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2009年9月30日 (水)

ニンニクのべとべと

ニンニクの薄皮を剥くのは面倒だ。
とにかく剥きづらいし、手にニンニクのにおいがつく。
俺はニンニクの薄皮を剥くのは苦手だが、ヌチャナートは素早く剥く。
薄皮を剥いていると、ニンニクの表面からべとべとした液が出る。
このべとべとした液が手につくと不快だが、その利用法をテレビで
見た。

ベトナムだかタイ、あるいはミャンマーだったかもしれない。
寺に行き、仏様に捧げる蓮の花や線香を求める。
すると二センチ四方ほどの小さな紙切れがついてくる。
紙切れは二枚の紙が合わさっており、間に金箔が挟まっている。
もちろん本物の金だ。この金を金額にすると何バーツになるの
だろう?多分十分の一バーツ程度だろう。

俺が子供の頃、「狸の金玉八畳敷き」と意味も分からず言っていた。
これは嘘だか本当だかわからないが、学校の先生がこんなことを
言った。
「金一匁を狸の皮に挟む。それを小槌で叩くと八畳ほどの大きさに
広がる。だから狸の金玉八畳敷きと言うのだ!」
そのくらい金は薄く延ばせるという話だった。
一匁ではなくあるいは一グラムといったかもしれない。
でもあの当時は尺貫法を使っていたから匁が正しいかもしれない。
一匁つまり3.75グラムの金を叩くと畳み八枚分にまで薄く広がるの
が正しいとしよう。
これから仏様に捧げる2X2㌢の金箔の値段が計算できる。

この金箔を仏像に貼るのだ。貼ると言っても仏像の上にそっと金箔
を下にして紙を乗せるだけだ。その後は、紙の上から金箔をこする。
もういいかなと思って紙を剥がすのだが金箔はなかなか仏像の上
に乗り移らない。幾ら一生懸命に金箔を仏像にこすり付けても金箔
は直ぐに剥がれる。
金箔を貼り付ける前に、ニンニクを仏像にこすり付ける。
ニンニクからべとべとの液がでる。これが接着剤の役目をはたして
金箔を仏像に綺麗に貼り付けることができると言うのだ。

日本の禅寺では葷酒山門に入るを禁ずと言う。
ニンニクや葱のような香りの強い物や酒を境内へ持ち込むことを
禁じている。しかし東南アジアの仏様はニンニクをこすり付けられ
ても文句を言わない。
タイの料理にはニンニクを沢山使う。そんな料理をお坊さんに届け
ている。ニンニクが入った料理を寺に持ち込んではいけないと言った
なら、タイのお坊さんは食い物がなくなってしまう。
だから仏像にニンニクをこすり付けても文句を言わない?
そんなことはないと思う。

そう言えば俺はタイの寺でニンニクを使っているのを見たことがない。
もしかすると俺の記憶違いかもしれないと思い直した。
俺が見たのは大きな神聖な岩でその岩に金箔を貼り付けて幸運を
祈っていたのかもしれない。金箔を仏像だか神聖な岩に貼り付ける
時にニンニクのべとべとを使うのは事実だ。
ニンニクのべとべとのこんな使い方があるのだと興味を持った。

2009/9/30

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ニンニクの薄皮

俺達はニンニクの薄皮を丁寧に剥く。
タイ人はニンニクの薄皮を丁寧に剥かない。
時々、料理を食っていると紙かプラスチックのような物が口に入る。
何だと思って口から取り出すとニンニクの薄皮だ。

タイで飯を食っていた。その時、口の中に異物を感じた。
ポリ袋の切れ端のような感じだった。
多分、俺は不愉快な顔をしていたのだろう。
「なんだこれは?」と口に出していたのかもしれない。
周囲のタイ人が何だか心配そうな顔をして俺を見ている。
タイ人の一人が俺が口から取り出した物を見た。
「ニンニクよ。なんでもないわ」
俺が不愉快な顔をしているのを見て皆が笑った。
ニンニクの皮なんて無害なのに、なんであんな不愉快な顔をしている
んだ?タイ人には俺の反応が理解できない。
日本のレストランで、もしニンニクの皮が料理に入っていたなら猛烈
な抗議をうける。
「不衛生だ!もうこんな店に来ない!」
なんて間違いなく客が言う。

ヌチャナートの料理にも時々ニンニクの皮が入っている。
俺が文句を言っても無視されるから、最近は黙ってニンニクの皮を
皿の横に置いている。おなじニンニクの皮なのにどうしてタイ人と
日本人ではこれほど大きな反応の差があるのだろう。

2009/9/30

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コアヌア 牛肉の煮物

この肉をどうやって食べたいか聞かれた。
聞かれたって俺は困る。
大きな塊なら、ローストビーフにすることもできる。
俺ん家にはローストするような柔らかな牛肉の大きな塊はない。
薄切り肉だから、炒めるか煮るしか料理法はない。
「炒める」と言えば、「野菜は何にするか」と更に聞かれる。
咄嗟に思いついたのはパッカパオという料理だ。
「パッカパオ!」
「パッカパオは油を使うわよ」
減量しなくてはいけないのだ。油を食うとメタボになる。
油は避けなくてはいけない。
「煮た物にしない?」
考えるのもめんどうだ。
牛の薄切り肉を煮てもらうことにした。

何処から手に入れるのか知らないが友達がホーラパーを沢山届け
てくれた。ヌチャナートはホーラパーの葉を千切った。
俺は残されたホーラパーの茎を鉢に植えた。
うまいこといけば、根付いて新しい葉がでてくる。
既に何本も根付いた物がある。葉が出ると食べちゃうので、幾ら
根付いたものでも枯れる恐れがある
。こうやって常に新しい物を
用意しておく必要がある。

香草をポクポクと叩いて潰している。
近所迷惑だがこうしないと、タイ料理はできない。
出来た料理がこれだ。

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2009/9/29

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2009年9月29日 (火)

美食ってなにか

俺は出されたものは基本的に何でも食う。今は毎日タイ料理を食べ
ているが、子供の頃から日本的な食事を摂っていたので、食の好み
は日本人
的傾向はある。
納豆やイカの塩辛なんて日本的食品は大好きだ。
食の好みは子供の頃に食っていた物に大きく影響される。
昆虫食はタイでは普通のことだが、日本ではゲテモノだ。
そんな物は食い物と思っていないから昆虫を食べるにはちょっと
勇気がいる。これは日本人的食歴が長いから昆虫食を気持ち悪い
と思う。子供の頃から周囲の人々が昆虫を食べているので、タイ人
は昆虫は食べ物だと思っている。

何でも食うと言ったものの、俺にも食べ物の好き嫌いはある。
例えば煮魚は余り好まない。あの魚独特な生臭いにおいが嫌いだ。
どうしても食いたくない物もある。
海老を醗酵させたタイの調味料ガピはあのにおいがダメだ。
「それじゃガピは絶対に受け入れないのか?」と思うが、そうでもな
い。食の好みは複雑だから面白い。

こんな経験をタイでした。小さな茶色の粒々がある飯を出された。
見た目は紫蘇の葉のふりかけ「ゆかり」をまぶした感じだ。
なんだか特有なにおいがあるが、美味い飯だった。
「この美味い飯はなんだ?」と聞いたら、飯を炒めて俺が嫌いなガピ
で味付けしたものだと言う。あんなくさいガピを美味いと思って食え
ることを知り驚いたことがある。

味って時間や場所でも変化する。
ある時、美味いと思ったラーメンを求めて再びその店に行くと
「なんでこの味を美味いと思ったのだ
?」と不思議に思うことがある。
これに似た経験は誰でも持っている。

作家吉村昭の本をふと手にして読んでいくと味に関する随筆が
あった。「基本的に食物の味は、絶対というものがない。個人差が
あり、多分にその人の親しんだ味が基準になっている。」と書いて
あった。
そうなんだよな。美食家という奴が美味いと推奨するものを食っても
感激の味に出会うことが少ない

美食家が美味いと思ったものを、言葉巧みに他人に押し付けている
からこんなことになる。また美食家のお言葉を有りがたがって信奉
する輩がいるからいけない。美食家が比内鶏が美味いと言った。
卵を産まなくなった廃鶏を比内鶏と偽って金儲けした業者がいた

比内鶏と言われただけで廃鶏を「美味い、美味い」と食っていた
連中がいたんだよね。
不正表示をする業者は悪人だが、廃鶏と比内鶏の区別がつかない
消費者も愚かだ。味はブランドで決まるもんじゃない。
美味いとか不味いとか決めるのは個人なんだ。
美食家と称される奴の話は「ありゃアイツの好みだよ」程度に思え
ば良い。

味の好みは習慣にもよる。アメリカ占領下にあった沖縄ではアメリカ
風のマヨネーズしか手に入らな
かった。沖縄ではマヨネーズと言え
ばアメリカ風の味付けのものだ。沖縄県育ちの人は、
「本土のマヨネーズは酢が強すぎて、とても使えない」と、ロをそろえ
て言うと
吉村は書いている。
俺はアメリカ風のマヨネーズは迫力がなくて物足りない。

「人間誰しも出された料理が不味いと思うことがある。そんな時は
黙っている。美味いと思ったなら素直に美味いと言えば良い。」と
吉村は書いている。
そうだよな。俺が不味いと思ってもそれを作ってくれた人には美味し
い味なんだし、俺のために一生
懸命に作ってくれたんだ。
それを一言で不味いと言ってはいけないと俺も思う。

タイの田舎での経験だ。二日酔いの朝だったかな?
俺はカオツムなら食べると言った。
女が「あたしが作ってあげる」と言ってカオツムを作ってくれた。
冷や飯にお湯をかけて塩を入れただけみたいで、実に不味かった。
でもそれを全部食べた。もしあの時、「不味い」と言ったなら彼女は
もう俺のために絶対に料理を作ってくれない。

吉村の月給が手取り4万円程度の時の話だ。あるフランス料理店
でフルコースで食事をすると一人二
万円かかった。
有名な女料理研究家が家族三人で月に何度かその店に食事に行く
と自慢していた。彼
女の家族の一回分の食事代が八万円だ。
吉村の給料の二か月分に相当する。
それを誇らしげに述べる彼女に吉村は不快感を示していた。

ハンバーグが一人前500円程度の時代だった。ある美食家が美味
いハンバーグの店を紹介していた。吉村の友人がその店に行った
ら、一人前5千円取られたと驚いていた。
そんな話を吉村は書いていた。
5千円のハンバーグは500円のハンバーグより10倍美味しいのか?
その10倍の値段の差を味の上で違いを見つけることが出来ただろ
うか俺は疑問だ。
味の違いを見つけて、その差を金銭的価値に換算して10倍に
なるか?そんなことを考える人は500円のハンバーグを食っていれ
ば良いと5千円のハンバーグを売る店は言う
だろうな。

吉村はうまいと思うと嬉しくなって笑い出すそうだ。
俺は美味いと思うと、もう夢中で食ってしまう。
話もしないし酒も飲まない。ひたすら食う。
テレビのグルメ番組の出演者のように、首を後ろに倒して「うまい」
なんて言わない。美味い物に接した時は、もっと食いたいと思うから
俺の首は自然に前に垂れる。

吉村の観察によると、「美食家は決して笑わない。ベートーベンの
ような深刻な顔をして味わってい
る。また、そのような人は、うまい
物なら金銭など惜しまず食べる。むろん代金の高さなど誇るよう

ことはなく、無視している。」そうだ。
旨い物を食うのは楽しくて、嬉しくて快適なんだ。喜ばなくてはいけ
ない。苦虫を噛み潰したような顔をしながら食っても美味しくないと
思う。

吉村は「全く味などというものは人それぞれであり、環境、時間に
よってどうとも感じられる不確か
なものらしい。」と述べている。
俺もそう思う。同じ物を食ってもいつも美味いと感じるとは限らない。
食事は楽しむことが大切なんだ。
他人が美味いと言ったとしても、美味いと感じないことも多々ある。

美味と値段は正比例しない。時と場所によって味の感じ方は変わる。
食歴によっても味の好みは異なる。
自分が美味いと思ったものを「美味い」と主張することが大切だ。
グルメと称する人がテレビや雑誌で美味いと言ったものを食って
本当に美味いと思ったことあるか?近所の朝日食堂のハンバーグ
と高級フランス料理店マキシムドマルセイユなんて店のハンバーグ
に差
を見出せるか?

俺はグルメとか美食家を批判するようなことを書いている。
だが本当に味に敏感な人がいることを俺は知っている。
そんな人は細かな味の違い、香りの違いを見分けることができる。
美食家が美味いと言った物が美味い料理ではない。
俺が美味いと思った料理が俺にとって美味い料理なんだ。
誰がなんと言おうとも、俺が美味いと思った料理をのびのびと楽しく
食べることが一番大切だ。

美味いと定評があった店で、前の客が手をつけなかった料理を次の
客にだして倒産した店があったな
。今日も有名店の料理で食中毒を
起こしたニュースがのっている。
どんなに旨い物でも他人の食べ残しを食べるのは気分が悪い。
まして食中毒を起こすような店で食事をしたくない。

2009/9/29

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茄子のタイ料理

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茄子を炒めてオイスターソースで味付けした。
香り付けにホーラパーが入っている。
黙って食べる。
俺が黙って食べている時はお気に入りだとヌチャナートは知ってい
る。黒っぽい料理は美味しそうに見えない。
赤い唐辛子で見掛けの悪さをカバーする。
こうするとエキゾチックな料理に見えてくる。
この料理なら初めてタイ料理を食べる人でも受け入れるだろう。
もう俺にはこれが日本人にとって辛い料理かどうかわからなくなって
いる。多分、これはピリ辛ないしは辛い料理と日本人は思うだろうな。

2009/9/28

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2009年9月28日 (月)

カンタンと国民性

カンタンの虫の音がラジオから流れて来た。
「この虫、タイにもいるかい?」
「いるわよ。地面にいるんでしょ?」
もしかすると勘違いしているなと思いながら話を進めた。
「タイ語ではなんて言うの?」
「チンリートよ」
それはこおろぎじゃないか?
辞書で調べるとやはりこおろぎだった。
インターネットでカンタンの写真を見つけた。
それをヌチャナートに見せると、タイにもカンタンはいるとのこと。

日本人がカンタンを飼うのはその鳴き声が綺麗だからだ。
美しい鳴き声を聞くためにカンタンを飼うのが日本人だ。
鳴く虫を売る虫屋という商売が日本にはあった。
それは捕まえるのが困難で数が少ないからこおろぎや鈴虫に比べ
てカンタンは高価だった。

日本にあってタイにない商売を教えてくれとタイ人に頼まれている
のを思い出した。昆虫を虫かごにいれて売っているのをタイで見た
ことがない。カンタンの鳴き声を愛でるためにタイで売ることができ
ないかと考えた。
美しい音は誰でも好むから、タイ人も好むはずだと単純に考えた。

「カンタンをタイで売れないかな?」
「売ってるわよ。」
「・・・・・」
「油があって美味しいのよ」
カンタンはタイでは食い物なんだ。
これを鳴き声を愛でようなんて考えた俺は馬鹿だった。
虫はタイでは食べ物なんだ。

2009/9/27

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2009年9月27日 (日)

ソーセイジのタイ的食べ方

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ソーセイジは既に熱がかかっているから、日本人は買ってきたもの
をそのまま食べることがある。
店で買ったウインナーをそのまま食べている日本人がいた。
それを見た白人の女がさも気持ち悪そうに
「あの日本人はソーセイジをそのまま食べているわよ」
と言っていた。白人の常識からみるとこの食べ方は異常なんだ。

こんなソーセイジがあった。俺が串をもってそのまま食べるのを見て
ヌチャナートは「あら、焼いて食べる物よ」と驚いていた。
ヌチャナートは白人の女と同じようにソーセイジは加熱して食べるの
が当たり前だと思っているのがわかる。
タイの衛生状態から考えると、一度加熱してあるソーセイジも食べる
前に熱をかけないと危険だ。
加熱することがタイでは習慣になっている。
俺だってタイでこれを食べる時は加熱してから食べる。
腹を壊すのが恐くて、加熱しないでこのままは食べない。

今日は手抜き料理だ。ソーセイジをグリルで焼いただけだ。
普通の日本人は焼いただけで食べるだろう。
ヌチャナートはこれにレモンの汁をかける。そうすると味がしまる。
「あら美味しいわよ」
まあここまでは普通の日本人の食べ方とそれほど違わない。
「胡瓜、食べる?」
「うん」
タイでソーセイジを求めると必ず胡瓜が一緒にでてくる。
胡瓜と一緒に生姜と生唐辛子がでている。
これがソーセイジのタイ的食べ方だ。
ソーセイジと生の胡瓜の組み合わせはいいよ。

2009/9/27

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ゲンマラゴー パパイヤカレー

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この料理をタイ語でゲンマラゴーと呼んでいた。
パパイヤカレーと言えばよいかな?
カレーと言うとどうしてもインドカレーの黄色を思い出す。
黄色ではないからパパイヤシチュウと言ってもよさそうだ。
でもパパイヤカレーと呼んだ方が美味しそうに聞こえるし、親しみ
やすいからシチュウではなくてカ
レーと呼ぶことにした。

最近は沖縄からパパイヤが送られてくるので、パパイヤの値段が
下がっている。
「もうタイから飛行機で取り寄せないのね。安くていいわ」
ヌチャナートはパパイヤの値下がりを喜んでいる。
多分、沖縄のパパイヤも飛行機で送られてくるのだろうが、黙って
いた。

沖縄から送られてくるパパイヤは変形したボールか空気が抜け
かかった風船のような形をしている。
タイで見るパパイヤは糸瓜の
ように細長くて大きい。ヌチャナートは沖縄のパパイヤを文句も言わ
ずに食べているのが俺には不思議に思えた。
多くの民族
は自国産の物が美味しくて、他国から輸入されたものは
美味しくないという。例えばタイもイランも
インディカ種の米を食べる。
ある時、イランは米の不作でタイから米を輸入した。
イラン人はタイ米
を不味いと言っていた。
このようなことを幾つも経験しているので、沖縄のパパイヤは不味い
とか、柔らかいとか硬いとか苦
言をていするのが普通だと思ってい
る俺には、何も言わないヌチャナートが不思議だ。
それとも、こ
れしかないと諦めているのかな?
そうだとすると可哀相な話だ。

沖縄のパパイヤで大好きなソムタムを作って食べた残りのパパイヤ
でゲンマラゴーを作って俺に食べ
させる。
パクチーは根ごと入っている。日本人の感覚では根は捨てるものだ。
しかしタイではパクチーの根は食べるものだ。
さっぱりして美味いと思って食べていると、辛みで汗が出てくる。

2009/9/27

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2009年9月26日 (土)

タイの迷信:食後すぐ寝る

暑くもない寒くもない天気の良い日だ。こんな気持ちの良い天気は
今だけだ。ゆっくり昼飯を食った。
「あたし寝るわ。サミイは眠くないの?」
「飯を食ってすぐに寝ると牛になるって日本では言うんだ。
タイも同じかい?」
「タイでは蛇になるって言うわ」
どうやらタイも日本も食事をしてすぐに寝るのはよくないと考えて
いるらしい。蛇とか牛になると脅すのは、何かを禁じているのだろう。
例えば食後すぐに寝ると消化不良を起こす。あるいは肥満になると
か理由があると思う。理詰めで説明するより、蛇とか牛になるって
脅したほうが手っ取り早い。

食後すぐに寝るのを禁止する迷信には地方によって言い伝えが
違う。俺が子供の頃に住んでいた地域では食後すぐに寝ると牛に
なると言っていた。日本の何処かの地域では食後すぐに寝ると
「クダン」になると言う。クダンになると脅された男の話を思い出
した。
恐ろしいクダンという化け物は顔が人間で胴体が牛なんだそうだ。
たしかそんな話だった。
彼はどうしてクダンになると言うのか大人になるまで考えもしな
かった。そんな迷信を忘れかけていた。
ある時「件」という漢字を思い出した。
「件」と言う漢字は「ケン」とも読むし「クダン」とも読む。
この漢字を分解するとニンベンつまり「人」と「牛」になる。
子供の頃に脅かされたクダンという化け物の話は「件」という漢字
がもとになっていたのだと分かり笑ってしまったと言う話だ。

