塩漬け魚の頭
魚が安いと買い込んで塩漬けにしておく。
そんな塩漬けの魚がウチには何種類もある。
鮭のような大きな魚から豆鰺のような小さな魚まである。
タイの田舎の家庭にある自家製食材がウチにあると思ってもいい。
中にはひどい悪臭を放つものがある。それが美味しいらしいのだ。
毎日、ヌチャナートのタイ料理を食べているが、そのくさい魚だけは
勘弁してもらっている。
今日の魚は日本人なら開きにして保存する大きさの鰺だとしよう。
ヌチャナートはそれを塩漬けにして保存する。
熱帯での経験が豊富だから、ヌチャナートが漬け込んだ魚は絶対
に腐らない。塩漬けにした魚を焼くと、生魚や開きを焼いたのとは
違う美味さができている。
でも俺は極めて簡単な理由でいつも落ち着かない気分になる。
塩漬けしてから焼いた魚に頭がついていないからだ。
鰺の開きだって頭をつけたまま乾燥させてから焼く。
頭がない焼き魚を見ると落ち着かない。
頭は食べないし、頭をつけておけば漬込み容器も大きな物が必要
になる。頭を切り落として置く方が合理的だ。
鰺程度の大きさの魚を焼く場合、頭をつけたまま焼くのが俺達の
習慣だ。俺たちは鯛でなくとも尾頭付きで焼くのが上等な作法と考
えている。これをヌチャナートに説明しても「日本人は馬っ鹿みたい」
と考えるだろう。
どうせ頭は食べないのだから、最初から切り落としてあるほうが
親切だ。しかし日本人には「小さな親切、大きなお節介」と感じる。
日本人がタイ流の塩漬け魚の作り方を学んだら、きっと頭をつけた
まま塩漬けすると思う。俺も頭をつけたまま塩漬けにする。
もしかすると、頭を切り落とすのは合理性からきているのではなくて、
迷信からきているのかもしれない。
2009/7/27
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。


コメント