馬刺しはゲテモノか
町を走っていたら馬刺しの看板があった。
犬を食うタイ人はいるけど、馬を食うタイ人はいないのを知っている
俺はわざと言った。
「ヌチャナート、この店では馬の刺身を食えるよ」
「えっ?!なーに?」
「馬の刺身だよ」
「やだー!気持ち悪いっ!」
想像通りの反応だった。馬の肉は赤い肉だ。何が気持ち悪いんだ!
昆虫とか蛆虫を食っているタイ人の方がもっと気持ち悪い。
俺達にとって馬刺しはゲテモノではないが、タイ人にはゲテモノだ。
ゲテモノと言えばフィリッピンの卵を思い出した。
卵を割ると中から鶏になりかけたものが出てくる。
それが美味しいらしい。この卵はフィリッピンの人にとっては特別な卵
なんだ。生卵と鶏の刺身を食う日本人が、その中間である卵から生ま
れる直前の鶏を食えないなんておかしい。
頭では分かっているが、鶏になりかけた卵は気味が悪い。
卵の内部は無菌状態だから、鶏になりかけた卵は腐っていない。
想像だが、生卵は噛むことができないが、鶏になりかけた卵は固ゆで
卵のように噛む楽しみがあるのではないか?
俺達には生卵は美味い物だが、白人から見ると生卵は気持ち悪い
食い物だ。
こう見てくるとゲテモノという考えは偏見だと分かる。
昆虫を食べるのが普遍的だから、タイの人々は昆虫を美味しい
食材として眺めている。俺達はそれを見てゲテモノ食いと考える。
俺は海鼠が好きだが、タイ人から見たら絶対にゲテモノだ。
日本人はウナギを喜んで食うが、タイ人は食わない。
ゲテモノ食いは食文化なんだ。
犬を食う国や地域がある。動物愛護家が何と言おうとも犬を食べる
食文化を守るべきだ。動物愛護家は言う。
「犬はペットなんです。食うものではありません。牛豚は食うために
飼っているから食べてもいいのです。」
犬を食う国や地域の人々は食うために犬を飼っているのだから、
彼等は犬を食ってもいいはずだ。
自分達が持っている食文化を大切にしよう。
俺達から見て変な物を食べていても、それをゲテモノと蔑まず、
食文化として大切にしよう。
2010/8/20
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント