バナナの蕾と鶏のタイ料理
近所にバナナがある。これが丈夫な木で何度も切られるのだが、
またすぐに大きな葉を広げる。そのバナナに蕾ができていた。
日本の気候では果実に成長しないことはわかっている。
今ならバナナの蕾を食える。どうせ枯らしてしまう。
日本人はバナナの蕾を食べることを知らない。
有効利用しよう。
「あの蕾を貰おうか?」
「要らないわよ!あんなの美味しくないわ!」
食べていないのだから、美味しいか不味いか分からない。
それなのにヌチャナートは見ただけで不味い蕾だと断言する。
バナナの種類によって美味しい蕾とそうでない蕾があるらしいこと
は分かった。タイにはいろいろな種類のバナナがあり、バナナの
プランテーションでは異なる色のバナナの葉が茂っている。
山の斜面にあるバナナの葉が風に揺れるのを見ると南国だと感じ
てしまう。俺がタイで目にするバナナの蕾はどんな種類のバナナ
なのか知らない。
蕾の大きさから推定して大型のバナナだろうと思っている。
日本でも新鮮なと言いたいところだが、「生の」と言い換えた方が
良さそうなバナナの蕾を時々みかける。タイでの値段を知っている
から、飛行機代が含まれている生のバナナの蕾を買う気がしない。
バナナの蕾が食べたくなったなら、缶詰で代用している。
バナナの蕾と鶏肉、香草で煮込む。
一羽の鶏を出刃包丁で叩き切り、料理ごとに使い分ける。
これには小さな肉を選んでいた。
バナナの蕾は黒くなっているので、見かけは悪い。
でも食べると旨いのに驚く。
香草の香りに最初は騙されているが、徐々に唐辛子の辛味がきい
てくる。
あっ、そうそうここにもコブミカンの葉を使っている。
この料理では西洋料理で月桂樹の葉を使うのと同じように、
コブミカンの葉は切らずにそのまま入れている。
料理によってコブミカンの葉をそのまま使う場合と、切ってから使う
場合があるらしい。今までそんなことに着目していなかった。
コブミカンの葉を切るのは、切断面から香り成分を多く出すためだ
と思っていた。
高級寿司店ではバランを形良く切っている。
それと同じように、コブミカンの葉を切るのは一種の装飾、あるい
は迷信などに基づくおまじないなのかもしれない。
この料理の時にはコブミカンの葉を切る、あの料理では葉をその
まま使うという、伝統・習慣があるのだと思う。
2009/7/8
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