバランを形良く切っている。
それと同じように、コブミカンの葉を切るのは一種の装飾、あるい
は迷信などに基づくおまじないな
のかもしれない。
この料理の時にはコブミカンの葉を切る、あの料理では葉をその
まま使うという、
伝統・習慣があるのだと思う。

2009/7/8

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名の無い料理

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ちょこちょこと作ってだしたこの料理には名前はない。
茄子と鶏肉をスープで煮込んだだけだ。
塩味がちょっときつめだ。日本人にはこの位の塩味がいい。
久しぶりに塩っぱい料理を食った。
「旨い!これはなんていう料理なの?」
「名前なんてないわよ!適当に作ったのよ!」
無理して名前を付ければトムチュートマクワガイなんてなるのかな?
家庭料理だから名前なんかなくったって、旨けりゃいいんだ。
どの家にも名前がないオフクロの名物料理がある。
そういう料理っていつまでも子供の心に残る料理だよね。

2009/7/8

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2009年7月 8日 (水)

筍と豚肉のタイ料理

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醗酵させて酸っぱくなった筍と豚肉を炒めたものだ。
この料理も俺のお好みに入った。
酸味と言っても僅かだ。それと唐辛子の辛味が加わる。
赤い唐辛子がこれだけ見える。見えない場所にも唐辛子が入って
いるから日本人はピリ辛と言わないと思う。
これをご飯に乗せてたべるといいよー。
香草の香りが口の中で広がる。
食欲がなくてもこれを一口食べると、食欲が出てくる。

2009/7/7

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酒のラベル

物を整理していたら、タイの酒のラベルが出てきた。
赤と緑のラベルの酒はラオと言われるタイの焼酎だ。
ラオの製法が沖縄に伝わり沖縄名産泡盛の原型となった焼酎だ。

Pct50

この焼酎の飲み方だが、タイ人と日本人では飲み方が少々違う。
タイ人は仕事に出かける前、仕事から帰ると、近くの雑貨店に入っ
てウイスキーグラス一杯のラオを
ぐいとあおる。
これから仕事だろ?酒をひっかけてもいいのか?
こっちの心配をよそに車を運転して出勤する。
まるで風邪薬か栄養ドリンク剤を飲むような感じだ。

アル中に近い人は朝、起きると近くの雑貨店で一杯ひっかける。
しばらくすると又、店に行って一杯ひっかける。
一日に何度も店に足を運ぶ。
そんなことをするなら、瓶を買った方が安上がりなのに、瓶を買う
ことはない。必ず、グラス一杯ずつ飲む。なぜか?
瓶を買うまとまった金がない?
瓶があったら、焼酎がなくなるまで飲み続けるから安全対策にして
いる?理由は分からないが、毎回グラス一杯ずつ飲む。
グラス二杯を飲む人を見ない。

俺はこの焼酎の瓶を前に置き、水割り、オンザロックで飲む。
まあ、平均的日本人の飲み方だ。
タイ人から見るとおかしな飲み方をしていると思うだろう。
タイへ行ったなら、タイでしか飲めない地酒を飲むべきだ。
これが日本人の考え方だ。

次の酒は漢字で長春薬酒と書いた酒だ。タイの養命酒と思えば
大きな間違いはない。タイ文字でチェンチュンと書いてある。
出身地・方言によってシェンチュンと発音することもある。
Pct40

日本に住むタイ人がシェンチュンという酒がどうのこうのと言う。
今度、タイへ行ったら是非シェンチュンという酒を探して飲もうと
思った。俺は長春薬酒なら味見をしており、知っている。
どんな場所でそれを買えるかも知っている。
俺は日本人だから漢字を読んでしまい、タイ文字を読まない。
長春薬酒とシェンチュンが同じ物だとは知らなかった。
俺のいい加減なタイ語でシェンチュンを求めてタイの町を歩いた。
いざ探すと見つからない。見つからないとシェンチュンが幻の酒に
見えてくる。親切な老婆に出会い、シェンチュンを飲める場所を教わ
った。教わった場所は汚ったねぇー場所だった。
日本のカウンターだけで椅子がない立飲み酒場を想像すればいい。
いろいろな酒を並べているが肴はない。
ウイスキーグラスが一個だけある。洗わないからグラスは汚れて
いる。最初は透明だったガラスが手垢と酒の色で茶色の曇りガラス
のようになっている。全ての客がその一個のグラスで酒を飲む。
誰もがぎゅっと飲んで帰るから、グラスは店に一個あれば間に合う。
シェンチュンを求めると長春薬酒の瓶を取り上げて、茶色の曇り
ガラスのようなグラスに入れてくれ
た。
「なんだ!シェンチュンは”長春”の中国音がタイ語訛りになった
だけだ!」幻の酒が単なる薬酒に転落した。
強い酒を飲み、熱帯の太陽の下を歩くと直ぐに酔いが回るのを
感じる。

2009/7/6

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2009年7月 7日 (火)

酒とタイ人

俺が観察した酒に対するタイ人の反応だ。
一般的にタイ製の酒の評価は低く輸入洋酒の評価は高い。

その理由は二つある。
その一つは日本人と共通な誤解に基づいている。
高価な酒は高級で旨い酒だと勘違いしていることだ。
味と値段に相関関係はないのだが、みんなは高価だと旨いと勘違
いする。輸入洋酒は関税で値段が膨れ上がっているだけなのに、
旨いと思っちゃうのだ。

第二の理由はタイ人の欧米崇拝をあげることができる。
昔の日本では欧米からの輸入品は良い物だった。
経済力も製品品質も欧米と肩を並べるようになり、現在の日本人は
欧米の品物を必ずしも良品とはみ
ない。かっての日本人のように、
タイ人には欧米の物は良い物でタイの物は不良品という感覚がある。
タイ製の蒸留酒よりもラベルに英語が書いてある欧米ブランドの
ウイスキーは高級品と見る。おそらく、大きなタンクで輸入され、
タイで瓶詰めにしている日本では知られていないブランドの安

