唐辛子ペースト
嬉しそうに笑いながらヌチャナートが近づいてきた。
手には野菜が入ったポリ袋を持っている。
「ねー、サミイ!これ見てよ」
見るとポリ袋には青い唐辛子が一キロ弱 入っている。
「これ安いでしょ!」
安い買物を見つけてヌチャナートは得意満面だった。
何処の国の主婦でも安い買物を見つけると同じ顔を見せる。
幾ら安いからと言っても、日本の家庭では一キロも唐辛子を使い
切れない。買っても大部分を腐らせてしまうから、誰も手をださない。
生唐辛子の一キロなんてウチではどうと言うことはない。
「日本の唐辛子だから辛くないわよ」
唐辛子とニンニクその他を混ぜてペーストを作った。
こうなるともう唐辛子は腐ることがない。
味見をすると、唐辛子の香りがふわっと出てくる。
ペーストだから見た目はあまり美味しそうに見えないが、
このペーストを熱い飯の上に乗せると、他のおかずは必要ない。
本当にこれだけで飯が食えてしまう。
日本の唐辛子だから、辛くないとヌチャナートは言う。
最初のうちは俺も辛いとは思わなかった。
食っているうちにちょっとピリピリしてきた。
タイ料理に慣れていない人がこのペーストを食べたならこれは充分
に辛い食べ物だろう。
2009/7/18
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