2009/9/25

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ハラールとコッシャー

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ブラジル産の鶏肉を買った。いつものブランドではない。
俺はブランドに拘らない。一袋二キロ詰めだから、小さな鶏肉なら
一袋に入っている本数が多い。
鶏肉の大きさも本数も俺は気にしない。大きくても小さくてもいい。
真空パックされている包装にはポルトガル語、英語、日本語が書か
れている。今ではそんな包装は珍しくない。
たいして気にもしないでビニール袋を捨てようとした。
袋の中ほどにブラジル産と書いてある。
その左側にHALALという文字がある。その下には俺が読めない
アラビア文字が書いてある。おそらくハラールと書いてあるのだろう。
ハラールというのはイスラムの戒律に従って作られた清浄な食い物
のことだ。
敬虔なイスラム教徒はハラール食品だけを食わなくてはいけない。
俺達が普段食っている物はイスラム教徒から見ると不浄な食い物
だ。

以前タイでハラール食品を見た時、ショックを受けた。
仏教徒の国なのになんでハラール食品が必要なんだ?
一瞬疑問に感じたが、タイ南部にはイスラム教徒が多く住んでいる。
食品会社は彼等の為にハラール食品であることを示す必要がある。
タイで見たハラール食品は丸の中にハラールと書いてあった。
ちょうどJASマークのような感じで、そのマークを見ると有り難い
お墨付きという感じがした。今回のお印は英語とアラビア語で
ハラールと書いてあるだけだから有り難味がない。
JASの場合は認定機関があり、審査を受けなくてはいけない。
ハラールの場合も審査を受けなくてはいけないのだろうか?
多分、審査・認定機関があって承認をうけないとハラールと書け
ないと思う。日本にもイスラム教徒が増えている。
ハラール食品が必要になったのだ。時代の流れを感じる。

ユダヤ人も宗教的に清浄な食品を求める。
彼らは清浄な食品をコッシャーと呼んでいる。
外国ではコッシャーと書かれた食品を目にしたが、日本では見た
ことがない。見たことがないというより、気にしたことがないから目に
入らなかっただけかもしれない。
コッシャー食品なんてものも目にするようになるだろう。
今度から、食品の表示にもっと注意してみよう。

グローバル化というのはこんな所にも現れるのだと溜息がでた。

2009/9/26

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イカ墨ソース

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レトルトパウチ入りのイカ墨ソースがあった。
日本ではイカの墨は料理に使わない。俺が知っている日本における
イカ墨の使い道は小田原蒲鉾で蒲鉾に絵を描くとき黒い着色料とし
てイカの墨を使うことだけだ。
俺達日本人はイカの墨なんて食い物とは思っていない。
俺の知っている範囲でもタイ人もイカの墨を食い物にしない。
ヌチャナートは魚が好きだ。はたしてイカの墨を食べるだろうか?
俺達が昆虫を食べるには抵抗感がある。ヌチャナートがイカの墨を
食べることには俺達が昆虫を食べる時の強い抵抗感はないはずだ。

スパゲッティを茹でてイカ墨ソースを混ぜ合わせた。見た目は真っ黒
で食欲をそそらない。食ってみるとトマトの香りがいい。
口の回りにイカの墨が黒くつく。
それを見てヌチャナートが笑う。
ヌチャナートもスパゲッティを食う。想像したように抵抗感はない
ようだ。
「タイ人はこのスパゲッティを食べるかね?」
「どうかしらね?」
美味しいとは言っていたが、すぐに食べるのを止めた。
「もういいわ。残りを食べてね」
黒いスパゲッティが入った皿を俺によこす。
お気に入りの味ではなかったようだ。
実は俺もこの味に不満があった。辛みがないのだ。
俺はタバスコソースを振りかけながら食った。
イカ墨ソースの色にヌチャナートは抵抗感はもたない。
もともとスパゲッティなんて食べない人種だ。
他に食い物がなければこれを食うだろう。
俺でさえ辛みがないと食えない。
ヌチャナートには唐辛子をどっさり加えてだせばよかったかな?

2009/9/25

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2009年9月25日 (金)

卵かけご飯は伝統食か

何故か分からないが、突然ある食べ物が食いたくなる時がある。
毎日がタイ料理なんだが、普段はあまり和食を食べたいと思わない。
和食が食いたいと思うなら、和食の作り方をヌチャナートに教えなく
てはいけない。
ヌチャナートはそんな作り方はすぐに覚えるし、上手に作ると思う。
だが盛り付けはできない。「
そんなことないでしょう?」と思うでしょう。
俺達は意識していないが、盛り付けというのは伝統・習慣で暗黙の
了解事項なんだ。つまりお約束を知らないから、なんとなくちぐはぐ
な盛り付けになる。例えば小鉢に盛るのが普通な料理を、小皿に
もって出されるとちぐはぐな感じで美味しくない。
タイ語で和食の作り方を教えるのも面倒だな。
黙っていてもタイ料理がでてくるから、それを食べている方が簡単だ。
そんなわけで毎日がタイ料理になっている。

生卵が目に入った。電気釜から湯気が上がっている。
急に卵かけご飯が食べたくなった。
あつあつのご飯に生卵をかけて食べる美味さを思い出した。
卵かけご飯なんてタイ人はやらない。
タイ人は温泉卵になる前、ほんの一部だけが固まったゆで卵を飲む
が、それをご飯にかけて食べない

そんなタイ風の半生卵だか半ゆで卵をご飯にかけてみようか?
それも美味そうだが、やはり生卵の卵かけご飯にした。
卵かけご飯は立派な伝統的和食だと食いながら思った。
「えっ?!これが和食?」
日本人以外に生卵をご飯にかけて食べる民族はいるか?
多分、いないと思う。
日本人しか好まないから、卵かけご飯は立派な日本の伝統食だ
ろうな。

2009/9/24

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2009年9月23日 (水)

パットカイムーハム ベーコン入り卵焼き

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こんなもんが出てきた。タイ風ベーコン入りの炒り卵と言えばいい
だろう。ごくごく普通のタイの家庭料理だ。
ヨーロッパ風の肉製品はタイにもあるが、俺達が美味いと言える
ような肉製品はタイの庶民の手の届かない高価な商品だ。
庶民が食べる肉製品は日本の魚肉ソーセイジより質が落ちる
フランクフルトソーセイジだ。それを彼らはホットドッグと呼んでいる。
本物のハムやソーセイジなんて庶民は知らない。
ヌチャナートも例外ではない。ベーコンを食って豚肉だと分かる。
塩漬けの豚肉だからベーコンのことをハムだと思っている。
ハム=塩漬け肉と定義すればベーコンも塩漬け肉だからハムの
一種だ。ベーコンもロースハムも区別せずにムーハムと呼んでいる。
最初のうちは「これはハムでなくてベーコンだよ」と言っていたが、
最近は面倒なので注意しない。
慣らされちゃったのだ。

2009/9/23

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パッカパオパームック モンゴイカの炒め物

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モンゴイカをタイのハーブと一緒に炒めたものだ。
唐辛子と一緒に炒めるから、毒ガスではないだろうが刺激臭が漂う。
くしゃみをする。
戴いたハーブを加えている。ハーブの名前は忘れた。
ヌチャナートは俺がこのハーブの香りを好むと思っている。
「サミイの好きなスイートバジルの香りに似ているわよ。気に入ると
思うわ。」
全然似ていない。俺はあまりこの香りが好きになれない。
どちらかと言うと嫌いに近い香りだ。
俺達が代表的なタイのハーブと思っているパクチーだって最初は
イヤな香りだった。そのうちにパクチーの香りが気にならなくなった。
今はイヤだと思っているこのハーブの香りをいつの日か良い香りと
思うようになるかもしれない。
「うーん?」
「あら!ダメなの?」
不思議そうな顔をしながら、ヌチャナートは食べていた。

2009/9/23

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ウチの和食

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豚肉をセロリと一緒に炒めたものだ。味付けは醤油だ。
いつもタイ料理ばかりなので、日本の食事を作らないと気を使って
くれた料理だ。心遣いは嬉しいが、出てきた料理に笑ってしまう。
セロリなんてまだ和食の材料ではない。
そんなことにヌチャナートは気付いていない。
醤油で味付けをすれば和食になるとヌチャナートは思っている。
しかしなー、これはどう見ても和食ではない。
鉢に植えた唐辛子が実をつけた。
新鮮な唐辛子が何時でも手に入るのでヌチャナートは喜んでいる。
「唐辛子、いるでしょ?」
唐辛子を摘んで持ってきた。
バーロ!和食に生唐辛子をつけるか!声に出さず心で叫んだ。
このおかしな和食に唐辛子を合わせて食べると、どう見てもタイ料
理だ。俺が文句も言わず食べているのを見て、ヌチャナートは旦那
に和食を作ってあげたと満足げだ。

俺達はナンプラで味付けをすればタイ料理だと思っている。
それと同じようにヌチャナートは醤油で味付けをすれば和食だと
勘違いしているようだ。これは半分は当たりで半分は間違いだ。
料理って味付けだけでなく、盛り付け、歴史、伝統などが重なり
合った総合的文化だと思う。ヌチャナートは何処かで見たか食った
かした料理の形だけを真似して和食だと思っている。
この料理には日本人の心の味がないから和食じゃない。

ここまで書いて思い出したのが、タイの日本料理店で見た光景だ。
カツ丼をフォークとスプーンで食べている女がいた。
それはタイ料理では普通の食べ方だが、和食を食べる食べ方で
はない。なんとなく戸惑いを感じ、このカツ丼は和食ではないと
思った。

2009/9/23

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2009年9月22日 (火)

これも茄子

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初めてこの茄子を見た時、緑色の葡萄だと思った。
なんでタイカレーの中に葡萄が入っているのだ?
食ってみると葡萄ではない。全く甘味がない。
口の中でプチッと割れる。
一体、これは何なんだ?
英語が分かる女にこの不可思議な物の正体を聞いた。
「これは茄子よ」こともなげに言われた。
「えっ?茄子?」
茄子と言われて食ってみると確かに茄子のような気がしてきた。

2009/9/20

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カタカナフランス語

日本にはカタカナ英語が氾濫している。ちゃんとした日本語がある
のに、なんでもかんでもカタカナ英語にしている。カタカナ英語に
すると格好いい、高級だなんて思っているのだろうか?
例えば運転手といわないでドライバーと言っている。
ロケットやロボットなど日本語にないものならカタカナ英語でも仕方
がないと思う。文明開化期の日本人は「free」という当時の日本に
はない抽象的概念に「自由」という訳語をつけていた。
なんでもカタカナ英語にしちゃう今の日本人はちょっと横着なので
はないかな?

