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2010年6月13日 (日)

切ってから出す

タイ料理を食う食器は西洋料理で使うスプーンとフォークだ。
こんな食べ方は比較的新しい習慣だと思っている。
とにかく、この食べ方が現代では定着している。
西洋料理の場合、食卓で料理を切る必要があるから、ナイフがあ
る。料理を切る必要がないからタイ料理ではナイフを使わない?
ナイフを使わなくてもいいように最初から料理を切っている?
卵と鶏がどちらが先かという問題に似ている。

欧州でもその昔は各自がナイフを持って食事に招かれて行った。
食事中に暗殺されるのを恐れた王侯は、先を丸めたナイフを使う
ようになった。暗殺を恐れたタイの王室も食卓にナイフを用意しな
かったのでスプーンとフォークだけになったのか?
それが民間に伝わり、タイ料理ではナイフを使わなくなったのかも
しれないと個人的に想像している。
切るという動作をなくすため、食卓に出される料理は全て一口サイ
ズに切られている。

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公園を歩き回り、疲れたし、腹もすいた。売店で串焼き肉と春巻様
の物を買った。
焼鳥を日本で買った場合、串のまま渡される。
俺たちは串を片手で持って、肉を咥えて串を引き抜く。
それが俺たちにとって当たり前の世界だが、考えて見ればちょっと
下品な食べ方だ。
肉を串から外しておいてから食う方が優雅に見える。

春巻も日本では揚げたままの姿で皿に盛って出される。
大きな春巻を箸で掴んで、タレにつけてかぶりつく。
これも上品な食べ方に見えないが、日本ではそれが普通の姿だ。
食べにくいが、この食べ方が普通だと思っているから、誰一人として、この食べ方に疑問をもたない。
春巻をタイで頼むと一口サイズに切ってくれる。この方が食べやす
いが見た目が綺麗ではない。
日本人は目で食うから、見た目の美しさを重要視する。
キツネ色に焦げた春巻の皮は美しく、食欲をそそる。

食べやすさを重要視するタイ人は、見た目は悪くなっても切って
から出す。

2010/5/1

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