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2010年5月25日 (火)

カオマンガイ

レストランに大きな看板がでている。読むとカオマンガイと書いてある。
読んでしまうと何となく食いたくなる。
変な外人が入ってきたので、その店のおやじが怪訝な顔をする。
「お前、何しにこの店にきたんだよ!?」と言いたそうな顔で近寄って
くる。俺はぶっきらぼうに「カオマンガイ」と一言いう。
これを聞くとおやじの顔は豹変した。相好を崩して
「カオマンガイでございますね。かしこまりました」
おやじは愛想のよいにこにこ顔になる。
どうやらカオマンガイはこのおやじの得意料理らしい。

通りに面した所が調理場兼受注場で、その後ろに客が座る食卓が並ん
でいる。俺は調理場と通りが見える食卓についた。
おやじは皿をとりあげた。嬉しそうににこにこ笑いながら、真っ黒な雑巾
で皿を拭き始めた。
おいその真っ黒な雑巾はその辺を拭いた雑巾じゃないのか?
おやじにとっては、と言うよりタイ人は一般的に衛生に気を使わない。
雑巾は非衛生的だとは絶対に考えない。
衛生より客に出す皿がぴかぴかであり、汚れがないことが大切だ。
多分、俺に出す皿の何処かに汚れがあったのだろう。
雑巾は汚れを拭き取る道具だ。ぴかぴかになれば非衛生的でも構わな
いとタイ人は考えている。大切な俺というお客様のために皿を磨いてくれ
る親切に俺は感謝しなくてはいけないのだ。

大きな四角い包丁で鶏肉を丁寧に切っている間もおやじはにこにこ笑って
いる。おやじに似た顔つきの女がいる。どうやら娘らしい。
その娘が料理を持ってくるのかと思ったら、歯が抜けたおばさんが料理を
もってきた。普段なら雑巾で拭かれた皿に盛り付けられた料理を食うには
勇気がいる。空腹とは恐ろしいもので、非衛生的だなんて考えない。
タイではこんなもんだよと変な悟りを開いた。
気がつくと料理の写真を撮ることを忘れていた。
この店の看板料理だけあって、美味かった。
鶏肉を柔らかなまま火を通すのは難しい。熱をかけすぎると鶏肉はぱさ
ぱさになって美味しくない。この店の鶏肉は丁度よい火加減で止めてある。

味は良かったが、あの真っ黒な雑巾には参ったな!!!

2010/5/3

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