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2010年11月 8日 (月)

亭主の好きなタイカレー

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俺が初めてタイカレーを食った時、不味いと思った。
カレーと言えば、黄色いインドカレーの香りと味を想像する。
俺が想像していた味とタイカレーの味は全く違う。
色も赤だったりする。
「なんじゃこれ?これがカレーかよ?」
そんな悪い印象をもったタイカレーなのに、今は俺の好物になっている。
俺がタイカレーを食いたいと言っても、ヌチャナートは作ってくれない。
簡単に作れてしまうタイカレーは「あんなもんは料理ではない」と思っている
らしい。タイカレーを軽蔑しているのだ。
ヌチャナートはタイカレーをちょこちょこと作ってしまうが、この味を日本人
が作り出そうとすると手間がかかる。
自分じゃ軽蔑していても亭主が好きなタイカレーだ。
なにかの風の吹き回しでタイカレーを作ってくれることもある。
「タイカレー、食べるでしょ?作ってあげる。」
「うん」
こうしてタイカレーが出来てきた。
屋台やぶっかけ飯屋で食うのと同じ味だ。
彼等が食べるのと同じ辛さだ。食っているうちに汗がでてくる。

辛味がないと飯を食えなくなっている。
辛い物を食っても辛いと感じないが、辛味を食うと汗がでる。
こんな程度の辛味ではタイ人は汗をかかない。
俺の体はまだタイ人のようにはなっていないようだ。

2010/11/3

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野良猫と敗残兵

先回、インパールで敗れてビルマを抜けタイに逃げ込んだ日本の敗残兵が
タイの村人から食事を貰ったことを書いた。

公園でタイ料理の食事をしていた時のことだ。
腹を空かせた野良猫が食い物のにおいを嗅ぎ付けて傍に寄ってきた。
俺は小さな肉切れを野良猫に上げた。
相当腹をすかせていた様子の野良猫はすぐに肉切れに飛びついた。
その肉切れがタイ料理だなんて猫は知らないから、いつものようにくらい付
いた。今までに味わったことがない辛さに猫は驚いた。
いったん口に入れた肉を吐き出したが、空腹には勝てない。
その辛い肉をむしゃむしゃ食べ始めた。
食い終わると野良猫はもっと肉が欲しいというようにこっちを見ている。
もう一切れの肉を猫に与えた。今度は用心しながら肉を舐めた。
「食おうかな?どうしようかな?」と考えながら辛い肉を食い始めた。
三切れ目の肉を与えても「他に食うものがないから、これでも食うか」
という感じで肉を食っていた。食い終わると礼も言わずに立ち去った。

この時、食べ物もなく負傷した体でバンコックへ南下を続ける敗残兵のこと
を思い出した。補給が途絶えた敗残兵の食糧事情はこの野良猫と同じか
それ以下だっただろう。
辛いタイ料理を知らない、日本の敗残兵に村人は食べ物を差し出した。
腹ペコの敗残兵は夢中で辛い料理を食べた。
だが腹が満たされて来ると、辛さに気づき食べることが出来なかったのでは
ないだろうか?

野良猫と敗残兵を比較するのは失礼だし、お国の為に戦い傷ついた兵隊
さんには申し訳ないと思っていることを書いておく。
野良猫も飢餓状態の敗残兵も食い物に対する反応は似たようなものでは
ないかと感じてしまったんです。
飢餓とはどんな状態なのかを知らない者の推定ですので、ビルマ戦線で
戦った方や関係者はどうか怒らないでください。

2010/11/4

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唐辛子の色

唐辛子に白い花が咲き、青い実が生る。やがて青い実が橙色にな
る。品種にもよるのだろうが、橙色になる前に黒ずむものもある。
それがやがて真っ赤になる。俺達が食用にするのは赤か青であっ
てその中間の橙色のものは食用にしない。橙色の物だって食用に
なるが、なぜか使わない。味も香りも赤いものと同じなのだが食べ
ない。
中国からの輸入品も真っ赤な乾燥唐辛子だけを袋詰めにしている。
橙色の唐辛子は混ざっていない。輸入業者が日本人の嗜好にあ
わせたのだと思う。

日本人は唐辛子を余り食べないのに、唐辛子の色にこだわる。
唐辛子を大量に消費するタイ人は唐辛子の色にこだわらない。
日本で唐辛子を栽培しているタイ人から生唐辛子を送って貰う
と、赤から橙色、青いものまで一袋に混ざっている。
俺は色が混ざっていることが気になるが、ヌチャナートは気にし
ない。赤と青だけが混じっているのなら俺も気にしない。
橙色が気に入らないのだ。

真っ赤な乾燥唐辛子を長いこと放置しておくと、色が褪せて黄
色から白になる。

タイで乾燥唐辛子の作業をしていた。どんな作業だか思い出
せない。たぶん、唐辛子の実についている茎取りだったと思う。
俺もその作業を手伝った。
青い乾燥唐辛子があったかどうか思い出せないが、黄色の乾
燥唐辛子があった。俺は黄色くなった唐辛子は古いものだと思
って取り除いていた。タイ人はそんなことを気にしない。黄色い
唐辛子も赤い唐辛子と一緒にしている。
俺が取り除いた黄色い唐辛子をタイ人は冷ややかに笑いながら
見ている。
今、考えると黄色い乾燥唐辛子は橙色の唐辛子が乾燥したもの
だろう。
唐辛子の色にタイ人はこだわらないから、赤い唐辛子と橙色の
唐辛子を一緒に乾燥させていたのだ。

2010/10/29

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