ホッケに唐辛子
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生ソーセイジがあった。これは茹でる、蒸す、フライパンで焼くもの
だと俺は思い込んでいる。
ヌチャナートが冷蔵庫から生ソーセイジを取り出した。
俺はヌチャナートがこれをフライパンで焼く為に取り出したのだと
思った。油のにおいがする。見るとヌチャナートは生ソーセイジを
油で揚げていた。
そう言えばタイではホットドッグと呼んでいる安物のソーセイジを串
に刺して、油で揚げて売っている。この生ソーセイジは彼等がホット
ドッグと呼ぶソーセイジに形が似ている。ソーセイジの形を見て、
ヌチャナートはこれは油で揚げるものだと思い込んでいるようだ。
「ああ、タイ的調理法だ」俺は心の中で呟いた。
俺の考えでは生ソーセイジを油で揚げるという考えはないし、そん
な調理法を思いつかない。
習慣を変えるのは困難だ。特に食習慣を変えるのは難しい。
2011/4/16
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「これ食べて!」タイ人が手料理を持ってきてくださった。
見るとひき割り納豆だった。
「ほっ、珍しいな。タイ人が納豆を食べる?」ひき割り納豆を一瞥し
ながら思った。薦められるまま、納豆を食べようとした。
見ると納豆の中に赤いものが入っている。
「なんじゃ、この赤い物は?」よく見ると唐辛子だった。
唐辛子の他に長葱、ニンニクも入っている。
ちょっと味見すると、塩味と酸味、辛味を感じる。
納豆特有な香りはニンニク、葱の香りの影に消えている。
「ふむ、面白い味だ」
「あたしね、納豆は食べられなかったの」
「・・・・・・」さもありなん。
「こうやると納豆をたべられるのよ。これなら美味しいわ」
「・・・・・・」なるほどね。タイの味に近いかもしれない。
「唐辛子、ニンニク、長葱、レモン、醤油をいれたのよ」
「ほー、なるほどね」
生キュウリにこの納豆を乗せると美味かった。
ある民族の食品が異民族に入ると面白い食べ方、想像もしない
食べ方に変化する。これもその一例だろう。
2011/4/16
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毎日々、唐辛子を沢山使うタイ料理を食っている。
ウチには唐辛子が沢山あると誰しもが思う。俺もそう思っていた。
モロキュウを食おうとした。
先日は味噌を基本にしたペーストを作ってモロキュウを食った。
この味はヌチャナートにも好評だった。
今日は塩味でモロキュウを食おうと思った。
塩に赤唐辛子の粉つまり一味唐辛子を少々加えようと思った。
ウチの中を見回したが一味唐辛子はない。
そう言えばタイで粉唐辛子を見たことがない。
ヌチャナートに確認するとタイでは粉唐辛子は使わないという。
日本には輪切り唐辛子があるがタイにはない。
日本にはある唐辛子が唐辛子大国のタイにはないのが面白い。
ヌチャナートに言わせると粉の唐辛子なんて美味しくない。
多分、これがタイ人の標準的感じ方だろう。
2011/4/14
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食べ物と健康の関係の広告を見ているのだが、今日は食品かどう
か判断が難しい物が出てきた。今まで見続けてきた広告は例えば
「アサリは肝機能を改善する」と言った内容の物ばかりだった。
ガムは難聴に効くという広告があった。ガムは食べ物の一種だが、
飲み込むものではないから、俺が考えている食品にはあたらない。
アスパラの葉が不眠・ウツ・不安が解消するという広告があった。
これもねぇー、葉っぱは常識的な食い物じゃないよねぇー。
ハナビラタケがガンに効くという広告がまたでている。
ハナビラタケと言うのは茸なのか竹なのか気になる人は本を買っ
て確認してください。これも通常考える食品、八百屋や魚屋で買え
る食品ではなさそうなので外す。
いくら脳の薬と言ってもニチニチ草は花であって食い物じゃないか
ら調査の対象から外す。
最近、何を食うと何によいと言う広告が目に付かなくなった。
「ゆほびか」誌 2011年06月号 マキノ出版
みるみるほうれい線が消え色白に!