先日のカシスといい今日のクレソンといい日本にはカタカナフランス
語も結構沢山入っているのに気付き今更ながら驚いた。
ムラサキイガイもフランス語でムール貝と呼んでいるな。
ムールだけでムササキ貽貝のことなのに、わざわざ「貝」という言葉
をつけているのが面白い。
これをカタカナ英語でマッスルと言っても日本人には通じない。

ヌチャナートと話をする場合、このカタカナフランス語をタイ語にしな
くてはいけない。俺はカタカナフランス語を頭の中で英語にしてから
英タイ辞書で調べるという二重の手間をかけている。
仏タイ辞書があれば一発でタイ語を見つけることが出来る。
辞書を買う必要があるかな?
仏タイ辞書はタイで入手できる。見たことがある。
今まで必要性を感じたことがないので、値段を調べたことがない。
それほど高価ではないはずだ。
多分英タイ辞書と同じかちょっと高いだけだろう。
しかしだ、フランス語のスペルがわからないと辞書を使いこなせない
よな。カシス・クレソン・ムール程度なら俺でもなんとかなるが、それ
以上になるとフランス語のスペルがわからない物もある。
今回はたまたまカタカナフランス語に続けざまに出会った。
カタカナフランス語をタイ語に変換する頻度はそれほど高くない
はずだ。辞書を買うのは止めて、今まで通り、仏=>英=>タイの
手順でやろう。

2009/9/22

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クレソンとタイ人

クレソンがあった。これはヌチャナートが好むはずだ。
想像したとおり、ヌチャナートは初めて食べるクレソンの香りを喜ん
でいた。
「美味しいわね。ソムタムに入れるわ」なんて言っていた。
ソムタムに入れても旨いかもしれないな。
多分、タイ人好みの味になるだろうと想像した。
「この野菜の名前はなんて言うの?パクチー?」
「うーん?パクチーファラングかな????」
それでもいいだろう。この種の野菜はなんでもパクチーだ。
パセリやセロリなど新しい西洋野菜は外国のパクチーという意味で
パクチーファラングなんて呼んでいる。クレソンに対する正確なタイ
語を知りたくて辞書を取り出した。

クレソンというのはカタカナフランス語だ。
英語じゃなんて言ったっけ?
油が切れた脳味噌を回転させて英語じゃクレソンをなんと呼ぶのか
思い出す。たしか英語ではcressだったはずだ。
cressからタイ語を探った。
「この野菜の名前は・・・・だよ」
と言っても、「あらそう」と軽く受け流された。
まあそれはそれでいい。
クレソンはタイ人の好みの味だと分かっただけで充分だ。

2009/9/21

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カシスアイスクリーム

ヌチャナートがアイスクリームを食べたいと言いだした。
店にはいろいろな種類のアイスクリームが並んでいる。
その中から好きな物を自分で選べばいいのに、俺に選ばせる。
「自分で食いたいものは自分で選べよ!」と思いながらも、どれが
いいか考えた。考えるのも面倒になり、色で選ぶことにした。
白いバニラと赤いカシスを選んだ。
「この赤いのはなあに?」
カシスって言っても通じない。こんな果物はタイにはないからだ。

はたしてカシスのタイ語は辞書にあるのだろうか?
俺が今持っている辞書は小さな英タイ辞書と携帯電話の英和英
辞書だけだ。和英でカシスを調べて、次に英タイ辞書で調べれば
いいと簡単に考えた。
カシスはフランス語だから、「カシス」と和英に入力しても当然英語
は出てこない。カシスの英語名を忘れた。いくら頭を叩いても英語
がでてこない。以前は使っていた言葉だから英語が出てくるはず
なのに、出て来ない。

困った時のインターネットだ。
家に戻ってインターネットの仏英辞書で調べるとカシスはcurrantと
なっている。currantに相当する日本語はスグリだ。
これでタイ語がわかると喜んだ。
ウチにある和タイにはスグリなんて言葉はない。
手持ちの英タイ辞書でcurrantを調べると、currantとはこんな物と
いう長たらしい説明が書いてある。タイにはない果物だからしょう
がない。別の英タイ辞書を見ると簡単な単語が書いてあった。
念のため幾つかのオンライン英タイ辞書でも調べると
ผลการค้นหาคำว่า = currant
ลูกเกด
なんてものが見つかった。
「この果物はลูกเกดだよ」と言っても、そんなものを見たことがないの
でヌチャナートには分からない。
「それって梅みたいなもの?」なんて言う。
食べたアイスクリームにはかなり酸味があったから梅と勘違いした
ようだ。
「違うよ」
分からないのが当然だと思っていたが、一生懸命に単語を探した
のに、梅と勘違いされるとなんだか気が抜けてしまった。

2009/9/20

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2009年9月20日 (日)

ヤムマクワ 焼茄子サラダ

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俺は焼茄子が大好きだ。いつから好きになったのか?
大人になって酒を飲むようになってから好きになった気がする。
焼きたての熱い茄子の皮を剥いて醤油をかけて食べるのも旨い。

焼茄子はタイにもある。
大きくて細長い緑の茄子を青空市場では焼いて売っている。
田舎の青空市場だから、多くはガラクタが並んでいる。
時々、面白い物がある。
市場で売っている焼茄子などを試食しながら、掘り出し物を探すの
も面白い。

「茄子を食べるでしょ?どうやって食べる?」
「うーん?焼く!」
俺は焼茄子を生姜と醤油で食べる物だと勝手に思い込んでいた。
そんな和風の料理をヌチャナートが思いつくわけがない。
「できたわよ」
出された料理を見るとタイ風の料理だった。
日本語にすれば焼茄子サラダだろう。タイ語でヤムマクワと言って
いる。生ニンニクや唐辛子の辛味とちょっと甘味があるドレッシング
で食べる。柔らかな茄子が口の中でとろける。
辛味を感じる。それがいいのだ。

2009/9/18

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秋刀魚とタイの常識

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秋は何と言っても秋刀魚の季節だ。
魚が大好きなヌチャナートは秋刀魚がお気に入りだ。
美味しそうな秋刀魚を見つけると「これ買いましょうよ!」と言う。
庶民が行くタイの市場では秋刀魚はなかったと思うが、金持ちが
行くスーパーでは冷凍の秋刀魚はあ
ったと思う。
どの魚も氷付けにして売っているが、地元で取れた魚は別だが、
輸入魚の鮮度は悪い。
体もキラキラと光っていないから、買う気にならない。

塩焼きにした秋刀魚にスダチの汁をかけ、大根おろしと醤油で食べ
るのが日本人の常識だ。ウチじゃスダチの代わりにレモンをかけ、
秋刀魚を青葱、生ニンニクが入った唐辛子ソースにつけて
食べる。
「えーっ!?秋刀魚に唐辛子?!」と驚くかもしれない。
これがタイの常識的食べ方だ。
大根おろしなんてものをタイ人は知らないから、秋刀魚を大根おろし
と一緒に食べると美味しいなん
て発想はタイ人にはない。
俺は慣れっこになっているから、「この秋刀魚は旨いね」なんて言い
ながら唐辛子ソースをつけなが
ら食べている。
初めてこんな食べ方をした人は、唐辛子の刺激で秋刀魚の味なん
て分からない。ただただ悲鳴を上げるだけだ。

「キー・パーが苦くて美味しいのよ。」
キー・パーを直訳すると魚のウンチだ。
この場合は魚のワタのことだ。
タイ語のウンチという言葉には面白い使い方があるから、いつか書
こう。

魚が好きな人は秋刀魚のワタが美味しいという。
俺はたまには秋刀魚のワタを食べる。
多くはワタを食べ残す。
ヌチャナートは俺が食べ残したワタを食べる。
秋刀魚のワタを食べながらヌチャナートが言う。
「なんで、この美味しいとこを残すの?」
魚好きな人には美味しいワタを食べないなんて理解できないようだ。

2009/9/17

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2009年9月17日 (木)

コアヌア

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牛肉をタイの香草で煮込んだものだ。
香草と言ってもウチで鉢植えにしてあるものを摘んできたものだ。
苦瓜の葉も摘んできてこの料理に入れてある。
ベランダで苦瓜を作るには工夫がいる。
苦瓜は蔓を上へ上へと伸ばす。好き放題に伸ばすと何メートルも
上って行く。俺は苦瓜の蔓を右か左に伸ばした。
左か右の端に達すると折り返すようにした。
それを繰り返すと小さなスペースで苦瓜を育てることができる。
俺は苦瓜の実を食べるために植えているのだと思った。
ところが違うのだ。実なんてどうでもいい。
実よりも苦瓜の葉が欲しいようだ。
旨いこと実が出来ればそれを食べる。既に一個の実を食べてし
まった。しょっちゅう、葉を摘んでは食べている。
これでは花が咲いても実が実らない。実っても育たない。
実なんて眼中にないから、どうでもいい。
苦瓜の葉がほしいのだ。

香草にはスイートバジルを使っている。
この甘味を感じさせる軽い香りが好きなんだ。
「うーん、いい香りだ」
でもこの香りは日本の料理には合わないだろうな?
人間の好みは変化する。でも、待てよ!
刺身のつまにスイートバジルが使われるようになるかもしれない。
寿司にマヨネーズが使われる時代だ。
刺身とスイートバジルの組み合わせも出てくる可能性がある。

