ヘチマと挽肉
車を走らせていると農協の直売所があった。車を駐車場に入れた。
「ヌー、ちょっと見てみようよ」
「暑いから嫌よ。ここで待っているからサミイが一人で行ったら!」
涼しい、車内から出たからない。
嫌がるヌチャナートを無理矢理 車から降ろして店に連れて行った。
最初は嫌がっていたのに、野菜の値段を見たら目の色が変わった。
「これ幾ら?あら安いわね!」
なんて言いながら野菜を物色し始めた。
ヘチマが5束ほどあった。ヘチマなんて日本人はあまり食べないが
タイ人はよく食べる。
いろいろな外国の野菜がスーパーに並んでいるが、まだヘチマは
並んでいない。ウチで食べる分だけのヘチマを手に取った。
「ああそうだ、これをタイ人のお友達にあげるわ」
友達の分を含めて棚にあったヘチマを全部買うことにした。
ヘチマと挽肉をナンプラで味付けして煮込んだ。
唐辛子が入っていないから辛くない。
柔らかなヘチマが口のなかでとろける。
俺はヘチマなんて風呂で体を洗うのに使う物で食べ物ではないと
思っていた。しかし、こうやって食うとヘチマは旨いもんだ。
漢字でヘチマのことを「糸瓜」と書く。まさしく瓜を煮込んだ味だ。
ゲテモノ食いと言うと蛇とか昆虫とか蛋白質のものを食うことを言う
場合が多い。初めて糸瓜を食うと聞いた時、俺は植物性ゲテモノ食
いだと思った。食って見ると糸瓜はゲテモノ食いではない。
立派な瓜料理だとわかる。
2010/9/4
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