スコッチなども高級品扱いだ。ジョニーウオーカー黒ラベルとか、
シーバスリーガルなどのスコッチはステータスシンボルみたいな
もんかな。金持ちのどら息子やどら娘がこれ見よがしにディスコなど
で飲んでいる。
限りなくシーバスリーガルに近いデザインのまがい物も売られて
いるのが笑える。安いスコッチと言えども、庶民の収入ではちょっと
手が出ない値段だから高級品になるのはしょうが
ないな。

この典型的な例を俺は輸入ワインに見て取る。
税金、関税の関係でワインは高価だ。日本で1千円で買えるワイン
がタイでは日本円で2千円になる。
高額な税がかかっているため、ワインは高価だ。
ワインを飲むのは税金を呑んでいるようなものだ。
高価だから、ワインは美味しいとタイ人は勘違いしている。
ワイングラスにワインを入れてタイの女に差し出すと、グラスに
ちょっとずつ口をつけて旨そうに飲
む。そのくらいワインは高級品
扱いされる。

タイ製のラオという焼酎なんて高く評価しないが安いから広く飲ま
れている。これでいろいろな薬酒を作る。
薬酒を英語で言えばリキュールだ。洋の東西を問わず、何処の国
にも
リキュールはある。

いろいろなタイの薬酒を味見してみるのも旅の楽しみになる。
日本と違って瓶売りでなく、ウイスキーグラスで一杯ずつ売るから、
何種類もの薬酒を味見できる。

薬酒の専門店というより屋台があちこちにあり、いろいろな薬酒を
並べている。梅酒を漬けるようなガラス瓶に薬酒を入れ、それを
何個か並べている。屋根付きの市場の中や青空市場でも売って
おり、買物のついでに一杯ひっかける客が多い。
どの薬酒が何に効くのかわからないが、客は好みの薬酒を指定
する。多分、薬効よりも味とか香りで好みが決まっているのでは
ないかな?

国道沿いで薬酒を売っている奴がいた。
国道を走るトラックが止まり、運転手が降りてきて薬酒を飲んで走り
去る。
「運転手に酒を売ってもいいの?」
「いや、まずいんだ。だから電柱の影にいるんだ」
目立たないようにしているのだが、目立たなければ商売にならない。
それでクリスマスツリーに使うチカチカ電球をつけている。
なんだかわけのわからない売り方だ。
ウイスキーグラスで一杯ひっかけて、冷たい水を貰って飲み干して
帰るのが普通の飲み方だ。普通の水の場合もあるが、ちょっと茶色
でココナッツのような香りがついた水の場合もある。
たまにウイスキーのポケット瓶ほどの薬酒を買って帰る奴がいる。
これが薬酒の飲み方だ。

この薬酒屋の隣に焼鳥屋が店をだすと、状況が変わる。
薬酒を飲んで焼き鳥を食う。焼鳥を食って薬酒を飲む。
薬酒屋と焼鳥屋の間に茣蓙を敷いて日本の居酒屋の雰囲気が
でていることがある。

若い女が赤い薬酒を買っていた。
俺がそれを見ていると女はちょっと恥ずかしそうな顔をした。
後でわかったことだが、その赤い薬酒は生理時の女に薬効がある
そうだ。生理痛などに効き目があるのだろう。

蒸留酒としてラムやブランデーもある。
俺の好みに合う奴もある。早く酔えるからだろうか、蒸留酒は人気
があるようだ。メコンと言うブランドの米で作ったウイスキーがある。
彼等はタイウイスキーと呼んでいる。
タイ人には好まれているようだが、日本人の間では評価は低い。
メコンは日本にも輸入されているから日本で味見ができる。

サトーというどぶろくがある。
自家製のサトーはすぐに酸味がでてしまうから、酸味がでる前に
飲むと良い。

このサトーを単純な蒸留釜で蒸留してラオを作る。
ラオを作る現場は見ていないが、蒸留釜は見たことがある。
法律が改正され自家消費のサトーの醸造は認められたそうだ。
これを蒸留するのは違法かどうか知らない。

タイでも日本の清酒を醸造している。
タイ製の清酒と知っているから、タイ人は不味そうな顔をして飲む。
日本から輸入された清酒は高率な関税がかかっているから高いが、
タイ製の清酒は関税のない分それ
だけ安い。

普通の店では売っていないが、スーパーへ行けば、日本と同じ
ように世界各国からの酒を売っている
。法律で時間帯とか特定の
日には酒類を売ってくれないから注意が必要だ。

コニャックやシャンペンなんてタイの庶民は名前さえ知らない。
富裕層はとてつもなく金持ちだから、希少なコニャック以外相手に
しない。欲しい物は何でも手に入る富裕な彼等は冷たいビールが
一番美味しいなんて言うだろう。

シンハービールとかハイネケンが高級ビールとされている。
象印のビアチャンは安物とされる。
ビアチャンは安いけどアルコール濃度が高いので庶民に人気がある。

夜は家の外にでて冷たいビールを飲むのが旨い。
冷たいビールを飲む習慣がいつタイに入ったのか知らないが、この
習慣は瞬く間に広がったと思う。

大切なことを思い出した。
これだけは絶対にやるな!間違っても飲んではいけない!

