切ってから出す
タイ料理を食う食器は西洋料理で使うスプーンとフォークだ。
こんな食べ方は比較的新しい習慣だと思っている。
とにかく、この食べ方が現代では定着している。
西洋料理の場合、食卓で料理を切る必要があるから、ナイフがあ
る。料理を切る必要がないからタイ料理ではナイフを使わない?
ナイフを使わなくてもいいように最初から料理を切っている?
卵と鶏がどちらが先かという問題に似ている。
欧州でもその昔は各自がナイフを持って食事に招かれて行った。
食事中に暗殺されるのを恐れた王侯は、先を丸めたナイフを使う
ようになった。暗殺を恐れたタイの王室も食卓にナイフを用意しな
かったのでスプーンとフォークだけになったのか?
それが民間に伝わり、タイ料理ではナイフを使わなくなったのかも
しれないと個人的に想像している。
切るという動作をなくすため、食卓に出される料理は全て一口サイ
ズに切られている。
公園を歩き回り、疲れたし、腹もすいた。売店で串焼き肉と春巻様
の物を買った。
焼鳥を日本で買った場合、串のまま渡される。
俺たちは串を片手で持って、肉を咥えて串を引き抜く。
それが俺たちにとって当たり前の世界だが、考えて見ればちょっと
下品な食べ方だ。
肉を串から外しておいてから食う方が優雅に見える。
春巻も日本では揚げたままの姿で皿に盛って出される。
大きな春巻を箸で掴んで、タレにつけてかぶりつく。
これも上品な食べ方に見えないが、日本ではそれが普通の姿だ。
食べにくいが、この食べ方が普通だと思っているから、誰一人として、この食べ方に疑問をもたない。
春巻をタイで頼むと一口サイズに切ってくれる。この方が食べやす
いが見た目が綺麗ではない。
日本人は目で食うから、見た目の美しさを重要視する。
キツネ色に焦げた春巻の皮は美しく、食欲をそそる。
食べやすさを重要視するタイ人は、見た目は悪くなっても切って
から出す。
2010/5/1
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