目尻と額の深ジワ・シミ・たるみ消失!
肌が若返る
「シナモン美顔マッサージ」
材料費一回10円!
アワビの粉末が白内障・緑内障・飛蚊症によいと書いてあるが、
これも魚屋で買えないから外そう。
「壮快」誌 2011年06月号 マイヘルス社・マキノ出版
ビールで耳鳴り解消!医師が太鼓判
耳に効く食べ物トップ5
ビールで尿の出を良くして耳の奥のリンパ液をへらせばメニエール
病、耳鳴りが改善など5本
ラーメンもケーキも可<黒茶ダイエット>で15kg 18cm 14kg
速(○囲み文字)やせたくびれた
油便がドカン
椿鬼奴さんも愛食愛用
高血圧脳卒中、ガンを未然に防ぐ!
ひざ痛も消えて正座楽々
<ゴマ>は不老長寿の秘薬だ
食べる育毛剤という記事の広告がある。髪の毛で悩む人は本を
買ってください。
ガムを噛むとメニエール病の難聴にいいと書いてある。
飲み込まないガムは通常の食い物ではないから外そう。
たしか先月の「わかさ」誌ではミントガムが花粉症にいいと書いて
あったな。
ガムを噛んでいると難聴にも花粉症にもいいらしい。
「わかさ」誌 2011年06月号 わかさ出版
うーん、この雑誌は先月号ではミントガムが花粉症によいと広告
していた。
糖尿病の人に多発する便秘が即日治った
ツヤピカ肌になったと人気のゴボウ茶
「急増中!不眠・ウツ・不安がアスパラの葉をとったら和らいだ」
という記事なんだが、アスパラの葉は通常の食い物じゃないから
外そう。
「健康365」誌 2011年06月号 ㈱エイチアンドアイ
全国150の病医院で使い認知症が大幅に改善!
家族も介護がらく
米ぬか脳活性食
●米ぬか脳活性食は認知症の発症・進行を強力に押さえ低下した
気力・集中力の回復率は高い
●米ぬか脳活性食はアルツハイマーだけでなくレビー小体型・ピッ
ク病を末期も改善
ニチニチ草で記憶力・集中力が向上させると書いてあるが、ニチ
ニチ草を食い物と認めないので外す。
ハナビラタケに抗ガン作用があるらしいが、これも八百屋などで
簡単に入手できるものではないので対象から外す。
2011/4/16
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烏賊の沖漬はヌチャナートのお気に入りだ。
こんな料理はタイにもありそうなのだが、タイにはないらしい。
海岸近くの町なら、漁師が作っているかもしれない。
流通が悪かった時代は東北部のタイには新鮮な海の魚は届か
ないのでヌチャナートは知らないだけの話かな?
しかしこれは漬け物だからそんなに簡単には腐らないから流通し
ていてもおかしくない。やはり沖漬を作る食習慣がタイにはない
のだろう。
俺たちは烏賊の沖漬を切ってそのまま食べる完成された食品と
見ている。タイ人は沖漬を塩辛、熟れ寿司の一種、つまり素材と
見るのでこのままでは食べない。必ず手を加えて食べる。
手を加えると言っても熱を加えることはない。
写真のように香草を加えて混ぜ合わせるだけだが、こうすること
で味わいが深まると考えている。
味見すればわかるけど、こういう食べ方も美味しいもんだよ。
沖漬を作る日本の漁師さんから見ると、美味しい沖漬の味をわざ
わざ壊して食べていると見るだろうな。
2011/4/13
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「パッカパオを作るわね」
「何のパッカパオだい?」
「これよ」出された物はモンゴイカだった。
モンゴイカのパッカパオなんて今まで食べたことがない。
俺は魚が苦手なんだが、これも美味そうな気がする。
魚が苦手な理由はない。なんとなく食べないだけだ。
焼魚はそれほどでもないが、煮魚は余り好まない。
煮魚を食べないわけではないが、焼魚の方が好きだ。
パッカパオは炒め物だから焼魚と煮魚の中間くらいかな?
パッカパオは食べる人は美味しいと喜ぶが作る人は大変だ。
これを作っていると、唐辛子の煙が立ち込めるので真冬でも家
じゅうを開放しなくてはいけない。
近所迷惑な料理だ。ご近所さん、ごめんなさい。
今日のパッカパオには茗荷が入っている。
茗荷をこんな風に使うのはウチだけだろうな。
名前を知らないからヌチャナートは茗荷のことを日本の野菜と呼
んでいる。
「日本の野菜、美味しいわ。これ名前はなんて言うの?」
「茗荷だよ」
野菜やモンゴイカから出てきた汁を味見する。
旨味が詰まった味だが、イカを煮た時にでるにおいがする。
俺はイカを煮た時のにおいが苦手なんだ。
ヌチャナートは「汁が美味しいから、ご飯にかけて食べなさいよ」
と言う。でも俺は汁をかけない。
イカを取って食べる。適度な辛味と香りがあってうまい。
モンゴイカのシコシコした感触がいい。
いつも肉のパッカパオばかりだったが、モンゴイカのパッカパオ
も良いもんだ。
うーん、モンゴイカを使った立派なタイ料理だな。
2011/4/12
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平均的日本人は鶏の足は食い物ではないと思っている。
俺も鶏の足なんて食う物ではないと思っていた。
しかし広い世界ではその鶏の足を食べる民族が多い。
世の中には食べられる物が沢山ある。その中で俺達が食べ物と
認めている物だけが正統派の食べ物なんだ。俺達が食べ物と認
めていない鶏の足や蛙はゲテモノとして蔑む傾向があるんだな。
俺達が正統と認めている物でも、外国から見たらゲテモノなんて
物もある。
真っ赤な鯛を俺達は正統派の食い物と認めているが、あんな赤い
魚は気持ちが悪いと考える国もある。正統な食い物かゲテモノか
は各民族の偏見で決まるもんだ。
日本でも一部の人々は鶏の足を食べるあるいは利用している。
その形が紅葉に似ているので鶏の足を隠語でモミジと称している。
多くの日本人は鶏の足を出されると、それは食い物ではないと考
えるから気持ち悪がる。俺も最初は鶏の足を食うのが嫌だった。
コラーゲンが多いので口の中がぐしゃぐしゃするのが嫌だった。
食べにくいから手で食べると手がべとべとになる。それも嫌だった。
唐辛子の辛いソースと一緒に鶏の足を食べ続けていると、だんだ
ん鶏の足が好きになってきた。
今は鶏の足は美味いと思うようになっている。
鶏の足をゲテモノと見ている人は出された鶏の足の形をよく見てい
ない。これを料理するには前処理がいる。
まずは爪を切り落とさなくてはいけない。
これも面倒な作業だ。簡単な作業だが数が多いから大変だ。
次に人間で言えば掌にあたる黒い部分を切り取る。
鶏の足に黒い物があるなんて気づいた人はいないだろうな。
そのような繊細な処理をしてから出されるのを知らないだろう。
ブッチ切った鶏の足をそのまま料理したのではない。
どんな料理にもそれなりの苦労と工夫が施されている。
だから出された料理は感謝して食わなくてはいけないとつくづく思う。
タイの仏教は肉食を禁止していないから、タイ人は動物の食べら
れる部分は全て食べてしまう。肉食文化が根付いているタイと違
って日本は動物のほんの一部しか食べない。
文明開化以降に肉を食べ始めた日本人が鶏の足を正統派の食
べ物と認めるようになるまでにあと百年はかかるかな?
それとも有名タレントが鶏の足を「美味い、グルメだ!」と言えば
明日から正統派の食べ物になってしまうかもしれない?
