ポンジリとソーセイジと常識
冷凍庫からだした時は鶏の腿肉だと思っていた。解凍したらポンジリだった。
ポンジリを唐揚にするとヌチャナートが言い出した。
それもいいだろう。ヌチャナートはポークソーセイジも取り出している。
「・・・・」ポークソーセイジを黙って見ていた。
「ポンジリだけじゃ足りないから、ソーセイジも食べるわ」
別に異論はない。ソーセイジがどんな形ででてくるか、頭の中でそのイメージ
を無意識のうちに描いていた。これを読んでいる日本人は俺と同じような
イメージを描くと思う。ソーセイジ料理は欧米から移入された料理だから、
日本人のその食べ方は欧米流だ。
薄く油をしいたフライパンでソーセイジを転がして炒める。
そんなソーセイジ料理を描くのではないか?俺もソーセイジが炒めて出され
るのだと思っていた。
「出来たわよ。早く食べてね」
塩味がちょうどよいポンジリだ。柔らかな脂肪と肉の味を楽しめる。
ポンジリと一緒に出てきたソーセイジを見て驚いた。
ソーセイジは油で揚げてあった。
ここでタイ人と日本人の常識の差に気づき愕然とした。
タイで見るソーセイジは三種類ある。
一つは伝統的なタイのソーセイジだ。
その次は中華風のドライソーセイジ。
最後は近年になって普及した欧米風のソーセイジだ。
伝統的なタイのソーセイジは生もしくは炭焼きにして食べる。
中華風のソーセイジも焼く。
欧米風のソーセイジは油で揚げる。
油で揚げる食べ方は欧米の生活を知らない庶民の食べ方だ。
欧米を知る富裕層はソーセイジをフライパンで炒めることもあると思う。
このポークソーセイジはタイではなかなか得がたい高級品だ。久し振りの
欧米の味を期待していたのに庶民階層のヌチャナートはポークソーセイジ
を油で揚げて出してきた。
ソーセイジは炒めて食べるのが俺たちの常識。
ソーセイジは油で揚げるのがタイ人の常識。
食事をしながら、文化や常識の差に驚かされる。
2010/7/9
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