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2010年12月15日 (水)

火吹き竹・迷信・タイ人

火吹き竹ってわかるかな?直径5センチほどの竹筒を節の所で切
る。もう一端は節を外して切る。竹筒の一輪差しのようなものがで
きる。節の中心に錐で穴を開ける。
竹に口をつけて息を吹き込むと、息が勢いよく小さな穴からでる。
これを炭とか薪の火をおこす時に使う。

こんな工夫は竹がある国では何処でも行われているように思える
が、そうでもなさそうなんだ。タイの田舎では食事を作るのに炭を
よく使っている。団扇で煽って火をおこすが、火吹き竹なんて使っ
ていない。
ハンドルを回すと風がでるフイゴをタイに持っていった。
火吹き竹を使う習慣がないから、フイゴなんて使おうとしない。
日本人はフイゴは便利な道具と思うが、風がおこると灰が舞い上
がるのでタイ人には迷惑な道具になってしまうようだ。団扇で煽っ
ても灰は舞い上がるのだが・・・・・・。
伝統的、習慣でやっていることには抵抗がないが、フイゴを使う習
慣がないので馴染めないのかもしれない。

彼等の火の起こし方を見ていると、ポリエチレンなどに火をつける。
ポリエチレンは燃えるとどろどろの熱い粘体になって炭の表面に付
着する。高温の物体が炭につくので、ほーっておけば炭は自然に
着火する。フイゴで風を送って素早く着火させるより、時間がかか
っても体を使わずに着火させる方を好むみたいだ。
こうして着火した炭で彼等は料理を作っている。

一人で火吹き竹で火をおこそうとすると時間がかかる。
もう一人が横から火吹き竹で風を送る。
二人でやれば確かに早く火がつくのだが、子供達は二人でやるこ
とを嫌った。
「二人で火を吹くと、お多福風邪になるんだぞ!」
そんな迷信があった。
友達がお多福風邪で学校を休んでいることを知っているので、子
供でもお多福風邪は恐ろしかった。
それで二人で同時に火吹き竹を使うことはしなかった。

この迷信は日本語の語感から来ているのは明らかだ。
「二人で吹く」が多人数で吹くとなり「お多福」に通じた。
「風」と「風邪」が通じた。
タイ語ではそんな迷信が起こり得ない。

炭も薪も使わない生活になったので、もう火吹き竹なんて忘れら
れているし、こんな迷信があったなんて忘れられつつある。

2010/12/13

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