ウイスキーの空瓶をタイ人は再利用する。
ラベルも剥がさない空瓶にガソリンを入れて店先に並べて売って
いる。こうやってガソリンを売る店があちこちにある。
庶民は重要な移動手段となっているバイクにこのガソリンを入れる。
ガソリンを入れた瓶を並べるための専用台もある。
ラベルだけ見て、いつも飲んでいるウイスキーと勘違いして飲むと
怖ろしいことになる。
これだけは絶対にやってはいけない。

2009/7/6

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手羽を焼く

なんとなくタイの市場で鶏肉の値段を見ていた。
そうすると、手羽の値段は他よりも高いのに気付いた。
日本では手羽は安い。「あれれ??」
そう言えばヌチャナートは手羽が好きだ。
他のタイ人に聞いても手羽は美味しいから好きだと言う。
手羽なんて、肉はホンの少ししかなく、骨があって食べにくい。
それでもタイでは人気があるから手羽が高い。
面白い現象だ。

P1110540pct13

同じような現象に豚のガツがある。
日本では豚のガツは安い。
豚のガツをタイ人は好むので、ガツはタイでは高い。

この逆にタイでは安いのに、日本では高い物もあるだろうな。

2009/7/6

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冬瓜のトムチュート

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このトムチュートは鶏肉と冬瓜を使ったものだ。本当に単純な味だ。
冬瓜は煮込んで柔らかになっている。口の中でとろける冬瓜が
いいんだ。なにしろ、鶏肉を煮て味を調える。
冬瓜を加えただけの料理だ。唐辛子が入っていないから辛くない。

正式なタイ料理の一品だから、このまま注文して食べる。
また、西洋料理のスープのような食べ方もする。
西洋料理だと、スープをまず食って、食べ終えると皿を下げる。
スープを食い終わらないと次の料理が出て来ない。
タイ料理だからスープは食い終わらなくてもいい。
スープを一口飲んで、肉や野菜料理を食う。
そしてまたスープということが許される。

2009/7/6

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2009年7月 6日 (月)

キッチン菜園

こんな記事があった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090705-00000532-san-soci
野菜の根元や芯などを水につけておいたり、植えたりすると新たに
芽が出て収穫ができる。
それを食べちゃいましょうという内容の記事だ。
カイワレとか三ツ葉など根付きで売られている野菜がある。
根が付いたスポンジを多くの人は捨てちゃう。これを捨てないで、
水につけておくと、二週間ほどで新しい芽や葉が出てきてもう一度
収穫できるそうだ。失敗したってもともと捨てる物だ。
ゴミ箱行きが遅くなったと思えばいい。
人参も水につけておくと新しい茎がでてくる。それは知っていたが、
それを食べるとは思いつかなかった。

芽が出たニンニクをウチでは以前から植えている。
この記事でも芽が出たニンニクを植えることを紹介している。
ニンニクは丈夫だから適当に水をやっておけばいい。
ネギのようなものが伸びてくる。それを薬味に使う。
土の中でいつの間にか丸い小さな球ができている。
ウチでは茎が伸びると食ってしまう。
食うと新しい茎が伸びる。それも食ってしまうので小さい球しかでき
ない。伸びた茎を食わなければ市販のようなニンニク球が出来ると
思う。でも茎は長葱みたいになるんじゃないかな?

水耕栽培ならキッチンでも良いかもしれないが、土をキッチンに置く
のはどうかな?土の中にいる食中毒の原因菌が料理に入り込む
可能性がある。やはり、土に植えるものはベランダなどに置くほう
が安全だと思うよ。

2009/7/5

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醗酵食品のにおい

何処の国でも醗酵食品はある。そのにおいはその国の人にとって
はよいにおいだ。いや悪いにおいとわかっていても、旨さがその
悪臭を通り越してしまうものがある。
例えば日本のクサヤがそれだ。これはくさいが食うと実に旨い。
酒の肴にぴったりだ。

テレビで見たのだが、樺太だったかな、小鳥を醗酵させたものを
保存食にしている。においが酷いらしく、それを出された日本人は
においを嗅いだだけで遠慮していた。
日本人が遠慮するのを見た、樺太の人は笑っていた。
彼らは美味しそうに小鳥を食べていた。
あんまり美味しそうに食べるので、俺は食べたくなった。

タイにはいろいろな醗酵食品がある。熱帯だから食べ物は直ぐに
腐る。腐敗細菌にとってタイほど住みやすい場所はない。
腐敗も醗酵も微生物によって起こる。人間に好都合なものが醗酵で、
不都合な物が腐敗と考えていいだろう。
タイでは醗酵させることで食糧を保存する伝統技術が現代まで受け
継がれている。
「いずし」「漬物」「塩辛」のような醗酵食品を日本でも家庭で作って
いたが、今では廃れている。

市場に行っていろいろな醗酵食品を見ているだけで楽しくなる。
小魚、海老・・・・いろいろな醗酵食品がある。
どれもこれも見た目が悪く、くさい!本当にくさいが、旨味は強い。
そのような醗酵食品は冷蔵庫に入れる必要がない。
そんな醗酵食品を買って帰り、「これを食いたいのだけど」と差し出
す。それを見るとたいていのタイ人は驚く。

薄切りニンニクと生唐辛子に混ぜて、バナナの蕾と一緒に出される
とこんな食べ方があるのかと驚き
、嬉しくなっちゃう。
今後、タイの経済力が大きくなり、庶民がスーパーで買物をする
ようになると、日本と同じように伝
統的な醗酵技術も失われて行く
のかも知れない。もったいないことだ。
この技術を伝えて行ってほし
いと願うのは俺だけだろうか?

2009/7/5

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タイの野菜炒め

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こんな大袈裟なタイトルにしてしまったが、それほどたいした料理
ではない。ありあわせの野菜を炒めただけだ。
ナンプラとオイスターソースを使ったのが特徴かな。
こういう単純な料理って飽きがこない。
お隣さんならこのまま食べるだろう。
激辛のタイ料理が苦手な人が、タイでこれを出されたならほっとして
食べるだろう。辛い刺激がないとどうも食べにくくなっている俺は
唐辛子と一緒に食べている。

2009/7/4

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2009年7月 5日 (日)