コアヌアを食いながら、そんなことを考えていた。

2009/9/16

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小鯛の干物

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小鯛があった。安い物なら何でも直ぐに買い求める。
これに塩を振って一夜干しにした。
更に半生の小鯛を冷蔵庫で熟成させる。
熟成と言うと言葉が綺麗だ。本当は冷蔵庫にしまっておいただけ。
確かに熟成されて小鯛が美味しくなるのだが、臭いが酷い。
「これを焼きましょうよ。そうすれば日持ちもするし・・・・」
焼くと、クサヤのようなにおいがする。
ひでぇーにおいなんだが、食ってみると塩加減がよくて、よい味が
でている。日本人ならお茶漬けにしたくなる味だ。鯛茶漬けだ。
ヌチャナートには別の考えがあるようだ。
焼きあがった小鯛を部屋におくと、部屋中がくさい。
室外において更に乾燥させることにした。
それでもくさいものはくさい。
くさいのだが、味はよい。
この小鯛を使ってどんなタイ料理ができるのか楽しみだ。

2009/9/16

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箸と人間工学

俺は今まで箸の置き方について何の疑問も持たずにいた。
日本人は食卓の手前に箸を置く。
そして箸の先端の細い方を左に向けている。
食器は箸を置いた場所の上に置く。
中国の場合は箸の細い先端を自分に向けて置く。
食器は箸を置いた場所の左だか右に置く。
その位の差について気付いていた。
まあ、それは習慣の差としか考えていなかった。

日本の工業製品が売れるのは人間工学的によくできており、使い
易いからとも言える。箸の置き方を人間工学的に考えてみる。
多くの人は右利きだ。
日本式の箸の置き方だと、食事を始めようとして箸をとる。
左手で箸をとってから、右手に持ち替えて食事をしなくてはいけない。
右手を捻って、箸をとってもやはり箸を持ち替えなくてはいけない。
これが中国式の箸の置き方だと、すぐに箸を取って食事ができる。
人間工学的に見ると、中国式の箸の置き方の方が日本式の置き方
より優れている。

人間工学が発達している日本だが、食べやすいように箸の置き方
を変えようという動きはない。
出来上がって固定した習慣を直すというのは容易ならざることだ。

2009/9/17

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2009年9月16日 (水)

食物と健康広告9169

今日もまた広告の中に食べ物との関係を見ている。
ああもう一月がすぎたのだ。月日のたつのは早いなと思ってしまう。
今まではどの雑誌にもなにかしらこの食べ物は高血圧にいい、
糖尿病にいい、肩こりに効くという話
があった。今月号にはそんな
記事が掲載されていない広告があった。
この食べ物はなんに効くという話でも書き方が違う。
Xという食べ物がSという症状に効くというのなら雑誌AでもBでもC
でもそれを取り上げてもいいはず
だ。
まだ比較していないが、Xという食べ物がSという症状に効くという話
は特定の雑誌でしか取り扱
っていないような気がする。例えば
「ニチニチ草」が脳の活性化に役立つと言う話は「健康365」誌
だけ
が取り扱っていて、他の雑誌では取り扱っていないかもしれない。
気のせいだろうか、最近はこの食べ物が何に効くという広告が少
なくなった。

「健康365」誌 2009年11月号 ㈱エイチアンドアイ
欧州の認知症薬「ニチニチ草」は記憶力や集中力を高めて耳鳴り・
難聴が解消と全国で話題

「わかさ」誌 2009年11月号 わかさ出版
カレーをよく食べる人は脳の血流がよくアルツハイマーの発症率も
断然低いとわかりウコンを加えれ
ば効力最大

脳血管性の認知症ならイチョウ葉 アルツ型なら米ヌカがよく効き
進行を抑え回復例も続出

「ゆほびか」誌 2009年11月号 マキノ出版
水琴の音で幸運体質になるとか香水でどうのという記事だけで、
食べ物と健康の関係に関する記事の
広告はなかった。

「壮快」誌 2009年11月号 マイヘルス社・マキノ出版
インフルエンザ予防にもなる!うつ病も自律神経失調症も続々改善
した!治りにくい不定愁訴「首こり病」など一日で作れすごく美味
<豆乳ヨーグルト>で糖尿病高血圧が改善免疫力も向上

これは旨い!<青汁リンゴ>で宿便がドドッと出て13キロ、10キロ
やせた腰痛リウマチが大改善 白髪が消え43歳で妊娠

眼鏡なしで免許更新!緑内障、白内障の視力が復活!
老眼、飛蚊症に効いた!<アワビの粉末>

2009/9/16

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2009年9月14日 (月)

鰯のつみれ

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タイの田舎の村の中にバイクに乗った食い物売りがやってくる。
バイクは音楽をかけるか、何か音をだして到着を知らせる。
音を聞いて子供達が駆け寄る。つみれを注文するとその場で揚げ
てくれる。揚げた つみれをポリ袋に入れてソースをかける。
ポリ袋のつみれを竹串で突いて、ソースをからませながら食べる。
感激する味ではない。どちらかと言うと不味い。
集まった子供は何を買おうか迷っている。
お金を持っていない子供は羨ましそうに見ている。
その光景は俺の子供の頃を懐かしく思い出させてくれる。
つみれの他に安物のソーセイジも売っている。
このソーセイジは笑っちゃうほど腰がなくて、ふにゃふにゃだ。
どう見ても不味いのだが、子供に人気がある。
多分、細長くて大きく見えるからお買い得感がある。
それが人気の秘密かな?

そんなタイの光景を思い出すと、つみれが食いたくなった。
鰯のつみれがあったので、それを求めた。
これをタイの食べ方に倣って油で揚げた。
その辺にあるソースをつけて食べた。
上等なつみれではない。歯応えが悪い。
タイの田舎の村を思い出しながら食べる味は楽しい。

2009/9/12

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タイの迷信:客を迎える

俺達は客をウチに迎える場合、料理をまえもって食卓に並べておく。
飲み屋や料理店でも宴会の予約をしておくと、客が到着する前に前菜など
は既に並べてある。それが普通だと思っている。

今日は友達がやって来る。ヌチャナートが料理を作る。
それを俺が並べておく。いつ友達が来ても食べる用意が出来ている。
「バッカじゃないの!」
そんなことを言いながら俺が並べた料理をヌチャナートは片づける。
毎度のことだが、俺はせっかく並べたものを片づけられると気分を害する。
でも黙ってヌチャナートの満足が行くようにさせていた。

俺が不快感を示したので、ヌチャナートは料理を並べない理由を説明して
くれた。
「客が来る前に料理を並べておくと、ピー(お化け、悪魔)が来るのよ」
そんなことを信じないが、理解はできる。これもタイの迷信の一つだ。
「日本人は知らないのね!」
さも飽きれたと言うような言い方をしている。

料理屋が客の到着前に料理を並べておくことを俺達は普通のこと、当たり前
のことと思っているが、タイ人は誤解する。
タイ人は食卓に並べられた豪華なご馳走を見ても
「美味しそうなご馳走をピーに食べられてしまった」と気分を悪くする可能性
がある。この逆を考えてみよう。
我々がタイの料理屋に予約してから出かける。あらかじめ料理も注文して
あるのに、客が到着してから店の従業員が料理を慌ててだす。
「タイ人は馬鹿だから、前もって準備をしておかないから、慌てるのだ!」
なんて多くの日本人は誤解する。タイ人から見れば客の目の前で料理を出す
のが作法だ。こんな小さなことなのだが、それにはそれなりの理由がある。
理由がわかれば笑って理解できる。

客が来る前は料理を食卓に出さないのは理解できた。
美味しそうなご馳走をキッチンに並べておいたなら、ピーだってつまみ食い
したくなる?そんなことを誰も考えないのが面白い。

2009/9/12

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ポローカームウ 豚足のトンポーロ

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何処の国にも特有なにおいがある。
日本特有のにおいは醤油のにおいだと俺は思っている。
蒲焼、焼鳥、お煎餅など醤油のにおいを何処でも感じる。
これがタイになると俺はポローのにおいだと思う。
タイの町を歩くと何処かからポローのにおいが漂ってくる。
においを辿っていくと、大きな鍋に豚足を煮ている屋台に行き着く。

商店街に豚バラ肉があった。
「これ、買う?」
「うーん・・・・?」その時、ポローを思い出した。
バラ肉をポローにしたら旨そうだ。しばらくポローを食べていない。
ポローと言うのは中華料理のトンポーロがタイに伝わり変化した
ものだと俺は見ている。トンポーロもポローも香り付けに八角を使う。
思い出すと食いたくなる。
「買おう、これをポローにすると美味しいよ」
「そうね、ポローなんて暫く食べてないわね。」
「うん」
「豚足も買いましょうよ」
本格的なタイの屋台料理を作るつもりになっている。
食べやすいように適当な大きさに切ってある豚足を求めた。

豚足を煮込むとタイのポローのにおいがする。
このにおいはかなり遠くまで届くはずだ。
ご近所さんは「なんのにおいかしら?」と首をかしげているだろう。

2009/9/11

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パットヌアとニンジン

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牛肉の野菜炒めと思えばいい。この写真を見てもいつものタイ料理
と思うだろう。だが俺には風変わりな料理に見える。
なにが変わっているのかと言うとニンジンがあるからだ。
ウチの料理ではあまりニンジンを使わない。
料理にニンジンがあると、いつもと違うなと俺は感じる。
タイの市場でもニンジンを売っているが、タイの田舎の人は料理に
ニンジンをあまり使わないようだ

ニンジンのことをタイ人はケロットと呼んでいる。
これは英語のcarrotがタイ語に訛ったものだ。
ニンジンを漢字で書くと「人参」となる。
漢字で書ける野菜は昔から日本にあった、あるいは古い時代に
日本に到来した野菜と思える。
タイ人はニンジンのことを訛った英語で呼ぶことから推定すると、
ニンジンがタイに入ったのは比較
的新しいことだ。
タイ人はニンジンを西洋野菜と見ているのだろう。
ニンジンは西洋野菜だから西洋料理に使うものだと決め付けてい
る?多くのタイ人は西洋料理を食ったことがないので、ニンジンを
使わない。それがタイ料理にはニンジンを使わない理由と推定し
ている。

ウチにどうしてニンジンがあるのか?
このニンジンは俺がインドカレーを作るために買ったものだ。
どのカレー屋、食堂にもあるニンジン、ジャガイモ、玉ネギを入れた
定番カレーを時には食いたくな
る。
そのニンジンをパットヌアに使ったのだ。

2009/9/13

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2009年9月12日 (土)

鮟鱇の吊るし切り

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奇怪な姿をした鮟鱇は旨い魚だ。鮟鱇なんて魚をタイでは食べない。
ヌチャナートを脅かそうと思って、鮟鱇鍋をやった。
驚くと思ったのに、こんなことを言い出した。
「この魚、美味しいわね。魚の名前はなんて言うの?」
「アンコウだよ」
それ以来、ヌチャナートは鮟鱇のファンになってしまった。
鮟鱇でタイ料理を作って「美味しいわ」と喜んでいた。
白身の魚だから、タイ料理にしても確かに美味しい。
これが鮟鱇かと驚く。

最初は鮟鱇の切り身を買ってきて料理を作っていた。
テレビで鮟鱇の吊るし切りを見てから、ヌチャナートは自分でも吊るし
切りをやるようになった。
吊るす場所なんてないから水道栓に鮟鱇を吊るして切る。
普通のキッチンナイフでは使いづらいと言って出刃包丁を使う。
道具にもこだわっている。
誰にも教わらず、テレビで見ただけで鮟鱇の吊るし切りをやるので
驚いた。

2009/9/11

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2009年9月11日 (金)

パットナムマムホイ 牛肉の牡蠣油炒

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牛肉をピーマン、玉ネギと一緒に牡蠣油で炒めたものだ。
これだけなら中華料理にもある。
ウチの料理はタイ料理だから、唐辛子が当然のように加わる。
俺達にはピリ辛だがご近所さんには激辛だろうな。
換気扇を回さないで料理を作っている。
唐辛子からでる煙でくしゃみがでる。
「あら、ごめんなさい」
慌てて換気扇を回してくれたのでくしゃみは止まる。
俺のくしゃみは止まったが、換気扇で外にでた煙でご近所さんが
くしゃみをしているだろう。
多分、ご近所さんはなぜくしゃみがでたのか分からない。
長い間にウチの料理とくしゃみの相関関係にご近所さんは気付いて
いるかもしれない。
「またタイ料理だよ!くさいね!なんでくしゃみがでるんだろうね?」
なんて言っている。多分ね。
料理を作っている人は不思議とくしゃみをしない。
俺はこの料理の味も好きだが、彩りも好きだ。

2009/9/11

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タイ風のタジン料理

モロッコにタジン料理というのがある。土鍋を使った蒸し焼き料理と
思えば外れはない。使う土鍋が風変わりだ。
その土鍋の形をおでんなどを作る日本の土鍋で説明しよう。
鍋の部分が深皿になったと想像してくれ。
蓋を上に引っ張り揚げてとんがり帽子のようにする。
深皿にとんがり帽子を乗せた土鍋と思えばよい。
野菜や味付け肉を深皿に入れて、蓋をして蒸しあがるのを待つ。
味付けや飾り付けをモロッコ風にしたのがタジン料理だ。
モロッコの砂漠地帯や水が少ない場所で発達した料理がタジン料理
だろう。とんがり帽子の蓋に水蒸気が上るとそこで冷やされて水蒸気
は水になり鍋に戻る。少ない水分を有効利用する砂漠の民の知恵だ。

同じことをタイ料理の味付けでやったならどうなる?
俺はヌチャナートにタジン料理を説明した。
「わかったわ。やってみるわね。」
タイの香草などを臼にいれてポクポクと叩き潰しながら混ぜ合わせる。
これでタイ風のタジン料理ができあがるとほくそ笑んだ。
ウチにはタジン鍋はないから、普通の土鍋を使うことになる。
潰した香草を土鍋に入れる。当然のように水も加えてしまった。
タジン料理は水を使わず、野菜からでる水だけで蒸し焼きにするの
に残念だ。
「今日は水を使わないで蒸すんだよ」俺は抗議した。
「そんなことしたら・・・・・」どうのこうのと水を加える正当性を言う。
ここで議論しても結局は俺の負けになるから、黙り込む。
なんでヌチャナートはこんなに強くなったのだろう?

岐阜県産と書いた真っ赤な生唐辛子があった。
「日本の唐辛子だから、辛くないわよ」
唐辛子の三分の一ほどを齧ってみた。あんまり辛くない。
多分、日本人には辛いのだろうが、俺には辛味より香りと甘味を感
じた。
「辛くないね」
「タイの唐辛子もいれるわね」
「うん」
彩りに日本の唐辛子を、辛味付けにタイの唐辛子を使うことになった。

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長葱、玉ネギ、青梗菜など有りあわせの野菜と牛肉を土鍋に入れる。
「春雨も入れる?春雨をいれると美味しいわよ」
タジン料理のタイ版を作ろうと思っていたのに、もうめちゃめちゃだ。
モロッコには春雨なんてないだろうなと思いながらヤケクソで春雨を
いれることにした。
「できたわよ!これラオス料理よ!」
嬉しそうにニコニコ笑っている。
モロッコ料理にしようと思っていたのにラオス料理になってしまった。
期待していた料理とは違うものが出来てきた。
少々不満だが、これを食うことにした。
不味ければ文句を言うのだが、悔しいけど味はよくまとまっていて
旨い。文句を言わず、黙って食う。次回は水を使わないでタジン料理
に近い物を作るぞ!と食いながら誓った。

2009/9/10

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2009年9月10日 (木)

ワカシのパーピン

鰤の子供をワカシと関東では呼んでいる。魚屋の売り子と冗談を
言いあって笑っていた所にヌチャナートがやって来た。
「ヌー、この魚を買おうか?」ワカシが一山幾らで売られている。
「これ、貰っていくよ」
「まいどあり!」
面白い客だと思ったのだろう、売り子はワカシを一本おまけにつけ
てくれた。こんなにワカシを買って食いきれるのだろうかと普通の人
は心配する。魚を漬けて保存食にするから、ウチでは心配はいら
ない。昔の日本ではいろいろな保存食を家庭で作っていた。
それをウチでは今でもやっている。但しタイバージョンでやっている
のが笑える。

家に戻るとさっそくワカシを捌いて、塩漬けにする。
その時、ご飯粒を一緒に入れる。これが乳酸醗酵を助けるのだと
思う。こうしておけば腐らない。思い出した時に取り出して焼いて
食べることが出来る。そんな魚の保存食がウチには沢山ある。
魚の種類によって塩漬だけのこともあるし、ニンニクや唐辛子を
加えることもある。何時の間にやら鰺の保存食がなくなると、鮭の
保存食が出来上がっている。お買い得の魚があると、買い求めて
保存してあるから、いつもウチには魚の保存食があるとみて間違い
ない。

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なんだか焼き魚が食いたくなった。
ワカシの塩漬けを焼くことにした。
焼き魚は手がかからないからヌチャナートは喜ぶ。
いい塩加減だ。生とは違う旨味が保存している間に出来上がって
いる。
俺はワカシの皮を剥いで食べていた。
「子供みたいな食べ方するのね。」
ヌチャナートは俺が食べ残した皮を摘んで食べた。
皮の下には脂があって旨いのは知っているが、なんだか食べたく
なかった。
「この料理は何て言うの?」
「パーピンよ」パーピンを直訳すると焼き魚だ。
俺は魚の漬物の名前を知りたかった。
日本なら地方ごとに独特なつけ方をして西京漬、三五八漬とか
いろいろな名前がある。そんな名前を知りたかった。
タイでも地方によって漬け込み方法が違うはずだ。
ヌチャナートだっていろいろな漬け方をしている。
漬け込み方法の違いをタイ人は名前をつけて区別しないのかな?

2009/9/10

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屋台料理と安全

青空市場とか屋台がタイには沢山ある。そこでいろいろな食べ物や
料理が売られている。実に旨い物を発見することがある。
買ったはいいが、不味くてその処分に困ることもある。
旨い物や不味いものとの出会いも観光の楽しみだ。
観光客とは違ってタイの庶民の生活に密着すると、屋台などで売っ
ている食べ物の製造現場を見るこ
とになる。多くは家内工業とも
いえない規模だ。トーちゃんとカーちゃんでやっている。
妻が材料を混ぜ合わせる。夫がそれを揚げる。そんな食べ物が
青空市場とか通りの屋台で売られてい
る。

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彼等の作業を見ると、材料を床に置いて作業している。そして低い
台に腰掛ける。作業台を作り、立って作業をすれば効率的だと思う
が誰もやらない。この写真はココナッツの肉を取り出しているが、
ヤキトリ屋、ソーセイジ屋、タイ餃子屋でも同じよ
うに材料を床に置
いて作業している。
出来上がった習慣、周囲の誰もが同じようにやっているので
「これで良いのだ」と思い込み、作業台
を作って立ち仕事にしたら
効率的だと考えない。屋台で売られている食い物はこのような形で
作られていると思ってまちがいない。

彼等の衛生概念は驚くほど低い。食べ物を床に置くのは衛生上
好ましくないなんて誰も考えない。これを長いこと続けているが今ま
で問題が発生したことがないと思っている。
実際には食中毒や下痢が起きているはずだ。
屋台の食べ物を買い求めて軽度の下痢を起こしても誰も文句を
言わないのも事実だ。文句を言いたくても言えない。
もっと売れる場所を求めて屋台の売り子はしょっちゅう場所を変える
からだ。青空市場や通りの屋台は明日も其処にいるかどうかわか
らない。文句を言おうにも売り子が何処の誰かわからないから苦情
を持っていく場所がない。苦情が来ないから、売り子は自分の食い
物は安全だと思い込んでいる。

