副葬品屋
町を歩いていたら紙で作った豪邸の模型や自動車があった。
子供の玩具にしてはおかしい。
一体、この店は何を扱っているのだろう?
店の中を覗きながら考えていた。
俺が不思議そうに店内を見ているので店主らしき女が笑いながら
話しかけてきた。
「これは葬式に使う物ですか?」
「ええ、そうですよ」
おそらく中国系タイ人の葬式に使う物だろう。
あの世で困らないように生活用品いっさいとかお金などを入れる。
お金を入れてもあの世もインフレで、
「これっぽっちの金じゃ足りない。もっと金をくれ!」
とこの世に戻ってきたら困るな。
葬式と言えばこんな記事を読んだことがある。
棺桶に本物の現行通貨を入れる人がいる。
あるタイの隠亡さんは遺体を荼毘にふす前にお金を抜き取って
家の壁に貼り付けている。
貼り付ける場所がなくなると、その金を慈善団体に寄付する。
「そんなにも大量の現金を壁に貼っておいて大丈夫ですか?」
「このお金を盗む人なんてありませんよ」と隠亡さんは笑う。
こんな話だった。
2011/5/9
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