幻の糠漬けを求めて

大きな魚の切り身が糠漬けのようになっているのをタイの市場で
見た。塩辛のようにどろどろになった醗酵製品はよく見る。
米ぬかを使ったのかどうかわからないが、見掛けは糠漬けだ。
糠漬けは珍しい。それを求めることにした。
糠を掻き回すと白い蛆がわんさか出てきた!
「ウワーッ!」糠の中に隠れていた蛆が掻き回されて出てきた。
俺が驚く様子を見て、売り子の母娘は笑いながら
「マイペンライ」と言う。
蛆を見て、買うのをためらった。でもこれを食ってみたいという俺の
好奇心が勝った。家に持ち帰り、今日 発見した食品を見せた。
「こんな物を何処で見つけたのよ?」
「あそこの市場で売ってたよ」
ヌチャナートが魚を焼いてつまみ食いをした。
「あらっ!美味しいわよ。食べてごらんなさいよ!」
蛆を思い出しながら、おそるおそる食べた。
ヌチャナートが言う通り、美味しかった。
もしかすると蛆がわかないと、この味にならないのかもしれない。
不衛生に見えるが、蛆と醗酵細菌の共存でこの味になっている
可能性がある。
何処かの国の醗酵製品に蛆が不可欠というのがあった。
これもその類かもしれない。

その後、この糠漬けを買いたいと思って市場に行くが見つけること
ができない。確か、この市場のこの辺で見かけたのにあの母娘は
いない。市場にショバ代を払って正式に店を構えている母娘では
なさそうだった。
ゲリラ的に市場に入り込んで、商売をしていたのかもしれない?
他の市場でも糠漬けを求めて歩き回るが見つからない。
俺にとって、あの糠漬けの魚は幻の糠漬になっている。

2009/7/5

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二人のサラダ

とにかくもっと野菜を食わなくてはいけない。
それは分かっているが、肉を食ってしまう。
「野菜、食べるでしょ?野菜を食べないとダメよ!」
それで俺用のサラダを作ってくれた。
ドレッシングは試供品を使う。ドレッシングなんてもんを作るのは
簡単だと思うのだが、欧風な味の物をヌチャナートは作らない。
試供品で手抜きと節約をはかる。
こっちが俺のサラダだ。

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ヌチャナートはソムタムを自分用に作っている。
俺が食べないと知っているので、思いっきりタイ風の味付けにして
いる。腐ったとしか思えないくさい魚、大量の唐辛子を加えている。
絶対に俺は食えない味を、「うーん、いい味よ」とご満悦だ。
この味を旨いと思えるようになるには相当な覚悟がいる。
これを食えるようになるにはまだまだ時間がかかる。

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2009/7/5

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2009年7月 4日 (土)

箸と習慣

習慣と言うのは無意識のうちにでてくるものだ。
例えば日本人は顔を洗う時、両手で水をすくい、手で顔をこする。
モンゴル人も両手で水をすくうのは同じだ。彼等は両手を動かさず
顔を動かす。この習慣はチベットなど水の得にくい地域でも行われ
ていたと思う。

汁麺を作ってくれた。
「出来たわよ」
食卓には土鍋に入れた麺がでている。
土鍋には割りばしがのっている。
日本人は箸を食べる人から見て横に乗せる。
タイ人は縦に乗せる。
これも習慣だ。ヌチャナートもタイで作られた習慣が無意識のうちに
でている。出された器が土鍋だから、持ち手がついている。
持ち手と箸の位置関係を見れば、箸が縦に置かれたことが分かる。

P1110519pct13

食事をしていて箸を箸休めではなく、器の上にちょっと置くことがあ
る。その時もタイ人は器に縦に置く。日本人なら横に置く。

こんなことを知っていても多くの場合なんの役にも立たない。
この情報が役に立つ場合を考えた。
モンゴル人や、タイ人に化けてスパイをするには重要な情報だ。
タイ人なら必ず箸を丼の上に縦におくのに、うっかり横に置いて
しまったことから日本のスパイだと
見破られてしまう。
スパイと判明すれば自分の生死、国家の存亡にも関係する。
こんなことでも知っていると役立つことがありそうだ。

ちょっとした習慣の差を発見するのはおもしろい。

2009/7/4

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赤貝のタイ流食べ方

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赤貝はタイ人が大好きな食べ物だ。
一人でバンコックのレストランに入った。
店先に出ていた赤貝がなんだか美味そうな気がしたから注文した
が、俺の好みに合わなかった。寿司屋では赤貝を食べるのだが、
タイではどうして気に入らないのだろう?
貝につけるソースが気に入らなかったのだろうか?
煮えたのか煮えないのかわからない半なま状態が気に入らない
のか?

ヌチャナートが大好きな赤貝を見かけたので買ってきた。
帰宅するとすぐに水に入れる。
水は貝殻の汚れで黒くなる。貝殻の深い筋に黒いものが溜ってい
る。それを落とさなくては駄目だ。貝を両手で持ってごしごし洗う。
それでもなかなか黒いものはおちない。
歯ブラシで殻をこすったこともある。そんなこといちいちやっていら
れない。タイ人はその黒い汚れをあまり気にしないようだ。
ある程度、綺麗になったなら茹で上げていた。

赤貝は茹でても蛤のようにパカッと口をあけない。
両手で貝を広げて身をつまみだす。
身を辛いソースにつけて食べるのがタイ流の食べ方だ。
実に美味そうにヌチャナートは食べている。
嬉しそうな顔を見ると、買ってきてよかったと思う。

2009/7/4

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繊細なタイ料理

よく日本人は和食は繊細だが、タイ料理は大雑把だと言う。
俺もそのように思って、そんなことをこのブログに書いたと思う。
たしかに、タイ料理には盛付の繊細さがないと俺も思う。
器にどさっと入れたような料理が多い。

ウチの料理を写真に撮ろうとする。それを見て、ヌチャナートは言う。
「写真を撮るなら、ちょっと待って!」
赤い唐辛子を上にだして、彩を綺麗にする。
日本人なら、彩を考えるだけでなく、唐辛子を並べる、揃える、
花模様にするなど芸当を使う。それが日本の繊細さと考える。
そんな芸当をタイ人は使わないから、タイ料理は大雑把と日本人
は感じてしまう。

