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2010年9月22日 (水)

ヤムクラポンパ 缶詰の魚のサラダ

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俺は餓鬼の頃から鮭の缶詰が好きだった。
俺は鮭の缶詰をシャケ缶と呼んでいた。
赤い鮭の肉よりも真ん中にある白い鮭の骨が好きだった。
骨は硬そうな姿をしている。しかし熱がかかっているので噛むとぽろっ
と砕ける。その砕ける感触が好きだった。
鮭缶をあけるとまず骨を食った。
俺と同じ記憶をもつ人が缶詰会社にいたのだろう。
鮭の中骨を缶詰にしてくれた。子供の頃に旨いと思った記憶がある
から、鮭の中骨の缶詰を時々買う。
「これ、骨の缶詰だよ」
「なんで、骨なんて買うのよ?」
中骨の缶詰の旨さを知らないヌチャナートは呆れていたが、缶をあけ
て味見をすると美味しいと言っていた。

中骨の缶詰を使ってタイ風サラダを作ってもらう。
レモングラスを使うのだが、乾燥品、冷凍品よりも生の物が美味しい。
幸いにもベランダのレモングラスは大きくなっている。
今年は猛暑が続いたのでレモングラスの成育がいい。今までに見た
ことがないほど元気だ。

レモングラスの他に玉ネギや唐辛子を入れる。
サラダに生唐辛子なんて日本人の発想にはない。
彩り程度に唐辛子を散らすことはあっても、味付けのために唐辛子
を入れない。
「唐辛子をとってよ」
冷蔵庫の傍にいる俺に言う。
俺はサラダに入れる唐辛子だとわかっているので、唐辛子を二本だ
け取り出して渡した。
「二本で良いの?三本にしなさいよ」
「いや、二本でいい」
サラダのような単調な味に三本も唐辛子を入れたらどのくらい辛い
か経験的にわかっている。今日はレモンがなかったので酸味は酢を
使うことにした。
俺が想像していた味のサラダがでてきたので大満足。

缶詰のシャケの中骨に醤油を垂らして食うのも旨いけど、これじゃ
料理ではない。人の手を加えて見栄えをよくすると料理になる。
缶詰が料理になるのを見ると嬉しくなる。

缶詰の中身はサラダになった。美味しい出汁のきいた水はスープ
にした。缶詰の全てを無駄にしないで食ってしまうことも達成感に
似た物を感じる。

2010/9/21

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