青いパパイヤのサラダであるタイ東北の名物料理ソムタムの場合、
軽度の腹痛や下痢はよく起こるの
で、ソムタムを食べた人はそれを
当たり前のこととしている。
「腹の調子が悪い。昨日のソムタムが悪かった」と言ってそれ以上
追求しない。まして訴訟を起こすとか損害賠償を請求するなんて
考えない。
その食中毒の原因は先入先出しの観念がないのも一因だ。
例えばソムタムには沢蟹のような小さな蟹
を使う。売れ残った蟹は
翌日には死んでしまう。活きていれば無菌状態でも、死ねば直ぐに
腐敗菌が
繁殖する。死んだ蟹の上に新に買い求めた活きた蟹を
入れる。上から使うから、下にある死んだ蟹は今日も売れ残る。
運が悪い人は二日前に死んだ蟹を食わされることになる。それ
が下痢の原因になるなんて誰も考えな
い。

こんなことを書くとタイの食い物は非衛生的で危険だと思われる。
非衛生的で危険なのだが、好都合な条件が組み合わさって、
食中毒が起きにくくなっている。
彼等の商法は今日作って、今日中に売り切ることにしているので
多くの場合安全と言える。安全と言っても健康な人なら食中毒を
起こさない程度の安全と言える。
売残りを明日、売ると言うことはしないから製造過程で多少の
不衛生があっても食中毒を起こすこと
は少ない。

更に売り手にとって好都合なことはタイの食習慣だ。
彼らは自宅で食事を作らない。腹が減ったなら市場や通りに出て、
屋台で食事をするか、屋台の食い
物を買ってきて自宅で食べる。
腹がへっているから、買ってきて直ぐに食べるのが一般的だ。
日本のように何日の何時までに食べろなんて注意書きなんてない。
どんなに遅くとも屋台で買ってから一時間以内に消費される。
腐敗菌が増殖する前に食ってしまうの
で、食中毒が起きない。
日本だったなら、デパートの地下で食い物を買って、映画を見て、

自宅に帰って夕食に食べるなんてことをや
る。同じことを暑いタイで
やったなら、食中毒を起こす。屋台料理は直ぐに食べるのが常識、
前提に
なっているから、文句を言っても、
「すぐに食べないアンタが悪い」となるだろう。

旅先での安全を考えるのなら、タイでは生ものは絶対に食うな。
目の前で加熱されたものを食えと忠告しておく。

2009/9/10

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2009年9月 9日 (水)

ライオンの食の好みの変化

食の好みは年齢と共に変わるのは誰しも経験している。
子供の頃は苦くて飲めなかったビールを大人になると好んで飲む。
酒を飲むようになると、子供の頃に食べた甘い菓子を食べなくなる。
ほーれん草は嫌いだったのに、ある日なにかのきっかけで突然好
きになる。そんな経験を誰もがもっている。

俺は最近、魚の頭とか鰓の部分が好きになっている。
魚の身の部分は何処を食っても同じような味だが、頭とか鰓は部位
によって味が違う。その味の違いが面白いと思う。

豚肉もカシラ肉を旨いと思うようになった。
脂身のない腿肉よりカシラ肉の方が旨いと感じている。
カシラ肉なんてゲテモノだと思っていた。
腿肉、肩肉、ロース肉からカシラ肉に好みが変化した。
この変化が続くとモツ肉を旨いと思って食べるようになるのか?
今の所、モツ肉はあの特有なモツ臭が気になるので、それほど好ま
ない。肉食文化が長いタイでは、いろいろなモツ肉を好んで食べる。
肉を食べ続けているとモツ肉が旨いと感じるようになるのではない
か?

ここで俺の思いはアフリカに飛んだ。
ライオンは縞馬のような動物を倒すと、まず腹にかぶりと噛み付く。
その理由は人間のように製塩技術を持たないライオンは慢性的に
塩分不足だ。縞馬の腹には塩分を多く含んだ草が入っている。
塩分を求めてライオンは腹に食いつくのだと説明があった。
この説明は理論的で納得しやすい。
腹の部分は柔らかで食べやすいからだという説明もあったように
思う。この説明も分かりやすい。

また俺の食の好みの変化に考えが戻った。
俺は豚の赤肉からカシラ肉に好みが変化した。
やがてはモツ肉を好むようになるのではないかと考えた。
もしかするとライオンも最初は縞馬の足とか肩の肉を齧っていた
が、そのうちに好みが変化して腹つまりモツの部分を好むように
食の好みが変化したのではないか?
これを実証するにはライオンの生態を観察する必要がある。
子供のライオンは肉の部分を齧っているが、成長するにつれてモツ
の部分を食べるようになるというのが実証されればライオンも年齢
と共に食の好みが変化すると証明できる。

2009/9/9

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豚の頭

タイの市場に行くと豚の頭をデーンと置いてある。
市場にあるということは、この頭をタイ人は食べるのだ。
ゲテモノ食いだと思っていた。

豚の頭を飾ってある屋台があった。
その屋台では豚のカシラ肉を料理して食べさせるはずだ。
今度、タイへ行ったら、その屋台で豚のカシラ肉料理を食べてみようと思っていた。
「よおし、豚のカシラ肉を食べるぞ!」張り切って屋台があった通りにでかけたが、もうその店はなかった。タイの屋台の移り変わりは早い。

近所の誰かが宝籤にあたった。それで幸運をピー(八百万の神とか神霊)に感謝するための儀式をやった。その時、豚の頭に線香を立てていた。
豚の頭には神秘的なものがあるとタイ人は考えているのだろうか?
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日本では豚のカシラ肉は赤提灯のヤキトリ屋で串焼きで食べるのが定番だ。
これを皿に盛って食べることは日本の家庭ではやらない。
どういうわけか最近、豚のカシラ肉がうまいと感じるようになった。
脂があり、少々肉が硬い。硬いと言っても安い牛肉のように何時までも噛み切れない硬さではない。
ほどよい硬さだ。
豚のカシラ肉を買ってきた。カシラ肉を切り開いて平らにする。
味付けをして焼く。焼きあがったものを一口大に切って皿に盛る。
これを唐辛子ソースと一緒に食べる。

2009/9/8

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2009年9月 8日 (火)

パクチーラオとディル

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パクチーラオを沢山戴いた。これを早速利用してスープを作る。
30㌢以上ある長い豆やピーマンなどいろいろな野菜を加えた。
タイ語ではパクチーラオと言っているが、英語ではディルdillと言う。
名前が異なると別物と思うが、パクチーラオもディルも同じ物だ。
パクチーラオには特有な強い香りがある。この香りを先天的に好ま
ない人もいる。癖のある香りだから、好みは両極端に分かれる。
欧米の料理ではディルは香草として料理の香り付けに使うだけだ
ろう。タイ料理ではパクチーラオを野菜として使うから、使う量が
半端ではない。もともと強い香りがある、それをパクパク食べる野菜
として使うからどのくらい強い香りになるか想
像がつく。
「肉ばかり食べないで、野菜を沢山食べないとダメよ」
ヌチャナートに怒られながら食べている。

俺はパクチーラオのスープを食いながら日本人の思考について
考えていた。日本人には欧米崇拝、東洋蔑視の思想がまだある。
この強い香りをパクチーラオの香りだと言うと嫌がる人も、ディル
の香りだと言うと嫌がらない。
欧米人が食べる料理の香りだと思うと、芳香になってしまう。
タイ料理の香りだと悪臭にする人がまだ多い。
面白い現象だ。

欧米の料理でディルをどのように使うのか俺は知らない。
俺が知っているディルの欧米での使い方は胡瓜の酢漬の香りつけ
だけだ。
「胡瓜の酢漬なんて言わないで、ピクルスと言って頂戴!」
なんて言う人もいるだろう。
こんな人はカタカナ英語を使うと高級だと錯覚しているのだ。
ピクルスというのは漬物の総称だ。ピクルス=胡瓜の酢漬ではない。
我々日本人がよく知っている欧米の漬物は胡瓜の酢漬が多いから、
日本人の間ではピクルス=胡瓜の
酢漬で間違いはない。
ピクルス=胡瓜の酢漬と思い込んでいる人は、赤カブの漬物を
と言わ
れると頭が混乱する。ピクルスというのはあくまでも漬物の
総称だということを忘れてはいけない。

2009/9/7

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パクチーラオを植える

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戴いたパクチーラオには根が付いていた。
最近、キッチン菜園が流行っている。もしかするとこのパクチーラオ
の根を植えておけば育つのではないか?
スイートバジルも植えておいたら根付いた経験がある。
「パクチーラオを植えておいたなら育つかね?」
「わからないわ」
ヌチャナートはパクチーラオを植えるつもりはなかったから、根の
部分をゴミ袋に捨てていた。根はちょっと乾いている。
俺はその根を拾ってきて水に入れら、水を吸って根は元気そうに
なった。パクチーラオの水耕栽培は無理だろうから、鉢に植える
つもりだ。台所で水耕栽培をしていたら、蚊がそこに卵を産み付けて、
水耕栽培から蚊が発生したという人がいた。蚊を防ぐ意味でも水耕
栽培ではなくて、鉢植えにしよう。もし本当にパクチーラオが鉢で
育ったなら、料理の種類が増えて楽しくなる。

2009/9/8

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2009年9月 7日 (月)

高菜の漬物と豚肉

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俺達は漬物と言うのは醤油をかけて食べる物だと思っている。
漬物を煮たり焼いたりしない。
たまには沢庵などを炒めて食べることもあるが、そんな食べ方は
異例だ。漬物は保存食と考えると、漬物を煮たり炒めても不思議は
ない。

タイの食材店で高菜の漬物を買ってきた。
これを豚肉と煮てトムチュートにする。
高菜を漬ける時に砂糖を加えるのか、高菜が甘い。
この料理が旨いとか不味いとか味には興味がなかった。
俺は漬物を煮ることに一種の驚きを感じた。
文化と生活の違いを感じさせるカルチャーショック料理だ。

2009/9/4

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ちらし寿司みたいな

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「肉を焼こうか」とヌチャナートが言う。
食卓にはシャケがあった。それで充分なので肉を断る。
俺は箸でシャケを摘みながら食べるつもりでいた。