唐辛子に関してはタイ人は日本人よりも遥かに繊細だ。
極端な話、日本人にとって唐辛子は辛ければなんでもいい。
唐辛子を多用するタイ人は、唐辛子に対する要求度が日本人とは
全く違う。多くの場合、辛味を要求するが、ある場合は赤い色を要求
し、他の場合は香りを要求する。
味、色、香り以外に簡単に粉になるとか、皮の硬さなど物理的特性
も要求する。料理によって唐辛子を使い分けている。
それがタイ料理の繊細さだということは理解した。

俺たちには何でも辛い大雑把なタイ料理に見える。
タイ人から見ると、「この唐辛子の繊細な違いを日本人はなぜわか
らないのだ?」と疑問に思える。
「タイ人の味覚は繊細だが、日本人の味覚は鈍感だな」なんて感じ
ているだろう。

俺たちには大雑把に見えるタイ料理の盛付だが、タイ人から見ると
気配りをした繊細な盛付なんだろう。タイ料理の繊細さを俺たちは
理解できていないだけかもしれない。
この点については俺はもっと追及する必要がある。
あのような盛付にもきっとなにか意味がある。
例えば、コブミカンの葉が出ていると、明日は雷雨になるという迷信
があるから、コブミカンの葉は必ず肉や野菜の下に隠すなんて繊細
なことをやっているかもしれないと推定している。

和食ではよく人参を花の形に切ってだす。
これを日本人は繊細さと感じている。タイ人から見ると
「味は花型だろうと輪切りだろうと同じだ。」
「日本人は無駄なことをやっている」と感じるかもしれない。
蕎麦屋に行くと、海苔と生卵をのせた月見蕎麦がある。
卵がちょっと白くなり、卵の黄色と黒い海苔の彩が綺麗だ。
海苔を雲に見立て、卵を月に見立てる一種の遊び料理だ。
これを風流、繊細さと日本人は感じるが、幾ら説明されてもタイ人
にはその繊細さは分からないと思う。

何処の国の人でも料理を楽しみながら食べたいという気持ちが
ある。タイ料理にも繊細さがあるはずだ。
その繊細さが分かるまでにはまだまだ多くの時間が必要だ。

2009/7/4

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ゲンガイノーマイドング 鶏と筍スープ

どんな食材も無駄にせず、新しい料理にしてしまうヌチャナートの
得意技料理だ。この鶏は先日煮込んだ軍鶏だか廃鶏か分からない
奴だ。腿など食べやすい大きな塊は既に食べた。
手羽など細かい肉が残った。これを使った料理だ。

筍は醗酵させて酸っぱくなっている。醗酵製品だから、においが
酷い。ビニール袋に入れて冷蔵庫の中に入れてあるが、うっかり
袋をあけるとむっとする。
これをレモングラスなどのハーブを加えて鶏肉と一緒に煮ると香味
は一変する。あの悪臭は何処かに消えて、美味しいスープになって
しまう。筍からでた酸味が味を引き立てる。
もちろん唐辛子も使う。バランスが取れた辛味と酸味は食欲を刺激
する。
この味の組み合わせは熱帯でなくては考えられない。
日本人は「暑いから冷たい料理を」と考える。
一年中暑いタイで毎回冷たい料理を食っていたら、腹を壊す。
暑いのに、このように温かい料理を食べる。
温かい料理を食えば当然ながら体温が上がる。
いつも不思議に思うのだが、飯を食って暑くなったと感じない。

他にもおかずはあったが、これだけで飯を食ってしまった。

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2009/7/4

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焼魚の習慣

人間っていろいろなこだわりがある。こだわっている人には重要な
のだが、こだわりのない人にはお笑いものだ。

ヌチャナートが日本人についてぶつぶつ言っている。
なにやら不満をたれているようだ。
俺には何を言っているのかわからない。
「わかった?」
「わからない」
同じ事を繰り返して言うがわからない。焼魚がどうの頭がこうのと
言う。
「サミイも同じよ!タイ人はそんなこと気にしないわ!」

日本人は焼魚を出す場合、魚の腹を手前にして頭は左にする
習慣がある。そんな事にこだわる日本人の食生活が気に入らない
らしい。

焦がさないように焼く。ヒレも焼け落とさない。そんなことにタイ人は
気を使うが、焼いた魚を出す時には気を使わない。
魚の腹が手前にあるか、頭が右にあっても左にあっても気にしない。

魚が好きなヌチャナートが嬉しそうに焼魚を出す。
俺は黙って、魚の向きを変えてから食べていることもある。
無意識にやっているのだと思う。
ヌチャナートには何をやっているのか理解できないだろうな。

2009/7/4

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ナムプリックヘット シメジ茸の叩き

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青い日本の唐辛子とシメジを使ったナムプリックだ。
姿は大きくて、先が尖っているからさぞ辛そうに思える唐辛子だ。
「日本の唐辛子は辛くないのよね」
そんなことをヌチャナートは言っている。
多分、これは日本人には辛い唐辛子なのだと思うが、タイ人には
辛くない。辛さボケしている俺も辛いと思わなくなっている。

唐辛子やシメジをグリルで焼く。これらをニンニクやハーブ、調味料
と一緒に臼で叩きつぶす。茸は嵩張っているから沢山あるように
見えるが、叩き潰すとほんの僅かな量になる。
これを飯にのせて食べてもいい。他におかずなんていらない。
これだけで何杯も飯のおかわりができてしまう。

このナムプリックを食いながら、海苔の佃煮を思い出していた。
海苔の佃煮があるとそれだけで飯が進む。
味も香りも海苔の佃煮とナムチムには共通点がない。
でもこれさえあれば飯が食えるという所が似ている。

ナムプリックを肉や魚にのせて食べてもいいよー。
これも俺の大好きな料理だ。

辛くない日本の唐辛子と言ってもここには何十本もの唐辛子が入っ
ている。これだけ使えば俺には丁度良い辛さになっている。
「タイの唐辛子も加えて辛くしたらもっと美味しくなったわね」
そんなことを言いながら、ヌチャナートはナムプリックヘットを食べて
いる。

