素焼きの急須
こんな素焼きの急須があった。どう見てもこれは急須だ。
固定概念に囚われている俺は、これで熱い茶を飲むのだと思った。
そして、それ以上の疑問は持たなかった。
この急須を見た日本人は誰でも、大きな急須に驚き、食堂などで茶を入れ
るのに使う物と思う。ちょっと待ってくれ。
最近、ペットボトルに入った冷たい緑茶が売れているが、熱い茶を飲む
習慣はタイにはない。そうするとこれは茶を入れる急須ではなさそうだ。
薬草を煎じるのに用いるのか?薬草を煎じるにはなにもこんな急須を使
う必要もない。普通の鍋で煎じれば事が足りる。
多分この素焼きの急須は卓上に置いておく物だ。すると急須の中の水は
素焼きの壁の外に出てきて蒸発する。蒸発する時に潜熱を奪うので、
急須の中の水は冷たくなる。
氷を使わずに冷たい水を飲む、昔からの知恵なんだろう。最近は氷が
安く手に入り、保冷容器もあるので、こんな急須を使わなくなった。
それでこんな急須の需要が減ってしまい、まもなく市場から消える。
これは俺の推定だ。本当の用途はわからない。
2010/5/1
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント