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2009年8月 8日 (土)

食べ物と器

日本人の食生活では食べ物と器の関係がはっきり決まっている。
ご飯は茶碗に盛ることになっている。
「当たり前じゃない!」と思う方もいるでしょ。
ご飯の食べ方をタイやその他の国と比べるとこれは当たり前では
ないんです。日本では茶碗に属性があるのが特異だ。
この茶碗はお父さんのもの、ちょっと小さめの茶碗はお母さんの
ものと決まっている。タイにはそんな決まりはない。
こうやって見ると、当たり前に見える物が当たり前に見えないでしょ。
皿にご飯を盛るのは日本では洋食とカレーだ。
本膳にご飯を皿に盛りつけてだしたら、非常識と怒られる。

味噌汁を茶碗に盛ることもない。
金持ちは漆塗りの椀、貧乏人は木製かプラスチックの椀に味噌汁
を盛る。絶対に瀬戸物の茶碗に味噌汁を盛ることはない。
また味噌汁の椀は味噌汁か澄まし汁以外の料理を盛ることはない。

魚は細長い皿に盛ることが多い。

日本人の食生活では食べ物と器の関係がかなりきっちりと決まって
いる。その関係を崩すとなんだか落ち着かない。

タイ料理では食べ物と器の関係が曖昧だ。
炒め物、揚物、蒸し物は皿に盛る。
汁物、水気の多い料理は丼に盛るという大雑把な区別しかない。

この料理にはこの器という約束事がないから、トムヤンクンを味噌
汁の椀に入れても気にならないようだ。味噌汁の椀にトムヤンクン
を入れて出されたなら、日本人はどう感じるか?
蓋付の椀を出されたなら、日本人は味噌汁の味を期待する。
蓋を取ったらトムヤンクンなので、期待していた味と違う。
それで、味噌汁椀に盛られたなら、美味しいトムヤンクンも不味い
と感じてしまう。

料理を盛る器にこだわらないからと言ってもタイ人は汁物を皿に
盛ることはない。それはただ単に食べにくいからだ。
欧米のスープ皿のように深みのある皿はタイにはないから、汁物
は丼に盛ることになっただけの話だ。
洒落たレストランでは魚は魚型をした皿に盛ってだすが、一般には
丸いプラスチックの皿に盛ってくる。

日本の料理とタイの料理では味が違うだけでなく、盛り付ける器
についても考え方が違う。
料理の世界って奥が深い。

2009/8/8

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