肉饅頭とメレンゲ
肉饅頭とメレンゲなんて関係ないと思うでしょう。
それが関係あるので驚いた。どう考えてもこの二つは結びつかない。
方や塩っぱい中華のスナックで、方や甘い西洋菓子だ。
菓子の安売り屋にカルメ焼のような形のメレンゲがあった。
「ああ、白いカルメ焼だ」と思うとなんとなく食いたくなった。メレンゲを
買い求めた。
甘い物を一つ食うともう残りはそれほど食いたくない。
ヌチャナートはメレンゲをちらっと見たが別に関心がなさそうだった。
この菓子をメレンゲと呼ぶことなんてヌチャナートは知るはずもない。
今日は日曜日だ。ヌチャナートは愛猫サダム・フセインと朝寝を楽しん
でいる。俺が起き出すとヌチャナートが言った。
「朝ごはんは自分で食べてね」
「うん」
「サラパオがあるでしょ。サラパオを温めるといいわ」
「・・・・・?・・・・??」
サラパオというのは肉饅頭のことだ。何を言っているのだ?
俺は聞き違いかと思った。どうやらメレンゲの形を見て肉饅頭と勘違
いしたらしいことがわかった。ヌチャナートにメレンゲを食べさせた。
「うん、美味しい」勘違いしたことを笑っていた。
人間って新しいものを見ると、その形に一番近い自分が知っている
ものを当てはめる。メレンゲなんて知らないけど、肉饅頭なら知って
いる。ヌチャナートはメレンゲを見てサラパオつまり肉饅頭だと思い
こんだ。
2010/7/11
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