2009/7/3

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初めてのタイカレー

ヌチャナートと知り合った日本人がタイ料理を食べたいと言った。
タイカレーを作って差し上げることにした。
日本にあるタイ料理屋では日本人向けの味に変えている。
そんな味ではなく、いつもタイで食べている味にしろと言っておいた。
言ってみれば田舎のお袋の味のようなタイカレーができた。
いつもウチで食べている味だ。

ヌチャナートは日本人の反応を持ってきた。
ご主人と一緒に召し上がったそうだ。
「辛かったわー!」そうだろうな。
辛いはずだよ。タイ人が普通の辛さと思っている味なんだから、
日本人には激辛だ。外交辞令で美味しかったと言うが、本当に
美味しいと感じたかどうかわからない。
今でこそタイカレーは俺の好物だが、初めてタイカレーを食った時
は美味いと思わなかったことを思い出した。
カレーというから、インドカレーを変化させた味を想像していた。
インドカレーとは似ても似つかない味がタイカレーだ。
想像の味とまるで違う味だと、美味いとも不味いとも言えなくなっ
ちゃう。どちらかと言うと、美味いとは思えなかったな。

あの方は初めてタイカレーを召し上がったのだ。
俺と同じように戸惑い、目を丸くしながら食べたのに違いない。
辛さに悲鳴をあげて水をガブガブ飲んだ?
食べ終わっても、口の中に香草の香りが残っているのをいつまで
も感じたことだろうな。

タイ料理を知り、タイ料理が好きになってくれる人が増えるのは
嬉しいことだ。

2009/7/4

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繊細なタイ料理

よく日本人は和食は繊細だが、タイ料理は大雑把だと言う。
俺もそのように思って、そんなことをこのブログに書いたと思う。
たしかに、タイ料理には盛付の繊細さがないと俺も思う。
器にどさっと入れたような料理が多い。

ウチの料理を写真に撮ろうとする。それを見て、ヌチャナートは言う。
「写真を撮るなら、ちょっと待って!」
赤い唐辛子を上にだして、彩を綺麗にする。
日本人なら、彩を考えるだけでなく、唐辛子を並べる、揃える、
花模様にするなど芸当を使う。それが日本の繊細さと考える。
そんな芸当をタイ人は使わないから、タイ料理は大雑把と日本人
は感じてしまう。

唐辛子に関してはタイ人は日本人よりも遥かに繊細だ。
極端な話、日本人にとって唐辛子は辛ければなんでもいい。
唐辛子を多用するタイ人は、唐辛子に対する要求度が日本人と
は全く違う。多くの場合、辛味を要求するが、ある場合は赤い色を
要求し、他の場合は香りを要求する。
味、色、香り以外に簡単に粉になるとか、皮の硬さなど物理的特性
も要求する。料理によって唐辛子を使い分けている。
それがタイ料理の繊細さだということは理解した。

俺たちには何でも辛い大雑把なタイ料理に見える。
タイ人から見ると、「この唐辛子の繊細な違いを日本人はなぜわか
らないのだ?」と疑問に思える。「タイ人の味覚は繊細だが、日本人
の味覚は鈍感だな」なんて感じているだろう。

俺たちには大雑把に見えるタイ料理の盛付だが、タイ人から見ると
気配りをした繊細な盛付なんだろ
う。

タイ料理の繊細さを俺たちは理解できていないだけかもしれない。
この点については俺はもっと追及する必要がある。
あのような盛付にもきっとなにか意味がある。
例えば、コブミカンの葉が出ていると、明日は雷雨になるという迷信
があるから、コブミカンの葉は
必ず肉や野菜の下に隠すなんて繊細
なことをやっているかもしれないと推定している。

和食ではよく人参を花の形に切ってだす。
これを日本人は繊細さと感じている。タイ人から見ると
「味は花型だろうと輪切りだろうと同じだ。」
「日本人は無駄なことをやっている
」と感じるかもしれない。

蕎麦屋に行くと、海苔と生卵をのせた月見蕎麦がある。
卵がちょっと白くなり、卵の黄色と黒い海苔の彩が綺麗だ。
海苔を雲に見立て、卵を月に見立てる一種の遊び料理だ。
これを風流、繊細さと日本人は感じるが、幾ら説明されてもタイ人
にはその繊細さは分からないと思
う。

何処の国の人でも料理を楽しみながら食べたいという気持ちがある。
タイ料理にも繊細さがあるはずだ。
その繊細さが分かるまでにはまだまだ多くの時間が必要だ。

2009/7/4

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2009年7月 3日 (金)

赤いプリッキヌー

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なんとなく思いついてプリッキヌーをここに乗せてみた。
唐辛子の赤と安い瀬戸物の白が似合っている。
「おおーっ!なんと綺麗な色だ!」
俺はその色の美しさに驚いた。

驚くと同時にどうしてタイ人はこんなにも沢山の唐辛子を食べるの
だろう?と再び疑問が沸いた。
唐辛子のないタイの食生活なんて考えられない。
タイの人々はこの美しい色に魅かれて唐辛子を愛するのだろうか?
暑さで落ちた食欲を刺激するために唐辛子を求めるのか?
食べ物を長持ちさせるために唐辛子を使うのか?