2011/4/11
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俺達日本人がタイ料理で一番最初に気づき嫌になる香草はパク
チーだ。パクチーとタイ語で言うと嫌な香草となるが、これがコリア
ンダーという香草と同じだと知ると見直す人がいるので笑っちゃう。
名前で評価が変わっちゃうのだ。
俺達がタイで普通に出会うパクチーというのはコリアンダーのこ
とだが、タイ語でパクチーというのは芹科の植物の総称だ。
セロリもパセリもタイ語ではパクチーだ。
日本で普通に見られる芹もタイ語ではパクチーの一種と見てい
る。芹は水辺に生えるので、水辺の芹という意味でパクチーナ
ムと言っている。
芹はアクの強い野菜と日本人は見る。
それでさっと茹でてアクを抜いてから食用にする。
普段からアクの強いパクチーを食べているので、芹の持つアクな
んてタイ人は気にしない。芹を生のまま、ドレッシングもつけない
でそのまま食べている。俺達がキュウリをモロキュウと言って丸齧
りするように、芹を生で食べている。
食習慣、食文化の違いだ。どっちがいいとか悪いとか、どっちが
上等な食べ方と言う問題ではない。
俺も芹を生で食って見た。普段からいろいろな香草が沢山入っ
た料理を食っているので、芹が持つアク、強い香りも全く気にな
らない。
「芹も生で食えるんだ。けっこう美味いんじゃないの」
なんて感じている。俺もタイ料理ボケになっている証拠だ。
2011/4/10
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これもタイカレーなんだが、完全な物ではない。
必要な香草の全てが手に入らなかったからだ。
まあ、タイカレーまがいと言っておこう。
安い肉をぐつぐつ煮て柔らかにした物を使っている。
最近、流行っているエコクッキングで煮込んだ。
つまり、長時間煮込むのではなくて、一度煮立ったなら火を止め
て余熱で煮込む。それを繰り返す方法だ。
苦瓜を入れたので、ちょっと苦い。
この苦味をタイ人は美味しいと言うのだ。
たしかにちょっと苦いが、それほど気にならない。
むしろ苦瓜を煮込むとこんな味になるのかという興味が強い。
俺達日本人にはこれでも立派なタイカレーの味なんだが、タイ人
には物足りない味らしいのでタイカレーまがいなんだ。
2011/4/10
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ジャックフルーツという枕型のスイカのような形をした果物を知って
るかな?スイカのように大きな果物が枝ではなくて木の幹から垂れ
下がっている。初めてジャックフルーツを見る人はその奇妙な光景
に驚く。完熟したジャックフルーツは甘くて美味しいんで生食する。
まだ甘くならない未熟の果実は料理に使う。
俺には完熟と未熟の見分けがつかない。
完熟した甘い物だと思って、大きなジャックフルーツを買って帰った。
隣人がそれを見て「ちょっと頂戴よ」と言う。
切り取って帰った隣人がシチュウを作ってくれた。美味しいシチュウ
なので驚いた。それ以来ジャックフルーツのシチュウは大好きな料
理になっている。
今日は何もないので缶詰のジャックフルーツを取り出した。
「これでいい?」イヤダと言ってもこれしかない。
缶詰だからジャックフルーツが黒ずんでいる。見かけが悪いが味
はいい。
これを食いながらふと思った。
今この時、カレーライスを食べている日本人は何万人といるはず
だ。日本人はジャックフルーツの料理なんて考えてもいない。
おそらくこんな料理を食べているのはこの広い日本で俺一人だろ
う。そんなことを考えながら味わっていた。
2011/4/6
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何を作るのか知らないが、「お肉はこれだけでいい?」と聞かれた。
肉をちらっとみて「ああいいよ」と答えた。
炒め物でもつくるのだろうと想像していた。
出てきたものは卵焼きだ。見慣れないものが入っている。
「なんだこれ?」よく見るとそれはわかめらしい。
「これ、わかめかい?」
「そうよ。体にいいのよ」
涼しい顔で答えている。卵焼きにわかめねぇー・・・・・。?
