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2010年7月29日 (木)

烏賊素麺とミントの葉

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生魚を食べる習慣がないタイ人に刺身を食わせたらきっと驚くと思
った。脅かすつもりでヌチャナートに刺身を食わせたら、気に入って
しまい、こっちが逆にビックリした。
「今日は刺身にしましょうよ」
ヌチャナートは新鮮なイカを差し出した。俺は烏賊素麺を作った。
こういうのを作るのは何故か俺の役割になっている。
ただ烏賊を切って並べるだけだから、誰にでもできると思う。
日本人の場合、食べる時の見栄えを考えて太さを揃えるとかする。
これがタイ人になるとそんなことを考えない。
適当に切ってどさっと盛り付ける。タイ人はそれでいいと思っている
ようだ。俺の盛付を見て「綺麗ね」とヌチャナートは言う。
白い烏賊を並べただけでは見栄えがしない。
バランの緑が欲しかったがバランはない。
「ミントがベランダにあるから、ミントを使うといいわ」
なるほど。これは日本人にはない発想だ。
どうせ食べない物だからプラスチックのバランでもミントの葉でも同
じだ。ミントを使うと色鮮やかになった。

刺身に使う醤油は「たまり醤油」の方が美味いとヌチャナートは言う。
東京周辺ではたまり醤油を使うことはない。
ヌチャナートのお好みだから、刺身用にたまり醤油を用意してある。
醤油にはわさびを入れる。ウチにはチューブ入りの練りわさびしか
ない。タイ人は信じられないくらい大量のわさびを入れる。
バンコックの寿司屋で、「タイの寿司屋はなんでこんなにもわさびを
出すの?」と驚いた日本人がウエブに書き込みをしていた。
タイ人の感覚では大量にわさびをいれないと美味しくないのだ。
俺はわさびのチューブを絞りながらヌチャナートの反応を見ていた。
「もう少し、もう少し、ああ、それくらいでいいわ」
今日はちょっと少ないなと思ったが、それでもこんなにわさびを入れ
た。

ミントの葉と烏賊をつまみ、わさび醤油につけて食べる。
ちょっと風変わりの香りがする。
俺がタイ料理に慣れ親しんでいるからかな、ミントの香りに違和感を
感じない。

「これは烏賊の刺身とは言わないのだよ。」
「・・・・?」
「烏賊素麺と言うんだ」
「アハハハ・・・・」
どうやら烏賊素麺とよぶ発想を理解したようだ。

2010/7/28

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