食欲刺激説、保存料説はどちらも正しいと思う。
それじゃ、あまりにもロマンがない。
俺はこの魅惑の赤に惚れて唐辛子を食べると考えたい。
赤い唐辛子を食べると願い事がかない、青い唐辛子を食べると
お金が増えるとタイ人は信じているから唐辛子を食べるなんて考え
たい。どうしてタイ人は唐辛子を食べるのか、その真実はわから
ないが、こんな風に考えた方が楽しい。

2009/7/3

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中国の酒

こんな酒があった。度数は56度と、かなりアルコール含量が多い。
説明によれば二度にわたり蒸留してアルコールの度数を上げた
ものだという。

戦争中、兵隊として中国にいた方から中国の酒を戴いたことが
ある。
「兵隊で中国に行って、こんな酒を飲んでいたんだよ」と懐かし
そうだった。度数が高く、特有な香りがした。
香りと言うより悪臭に近かった。そのような香りというのは好きな人
にはたまらないほど好きな香りだ。嫌いな人には耐えられない
代物だ。

この酒の香りは元兵隊に戴いた酒に似ているが、それほど強くな
い。ヌチャナートに味見させた。その強さに驚いている。
「こんな強い酒は体に悪いわ」
このままストレートで飲めばきついが、水で割って飲めば清酒と
同じだ。強い酒が体に悪いのではない。飲みすぎるのがいけない
のだ。

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今のように焼酎が飲まれていない時代だった頃を思い出した。
焼酎は安い酒で、こんな物を飲んでいるとバカにされた。
他人がどう言おうとも、焼酎が旨いから俺は飲んでいた。
俺が焼酎の瓶を提げているのをみたおばさんが言った。
「あんた若いのに、焼酎なんて飲んでいると体こわすよ」
ヌチャナートの言葉はあの時のおばさんの言葉と同じだ。

この酒の原料は高粱だ。高粱なんてタイ語を知らない。
しょうがないから「稲ではないけど、玉蜀黍に似たものだよ」と説明
した。
「ああカオクアンね」
どうやら高粱をタイ語ではカオクアンというらしいことが分かった。
俺は耳で聞いただけでは安心できない性格だ。
必ず文字で、辞書で確かめないと気がすまない。
高粱なんてあまり食されない雑穀は和タイ辞書には載ってない。
幾つかの英タイ辞書を探ったら、ある辞書に載っていた。
「この酒の原料はカオガオリアングだ。カオクアンと同じかい?」
「カオガオリアングもカオクアンも同じよ」
俺のいい加減なタイ語の説明を聞いて、ヌチャナートは正確に理解
していたのに驚いた。
寝る前のひと時を酒を飲みながら、
ヌチャナートと雑談で過ごしていた。

2009/7/2

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2009年7月 2日 (木)

軍鶏を煮る

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ヌチャナートはこれを軍鶏だと思っているようだ。
タイ食材店で売っている軍鶏と同じように頭と足だけを切った形で
売っている。売り場には老鶏肉とか書いてある。要するに廃鶏だ。
漢字が読めないからヌチャナートはこれを軍鶏だと思っている。

これを読んで馬鹿なヌチャナートと笑う人がいるだろうな。
廃鶏を仕入れて、地鶏のナントカ鶏と称して売っていた業者が
捕まった事件がある。ナントカ鶏と騙されて廃鶏を高い金を出して
買っていた偽グルメが大勢いた。
「さすが高価なナントカ鶏、歯応えがあって美味しい」なんて言って
いたのだろう。

この廃鶏も調理によって美味しく食べられるのは事実だ。
偽グルメはナントカ鶏だから旨いと思い、廃鶏だと不味いと感じる。
ブランドで味が変化するわけがない。
名前なんかどうでもいいから、自分の舌で旨い物を見分けられる人
がグルメだと思う。俺はこれは軍鶏の廃鶏かもしれないが、ブロイ
ラーの廃鶏の可能性が高いと思っている。

出刃包丁で肉を叩き切る。大鍋でぐつぐつ煮る。
取れたスープはいろいろな料理に使う。
チキンスープ、ラーメン、カオツムに使ったりいろいろ活躍する。
肉は簡単に骨から外れる。
それにナムチムをつけて食べる。こうすると廃鶏がタイの味になる。
煮込んで柔らかくなっているとはいえ、廃鶏だから肉の歯応えを楽
しめる。

ヌチャナートは軍鶏だと思っているのだから、このまま信じさせておく。
本当に軍鶏の廃鶏の可能性がある。
DNA鑑定をすれば分かることだが、真実を知ってどうなる?
美味しいと思って食べる方が幸せだ。

2009/7/1

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食物と健康広告7029

広告の中に食べ物と健康の関係を探っています。
これを見ていると、時代の流れがわかる気もします。
今の流れはダイエットに効果があるという広告が多いですね。
飽食の結果、肥満になった。ラクして痩せたいという願望の現われ
と見ています。昔は、これを食べて病気を治す、痛みを消すと
いった内容が多かったと思ってます。
どうでしょうか?
食べて効くということに主眼を置いています。
例えば紅茶やウーロン茶で顔を洗うと美肌になるという広告が
あっても、食べないから無視します。
飲むことで薬効があるレモンなどのエキスも家庭で簡単に作れな
いので無視しましょう。
これを食えばこうなるという視点で食べ物と健康の関係を見ます。

「夢21」誌 2009年8月号 わかさ出版

首の血管にできた血栓が脳を直撃して起こる脳梗塞が激増中で、
防ぐ秘策は頭倒しと麦茶

糖尿病が改善し、悩みの薄毛白髪も続々防げたと大評判の
特効薬キクイモ

「はつらつ元気」誌 2009年7月号 芸文社

続報!代謝UP!!新たな体験者に密着!!
フジTV「とくだね!」も驚く!飲むだけでウエスト縮小!
お湯飲みダイエット
14Kg 8Kg 5Kgスイスイやせた!!

お湯飲みダイエットの単行本もでており、その広告がでています。

「安心」誌 2009年8月号 マキノ出版

ガン治療の名医も実践しイチオシの朝レモン
血圧が下がった!ひざ・股関節の痛みまで軽快!

2009/7/2

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2009年7月 1日 (水)

口の中が火事!