これはヌチャナートの創作料理だ。こんな卵焼きはタイにはない。
これを作っている時のヌチャナートは何かにイライラしていた。
卵焼きを味見するといつもとは違う。塩味が足りない。
料理を作る時の心理が味に影響しているのだ。面白い物だ。
ナムプリックのナンプラをスプーンですくって卵焼きにかけなが
ら食べていた。
「塩味が足りなかったかしら?」ああ、やっぱりわかっていたのだ。
俺がナンプラをかけながら食べるのを見て「アタマいいねぇー」
なんて言っていた。
2011/4/6
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駅ビルの中に入っているタイ料理店を覗いた。
屋台や日本人の感覚では小汚い店で100円ほどで食べられる料理
に1000円以上の値段がついている。テナント料・人件費などを考え
ればそのくらいの料金設定にしないとやっていけない。
それは理解できるのだが、どの料理も盛り付けが少ない。
辛い料理をタイ人が食べる一人前量に盛り付けても日本人は食い
きれないで残す。残されても店としては困る。
それで辛い料理の盛り付けは少なめにする。その配慮は理解でき
るが、辛くもない料理も盛り付けが少ないのはちょっと理解できない。
なんて感じながら家に戻った。
今日はこんな鶏肉のタイ風煮込料理がでた。
これって典型的なタイの家庭料理だ。
このような料理はタイ料理店のウインドウには並んでいない。
一般的な日本人はこんな料理に馴染みがない。
馴染みがない料理は注文しないから店もださない。
たまにタイ人が来て、こんな料理を注文するかもしれないな。
トムヤンクンとカオパットだけがタイ料理じゃないんだ。
奥深い物がタイ料理にはあるが、そこに入っていくには高くて厚
い唐辛子の壁がある。
まだまだ未熟者でございます。
2011/4/5
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我々日本人にとって唐辛子は"辛い物”という範疇で一纏めにされ
ている。その唐辛子が生、乾燥、粉であれそれほど大きな差はな
い。唐辛子を多用するタイ人にとって、生の唐辛子は乾燥物とは
別物なんだ。用途によって生の唐辛子と乾燥唐辛子を使い分けて
いる。「えっ!」と驚くかもしれないが唐辛子に対するタイ人の味覚
は日本人よりも繊細なのだ。
一例をあげれば、アメリカでよく売られているタバスコソースのよう
なチリソースはタイ人のお好みではない。俺にはアメリカのチリソ
ースの味は好ましい味なんだけどな・・・・・。
毎日、唐辛子が入った料理や唐辛子ソースで飯を食っている。
何かを食っている時、ふとアメリカのチリソースの味を思い出した。
思い出すと食いたくなる。それでアメリカのチリソースを買ってきた。
俺にもこの料理にはアメリカのチリソースが合うなんて言う唐辛子
に対する好みが芽生えてきている。
日本人にとってはアメリカのチリソースであれ、タイの主婦が作る
唐辛子ソースであれ、どちらも辛いから同じようなものだ。両者を
比べて、香りや味が違うのは分かるが、辛さで舞い上がりどっち
が美味いかなんて感じるゆとりもない。
俺達にとってタイ料理は辛くてどれもこれも同じ味となってしまう
が、タイ人から見ればそれらは全て異なる味なのだ。
辛ければ、唐辛子ならなんでも良いと思ったら大間違いだ。
この料理にはこの唐辛子とタイ人は唐辛子をちゃんと使い分けて
いる。唐辛子の味や香りの微妙な差を俺達は感じ取れないけど、
タイ人はそれを感じ、その違いを楽しんでいる。
辛ければなんでもいい、唐辛子ならなんでもいいと言うわけには
いかないのがわかってもらえるかな?
2011/4/3
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骨付きの鶏モモのぶつ切りがあった。
この素材をどう調理するか?
