ジャックフルーツのシチュウ
鶏皮を使って新しい料理を作れないか考えていた。
俺が買ってきた鶏皮をヌチャナートは見つけた。
その鶏皮を俺が食べたいのだと勘違いしたヌチャナートはそれを
揚げるか煮るか聞く。カラッと揚がった鶏皮は実に美味だ。
タイの市場では必ず一度は買って食べるほど俺の好物だ。
揚物はカロリーが高いので、煮物を作ってくれるように頼んだ。
俺は鶏皮を使った別の料理を考えている。鶏皮を全部使われては
困る。俺が使う分だけ鶏皮を残して置くように頼んだ。
「バナナ?それともジャックフルーツ?」
煮物に使う野菜を何にするかと聞いているのだ。
意外と思うかもしれないがバナナもジャックフルーツもタイでは
野菜として食べている。果物として食べる物は完熟しているが、
野菜として食べる物は未熟果だ。
俺はジャックフルーツを選んだ。
「出来たわよ」笑いながら料理を持ってきた。
「これね、タイの田舎の人が毎日、食べている料理なの」
「ふーん」
「こうすると何日も食べられるのよ」
「・・・・」
「お肉は高いから、鶏皮だけを買って来てこうやって煮るの」
「なるほどね」
貧困層の食べ物だからと言って馬鹿にしてはいけない。
誰だって美味しい物を食いたいから、貧困層だって味付けを工夫し
て美味しい物を作り上げる。
使っている素材が安価というだけだ。いい味が出ているよ。
この味はタイの田舎の家庭の味と言ってもよい。
タイ料理店へ行っても、食べられない料理なんだ。
2010/12/26
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント