芸術文化センターラーチャバート大
インターネットでラーチャバート大学ナコンラーチャシマ校に芸術文化セン
ターがあることを知った。是非、訪ねて見たかった。
大学がある場所は知っている。鶏の空揚げを売っているおばさんにそこへ
行くバスを聞いた。ただで聞くのも悪いから、空揚げを買った。
「ラーチャバート大学に行くには何番のバスに乗ったらいいの?」
おばさんはしばらく考えてから
「モトサイが知っているから、モトサイで行きなよ」と言う。
モトサイと呼ぶバイクのタクシーで行くなら、おばさんに聞く必要はない。
おれとおばさんの会話を聞いていたモトサイの運転手がやってきた。
「ラーチャバート大学にいくの?行ってあげるよ」
「うーん、俺はバスの乗り方を知りたいんだ。何番のバスに乗ったらいい
の?」
「6番のバスに乗りな」
「1番じゃだめなの?」
「それでもいいけど、本数が少ないんだ。6番の方がいいよ」
親切な運転手は商売そっちのけで、バスのことを教えてくれた。
俺はバスがやって来るのを待っていた。すると先ほどの運転手が
「このバスに乗れ」と言う。バスには4桁の路線番号がついている。
言われたバスに乗り込み、帽子を脱いで運転手に礼をした。
「本当にこのバスがラーチャバート大学にいくのか?」
バスの窓には行き先が書いてある。バスの中からはタイ文字を裏から読む
ことになる。日本語だって裏から読むのは大変だ。
行き先の中にラーチャバートと言う文字を見つけて安心した。
すぐにバスは大学の前に着いた。
大学はかなり広大な敷地だ。門衛に目的を告げた。
門衛は英語が分からない。
「あのビルへ行け」と案内してくれた。
ここが芸術文化センターか?ネットで得た情報と違う。
取りあえず総務課と書いてある事務所に入った。
「芸術文化センターを見たいのですが、どうしたらいいのでしょうか?」
数人がいたが誰も英語を話さない。俺は幸いにも芸術文化センターについ
て英語で説明したものを印刷して持っていた。
「英語を読めますか?」タイ語で質問した。
「はい読めます」彼は長いことかかって英語を読んでいた。
そして何個所にも電話していた。そして俺に電話に出ろという。
電話に出るとこの大学の日本語科の先生が出た。丁寧な日本語だった。
用件を話すと先ほどの男に代わってくれという。
やっと俺の訪問目的を分かってくれた。
大学の芸術文化センターと言うのだから大勢が訪ねる場所だと思っていた
が、ほとんど訪ねる人がいない。総務課の男は若い男と女を大声で呼ん
だ。そして若い男のバイクに乗れと言う。
ネットに書いてある通りの古い木造の建物に案内された。
芸術文化センターの鍵をあけて中に入れてくれた。
その鍵が面白い形をしていた。
こんな場所を訪ねる日本人なんて珍しいらしい。貴賓客扱いだ。
写真を何枚も撮られた。冷たい水も持ってきてくれた。実は暑くて水を何杯
も飲んでいる。腹がだぶだぶなのだが、断るわけにいかない。
こんな貴重品が展示してある場所で水を飲んでもいいのか?
水をこぼしたら展示品が損傷する。水がこぼれても大丈夫な場所に移動
して水を飲んだ。美味しそうに水を飲んで見せた。
はきはきしていて、感じがよい若い女だ。展示品の説明をしてくれるのだ
がタイ語だ。俺は芸術文化センターと言うのだから、古い美術品から現代
美術まで並んでいると想像していた。美術品を期待していた俺には期待外
れだったが良い体験になった。古い土器、民間の生活用品などが並んでい
た。タイの生活を知る役にたつ。
これは薬箱と言っていた。金持ち階級がもっていたものだろう。
インターネットで「何処そこに何々がある」と書いてあっても地元の人が知ら
ないことが多い。観光警察で聞いても分からないことがあった。
ここもそんな場所の一つだ。有名観光スポット以外はインターネットで得た
情報の場所に行くには苦労がある。
2010/5/6
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