俺達が直ぐに思いつく料理はパン粉をつけてフライにする料理だ。
タイにもパン粉をつけてフライにする料理があるが、それは伝統的
な料理ではなく近年になって普及した料理だ。一番良くタイ人に親
しまれているフライはケンタッキーの鶏フライだ。
何かを串に刺しパン粉をつけた揚物は道端の屋台などで売ってい
る。B級グルメ食品と言う位置づけだろうな。
家庭料理としてタイ人はフライをだすことは滅多にない。
パン粉をもっているタイの家庭なんて少ないと思う。
この骨付きの鶏モモ肉をどうするのか興味があった。
ベランダに植えた香草を採ってきた。
臼で調味料を混ぜながら叩き潰している。
ポクポクと臼を叩く音が響く。
ご近所さん、この騒音を許してください。
これがないとタイ料理は作れないのです。
辛さはタイ人が普通の辛さと思う程度にしてもらった。
鶏の油がギトギトと浮いているシチュウがでてきた。
辛味があり、香草の香りがする。
スプーンで一口食べると、美味さが後を引く。
美味いと思って食っている姿は、見ていてわかる。
ヌチャナートは俺が食う姿を見て笑っている。
「サミイはこれが気に入ったみたいね。美味しい?」
「うん、美味しいよ」
それほど空腹ではなかったのに夢中で食っていた。
そんな自分の姿を我ながらおかしいと思っていた。
2011/4/4
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今日はタマネギと健康に関する広告が多いな。
ちょうど一月前に、例として”タマネギを食って疲れ知らずなんて広
告が少なくなった”と書いたからだろうか?
相変わらずアカシアポリフェノール、レシチンなどがなになにに効
果があるという広告があるな。このような広告は食べ物、つまり魚
屋や八百屋で気軽に買えるものではないので、調査の対象から外す。
「夢21」誌 2011年5月号 わかさ出版
水は日本では一番安価な食べ物だ。水が認知症に効果がある
と書いてある。
認知症の進行を防いで妄想や幻覚など症状が改善する簡単な
秘策は便秘の解消と水分補給
キクイモなんて八百屋で売っていないが、周辺の原っぱに生えて
いるから食べ物としよう。
糖尿病の人はアルツハイマーを高率で招くため血糖減らしが急
務で妙薬は腰落としとキクイモ
「安心」誌 2011年5月号 マキノ出版社
完全保存版
タマネギで糖尿病を直す!
効いた治った実例満載
血糖値ばかりか血圧、コレステロール値も下がった!
○酢玉ネギ ○タマネギスープ ○タマネギ皮茶 ○タマネギジュ
ース ○タマネギみそ汁○タマネギワイン ○タマネギスライス
○タマネギ納豆 ○タマネギドレッシング
メタボ撃退!ショウガココア
代謝アップ! 高血圧、便秘、膀胱炎、不眠が解決!
パニック傷害、うつも解消!
広告を見てショウガココアというのはココアに生姜をいれたもの
と俺は解釈している。
本当のことを知りたい人は本を買ってくださいね。
「はつらつ元気」誌 2011年5月号 芸文社
血糖値 ヘモグロビンA1C 驚きの改善!
薬とインスリン注射から解放された!
「お酢」があれば糖尿病を克服できる!!
医師も食べてる「酢玉ネギ」
口渇 だるさしびれ 眼底出血、歯周病など!
合併症を寸前回避!
残便感なし! 7Kg楽(○囲み)やせて顔・頭皮の吹き出物が治った!
腹やせる!! 冷え高血圧解消し肌すべすべ
らくらく速効 米糠毒だし快便術
芸文社からだされている、こんな単行本の広告があった。
「タマネギで糖尿病を治す本」
高血糖がするする落ちて正常値に!
クスリ以上に効いたと大評判!
タマネギがズバリ効く!
利用術一挙大公開!
かんたん!すぐできる!タマネギ料理レシピ満載!
糖尿病やメタボなど気になる方へ朗報!
糖を効率よく消費し、インスリンを分泌、血液サラサラ、脂肪も燃
える万能野菜!!
2011/4/2
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日本ではティラピアという名前の淡水の養殖魚をいずみ鯛と称し
て刺身にして食べている。色も綺麗で美味しい刺身だ。
今、タイでは寿司・刺身がブームになっている。
大手企業が回転寿司を始めるだけでなく、青空市場でも寿司を
売っている。海岸から離れた地域では新鮮な海の魚が手に入り
にくいのがタイの現状だ。流通の何処かでコールドチェーンが切
れており、魚の温度が上がり鮮度に疑問ができる。
だから、タイで生魚を食べるのは危険だと俺は思っている。
タイではティラピアなら身近の養殖場から手に入る。
そんな所から持ってきたティラピアは新鮮だから刺身にして食
べることができそうだ。
でもタイに住む淡水の魚介類には寄生虫がおり、人間に入り
込むことがある。
その危険性を考えてティラピアを刺身にしないのかな?