塩漬けの魚を焼いてヌチャナートが作ったナムチムをつけながら
食べていた。
そういえば、このナムチムの味をしばらく食べていない。
なんだか久しぶりに食ったような気がする。
思い出したら、またこのナムチムを作って食いたくなった。
ナムチムは唐辛子の塊のような物だから、辛い。
辛いけど旨いから食う。
「この魚、美味しいね」
「そうね、美味しいわね」
ヌチャナートもこの魚を賞味している。
飯を食い終わった。
辛いナムチムを沢山食べたので口の中が変だ。
昔はこのひりひりする痛さに悲鳴をあげた。
この痛さを口の中が火事になっていると表現していた。
毎日、唐辛子の刺激を受けているので、痛さに慣れている?
少々の痛みは痛みと感じない。今日はいつもとは違う。
「ああ、これが口の中の火事という感覚なんだ」
今はこの痛みも平気になっている。
昔は息が止まり、思考も停止し、じっと痛みが去るのを待っていた。

一人前に20本ほどの唐辛子を入れたソムタムをヌチャナートが
食べる。食べ終わると「いい辛味!」と言う。
そう言っている時、ヌチャナートの口の中は火事になっているの
だろう。

2009/7/1

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バーミーナムではない

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これはバーミーナムではない。普通のインスタントラーメンだ。
鳥のスープを使っているから、よい味がでている。
こんなステンレスのレンゲで食べると、タイの屋台を思い出す。
ナンプラと唐辛子を加えて食べる。こうするとタイの味だ。
ここまではタイに近づいた味だ。
俺はやはりせっかちな日本人なのだ。食べ方が日本人だ。
箸で麺をとるとそれをそのまま口に持って行く。
上品なタイ人は麺をレンゲに乗せてから、レンゲを口に運ぶ。
そんな面倒なことはやっていられない。
器を手に持って、器に口をつけてスープを飲む。
タイ人が見たらなんて汚らしい、下品な食べ方だと感じるだろう。
長い間の習慣だ。こうして食べないと旨いと感じない。
タイの屋台では、下品な日本人と思われたくないのでタイ流に
食べる。気楽に食えばもっと旨いのに、高級料理店ではテーブル
マナーに気を使いながら上品に食
べるなくちゃいけないので、
食った気がしない。
炎天下のタイの屋台で気ぃー使いながら食べている俺が馬鹿々
しくなる。そんなことを思いながらバーミーナムまがいのインスタント
ラーメンを食っていた。

2009/7/1

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薬膳か?火傷に効く

薬膳というのは、食って薬になる料理のことだ。
これは薬膳と言っていいのかな?
馬肉の専門店に「火傷に効く馬の油あります」と書いてあった。
俺も子供の頃、火傷をすると馬の油を塗った記憶がある。
あまり食われないが、馬の油は食い物に間違いない。
馬の油は保湿効果があるとかなんとかウエブには書いてあるから、
薬効はあるのだろう。
馬の油は食い物であり、薬効があるから薬膳の仲間に入れたい。
でもなあ、馬の油は塗るのであって、食うのではないから薬膳の
仲間に入らないのではないか?

2009/7/1

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午餐肉 ランチオンミート

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午餐肉と書いた看板が目に入った。なんだこれ?!
これは日本語ではないな。
英語など外国語を中国語に翻訳したものだなと感じた。
外国語を漢字で書く場合、外国語の音に近い漢字で書く場合が
ある。
例えばコカコーラは可口可楽なんて書く。
また、外国語の意味を漢字で書く場合もある。その場合、発音は
漢字の読みになるので、外国語の音とは違うと思う。
例えばホットドッグは熱狗だ。hotは熱。dogは天狗の狗と書く。
狗は犬と言う意味だ。
俺は中国語を知らないから、「熱狗」と書いてホットドッグと読んで
いるのか、ネックに
近い発音になるのか俺にはわからない。

午餐肉は英語だとして考えてみた。
午餐というのは昼飯だ。それも正式な昼食会で出される昼飯だ。
これを英語で言えばluncheonだ。肉はmeatだな。
午餐肉だというから高級な物だと思ったら、なんだ缶詰のランチ
オンミートのことじゃな
いか!
ちょっとだけだけど、頭の体操をし、笑ってしまった。

2009/6/30

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比較する物が悪い

先日、近所の女と話をした。彼女の友達にインドネシア人がいて、
インドネシアのカレーを食べながらカレーパーティをしたとのこと。
「彼女の旦那さんはインドネシア料理を食べないんですって。
自分で食べるインドネシア料理を作るのだけど、食べきれないで
捨てることが多いんだって」
タイ人と結婚した日本の男もタイ料理を食べない例が多い。
「いつもタイ料理ばかりなんですって?よく平気ですね」
「これっきゃ食うものがないと思えば、なんでも食えるもんだよ」
「ご冗談でしょ」
俺は何でも食える。タイ料理だけの生活だが、「和食が食いたい」と
思うことはない。このカラーイ料理だけで生活できる。
多くの日本人にはこれはつらい生活のようだ。
たいてい旦那用に和食を作る。
「サミイはタイ料理を食べてくれるので楽でいいわ」
ヌチャナートはそんなことをよく言う。昨晩も同じ事を言った。
「ねぇー、和食を食べたくないの?」
「別に。」
「何処のウチでも旦那用に和食を作るわよ」
「・・・・」
「年を取ると、慣れ親しんだ料理から、新しい味の料理を食べられ
ないのよ」
「そうかもしれないね」
「サダムだって新しい餌を食べないわ。」
俺の食生活を猫のサダムの餌と比較している。
比較する物が悪すぎる。

食は保守的だから、新しい味になかなか親しめない。
旅行でタイへ行き、そこでタイ料理を旨いと言いながら食べる。
たまに旅先で食べるから美味しいと感動できる。
その感動の味が毎日となると、感動過多になり、
「もういや、これ以上いらない!」となる。そして和食に復帰してしま
う。その気持ちはわかる。

アメリカ人で日本人と結婚したが、妻の作る味噌汁のにおいが
イヤで離婚したという話がある。このアメリカ人の気持ちも分かる。
味噌汁から抜け出せない妻の気持ちも分かる。
ここまでタイ料理を食い続けると、俺にとってこれが普通の味に
なっているのかもしれない。

2009/7/1

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