ヤッツケ炒め物
このブログの中にある”タイにはない料理”という記事を読んで下
さった方から、ここに書いてある料理は「ヤッツケ炒め物の類」で
は無いかというコメントを戴きました。
http://krungthep.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-4f82.html
「ヤッツケ炒め物」と言うのは、お母様が手じかにある野菜を集め
て野菜炒めにしてくださった料理で、それはそれで美味しいとのこ
とです。きっと料理がお上手なお母様なのだと思います。
そうなんです、”タイにはない料理”という記事に書いてある料理
もヤッツケ料理なんです。
ウチの料理の場合、基本的にヤッツケ料理の繰り返しです。
例えばトムカーガイが食べたいからと言って、必要な食材を集め
て調理することはありません。冷蔵庫、保存食などを見て、その
時ある食材で臨機応変にその時の気分で料理を作ってしまうの
ですから、ヤッツケ料理なんです。
ヤッツケ料理と言うと手抜き料理で不味そうな感じがします。
それは誤解でして、ヤッツケ料理ってたいてい美味しい料理なん
です。料理のコツを知っている人だけが作れるのがヤッツケ料理
なんです。
ヤッツケ料理の場合、肉、魚、野菜の量のバランスが取れない
ことがありますね。
「これっぽっち、肉を残してもしょうがない」と言って、日本の主
婦は肉を使い切ってしまいます。ヌチャナートは
「そんなに肉を入れたら美味しくない」と言って野菜の量に見合
った量の肉を使います。ほんのちょっぴり残った肉は次のヤッ
ツケ料理に使います。
もしウチの料理が正統派のタイの家庭料理だと思われていた方
はこれを読んでがっかりされたでしょう。ごめんなさい。
これが食材を無駄にしないで、何でも美味しくしちゃえと母から娘
に伝えられたタイの家庭料理なんです。
食べられる物はなんでも美味しく食べちゃうヤッツケ料理が家庭
料理の基本ではないでしょうか?
タイ庶民の食生活を知っておられる方は、ウチの料理は珍しいと
感じるはずです。それと言いますのも、食べ物を売る店がそこら
じゅうにありますので、タイ人は自分で料理を作りません。
タイ料理を作れないタイ人が大勢いても不思議ではないことを頭
に入れてください。
多くのタイ人にとって食事と言うのは店へ行って自分が食べたい
一回分の料理を買って来て食べることです。物が腐りやすい熱帯
ですから、朝、買った物を夜に食べるのは危険です。
だから、買い置きはせず一回分しか買いません。
店と言っても田舎では廃材で作った台の上に鍋を並べているだけ
が普通です。旅行者はそれが料理店なのだと気づかないでしょう。
「買い食いの食文化」の中では、食べ残しはあっても余り物の食材
はないので、ヤッツケ料理はありません。
その一方で料理作りが好きと言うタイ人は余った野菜、肉や魚を
使って美味しい「ヤッツケ料理」を作っちゃいます。これは日本の
主婦にもあてはまると思います。
2011/3/31
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