それとも刺身という発想がないのかな?
寿司、刺身を食えるのはタイの富裕層だ。
富裕層は欲しい食材は輸入すればいいと思っている?
貧困層は刺身を知らないから、ティラピアを刺身にしようなんて発
想が浮かばないのかもしれない。
ティラピアには寄生虫がいないから安全だと確認されるとティラ
ピアの刺身が旅行者の間でタイ名物になるかもしれない。
その可能性もあるが、その前にタイ人に徹底的な衛生教育をし
ないといけない。手の洗い方から俎板、包丁の洗浄、温度管理
まで教え込まないと刺身は危険な料理になる。
俺が見た青空市場の寿司屋では使い捨ての手袋をして巻き寿
司を作っていた。
一部には衛生教育が浸透しているのだと俺は見た。
2011/3/30
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このブログの中にある”タイにはない料理”という記事を読んで下
さった方から、ここに書いてある料理は「ヤッツケ炒め物の類」で
は無いかというコメントを戴きました。
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-4f82.html
「ヤッツケ炒め物」と言うのは、お母様が手じかにある野菜を集め
て野菜炒めにしてくださった料理で、それはそれで美味しいとのこ
とです。きっと料理がお上手なお母様なのだと思います。
そうなんです、”タイにはない料理”という記事に書いてある料理
もヤッツケ料理なんです。
ウチの料理の場合、基本的にヤッツケ料理の繰り返しです。
例えばトムカーガイが食べたいからと言って、必要な食材を集め
て調理することはありません。冷蔵庫、保存食などを見て、その
時ある食材で臨機応変にその時の気分で料理を作ってしまうの
ですから、ヤッツケ料理なんです。
ヤッツケ料理と言うと手抜き料理で不味そうな感じがします。
それは誤解でして、ヤッツケ料理ってたいてい美味しい料理なん
です。料理のコツを知っている人だけが作れるのがヤッツケ料理
なんです。
ヤッツケ料理の場合、肉、魚、野菜の量のバランスが取れない
ことがありますね。
「これっぽっち、肉を残してもしょうがない」と言って、日本の主
婦は肉を使い切ってしまいます。ヌチャナートは
「そんなに肉を入れたら美味しくない」と言って野菜の量に見合
った量の肉を使います。ほんのちょっぴり残った肉は次のヤッ
ツケ料理に使います。
もしウチの料理が正統派のタイの家庭料理だと思われていた方
はこれを読んでがっかりされたでしょう。ごめんなさい。
これが食材を無駄にしないで、何でも美味しくしちゃえと母から娘
に伝えられたタイの家庭料理なんです。
食べられる物はなんでも美味しく食べちゃうヤッツケ料理が家庭
料理の基本ではないでしょうか?
タイ庶民の食生活を知っておられる方は、ウチの料理は珍しいと
感じるはずです。それと言いますのも、食べ物を売る店がそこら
じゅうにありますので、タイ人は自分で料理を作りません。
タイ料理を作れないタイ人が大勢いても不思議ではないことを頭
に入れてください。
多くのタイ人にとって食事と言うのは店へ行って自分が食べたい
一回分の料理を買って来て食べることです。物が腐りやすい熱帯
ですから、朝、買った物を夜に食べるのは危険です。
だから、買い置きはせず一回分しか買いません。
店と言っても田舎では廃材で作った台の上に鍋を並べているだけ
が普通です。旅行者はそれが料理店なのだと気づかないでしょう。
「買い食いの食文化」の中では、食べ残しはあっても余り物の食材
はないので、ヤッツケ料理はありません。
その一方で料理作りが好きと言うタイ人は余った野菜、肉や魚を
使って美味しい「ヤッツケ料理」を作っちゃいます。これは日本の
主婦にもあてはまると思います。
2011/3/31
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