高菜の漬物を使ったタイ料理
我々にとって漬物っていうのはご飯のおかずだ。
現代の日本の食事において、漬物は脇役的存在で主役は肉や魚
に譲っている。その漬物がタイ料理になると主役に抜擢されてしま
う。
豚のバラ肉があった。俺はこれを中華風にして食べる積りだった。
ヌチャナートは冷蔵庫をあけて豚バラ肉を見つけて、ある料理を
思い出したようだ。
「このお肉とあの漬物でトムチュートを作るわ」
俺に同意を求めている。あの漬物と言うのは高菜のことだと分
かった。俺はバラ肉を中華風にする積りだったから、返事をため
らった。
「美味しいわよ。トムチュートでいいわよね」
こっちの返事なんてどうでもいい。無理矢理トムチュートにする積
りだ。気迫に押されて「うん」と同意してしまった。
高菜と豚バラ肉のトムチュートを作り始めた。
においでいつものあの味だなと分かる。
漬物を煮るなんて発想は日本人にはない。
逆にタイ人は漬物を生で食べると言う発想がない?
漬物と言うのは保存食であって、生食するものではないとタイ人
は考えているのかもしれない。
料理が出来上がった。
俺が肉から食べるのを見て
「お野菜、食べなさいよ。体にいいのよ」なんて言う。
高菜を食うと、柔らかになっている。
漬物を煮ると、こんなにも柔らかになるのだ。
独特なにおいが漬物にあるが、そのにおいも飛んでしまう。
気が進まない料理だったが、食べ始めるとどんどん食っていた。
2011/2/22
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