トムヤンクンと寿司・刺身
タイ料理と言えばトムヤンクンを思い出すほど、トムヤンクンの人気
は高い。俺も美味しい料理だと思う。
最近、俺はトムヤンクンと寿司・刺身に共通点があることに気づいた。
日本人に「タイ料理は?」と聞くと真っ先にトムヤンクンをあげる。
この逆にタイ人に「日本料理は?」と聞くと寿司・刺身があがる。
日常、タイ人がどんな料理を食べているか知らない日本人はタイ
人は毎日トムヤンクンを食べていると思ってしまう。
同様にタイ人も日本人は毎日、寿司・刺身を食べていると思ってい
る。俺たちにとって寿司・刺身はちょっと特別な料理だ。
鰯、秋刀魚、鯖に比べると寿司・刺身は高価だということもある。
寿司・刺身のような冷たい料理なんて食い続けることはできない。
大金持ちの日本人だからと言って、彼等が毎日 鯛、や平目、河
豚の刺身を食っているわけではない。野菜のごった煮とか焼いた
鯵の開きなど俺たちと同じ物を食っている。
俺たちが「タイ人は毎日トムヤンクンを食べているのでしょ?」
なんて言ったならタイ人は怒るか日本人の無知に呆れる。
トムヤンクンは旨い料理だ。旨いがゆえに食い飽きるのが早い。
旨い料理なんて食い続けることができない。
材料の海老が高価だから毎日食えないのではなくて、食い飽き
てしまうから食わないのだ。
トムヤンクンの主役の海老を買うことができないタイの庶民も多い。
未だにトムヤンクンなんて言うタイ料理を食ったことがないタイ人
だっているはずだ。まっ、トムヤンクンはタイの日常食ではない。
日本で言えば懐石料理みたいなもんだと思ってくれ。
こう見てくるとトムヤンクンと寿司・刺身には共通点があるでしょ。
俺はなんとなくトムヤンクンを食べなくなった。
何故、トムヤンクンを食べなくなったのか俺にもわからない。
食い飽きたのか?いやそんなことはない。
海老のにおいが嫌になったのか?そうではない。
理由は分からないが、トムヤンクンがでても余り手を出さなくなった。
俺が食べないからトムヤンクンがウチの料理に出なくなった。
台所に海老があった。海老は飼い猫サダム・フセインの好物だ。
猫にあげる物だと思っていたらトムヤンクンが出てきた。
「あれっ?これってサダムにあげるのじゃなかったの?」
「今日はあたし達が食べるのよ」
久し振りのトムヤンクンだ。スープを味見した。海老の旨味が濃厚だ。
うーん、やっぱり旨い料理だ。たまに食うから旨いのだろう。
酸味を感じると、後から辛味を感じる。
ウチの辛味はタイの田舎料理そのままの辛さだから、日本人には
激辛かもしれない。その辛味に刺激されて、またスープを飲む。
香草の香りを楽しみながら海老を食べる。ほどよく煮えた海老は
固くならず甘味が多い。
バンコックではトムヤンクンにココナッツを入れるが、田舎では
入れない。ココナッツ入りのトムヤンクンも旨いが、さっぱり味の田
舎風トムヤンクンも旨いよ。
トムヤンクンも地方によっていろいろな味があるんだ。
旅に出たら、行く先々で違った味のトムヤンクンを食べ比べるのも
面白いね。
2010/11/1
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