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2009年7月10日 (金)

トムヤンクンとすき焼き

トムヤンクンと言えばタイを代表する鍋料理だ。
すき焼きは日本を代表する鍋料理だと言ってもよい。
この二つの料理について考えてみた。

味はどう見ても共通点はない。
トムヤンクンには酸味と辛味があるが、すき焼きにはない。
すき焼きの味は醤油の味だ。トムヤンクンにはナンプラを使うが
醤油は使わない。
主な材料も片や海老で片や牛で共通点はない。
どちらも一つの鍋を大勢でつっつくのは共通だ。
酒を飲みながらすき焼きの鍋をつつくのはあまりにも当たり前のこと
なので俺たちは何も疑問を感じない。
タイ人も同じくトムヤンクンを友人・家族とつつくのを当たり前と感じ
ている。

俺はこんな話を聞いたことがある。
西洋人の食事は常に個人単位だ。食卓の真ん中に大皿や大きな
器があり、それが全員の物という場合もある。
その時は、大皿から自分の皿に取り分ける共用のスプーンなどが
ある。共用スプーンは"取り分け"だけに使い、それで料理を食べ
ることはない。
その逆も真で、個人のスプーンやフォークで大皿の料理を絶対に
取り分けない。
そういう習慣があるから、自分の箸で食卓の中央にある鍋から肉や
野菜を摘んで食べるすき焼きは気
持ちが悪いと西洋人は感じるら
しい。

トムヤンクンの場合、高級レストランでは取り分け用のスプーンを
出すこともある。取り分け用のスプーンがない場合、各人が自分が
使っているスプーンで海老などを取り分ける。
箸と違ってスプーンには唾液が多くつく。それで鍋の料理をすくって
食べる。
初めてトムヤンクンを食べる西洋人は他人の唾液が混じっている
かもしれない鍋から海老などを取り
出すのを気持ちが悪い、非衛生
的と感じるだろう。
俺にはすき焼きの習慣があるから、トムヤンクンの鍋をタイ人と
つつくのに何の違和感も感じなかっ
た。トムヤンクンの習慣がある
タイ人は一つの鍋をつつくすき焼きに抵抗は少ないはずだ。

これが西洋人になると、大勢が同じ鍋をつつくトムヤンクンやすき
焼きに抵抗を感じる。東洋人はいちいち取り分け用食器を使わな
くてはいけない西洋料理に抵抗を感じる。
この差異を乗り越えるには東洋人にも西洋人にも小さな心理的
葛藤がある。

2009/7/9

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