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2009年11月 1日 (日)

太古の食事みたい

キッチンには大きな鍋が幾つもある。
「キッチンが散らかっているな。洗わない鍋かな?」
片付けようと思い蓋をとってみると鍋の中にはそれぞれ異なる料理
が入っている。これを見て、ふと太古の食事の姿を思い浮かべた。

現代はコンビニやスーパーで毎日異なる食べ物を買うことができる。
朝は焼き魚、昼はラーメン、夜はステーキと一日三食異なる食べ物
を食べることが可能だ。俺達は同じ物を食べ続けないという食習慣
が出来ている。いろいろな物を食べなさいと言う栄養学の教えの
せいかもしれない。

カレーが嫌いという男の話を聞いた。
彼は昼飯をカレーで済ませた。家に帰ると晩飯は子供が大好きな
カレーだった。翌朝は昨晩の残り物のカレーだった。
三回も続けてカレーを食べ続けると、もうカレーを見るのも嫌にな
る。
そんな話だった。三回続けてカレーという経験は誰にでもあるだろう。

狩猟や漁業の時代では毎回違う食べ物を食べるなんて贅沢はでき
なかった。一日猟をしても鹿やウサギなど獲物を見つけることが
出来ない。海に出て魚を求めても今日は大漁だが翌日はまるで魚
がかからないなんてこともある。
今日は嵐で漁に出られないことがよくある。

漁業でも農業でも季節によって得られる物が決まっている。
ある時期は鰺しかとれない、胡瓜しかないといった状況だった。
お天気しだいで食べ物が取れたり取れなかったりする。
虫や病気で枯れる物もある。茄子を食いたいと思っても昔は茄子は
夏しか取れなかった。
太古の人々にとって食うというのは今よりももっと切実な問題だった。
食べ物を大切にして、乾燥、塩漬けなどの保存技術を発達させた。
今のように数多くの鍋や調理器具を持つ家族はなかった。
油脂は貴重な物だから炒め物なんてなかなかできない。
焼くか大きな鍋で煮炊きをして食べていたのではないか?
そして同じ物を何日も続けて食べていたと想像する。
今日は鯖が大漁だとなると、何日も鯖を食べ続けざるを得なかった。
それが太古の食生活だと思う。

ヌチャナートの食事は太古の人々の食事に似ている。
買物に行くのはヌチャナートにとっては太古の人々が漁や収穫に
でるようなものだ。今日は大漁だというのは、大安売りに出会った
のに似ている。これは安いと思うとその品を大量に買い付ける。
昔は「おいおい、そんなに買って大丈夫かい?」と心配した。
もう今は心配する必要がない。買った物を絶対に無駄にしないで
使い切るのを知っているからだ。
魚なら塩漬けにしておく。野菜ならタイ風の漬物にする。
何ヶ月もたった後に塩漬けの魚を取り出して食べることがある。
熟成しているので、この魚がよい味になっている。
魚から出た水には塩分があるのでナンプラのように使っている。

大安売りの食べ物を全て大きな鍋で煮込んでしまうこともある。
唐辛子やその他の香草と一緒に大量に煮込んだ料理は簡単には
腐らない。熱帯でも腐りにくいタイ料理だから、温度が低い日本で
はもっと腐りにくい。それを温め直して何日も食べ続ける。
一度作っておけば、温めるだけで食べられるという手抜きでもある。
「アハハ・・・。簡単でいいわ!」笑いながら食べている。
そんな食べ方を見ていると、太古の人の食事風景を再現している
のではないかと思ってしまう。

2009/10/31

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