鮪オイル漬缶詰でタイ料理
「魚の缶詰、食べるでしょ?」
「うん」
「この缶詰、なーに?」
「まぐろだよ」
鮪のオイル漬缶詰を開けて料理を作り始めた。
「あら、これって油が多いわね。こんなに入っているわ」
余分な油を取り除いて、鮪を炒め始めた。
野菜を加えてこんな料理を作った。
こんなスタイルの料理は日本にはないから立派なタイ料理だ。
魚の缶詰を使ってヌチャナートはいつもタイ料理を作る。
缶詰協会あたりの料理コンテストに出したら注目されそうな料理だ。
ある時は缶詰を使ったサラダだ。そのサラダもタイの味だ。
ちょこちょこと素早く作ってしまう。
いつも魚の缶詰でいろいろな料理を作ってくれるから、これがタイの
普通の食生活だと思っていた。缶詰をそのまま食べられる完成した
食品と考えるのではなく、缶詰は料理の素材とタイ人は考えている
と俺は思っていた。
俺がタイ風の鮪料理を食っていると、ヌチャナートがボソッと言った。
「えっ?・・・・・・?」
「タイ人は缶詰をあけて、そのまま食べるだけよ。」
「・・・・・・?」
「こんな風に料理を作らないわ」
「日本人も同じだよ。缶をあけてそのまま食べちゃうよ」
多くのタイ人は家庭で料理を作らない。缶詰を買って来てそのまま
食べちゃう姿は容易に想像できる。
缶詰を使ってこんな立派な料理を作ってくれるヌチャナートに感謝
しなくてはいけない。
2010/8/4
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