ヌチャナートはシャケの身をほぐし、ご飯と混ぜた。
今までこんな飯をヌチャナートは作ったことがない。
まるでちらし寿司のようなものができた。
俺はこれを日本のちらし寿司の影響をうけたタイ料理と考えた。
食うと塩っぱい。塩分の少ないタイ料理を食っていると、この料理は
塩辛すぎる。この塩分量は日本人が普通に食べる塩分量だ。
水を飲みながら食事をする。

食事をしながらヌチャナートがタイで飼っていた猫の食事を思い出
した。魚を焼いて、身をほぐしてご飯と混ぜていた。
俺はこの料理はちらし寿司の影響をうけたタイ料理だと思ったが、
タイの猫と同じ食事を俺に出した
のだと分かった。

2009/9/7

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タイ人とモツ鍋

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居酒屋にタイ人三人と一緒に行った。モツ鍋を食べたいとタイ人が
言う。俺が代表して注文した。
「辛くしてください。激辛でもいいです。」
そう言ってから、日本人の激辛とタイ人の辛いでは感覚がまるで
違うことを思い出した。
「激辛の”これでもか!”という辛い奴にしてください」と付け加えた。
出された物がこれだ。
普段から辛い料理を食べているから、俺にはこの唐辛子の量を見て
もごく普通の量と感じた。日本人が見たら、辛すぎる量だろう。
これを食ってもタイ人は誰一人として辛すぎるとは言わない。
この唐辛子の量は普通か普通以下の量だ。
どの位の唐辛子をタイ人が一回に摂取するかこれを見てもわかる
だろう。一年間にタイ人が摂取する唐辛子は日本人の千倍以上だ
ろうな?

2009/9/5

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2009年9月 3日 (木)

牛の焙り焼

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牛肉に塩胡椒をしてグリルで焙っただけの簡単料理だ。
俺はこの肉を見た時、タイの近所の婆さんが作っている干し肉を
思い出した。一生懸命作って食わせてくれるのだから、美味しいと
言いながら食っていた。実際は、脂が酸化してちょっと臭った。
それと肉の繊維が歯の間にはさまる。
外国人の俺が婆さんが作る食べ物をにこにこしながら食うので
婆さんは気をよくしていた。婆さんの顔を見ると断るわけにいかない。

この料理を見た時、ヌチャナートが干し肉を作ったのだと勘違い
していた。食ってみたら、生肉を焙ったものなので、脂の酸化もない
し、肉の繊維が歯に挟まることもない。これは美味い。
「ヌー、これは美味いよ。食ってごらん。」
ヌチャナートは適当に味付けをして焙っただけで自分で味見をして
いない。
「本当ね、いい味ね。また作るわ。」
唐辛子ソースをつけて食べると味が一層引き立つ。
そう思うのは俺だけで、他の人は唐辛子ソースなんていらないだろう。
肉を飯の上に置き辛いソースをかける。
ソースが飯にたれていく。辛い飯を食う。
これがウチの当たり前の食事だ。

2009/9/1

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ミーウドン 饂飩をタイ語で

ヌチャナートが店の看板を読んでいる。
これで少しは日本語が進歩すれば良い。俺も読みを手伝う。
「あれはなんて書いてあるの?う・ど・ん」
「そうだ、うどんだよ」
活字体の文字だけでなく、看板のくずした文字も読めるようになっ
た。さすが人間の頭脳だ。コンピューターに崩した文字を読ませ
ようとしても無理だ。まして看板に書かれている装飾的な崩し文字
はコンピューターでは読めない。
「うどんはタイ語でなんて言うの?」
「わからないわ。うどんなんてタイにないもの」
「どう表現する?」
「ミーウドンよ!」
「えっ!?」俺は思わず笑い出した。ヌチャナートも笑っている。
ミーと言うのは麺という意味だ。つまり直訳すると「うどん麺」となる。

2009/9/1

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田舎風トムヤンクン

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久し振りにトムヤンクンが出た。どうもヌチャナートは俺が海老を
嫌う、トムヤンクンは嫌いだと誤解していたようだ。
いつの頃からか覚えていないが、なんだか海老、蟹のにおいが
気になりだした。とくに食べ終わった海老や蟹の殻からでるにおい
が気になる。食べている最中でも、指などにつくにおいが気になる。
それに海老や蟹は食べにくいから食うのが面倒だ。
そんなわけで海老・蟹が出てもちょっとしか食べない。
俺があまり海老を食べないのでヌチャナートはトムヤンクンを作ら
なかったようだ。

「新鮮な海老があったわ。トムヤンクンを作るわね」
「おお、いいね」久し振りなので喜んだ。
「サミイはトムヤンクンを食べないでしょ?」
「・・・・?」
「焼いてあげるわ。それなら食べるでしょ?」
「トムヤンクンだけでいいよ」
多分、半年はトムヤンクンを食べていない。
キッチン菜園からレモングラスを切ってきた。
レモングラスは飼い猫のサダムフセインも大好きな草だ。
料理を作る前にサダムにレモングラスを上げると嬉しそうに食べて
いる。香りが気にいっているのか?
それともレモングラスを食べると身体によいのか?
理由はわからないが、よくサダムはキッチン菜園のレモングラスを
自分で齧っている。

「辛くする?」トムヤンクンの辛味をどうするか聞いている。
「普通にしてくれ。タイの普通の辛さがいい」
「それは無理よ。サミイは食べられないわ」
プリッキヌーを取り出して臼に入れる。他の香辛料と一緒に叩き潰
す。なんだかんだ言っているうちに、料理が出来上がった。
「これは田舎風のトムヤンクンだね」
「そうよ」
久し振りに、トムヤンクンを味わう。
酸味と辛味がなんともいえない調和をだしている。香りもいい。
トムヤンクンは世界三大スープの一つと誰が言い出したのか知ら
ない。本当だろうか?多分タイの宣伝のために誰かが考え出した
キャッチフレーズだろう。
それが真実であろうとなかろうと、目の前の料理が旨いか不味いか
が俺にとって重要だ。
これは旨い。久し振りに食うトムヤンクンを絶賛した。

2009/9/2

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2009年9月 2日 (水)

食べ物と健康9029

本や雑誌の中にある食べ物と健康に関する記事を探している。
今日はどうゆうわけかこの種の記事が少ない。
今までと違い、ぴたっと減った感じだ。
キトサン、杏仁オイル、ミミズ酵素なんてものがでている。
これは食べ物の中からある成分を抽出したものだから、食べ物とは
言いがたい。紫イペなんてものもでている。
これは南米原産の植物でお茶のように飲むものらしい。
日本で言えばどくだみ茶みたいなものと考えて健康になる食べ物
の中に加えておこう。俺が考えているのは、ジャガイモを食うと低血
圧とか貧血が治るというような記事だ。この種の記事にも流行・廃れ
がある。今回、この種の記事が減るのも時代の流れかもしれない。

「安心」誌 2009年10月号 マキノ出版

黒髪復活!耳鳴り完治!抜け毛、吹き出物も一掃!
女優、歌手も愛食 脳まで若返る!
黒ゴマ美健術

「Health」誌 日経BP社

「食べてやせる3つの法則」~ 究極の”食べヤセ”レシピ
特定の食い物の名前がないから、この雑誌の今月号には記事がなかったことにする。
これも流行だ。

「はつらつ元気」誌 2009年10月号 芸文社

医師は酢玉ネギ常食!血糖値、ヘモグロビンA1c正常!
「お酢」があれば糖尿病はどんどんよくなる!!
口渇、足のしびれ眼底出血にも著効!!

レタス一枚味わうだけ!! にがしぶダイエット

血糖値250が正常化! 「皮ごと醗酵玉ネギ」
「紫イペ」が高血糖値に威力発揮!感動体験談!!

水溶性低分子キトサンがうつ、不眠改善に役立つという記事があった。

「夢21」誌 2009年10月号 わかさ出版

ウツや重い精神の病気 統合失調症の大半が治ったバナナ朝食と朝日浴び

2009/9/2

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2009年9月 1日 (火)

パットマクワ 茄子のタイ風炒物

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パットマクワが出て来た。どうも彩が悪い。
食欲をそそる姿ではないが、食ってみるとよい味だ。
スイートバジルの香りがする。俺の好きな香りだ。
「見た目が悪いけど、これはいける」
そんなことを思いながら食っていると辛味を感じだした。
唐辛子なんて入っていないと思ったが何処かに唐辛子が入って
いるのだ。次の一匙の中身を見た。そこに小さな緑のプリッキヌー
が入っている。これじゃ辛いはずだ。
プリッキヌーを除いて食べようか?
面倒だからプリッキヌーを入れたまま食った。
唐辛子のよい香りが口に広がる。
それと同時に辛味がきいてきた。
俺もどうかしている。この辛味を平然と受け入れている。

辛味に対する耐性ができないと、タイ料理の微妙な味の差を識別
できないのではないか?
何を食っても辛いと感じている間は旨さの比較ができない。
タイ料理を食い慣れないソムリエにはこのタイ料理にはこのワイン
が合うなんて言えないと思う。

2009/9/1

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天を向く唐辛子

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唐辛子を鉢植えしてある。唐辛子の先端は下を向くものだと思って
いた。たしか去年の唐辛子は先端が下を向いていたと思った。
去年のアルバムを開いた。
やはり、去年の唐辛子は先端が下向きだった。緑から赤くなる前
は一時的に黒くなる。その黒さが面白くて写真に撮った。
この唐辛子はしし唐だ。先端が尖っていない。

今年の唐辛子の先端は空に向かっている。
タイ人がよく食べる唐辛子をプリックチーファーという。
その単語を俺はただ単に唐辛子の名前と覚えており、その意味を
考えなかった。
天に向かって立つ唐辛子を見て、タイ語の意味を考えた。
その意味はまさしく「天を突く唐辛子」だ。

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俺はこの唐辛子が真っ赤になってから食べたい。
でもヌチャナートは緑の唐辛子を摘んで料理に使うだろう。

2009/9/1

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